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2008/02/15

「クラシック炉辺夜話」・わたしの好きなベートーヴェンのCD10 その1

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  クラシック炉辺夜話         2008/02/15(毎月1・15日発行)   
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 わたしの好きなベートーヴェンのCD10 その1

 もう6、7年も前、この夜話のシリーズを書き始めて一年近くたった頃、
「無人島へ持って行くCD5枚」というタイトルで書いたことがあるが、今
回は、わが敬愛するベートーヴェンの曲に絞って、好きなCD10枚をあま
り肩肘張らずに選んでみた。これはあくまで現時点ということであるので、
5年後10年後はまた変わるかもしれない。また、例えば交響曲では、超有
名な運命や合唱付きが入っていないと思われても、そこは好きずき、それぞ
れの感性があるので理解していただきたい。なお、先の「無人島へ持って行
くCD5枚」に入っている曲は除いた。好きなくらいの曲だから、すでに大
半紹介済みであるが。CD名は私が持っているもので、特に秀逸、またおす
すめ盤というものではない。

 1.交響曲第3番「英雄」変ホ長調
    私が特に好きなベートーヴェンの交響曲はこの第3番の「英雄」と
   第7番である。ナポレオンも絡むエピソードも含め誰も知る名曲。演
   奏に50分前後かかかる大曲、ベートーヴェンの交響曲でこの曲より
   長いのは合唱付きのみ、そういう意味でも画期的であった。それまで
   の作曲家がなしえなかった大きな精神世界を、交響曲でも創出したと
   いえるだろう。評論家の中河原理さんは言う、−−この曲には巨大で
   強い精神的な充溢がある。情熱にあふれ、理想に燃え、崇高な理念に
   満たされている。反骨の意気と挑戦の気概がみなぎっている−−と。
   クルト・マズデ指揮ゲヴァントハウス管弦楽団 Victor
 
 2.交響曲第7番イ長調・同第8番ヘ長調
       7番と8番は一緒にカップリングされていることが多い。3番と7
   番は曲の感じが似ているように思う。7番もすばらしい交響曲の名曲
   なのに名前が付いていないぶんポピュラリティの上ではちょっと損を
      しているか。でも第1楽章がアニメを原作としたテレビドラマ「のだ
   めカンタービレ」のオープンニングテーマに使われ話題になり人気度
   アップ。それにしてもこの曲の持つ躍動感・律動感、心躍る生命感と
   いうものは絢爛たる色彩感と相まってなんといったらいいのだろうか。
   リストは「律動の神化」と呼び、ワーグナーは「舞踏の神化」と評し
   たという曲である。
       8番は、大曲の7番と9番に挟まれて、ひっそりとした谷間の小百
   合のような存在である。ベートーヴェン自身もこの曲を「小さい交響
   曲」と呼んだとか。透徹した静かさ、典雅さ、しかし親しみやすさを
   合わせ持ち、彼の交響曲の中では異色の雰囲気を持つ曲という。作曲
   されたのは第7番と同じ1812年、この年のボヘミア旅行の中から
   誕生したようだ。この1812年といえば、「私の天使、私のすべて、
   私自身よ。..」で始まるあの不滅の恋人への手紙が書かれた年、そ
   して永遠の恋人アントニー・ブレンターノとの最後の別れをした年で
   ある。
    音楽評論家の青木やよいさんは、この曲第8番は、相思相愛の不滅
   の恋人との舞台になったボヘミアとその旅行の思い出が色濃く反映さ
   れた曲であるという。第3楽章にホルンの二重奏が出て来る。これは
   ベートーヴェンがボヘミアの雨の森にこだまするポストホルン(駅馬
   車)のメロディが変奏されているとか。そしてこの同じメロディは4
   年後の連作歌曲「遙かな恋人」にも、10年以上後の「ディアベッリ
   のワルツによる33の変奏曲」にも使われたという。ボヘアミの思い
   出がベートーヴェンのとってどれほど忘れがたいものであったか。
   クラウデォオ・アッパード指揮ロンドン交響楽団 LCB
                                                    (つづく)
                     UNCLE TELL
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 1回の掲載で終わらせる予定でしたが、2、3回の連載になりそうです。
交響曲第7番、第8番ではいささか脱線気味。「不滅の恋人」が絡むとつい
力が入って長くなりました。
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