2009/12/04
能楽入門
◆◇ 能楽入門[知っておきたい能の話]◇◆ 2009 師走 vol.107(マガジンID:0000049577) ------------------------------------------------------------------------ 日本の伝統芸能「能」について、基本的な解説と雑学を交えて気楽に学んで いただく入門編です。 ======================================================================== もくじ ------------------------------------------------------------------------ ◆◇シテは演出家 ◆◇能公演情報 ◆◇編集後記 ======================================================================== ◆◇シテは演出家?! ------------------------------------------------------------------------ 能の主役であるシテは「役者」であると同時に「演出家」「スタイリスト」も 兼ねていることはあまり知られていません。 シテを勤める人は役が決まるとまず「演出」を考えますが、それに一番影響を 与えるのが「能面」です。例えば「羽衣(はごろも)」の場合は「小面(こおも て)」=可憐な少女、「若女(わかおんな)」=年頃の美女、「増女(ぞうおん な)」=妖艶なお姉様、「深井(ふかい)」=美人の熟女のようなイメージがあ ります(笑) 自分がシテを主役に映画を撮るつもりで主演女優を決めるわけですが、あまり 自分自身とかけ離れたキャラを選ぶと、師匠に稽古を見て貰ったときに苦労しま す。型は変わらないので謡の声や節回しで表現しますから、地声が高いのに地味 な面を選んだり、逆に調子が低いのに派手な面を選んだりすると、直前の申し合 わせ(リハーサル)で思いきりダメ出しがでます・・・ また、能面に連動して装束も替わってきます。朱の強い装束や時代のついたく すんだ朱色は面を選びます。それに合わせて長絹の色目や柄も決まってくるので す。襟は小面ならば「白・赤」、若女や増女は「白・白」が一般的です。 逆に腰帯や鬘帯が先に決まっていて、それに連動する場合もあります。季節感 の強い曲ですと桜や紅葉の腰帯が優先的に決まって、その色目に合わせて唐織り や長絹の色が決まるという具合です。御大家でしたら殆どの物が揃っているので 迷うことも無いでしょうが・・・ 面や装束が替わると曲全体のイメージも大きく変わります。特に本三番物と呼 ばれる曲。「野宮(ののみや)」や「井筒(いづつ)」では軽めの演出と重めの 演出では上演時間が30分くらい違ってきます。シテが一寸しっかりするとワキも 地謡もそれに合わせてしっかりしますから、その場ではたいした違いと感じなく ても積もって大きな差となります。 鬼畜物でも「法被(はっぴ)」と「狩衣(かりぎぬ)」でシテの雰囲気は大き く違います。狩衣を着ると豪快でスケールの大きいイメージ、法被を着ると歯切 れの良いシャープなイメージになります。 このように、シテは色々な要素を考慮しながら自分のイメージで曲を創り上げ ていくわけですが、実際には前後の曲で着た装束を続けて使うわけにはいきませ んし、色々な制約の中で工夫をしており、お客様から「またあの装束を使ってい る」と言われないように気をつけてもいるわけです。本当は毎回その曲に合わせ て新調できれば最高なんですが! (文責 中森貫太) ======================================================================== ◆◇能公演情報:鎌倉能舞台(0467-22-5557) http://www.nohbutai.com/ ------------------------------------------------------------------------ ◇「県民のための能を知る会 鎌倉公演」 日時:平成22年1月9日(土)午前10時始め、午後2時始め 場所:鎌倉能舞台 -番組- 講演 平 盛久 尾島 政雄 狂言 鐘の音(かねのね)高野 和憲 能 盛久(もりひさ) (朝)中森 貫太 (昼)観世 喜正 [盛久」平家の公達平盛久は捕らえられ鎌倉に護送され、土屋三郎の館に監禁さ れる。頼朝から処刑を言い渡された盛久は、日頃信心する観音経を読み、最後の 時を待つ。しかし処刑の瞬間不思議な光が閃き、太刀は折れ、処刑は中止される。 盛久は頼朝の御前で清水の観世音の霊夢を語り、同じ夢を見た頼朝は観音経の功 徳を信じ、盛久を許す。鎌倉を舞台とするご当地曲です。 ※ 午前・午後とも、空席あります。 ------------------------------------------------------------------------ ◇「県民のための能を知る会 横浜公演」 日時:平成22年3月10日(水)午後2時始め 場所:横浜能楽堂 -番組- 講演 義経暗殺 尾島 政雄 狂言 文相撲(ふみずもう) 山本 則直 他 能 正尊(しょうぞん) 中森 貫太 他 [正尊]義経と仲違いした頼朝は義経を暗殺すべく土佐正尊を刺客として都に送 り込む。それを察知した弁慶は機先を制し、正尊を義経の前に呼びつけ、都に来 た目的を問い詰める。正尊はあくまで宮詣と言い張り、討手では無いことを起請 文に書き付け、神仏に誓い退出する。その夜、兵を引き連れ正尊は義経に襲いか かるが、弁慶らに待ち伏せされ、正尊は捕らえられる。起請文を読む部分が重い 習いとなっている、人数物の、芝居がかって面白い曲です。 ※ 指定席・自由席とも空席あります。 ======================================================================== ◆◇後記 ------------------------------------------------------------------------ ◇ 文化への国の助成◆◇ 鎌倉能舞台が承って実施している「本物の舞台芸術体験事業」も、今回の行政仕 分けの対象となっています。 文化・科学への予算の削減に関して、科学関係からはたくさんの意見が文化庁へ 送られているそうですが、文化関係は非常に意見が少ないのだそうです。このま までは、文化への予算が削減、もしくは廃止となってしまいます。 文化は日本の無形遺産です。しかし、国からの援助が無ければ次代へ受け継いで いけない・・・ 「全ての子ども達に能狂言鑑賞の場を」という私たちの悲願を、ここで断ち切っ て欲しく無いと心から願います。 全ての日本の子どもたちに、義務教育の間に一度は能狂言を鑑賞する機会を作っ て欲しい。それを全国規模で拡大して欲しいと思っているのに、逆に削減もしく は廃止など、とてもとても悲しいことです。 ぜひ、皆様からも文化庁宛にご意見をお送りくださいませ。 ~芸団協からのメール~ 文部科学省で行っている、事業仕分けについての意見募集の締切(12月15日)が 近づいてきました。 しかし、文化庁に確認いたしましたところ、話題となりました「スーパーコンピ ュー ター」は一万件を超える反応がありましたが、残念ながら文化関係の意見 はあまり上がらず、「本物の舞台芸術体験事業」についての意見は、非常に少な い状況です。 現段階では、本事業は「予算要求の縮減(圧倒的な縮減)」の対象となっており、 廃止という意見も上がっております。 〔文部科学省ウェブサイト〕 事業についての評価コメント http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov11kekka/3-4.pdf 制作団体のみなさまからのご意見はもちろん、ぜひ学校から意見を提出していた だけるよう、働きかけをお願いいたします。 ご意見のご提出先は下記となります。 中川様 後藤様 宛 nak-got@mext.go.jp ※様式自由、必ず「件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入してください。 事業番号:4 事業名:文化関係1-独立行政法人日本芸術文化振興会 子どものための優れた 舞台芸術体験事業 (旧「本物の舞台芸術体験事業」) 〔文部科学省ウェブサイト〕 行政刷新会議事業仕分け対象事業についての意見 募集 http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm ~ここまで~ どうか、よろしくお願いいたします。 ------------------------------------------------------------------------ ◇ 平成22年度 鎌倉能舞台主催公演 仮番組について◆◇ 平成22年度仮番組ページのリンクを「お能を見せますぞえ」のブログと鎌倉能舞 台HPの事務局便りにアップしました。これから印刷した年間スケジュールを作成 すると共に、能舞台HPにも表にしてアップしたいと思います。 仮番組 http://www.nohbutai.com/contents/20/2/page001.htm http://www.nohbutai.com/contents/20/2/page002.htm ------------------------------------------------------------------------ ◇ 平成22年鎌倉能舞台カレンダー販売中◆◇ 平成22年度版カレンダー、販売始めました。昨年よりお値下げして、一部千円に て販売しております。暮れも押し迫ってからたくさん出来上がってきてしまいま した。たくさんのお申し込み&お問い合わせ、お待ちしております! カレンダー詳細ページ http://www.nohbutai.com/contents/13goods.htm ------------------------------------------------------------------------ ◇ブログ 毎月1日発行のメルマガの他、”かんた先生のお仕事ブログ”、鎌倉能舞台の スタッフブログの”お能を見せますぞえ”も更新しておりますのでよろしけれ ばそちらにもお立ち寄りくださいませ。 http://noh-kanta.cocolog-nifty.com/blog/(かんた先生のお舞台日記) https://blog.canpan.info/nohbutai (お能を見せますぞえ) ------------------------------------------------------------------------ ◇「能を知る会」は、財団法人鎌倉能舞台の登録商標です。 ------------------------------------------------------------------------ ◇ 能に関するご意見・ご質問など、鎌倉能舞台HPの掲示板にお書きください。 回答率100%です! ======================================================================== メールマガジン購読の[登録・解除]は「まぐまぐ」のページよりどうぞ http://www.mag2.com/m/0000049577.html または、下記HPの目次「メールマガジン」よりお願いします。 HPはこちら http://www.nohbutai.com/ お問い合わせはこちら webmaster@nohbutai.com 発行者 事務局@鎌倉能舞台 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


