2006/10/24
Flash*Memory復刊4号
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ペヨトル工房 メイルマガジン http://www.2minus.com/ フラッシュ・メモリー 2006年10月24日 復刊vol.4 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ■コンテンツ ● 「00年代の夜想」 今野裕一(夜想 編集長) ● 《少女娼館》感想_1 塚本雄樹(来場者投稿) ● 《少女娼館》感想_2 MARS(来場者投稿) ● 「公開往復書簡/人形吊り秘話」 夜想スタッフ(女×2名) ● 次回メルマガへの投稿募集 ■「00年代の夜想」 今野裕一 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 以前からそうなのだ。今にはじまったことではない。 『夜想』は、まるで生き物のように僕を翻弄する。 『夜想』らしく…。『夜想』だから…。多くの書き手や作家にそう言われて、 ある時期から『夜想』は、『夜想』が好きな人たちの夜想になった。 そしてしだいに僕のコントロ‐ル下にはなくなっていった。もちろんそれは雑誌にとって至福のことだろう。 僕は、僕の大好きな古賀人形の阿茶先生みたいになって机の上にちょこんと坐って、 ダミ‐の編集長になって夜想のただ動いていく様を見ていたような気がする。 『夜想』は 最後に迷走したかもしれないが、それでも皆にサポ‐トされ、 ペヨトル・ファイナルで意志をもらい、そして夜想は再開した。 復刊した『夜想』は、やっぱり『夜想』なのだが、新しい雑誌を創刊したような気がする。 またいろいろな人たちが、参加して、描きおろしてくれたり、作りおろしてくれたりしてくれる。 たくさんのオリジナル作品が『夜想』を起点にできあがった。そうしてまた『夜想』は自走し始める。 もう少ししたら僕の手を離れて。 『夜想』は幻想がまだ未生の時代に生まれた。30年を走り、役目がないくらいに幻想をあたりまえのものにしたと いう自負さえあったのに、『夜想』を終えて、ふと振り返れば、幻想の時代は、意外にも根付くことがなく、 まさに幻のごとく消え去っているかのようだ。 今一度、幻想の時代を…というのが夜想復刊の願い。 もちろん、今、幻想を復興しようというものは、そんな簡単なことでは無いだろう。 幻想のあり位置も単純ではなく、コンテンポラリ‐な表現のなかにもその可能性はあると思う。 『夜想』は、もともとライブが大好きで、復刊と同時に、今まで以上に、展覧会などを積極的に行ってきた。 恋月姫、三浦悦子、山本タカト、夜想リタ‐ンズ展…。『夜想』に描き下ろして下さった作品を、 より多くの人にじかに体験してもらいたいという思いからはじまった。 そしてもちろんそこから出会いもあり交流もはじまる。 『夜想』は、そのライブな部分をより鮮明にしようと、柳橋に拠点を設けた。 場所をやろうとするのには、意志もあるが、場所自体、なにか降って湧いたような気もする。 ちょっとした運命と、やれ!という声が聞える。 もちろんイベントは好きなので、いろいろに企画を進めていきたいと思う。 が、場所は、すでに自分のものではなくて『夜想』のものとしてもう動き始めているような気がする。 動かしながら見守っていく…すでにそんなスタンスになっている自分がいる。 80坪に近い古い倉庫をギャラリ‐にして行う『夜想』のライブ版、そのオ‐プニング企画は、『夜想耽美』。 12月15日がオ‐プニングディ予定なので、HPを注目していて欲しい。 運営はボランティアの人たちとやっていく。これまでと同じように。 ボランティアの人たちはまさに未生の存在ではあるが、次代への高いポテンシャルを持っていて、 彼ら、彼女らの力を借りながら運営すれば、また新しいやり方、新しい『夜想』が生まれると思う。 情報でも参加でも、お手伝いでも、観客としてでも、できるだけ多くの人たちが、この場所に集えるように、 僕は執事としてこの場所と向き合っていく覚悟でやっている。 次々に新しいことが自分に起きてきて、その対応に追われる毎日が楽しい。 これからどんなことが起きるのか、自分にも『夜想』にも分らいけど、 それでも『夜想』が夜想であることには変わりないと、そのことだけはちょっと自信がある。 †『夜想#耽美』 日本の土壌のなかで、ヨーロッパで起こった耽美というイズム本来のものと まったく異なった特殊な発展を遂げた日本の「耽美」、その日本の「耽美」にせまる特集。 美しいものに心奪われることを恐れず、現代の耽美に耽溺する。 ◎本書内容・購入お申し込みはこちらから http://www.2minus.com/y03_n.html ■《少女娼館》感想_1 塚本雄樹 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 素足の透けるレースの足袋に、思わずドキリとした。 怪しげな雰囲気漂うこの種の展示に、私は常に居心地の悪さを感じてしまうのだが、 人形の足下に眼が止まった瞬間、そちらの世界にグッと引きずり込まれてしまった。 和服を着た無表情の洋人形が履く足袋(それもいかにも西洋風なデザイン)の、なんと艶やかな――。 小さな足と、それを包む薄い生地が、エロティックな妄想を引き立てる。 凝った作りの和服や頭髪、メイクのどれも、どこか日常的な営みを感じさせず、私の共感を拒む。 だが、この足袋だけが、私の日頃の行為(靴下を履く、脱ぐ)を思い起こさせた。 もっとも、如何にも私の行為の場合、艶やかさとはほど遠い。対してこの人形たるや――。 実際、目の前の人形が、この足袋を履くという行為があった訳ではない。 だが、ついつい私はその場面を空想し、ドキっとしてしまうのだった。 エスカレートした妄想の中で、私の荒れた手が、その無機質な小さな足へと伸び、そしてそのレースの足袋を……。 私は完全に、恋月姫氏の仕掛けた罠にかかってしまったようだ。 ■《少女娼館》感想_2 MARS ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 9月のとある日、私は隅田川の畔の娼館に足を運んだ。 名もなく、血もなく、肉もなく、性もない、幼娼達が私を待っていた。 色を持たず色を売るという運命を、強いられた者達と向かい合った。 不思議な事に、初めて会ったにもかかわらず、どの顔にも見覚えがあるのだ。 無色無名の人形の上に、私の記憶の中の少女達が現れては消えて行った。 もうこの世では決して出会えない魂が、静かに横たわっていた。 私はその日、束の間の幻を見つけだして、誰にも知られずに家まで持ち帰った。 ◎展覧会詳細はこちらから http://www.2minus.com/0609koitsukihime.html (この展覧会は終了いたしました) ◎恋月姫・オフィシャルホームページはこちらから http://koitsukihime.cool.ne.jp/luna/lunar_coffin.index.html (恋月姫先生のブログなどご覧になれます†) ■メイルマガジンへの投稿募集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「フラッシュメモリー」では、まだまだ読者・観客の方からの投稿を募集しています。 小社の新旧の書籍そして夜想主催のイベントへの、ご意見ご感想をお寄せください。 字数は300字程度を目安といたしますが、増減は問題ございません。 宛先は sachi@ka6.koalanet.ne.jp まで、件名を「メイルマガジン投稿」とし、 ご氏名、年齢、電話番号、住所、メールアドレスを明記の上ご応募お願いいたします。 (もちろんご希望の際は匿名での掲載も可能です) ■「公開往復書簡/人形吊り秘話」 夜想スタッフ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 展覧会ごとにパワーアップする栗原さんへ。 (06.10.5) 《少女娼館》展セッティングリーダー、お疲れさまでした☆ 第二会場、ヤソウ・マッティナの設営(会場の施工や作品の設置のこと)について質問です。 お人形はどうやって吊っていたの? そしてそして、吊り作業中印象的だったことは? 忙しい仲間にも容赦ないさっちゃんへ。 (06.10.14) yaso mattinaのお人形は、今野さん、恋月姫さんと相談して吊り方を決めました。 試行錯誤の末、ワイヤーとピクチャーハンガーを使用することに決定。 保険としてのサブと、重みを全て受けるメインとの、 2本のワイヤーをセットしています。 パーツとパーツの間にワイヤーが入り、みえにくくなっていますが、 全てのお嬢さんの体に、二本ずつワイヤーがくい込んでいるのです。 吊り作業中、印象的だったのは… 恋月姫さんが見守る中、薔薇の中のお人形さんの位置を決めていきました。 ハンガーの掛かり加減一つでぐるぐると回ってしまうお嬢さんたち。 数人で調整していても、嫌われた子にはとことん嫌われ、 なかなか思った方向を向いてくれません。 「あなたたちには吊られないわ」とさんざん言われたきがします。 けれど、角度が決まって、脚立からおりてみると 吊られているのに 「あたりまえよ」 と言われたようなきがして。 見下ろされながら、その静かで強い感じに、 よかったんだ吊って。と思いました。 リターンズ2の時、 鉄の処女のなかへ恋月姫さんと夜想スタッフ数名で 大きな子を横たえたときも 「わたしは平気よ」 と目で言われたきがしたのを思い出して。 終電で多数がが帰った後、待ち時間に、 ぼんやりにらめっこをしていたら 薔薇の左の子に負けました。 真夜中の会話が好きな栗原さんへ。 (06.10.14) むせかえるラヴェンダーの中で、 そんな秘密のやりとりがあったのね。。 今回の展示テーマについて、ちょこっとだけ教えて下さい。 真夜中に浅草散歩してしまう左知ねえさまへ。(06.10.15) タイトルの通り、2会場とも少女娼館がテーマです。 lucite galleryは和の娼館です。 いかがわしい朱の灯と、贅をつくした着物。 吉原の遊郭、花魁のイメージも重なり 気高く、智と美をもった少女がお座敷にでています。 地下座敷牢には、妖しげな瞳の少女ひとり。 yaso mattinaも秘かに娼館です。 何かの集いを隠すかのように…。 後ろからの強い光と色。 無意識に宗教感覚をちりちりと刺激するようなしかけ。 逆さ吊りの黒薔薇。 mattinaの隠テーマは、観てくださったお客様ひとりひとりが、 しかけから空想を広げていただければうれしいです。 実は、少女娼館は、最初はnachtでの予定だったんですよね 今となってはもう、mattina以外の少女娼館は想像できませんけれど。。。 冬のオープンではGalleria Yaso nachtもついにお披露目になって、 きっとまた何かが潜んでいて。 私たちをびっくりさせるんです。 いつものように、真夜中の、ふとしたときに できあがる瞬間。 それにまた、遭遇したいですね。 ね?さっちゃん。 ■イベントスタッフ募集 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 浅草橋の新拠点《パラボリカ・ビス》は、今冬まもなくグランド・オープンいたします。 9月の恋月姫展では、2階展示空間《ガレリア・ヤソウ・マッティナ》を 第二会場としてお披露目することが出来ました。 12月には『夜想 #耽美』から生まれる耽美展が控えます。 展覧会に向けてのチラシ撒き、会場(パラボリカ・ビス)の設営、会期中の運営など 新しい夜想のものづくりを内側から体験してみませんか? 現在夜想では、全国の学生から社会人、主婦の方々まで、幅広い層のスタッフが それぞれのスタンスで活動しています。 積極的に参加、ご協力いただける方を随時募集しています。 ◎スタッフご希望の方はこちらまで info@2minus.com ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ このメールマガジンは2003年ペヨトル工房の「解散通信」を引き継いで「フラッシュ・メモリー」となり、 中断していたメルマガを新規に配信しているものです。また、小社のウェブサイトからペヨトル工房、 ステュディオ・パラボリカの商品をお買い上げいただいた方も自動的に登録を させていただいております。今後も何卒ご支援を宜しくお願い申しあげます。 ◎「解散通信」のバックナンバーはこちらから http://www.tctv.ne.jp/sparabo/edt_mv.html ◎「夜想日記」のバックナンバーはこちらから http://www.2minus.com/edt_av.html ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 発行 株式会社 ペヨトル工房 http://www.tctv.ne.jp/sparabo/peyotl.html 運営 株式会社 ステュディオ・パラボリカ http://www.2minus.com 東京都台東区雷門1-2-11雷門フコク生命ビル3F 〒111-0034 電話:03-3847-5757 ファクス:03-3847-5780


