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2008/12/06

ちょっとサイエンス No.288「下村脩氏ノーベル賞化学賞受賞」

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●   『ちょっとサイエンス』 2008/12/6   No.288   
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●      発行者 Fujiken        不定期発行  
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毎回、科学に関するテーマをとりあげて、雑学的な知識を送ります。
なるほど!と納得し、知ることの喜びを感じていただけたら幸いです。

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■今日のテーマ  「下村脩氏ノーベル賞化学賞受賞」
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生物の体の中には、さまざまなタンパク質があります。タンパク質は細胞の中

でつくられ、体の材料となったり、体の各部でそれぞれ独自の役割を果たして

います。このため生物を研究する際には、それぞれのタンパク質が体の中のど

こで、いつ作られるのかといったことを明らかにする必要があります。

下村博士の受賞は、「オワンクラゲ」から光るタンパク質を発見し、取り出す

のに成功したことによります。

オワンクラゲは直径5〜10cmの半球形(お椀を逆さにしたような形)の傘

をもつクラゲです。傘の縁には200個ほどの発光器が並んでおり、刺激を与える

と緑色に光ります。1961年、下村博士はこの発光物質を研究するため、オワン

クラゲの縁を切り取り、すりつぶしてろ過しました。その液を真水にたらしても

無反応でしたが、海水にたらすと青色に輝きました。生きたオワンクラゲは緑色

に光ることから、これは奇妙なことにおもわれました。

なぜ緑色に光るのか調べるため、博士は研究員や家族を総動員して大量のオワン

クラゲをつかまえました。そして手作りの機械で縁を切り取り、すりつぶして

ろ過した液から、2種類のタンパク質を分離・精製することに成功して、翌

1962年に発表しました。1つめのタンパク質は、カルシウムイオンと反応して

青く発行する「イクオリン」で、先の実験で、オワンクラゲのろ過液が青く輝い

たのはこのタンパク質の仕業だったのです。2つめのタンパク質が、イクオリン

の光を受けて緑色の蛍光を発するGFP(Green Fluorescent Protein)でした。

蛍光とは、光などのエネルギーを受け取ることによってみずからも発行する現象

です。GFPは青色光や紫外線を当てるだけで緑色に発光するのです。

GFPは外部から紫外線などを当てただけで、いつでも蛍光を発することに着目

して、シャルフィー博士は生物にGFPをつくるDNAの配列を組み込んで

生きたまま光らせることに挑戦し、成功しました。

チェン博士はGFPの部品であるアミノ酸の並びを組み替えて、より強く、安定

した光を放つようにし、さらに青紫や黄色というふうに蛍光で発する光の色の

種類をふやしていき、複数のタンパク質がどこに分布し、どう相互作用している

かを調べることを可能にしました。

今回のノーベル化学賞を受賞した3氏の研究は、生物の体の中で、ねらったタン

パク質を観察する「標識」技術の発展に大いに貢献したと言えます。

(Newton 12月号、読売新聞 参照)

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■ちょっとコメント■

下村氏は30代で日本を飛び出し、米国でクラゲ一筋に研究を続けました。

家族総出で捕獲したクラゲの総数は10万匹と言われ、体内から光るタンパク質

GFPをみつけ、今ではアルツハイマーやガン治療の研究に使われるなど飛躍的

に発展しています。

「受賞のしらせにただただ驚いた」と以前の勤務先のウッズホール海洋生物学

研究所(米マサチューセッツ州)での記者会見で「サプライズ!」を何度も繰り

返していたそうです。

現在はアメリカの国籍を有しているので、厳密には日本人ではありませんが、

南部氏、小林氏、益川氏に続き、下村氏の受賞で日本人はちょっと元気になった

のではないでしょうか。

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