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2007/06/22

人生の一日・第343号

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   人生の一日   〜なにげない日常を哲学するメールマガジン〜
                         第343号              
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 こんにちは。松川亜人です。


 近頃、突発的に緊急の仕事が舞い込んでくることが多くなり、このメル
マガの発行も滞り気味です。

 気長におつきあいいただければ幸いです。
 

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 ●眠れぬ夜の哲学・『「労働」という消費活動』

 僕の反省も含めて書くのですが、昨今の「労働」に関する私たちの感覚が、
恐らくは労働の本質から少しずれているような気がするのです。

 僕は、現代社会、特に新自由主義を標榜するようになったこの十数年間
の日本社会は、人々をひたすら「消費者」としての行動をとるように仕向け
続けていると思うのです。
 そしてそのことが、「消費」の対として存在する「労働」においてさえ、我々
が「消費者」としての感覚を持ち込んでしまっている状況を引き起こしている
ように思えます。

 しかしそうはいっても、「労働」は「消費」とは全く逆の行為であることから、
我々は「労働」においては何も「購入」していないように思えます。
 もちろん経済学的にはその通りです。しかし、心理的には、現在の我々は
労働によってあるものを「購入」していないでしょうか。
 その「あるもの」とは、「お金(賃金)」です。

 あたりまえではないかと思われるかもしれませんね。労働によって賃金を
得る事は至極当然の権利であり、そんなことは社会的な労働が誕生した有
史以来続けられてきたことであり、それを今更「新自由主義的」などと言うこ
とは馬鹿げている事に見えるかもしれません。

 しかしここで考えて頂きたいのですが、「賃金」とは厳密には必ずしも「労働」
の対価ではない、ということです。ある程度は労使間の取り決めなどが存在し
ますので、労働と賃金には相関があるでしょうが、「賃金」の総量を決定づけ
るのは「業績」です。そして「業績」とは、「労働」がいかに自分以外の人々との
関係において有用であると判断されているかを示します。
 
 基本的に、「労働」の本質とは社会的な「役割分担」であることを忘れてはい
けません。
 しかし現在の我々は、その「役割分担」という労働の本質を忘れ、「お金」と
いう商品を購入するために企業に「労働」という通貨を支払っているのではな
いでしょうか。
 ホリエモンや村上氏が時代の寵児たり得たのも、彼らが「現代において最も
賢い『消費者』」であるとみなされたからではないでしょうか。消費活動におい
て最も賢い行為は、より良い物をより安く購入することです。彼らは、非常に
大量の「お金」という商品を、より少ない「労働」という賃金を支払うことで得る
ことに成功しました。彼らの「消費行動」は、まさに現代の「消費者的労働」の
カリスマと映ったのです。

 しかし、結局彼らは没落しました。その背景にある政治的な臭いについては
何を言えるわけではありませんが、労働を消費に還元してしまったことによっ
て「人間関係」という本質的な要因が抜け落ちてしまった事が、彼らの限界を
露呈した要因でしょう。

 我々はもう一度、自分自身の「労働」についての意識を省みる必要があるよ
うです。
 
 自戒を込めて。




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 「人生の一日」第343号、いかがでしたでしょうか。

 さて、僕自身は「消費者的労働」は、あまりうまいとは言えないようです。
 賃金はそう多くないのに、対価として支払う「労働」は多い気がします。
 
 けれど、その「余計に支払っている労働」は、人間関係に用いている部分も
多いですので、労働の本質はなんとか保っている気がします。



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■「人生の一日」第343号 2007/6/22

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