2004/10/12
Flash*Memory[013]本の話
[no.013] 10_12_2004 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ F L A S H * M E M O R Y 今 野 裕 一 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ 本の話 再開なった青山ブックセンター・六本木をのぞいたが夜にもかかわらず かなりの人が出入りしていて、明けたばかりとはいえ、これなら大丈夫 だろうと本能的に思った。大丈夫だろうと思ったのは、支援をしている 洋販の賀川さんが陣頭指揮していたことで、ボクを見つけてすぐに声を かけてきた。あたりまえだけど、ナディッフに行っても、三月書房に 行っても、新宿タワーレコードへ行っても、新宿紀伊国屋に行っても、 店長さんやフロア担当の人は、必ず親しげに声をかけてくる。営業とは 関係ないときでも。見知ったお客さんにはそうしているのだろうと思う。 それでこそ本屋さんだ。それが普通だろうと思うけど、以前の青山 ブックセンターはそれがなくなっていた。賀川さんがこの姿勢を保ち続 けていたら必ず再建するだろう。 棚自体はコミックを少し減らして、サブカルを隅に置き、全体的に対応 年齢を上げた感じだ。そしてコミックの場所に洋書が入っている。感覚 的に言うと、ベストセラーをカットして、ハイソな部分もカットして勝 負している感じ。それは文庫の品揃えに言えていて、中井英夫全集はな いけれど、村上龍は全部揃うようになっている。普通なら中井英夫を選 択するだろうけど、それをしないところに特色があるだろう。ミドルの 普通の層の部分でどうにか特色を出そうとしている品ぞろえなのだ。 これはなかなか難しいことだと思うが、どうしても成功して欲しい。 前回のメルマガにも書いたが、問題は今の日本の構造でトップ巨大企業 と、個人工房的あるいは家族的企業の両極しか生き延びられない状況で、 どうやって中途半端なミドルが生きていくかという方法の問題だからだ。 トップと言うのは超高級ブランドもあればユニクロのような安売りもあ るからだ。つまり市場はかなり占有されているのだ。簡単にミドルは特 色を確保できない。書店のミドルが成立しないと、雑誌のミドルにも同 じことが起きる。書店で起きていることは、出版にも起きていることな のだ。従来5万とかを売っていた雑誌が、1万内外に揃って落ちてきてい る感があって、1万あたりが壁になってしまっている。これでは夜想の ようなクラスマガジンが採算ラインの6000を確保するのが難しくなって しまう。しかもここで言う採算ラインとは、倉庫代も流通経費も人件費 も含んでいないのだから、お話にならない。 10月15日の夜想復刊第2号の発売に向けて、各店舗営業に回ったが、店 の応対が寒々しい。前回、100冊以上の軽く売り上げた店舗の以前のベ テラン担当さんは、降格になって若い女性の店員さんが決裁権をもって いた。営業シートをちらりと見て、この手の本は置いても切りがないの で、勘弁してください。場所もないのでと、あっさり断られてしまった。 夜想も知らない、前回の実績も知らない、商品として実力も見ずに決定 する若い女性店員の前で、前の担当さんは済まなさそうにしていたが、 無言だった。 何が起きているのだろうと思っていたら、かつてのペヨトル工房と同じ クラスの出版社の話を聞いた。大手取次2社が書店に対して強制返品を させて、返品を版元に戻しては黒字を確保する(というか赤字にならな いようにする)という手法を取っているということだ。書店に出荷して、 さあこれから売るぞという旬の時期でもその強制返品の時期にあたると 自動的に戻ってきてしまうということなのだ。こんなに辛い状況は長い ことやって来て始めてだと出版社の人は呻いていた。 夜想『ドール』特集に再び支援をいただきたいと思っている。心ある書 店さん、あるいは書店でなくても扱っていただけそうな店舗に声をかけ たり、教えてもらえると嬉しい。今は店舗の力よりも書店員さんの力が すべてて、売れる売れないは人の熱意にかかっている。ぜひもう一度、 サポートをお願いしたい。『ドール』の特集は、ベルメール、澁澤龍彦 以降、どのように日本で人形作家たちが人形を作り、人形のことを作り 続けてきたかというところに視点をあてている。そこには虐げられてき た少女、女性と言うイメージが存在する。もちろん虐げられたきたのは イメージだけではない。 本がメディアであり続けられるかどうかは、この極北の状況をどう やって抜け出せるかということにかかっている。本が本であるために、 新たなる人の力が必要なのだと思う。 ┌――――――――――――――――――――――――――――――┐ ▽i n f o r m a t i o n └――――――――――――――――――――――――――――――┘ ★夜想復刊第2号「Yaso #doll」は10月15日発売です。 ただいま予約受付中。 http://www.2minus.com/bookshop/ ★yaso#doll刊行記念のシリーズイベント、「月の回廊」を開催! 第1弾は、恋月姫の企画展が12月1日〜25日に京都・ARTZONEであります。 詳細は暫時、EVENTページで告知しますのでお楽しみに! 恋月姫ウェブサイト http://koitsukihime.cool.ne.jp/ ART ZONE ウェブサイト http://www.artzone.jp/ "~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~"~" ペヨトル工房 http://www.tctv.ne.jp/sparabo/peyotl.html 2-:+ http://www.2minus.com Peyotlfan http://www.thought.ne.jp/peyotl/



