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平安時代のシンデレラ物語とも言われる古典文学「落窪物語」を今風京言葉でお届け。美しい姫、男らしい少将、溌溂とした侍女阿漕…いきいきとした平安の若者たちが古典文学を身近に感じさせてくれます。

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2008/04/01

現代若者京ことば訳「落窪物語」

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■  落  ■           ■ 現代若者京ことば訳 ■ ■
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■  窪  ■   ■ ■  落 窪 物 語  ■ ■     ■
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■  物  ■       ■   74   ■         ■
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■  語  ■              ■ 訳/綾大 鈴 ■ ■
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■■■ 前回のあらすじ
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    阿漕の機転で典薬助(北の方の叔父で、お爺さんの年齢)
   は温石を取りに部屋を離れた。
    閉じ込められていた落窪の君と阿漕は、ようやく二人きり
   になる。

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■■■  現代若者京ことば訳「落窪物語」巻之二 6−1   ■■■
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  「この何年かのひどいことの中でも、今度のことは情けないしひどい

  ことやわ。どうしはりますか。

   前世で何の罪があって、こんな目に遭わはるのやろ。ほんまに北の

  方は、何に生まれかわろ思てこんなことをしやはるのやろ」

  て阿漕が言うと、姫君は、

  「なんにも考えられへん。今まで死んでへんことがいやや」

  て、

  「ほんまに気分悪いの。あのお爺さんが近くに来るのが、ほんまに嫌

  やの。その引き戸を開かへんようにして、入られへんようにして」

  て言わはる。

  「そんなことしたら典薬助が腹立ててしまうでしょ。そしたら北の方

  に告げ口されてしまう。やっぱりここは上手になだめとかはらんと。

   頼りにできる人がいはるんやったら、今夜は立てこもって、明日に

  なったらその人に頼もて思えはるのやろけど。

   少将さんは嘆き哀しんではるけど、どうしよもあらへんし。

   今はこの近くに寄ることも難しいんです。

   お心のうちで神仏に祈っとかはるしかあらへんのです」

   姫君はほんまに頼りにする人もあらへん。姉妹や言うても北の方の

  娘たちとは互いに想い合うような仲やあらへんし、誰かを頼りにする

  やなんて考えることもできひん。

   ただ頼りにできること言うたら、涙と阿漕だけが心にかなうもの。

   しかも今夜は、そのふたつが揃ってる。

   二人して泣いてるうちに、典薬助が温石を布で包んで持って来た。

   困りながらその手で受けとる心地は、どんなに恐ろしくてつらいも

  のやろ。

  

  

  


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■■■ おすすめ本
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      文学全集はさすがに持ち歩けませんが、これならば通勤通学の
     電車の中でも楽しめます。
      本文と現代語訳が別ページに載っているので、ぜひ本文で楽し
     んでみてください。



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