人権ニュース386号
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Weekly Mail Magazine
◎◇◎ 人権ニュース ◎◇◎
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◆ I n d e x ◆
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|1| 活動報告
|2| 講読及び配信中止・メールアドレス変更について
|3| 人権ニュース配信のお知らせ
|4| 国内人権ネットワーク会員募集のお知らせ
|5| 編集後記
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【1】<活動報告>
喜連川社会復帰促進センター参観報告(上)
参観実施日時:2008年4月24日 13時から16時
参観参加者:7名
センター側の担当者:総務部調査官(法務事務官)宮崎 誠、矯正処遇部長
(法務部事務官)松本忠良
東京で東北新幹線に乗り換え、宇都宮まで行き、在来線に乗り換えて、氏家駅
に下りる。ここで全員が落合い、2台のタクシーに分乗して約20分、なだら
かな丘の中腹にピンク色の建物群が見えてきた。従来の刑務所とは雰囲気が全
く違う、明るく、開放的な建物群だ。
(会議室での説明)
従来の刑務所の会議室の3倍くらいありそうな、広々とした会議室に通される。
最初DVDを用いて、次いで宮崎氏から、施設の説明が行われる。
2007年4月、日本にPFI(Private Finance Initiative)方式の刑務所が3箇
所開設された。すなわち、美祢、島根あさひ、喜連川である。さらに、今年に
はいってはりまが追加開設され、計4箇所となった。これらのPFI刑務所は、
構造改革特区制度によって、従来民間に委託できなかった業務が委託可能にな
ったことを利用して、設立されたものである。
PFI刑務所が開設されたのには二つの理由がある。一つは受刑者数の増大。
この10年で5.5万人から8万人に2.5万人増加した。そのため、どこの
刑務所も定員オーバーで、6人部屋に8人から10人が生活するなどの事態が
起こっている。過剰収容が起こると、受刑者の生活にまず支障を来たすが、刑
務官の仕事もストレスが増えてくる。
もう一つは経済的な理由だ。つまり刑務所運営に国家予算を増やしにくい状況
がある。また、公務員の総量規制の関係で、人員を確保しにくいという問題も
ある。
はりまと喜連川の建物は国が作ったが、運営は民間と国が共同で作る特別目的
会社SPC(Special Purpose Company)である「社会復帰サポート喜連川
(株)」が行っている。国とSPCは15年間の契約をしている。民間企業は
セコム、三井物産、小学館などが参加している。以下のような刑務所としての
公共サービスの責任は国にある。
[1]身柄を収容する
[2]規則正しい生活を行わせ、勤労習慣を身に着けさせる
[3]改善・更生活動
そのため、これらのサービスが十分に行われない場合には、民間業者に対して
費用減額などのペナルティを課すことも契約に謳っている。
刑務所の運営に対しては国家予算を持っていない。そのため、備品、消耗品は
安いものを購入する。
喜連川では2007年10月16日に受刑者の収容を開始した。定員2000名(全員
男性)のわが国最大のPFI刑務所である。名前の通り、受刑者の社会復帰を
目指す施設である。民間とか民営の刑務所ではなく、あくまでも国の機関であ
るが、運営は官民がパートナーとして共同で行っている。例えば、国家公務員
である刑務官とセコム社員の警備員が仕事を分け合っている。戒具の使用、武
器の使用、逮捕、懲罰を科すことなど権力を行使するものは刑務官が行い、監
視、通報などを民間警備員が受け持つ。また、受付、事務、領置物の保管、職
業訓練、健康診断なども民間に委託している。職員の比率は国家公務員と民間
が7:3の割合であるが、現在の実数は、国家公務員251人(定員通り。う
ち刑務官244人、教官2人、技官5人。うち女性3人)に対し民間職員は1
53人。民間の知恵として多数の監視カメラ、携帯電話を利用した一斉通報シ
ステムなどがある。
全ての受刑者に教育プログラムをグループ・セッションで実施している。ホー
ムヘルパー、調理師、クリーニング、パソコン基礎研修、ビジネスマナー研修
などの各科がある。
障害者に応じた対応も行っていて、作業療法としてちぎり絵やフラワー・セラ
ピーが行われる。
地域との共生も重視している。2000人の受刑者の食材は地元のものを使う。
職員の雇用も地元優先だ。
本日現在で受刑者1267人を収容している。当初は他の刑務所で受刑生活を
送った人を移送してきたが、今年4月からは新確定受刑者の受け入れを開始し
た。受刑者は500人ずつ4つの居住ユニットに分けられている。そのうち一
つのユニットは特科ユニットで、軽度の身体障害者、高齢者、精神・知的障害
者のグループである。
厨房や洗濯場で働く受刑者は、調理師やクリーニング師資格取得の際の実習期
間に算定できる。
医療は栃木県厚生連塩谷総合病院に管理委託している
(所内参観)
刑務所全体の構造として、駐車場をはさんで手前側に職員宿舎のビル群があり、
反対側が刑務所本体になっている。門番が立っている受付ゲートをくぐると管
理棟があり、会議室もこの中にある。管理棟はロの字型になっていて、真ん中
に円形の広場があり、広場に面してレストランがある。この広場の周りの柱も
円柱を用いていて、心を和ませる工夫だと言う。このレストランまでは塀の外
であり、外部の人も食事をしに来ることができる。
鉄の門をくぐって、ここから先が塀の中である。鉄門の開閉には指紋認証シス
テムが使われている。民間職員も含めてここで働く人全員の指紋を登録してあ
るとのこと。鉄門が開いている間は警報が鳴るが、従来の刑務所と違って優し
い音である。鉄門をくぐってまっすぐに長方形の建物が続き、この中に診療所、
浴室、調理室、体育館、洗濯場などがある。この建物の両側にX字型の受刑者
居住ユニットが左右2つずつ配置され、さらにその外側に作業棟、運動場、畑
がある。
まず、診療所。明るく、清潔な感じで、普通の病院の診療室と同じ。19床の
ベッドを持っている。しかし、受刑者は僕たち参観者と廊下ですれ違う際には
壁を向いて静止させられていた。
続いて調理場。ここには50人ほど配属されていて、その中の26人が調理師
免許取得のための実習中であった。何人かの調理指導員がいてこの人たちはコ
ック帽を被っている。真新しい巨大な調理器具を用いて、大勢働いている。
体育館。従来の刑務所の講堂という感じと違い、明るく、広々としている。床
も明るい木製。なぜか、バスケットボールのリングは無い。自殺防止か?
途中の会議室のような部屋で、教戒師によるお話を聞いている受刑者達がいた。
仏教とキリスト教の教戒師がいるとのこと。
居住ユニット。X字の交差するところに病院のナースセンターのような中央コ
アがあり、ガラス張りで四方を見渡せるようになっている。居室からセル・コ
ールによってここにいる職員を呼び出すことが出来る。また、職員には携帯電
話を利用した一斉通報システムによって連絡ができる。
6人部屋。12畳の畳部屋。TVが無い部屋もあるとのこと。暖房は廊下にあ
る。
2種の人のエリア。鍵はエリア全体だけにあり、その中は自由に移動できる。
エリア内にたくさんの居室や共同利用の部屋がある。自室の中にはトイレ、洗
面所は無い。
3種の人用の4人部屋。2段ベッド。それぞれの部屋には人数分の黒いスーツ
ケースが置かれていた。私物保管用とのこと。
居室棟の外側に畑があった。運動場も隣接している。周りを囲んだ塀の上に電
線が走っており、これに触れると、センターに通報されるようになっていると
のこと。塀にはブロック毎に大きな数字が記入されていて、どの地区の塀に異
常があったかがすぐに分かるようになっている。居室棟の外壁にも外から見え
るように番号が記入してある。
洗濯工場。巨大な洗濯機が何台も並んでいる。シーツを畳む機械もある。大勢
で衣類を畳んでいた。
工場の入り口付近に「調査6、懲罰6」という表示があった。調査と言うのは
懲罰に値するか否かの調査で、調査の結果によっては懲罰が延期(執行猶予)
されることもあるという。
浴室。入浴時間15分。髭剃りは電気髭剃り器で行うので、入浴中はしないた
め、正味15分間入浴できる。
リハビリテーション室。バイクマシンが数台置いてあった。
図書室。バーコードによる図書貸し出しシステムを採用。
作業場。特区ユニットの受刑者がモザイク・タイル作りをしている。隣のグル
ープは粘土細工をしている。窯業の練習とのこと。これらの作業は創造的で面
白そうだ。
別の作業場ではろうそくの箱詰め作業。こっちは単純作業で面白くなさそう。
車椅子用の単独室。床から一段高くなった畳。外に人工芝のテラスもある。
介助が必要な人用の浴室。浴槽の周りに手すりが設置されている。
大声収容室。大声を出す受刑者を収容する。ガランとした畳の部屋でトイレが
一つあるだけ。この部屋は冷暖房完備とのことだが、殺風景で留置場のような
感じ。
保護室。リノリウムの床にトイレと手洗いがむき出しで付いている。通路側に
は大きな窓がある。天井にはカメラが設置されている。
面会室。丁度面会中だったため、見学できず。電話やインターネットで予約が
出来るとのこと。
電話連絡。2種以上の受刑者には電話での外部交信も許可しているとのこと。
以下次号
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【2】 購読中止・メールアドレス変更について
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こちらのメールマガジンの送信を中止されたい方は、以下のURLへアクセ
スして下さい。
http://www.mag2.com/
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また、メールアドレスを変更される場合は、旧メールアドレスの退会作業
を行われてから、新メールアドレスを登録して下さい。
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【3】人権ニュース配信のお知らせ
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本誌のバックナンバーは下記のアドレスから見ることができます。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000048600
購読申し込みはホームページから。 http://www.jinkennews.com/
または右のところでメールで申し込み下さい。 info@jinkennews.com
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【4】国内人権ネットワーク会員募集のお知らせ
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<会員特典>
*例会に出席し運営に参加できます。
*ネット主催の催し物に無料で参加できます。
*作成資料の無料送付(「刑務所訪問資料集(06.7〜07.2)」を無料
送付」)
*刑務所参観の日程など人権に関する情報をお知らせします。
<会費>年間1,000円■会費・カンパ振込先■
【郵便振替】口座番号:00800−2−19921
口座名称:国内人権ネットワーク
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【5】 編集後記
※ここに書かれている文章は編集委員個人の感想を述べたものです。
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○「ホームレス中学生」という本がある。子どものホームレスは日本では珍し
い。その珍しさで売ったのだが、海外では「ストリートチルドレン」と呼ばれ、
社会問題となっている。世界的な貧困の拡大は、ますます多くの子どもたちを
路上へと追いやるのか。経済的貧困もだが、制度的貧困の方が深刻だ。(太)
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編 集 人:太田 稔
発 行 元:(社)アムネスティ・インターナショナル日本
国際人権基準の国内実施をめざすネットワーク(国内人権ネットワーク)
メールアドレス:info@jinkennews.com
HPアドレス :http://www.jinkennews.com/
連絡先:〒458-0041 愛知県名古屋市緑区鳴子町 2-28-3
FAX:052-892-5648
発 行 日: 2008年5月21日(水) 通卷386号
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