「今そこにある未来」(未来工学研究所メールマガジン)2008.4.8号
未来工学研究所メールマガジン Hints for the New Century
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今そこにある未来 Clear and Present Future
■ 2008年4月8日(85号) ■
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
―――――――――― も・く・じ ――――――――――――――――
◇ インターネットを利用した社会調査への期待
◇ 位置を知る
――――――――――――――――――――――――――――――――
◇
◆ インターネットを利用した社会調査への期待
◇
主任研究員 平澤 雅彦(ひらさわ まさひこ)
2000年代に入り、その簡便性、迅速性、安価性から、インターネットを利用した
アンケート調査が急速に普及してきている。当初は、マーケティング・リサーチ
(市場調査)での利用が主であったようだが、近年は、マスメディアでの世論調
査だけでなく、官公庁や研究機関での社会調査における利用も目立ってきている
ようである。
一言でインターネットを利用したアンケート調査といっても、いろいろな形態が
あるが、最も多く利用されているのは、多数の回答モニターを登録している調査
会社が、アンケート回答のためのホームページを作成し、ランダム抽出された
登録モニターに、メールでそのホームページでの回答を依頼する形式である。
もちろん、回答をしたモニターには何らかの形で謝礼が支払われる。登録モニ
ター数が100万人を越える調査会社も今は珍しくない。
その登録モニター集団が国民の縮図であれば、そこからランダムに抽出したモニ
ターに回答依頼メールを送ることで、社会調査が行えそうである。しかし、一般に
登録モニター集団は国民の縮図には成っていない。そこで、回答依頼モニターの
属性(性別、年齢、職業など)の分布を調整してメールを送るオプションを利用
することになる。どこまで属性を指定できるかが、社会調査として使えるかどうか
の一指標となりそうであるが、どの程度の属性まで把握しているかは、調査会社に
よりまちまちのようだ。
社会調査では、社会の状態をできるだけ正確に反映させるアンケート方式が望ま
れる。従来型の面接や郵送でのアンケートに対する回答結果を基準として、インター
ネットを利用したアンケート調査結果の偏りを指摘する報告もあるが、近年の
コミュニケーション環境の急速な変化は、その基準の置き方にも疑問符を投げかけ
そうである。つまり、特定の層が面接や郵送でのアンケートに対して、回答を拒否
している可能性が拭いきれないのである。
少なくとも、面接や郵送でのアンケートに対する回答率が減ってきていると言われる
中で、調査会社のモニター数の増加は破竹の勢いである。調査会社には、安価で
迅速なインターネットを利用した社会調査が、信頼性を増す方向を目指すことを
期待したい。
◇
◆ 位置を知る
◇
主任研究員 奈木 研二(なぎ けんじ)
最近、デーヴァ・ソベル著、藤井留美訳の「経度への挑戦 一秒にかけた四百年」
(翔泳社)を読んだ。
この本は、大航海時代を経た18世紀ヨーロッパが舞台。海外交易が華やかに繰り
広げられる一方で、不正確な経度測定に起因する遭難事故が相次いだイギリスは、
1714年、経度誤差が30分以内の測定方法を考案した者に対し「国王の身代金」に
相当する賞金を与えることを発表した。当時の著名な天文学者たちは、宇宙が持つ
規則性に注目して自分の位置を求めようとした。ハレー彗星で有名なエドモンド
・ハレーは、月や星の動きから経度を測定しようとした。
「経度への挑戦」は、そんな中、経度を測定するため新たな方法を探り、海上時計
を作りあげた男、ジョン・ハリスンという無名の時計職人のノンフィクションで
ある。経度を測るには、異なる二地点の正確な時間を同時に知ることが不可欠だ。
無名の時計職人が、温湿度の変化、ゆれ等最悪の環境の船の中で、正確な時刻を
計るということは振り子時計の時代にはきわめて難しいことだったのだ。
15世紀から17世紀の航海では、母港からの距離を「推測法」で測るしかなかった。
丸太を水中に落として、船が遠ざかる速度を調べる。このお粗末な速度計で測った
速度と、星や羅針盤からわかる航行方向、砂時計などで測定した時間が航海日誌に
記録された。さらに海流の様子や変化の激しい風の影響、判断ミスなども考慮に
入れて船長は経度を求めるのだった。もちろん目標を見失うことなどしょっちゅう
で、水の補給に立ち寄るつもりだった島が見つからなかったり、目指す陸地にどり
着けないことが度々あったようだ。計算違いが死につながることも多かったのだ。
英国海軍では下級船員が勝手にナビゲーションをすることは軍規違反で、進路を
上官に進言すると反乱とみなされ絞首刑にされたこともあったらしい。実際に、
船長に自分の計算進路を進言して絞首刑になり、そのまま進んだ船が難破した記録も
あるようだ。自分の位置を知ることがいかに難しかったかがよく分かる。
今の時代での航法はカーナビでおなじみのGPS、船舶の航行を助けるロランCがある。
ロランCは電波航法システムの一つでの長波帯(100kHz)を使用した双曲線航法シス
テムである。双曲線航法とは、「2つの送信局からの信号の到達時間差が一定の値と
なる点の軌跡は、その送信局を焦点とする双曲線となる。」という原理を応用した
航法である。
一方、GPSは米国が軍事用に打ち上げた約30個のGPS衛星のうち、上空にある数個の
衛星からの信号をGPS受信機で受け取り、現在位置を知るシステムである。同様な
システム(方式等多少異なるが)にロシアで進めている「GLONASS」、ヨーロッパの
「ガリレオ」、中国の「北斗」がある。何れも考え方は同じでICTと正確な時計を
利用したものだ。
平和利用だけを考えるなら、全世界で一つの方式であれば一つの受信機で世界中を
歩くことができるのだが、米軍がイラクの砂漠で活用したように、元々軍事目的の
衛星システムであるために独自の方式をとっていると考えられる。
平和利用では車、船舶、航空機などでの利用のほか、登山者が山で使用したり、
携帯電話機でのサービスにも利用もされている。また携帯電話機のGPS機能を利用
した産業廃棄物の不法投棄を監視する追跡管理システム(ECOエリート)のような
ものも開発されている。
地球上で自分の位置を知る方法は進歩し、数メートル、数センチの誤差で知ることが
できるようになった。将来、大宇宙に人間が飛び出た時、自分の位置を知るために
どのような方法があるのだろうか。GPSのように人工の星を大宇宙にちりばめるの
だろうか。ロランCのように大宇宙の星に電波の灯台を設置するのだろうか?
◇◆
■◇ 編集後記
□■
平成20年度が始まりましたが、東京近辺では、桜の季節が終わろうとして
います。桜が散り始めると、何故か寂しさを感じます。
とはいうものの、いよいよ春本番、1年で最も過ごしやすい季節の到来です。
読者の皆様、春の陽気を存分にお楽しみ下さい。


![転職なら[en]社会人の転職情報!転職成功者続出 転職なら[en]社会人の転職情報!転職成功者続出](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/sya.gif)
![派遣のお仕事探しなら[en]派遣のお仕事情報 派遣のお仕事探しなら[en]派遣のお仕事情報](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/haken.gif)
![アルバイト探しは[en]本気のアルバイト アルバイト探しは[en]本気のアルバイト](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/baito.gif)
![就職サイトは[en]学生の就職情報 就職サイトは[en]学生の就職情報](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/gakusei.gif)
![転職なら[en]転職コンサルタントキャリアを活かした転職に! 転職なら[en]転職コンサルタントキャリアを活かした転職に!](http://kamogawa.mag2.com/bn/recommend/consul.gif)