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平安時代のシンデレラ物語とも言われる古典文学「落窪物語」を今風京言葉でお届け。美しい姫、男らしい少将、溌溂とした侍女阿漕…いきいきとした平安の若者たちが古典文学を身近に感じさせてくれます。

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2003/04/05

現代若者京ことば訳「落窪物語」


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■  落  ■           ■ 現代若者京ことば訳 ■ ■
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■  窪  ■   ■ ■  落 窪 物 語  ■ ■     ■
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■  物  ■       ■   61   ■         ■
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■  語  ■              ■ 訳/綾大 鈴 ■ ■
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■■■  現代若者京ことば訳「落窪物語」巻之一 43−2  ■■■
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   姫君の返事を伝えると、少将はすごく哀しくて、想いが募って、

  激しく泣いて、直衣の袖を顔に押し当てて座ってはると、阿漕は

  ほんまにかわいそうやと思った。

   少将はちょっと躊躇って、

  「もう一度姫君に伝えてほしい。

  

  『私の姫君、これ以上言うことはできませんけど、

  

  あふことの難くなりぬと聞く宵は明日をも待つべき心こそせね

  (逢うことができひんようになったと聞いた夜は、生きた心地が

  しいひんくて、明日を待つ気持ちにもなれません)

  

  やなんて、私は思ったり、言うたりなんかしません』

  

  て言わはった。



   阿漕がまた姫君のところに向う途中で、思いがけず物音がして

  しもた。

   北の方はふと目覚めて「この部屋の向こうで誰かの足音するん

  は何でや」て言わはった。

   少将からの伝言を姫君に伝えた阿漕は、泣きながら「はよ帰ら

  なあきません」て言うと、姫君は、

  「私の方も伝えて

  短しと人の心を疑ひしわが心こそまづは消えけれ

  (短いやなんてあなたの心を疑った私の心の方こそ、最初に消え

  てなくなるんです)」

  て言わはった。

   そやけど急いで帰った阿漕には聞こえへんかった。

  

  「北の方が目を覚まさはって声を出さはったから、十分にお返事

  を聞いてくることができませんでした」

  て言うと、少将は、今すぐにでも押し入って、北の方を打ち殺し

  てしまいたい、て思わはった。

   誰もが嘆き明かした夜が明けて、邸を出て行こうとしはった少

  将は、

  「姫君を連れ出す機会があったら教えてくれ。どんな苦しんでは

  るやろ」

  て、しっかりと言い残していかはった。

   帯刀は、姫君と密通してるやなんて恥ずかしい北の方の嘘が、

  きっともう中納言の耳にも入ったやろから、この邸にいるんも都

  合悪いし、少将の牛車の後ろに乗って帰った。

  

  


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■■■ 後記 
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  「今すぐにでも押し入って、北の方を打ち殺してしまいたい」

    ここまで思ってしまう男主人公・道頼。

    平安文学はなよなよした登場人物ばかりだと思っている
   人には衝撃的な部分かもしれませんね。
    でも教科書に載せるには教育上よろしくない気もします。

    

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