2007/06/13
[Kataro Syuwa :Note.101] 手話に思いをめぐらせる本、しかも理論的に
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メールマガジン 「語ろうか、手話について」
Note.101 2007年 6月13日発行
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皆さん、こんにちは。無事に全要研集会が終わってホッとしている徳田で
す。
「語ろうか、手話について」と銘打っていますが、来週から要約筆記につい
て少し語るかもしれません。全要研という団体にも、色々と勉強するところが
ありましたので、その一端をご紹介したいと思います。
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さて、今回はホッとした気分で、本屋に行ったときの悲劇を(?)。
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日曜日に大会が終わり、「これで家にあるFAXやら資料も全部捨てられる。
部屋がきれいになるな」と思って家路につきました。部屋が汚いのは大会のせ
いだけではないと思いますが、それはさておき。
いつものように日曜日の帰り道はスーパーマーケット巡りです。1週間分の
ご飯を買わなければなりません。特にお昼ご飯のパン。最近のお気に入りは
フジパンのハニーレモンフレンチと、山崎パンの大きなメンチカツ。この2つ
組み合わせは最強です。
話がそれましたが、この日はラッキーなことに、この2つのパンを大量にGet
して、ウキウキしながら本屋に行きました。暑くなってきた時期に大量に買い
込むのもどうかと思いますが、それもさておき。
今週はブロスの発売もあるし、通勤で読むマンガは2冊ほど買えばいいかと
思っていたのですが、ふと福祉コーナーに寄り道しました。
運命というものはあるんですね。
あちがちな手話単語本の中に、硬派な2冊の本があるじゃないですか。池袋
の巨大本屋ならわかりますが、イトーヨーカドーの本屋に、こんな本があるな
んて。
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その本がこれです。
よく似た日本語とその手話表現 第1巻
http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0107881766
よく似た日本語とその手話表現 第2巻
http://www.junkudo.co.jp/detail2.jsp?ID=0107881782
内容は、手話単語の持つニュアンスを説明したもので、日本語から手話に訳
するときに、どんな手話の単語を選べばいいのかが、わかるようになっていま
す。
少し前に日本語練習帳という本がヒットしましたが、その手話版とも言えそ
うです。
それから、手話単語の意味について解説した辞書となると日本語-手話辞典
が思いつきますが、この本は辞書よりも深いところまで掘り下げています。と
言うのも、日本語-手話辞典には、1つの用例でしか載っていないので、物足り
ない感じがしました。
この本は、1つの単語につき2ページ以上にわたって説明しているので、よく
わかります。
例えば、「聞く」。この本には次の6つの表現が解説されています。
1. 音楽を聞く。
2. 道を聞く。
3. 頼みを聞く。
4. 鈴の音が聞こえる。
5. 鈴の音に聞こえる。
6. 良い話が聞ける。
さぁ、この6つの文にある「聞く」の手話表現は、同じでしょうか、違うで
しょうか?
答えは、本を読んだ人のお楽しみにしておきましょう。
他にも、「あかん」「だめ」「悪い」の使い分けなど、京都の人らしい面白
いテーマも含まれています。
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さて、この本が取り上げている内容が、とても目の付け所がいいことは確か
ですが、では、この本が特殊な目的、ニッチな対象を目指しているのかと言え
ば、そうではありません。むしろ、このような使い分けの情報は、きちんと辞
書に載っているべきことです。
しかし、本屋に並ぶ数ある手話辞典は、単なる「単語帳」レベルであるため
使い分けまで載せているのは、まれです。余計な語源の解説は載っていたりす
るんですけどね。もっとも、単語帳レベルの辞書では、使い分けするほど単語
が載っていないのですけど。
その点、この本のたっぷりとした解説はとても貴重です。
もう一つ、この本を読んでいて思うことがあります。
手話単語は、使い分けまで踏み込むと方言や個人差をいかに扱うかという問
題が出てきます。意味やニュアンスが絡んでくると、個人の感覚が入り込んで
しまい、他の地域で通用しないといったことは出てきます。
この本は京都の手話が主体のようなので、私の感覚ではツッコミを入れたい
ところはあります。
が、取り上げている単語が1000語にも及ぶということもあり、この本で紹介
されている感覚を身につければ、ある一貫した手話の体系を身につけられるこ
とは保証できると思います。
さらにこの本の良いところは、解説だけではなく、類似文がたくさん載って
いて、手話サークルの練習などにも使えることです。
例えば、
チューリップばかりだ。
チューリップだけがない。
チューリップばかりではない。
と言った具合に、1テーマで、100個近く載っています。
意外と、こういう例文を作るのは面倒なんですよね。練習のネタ本としても
かなり貴重です。
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私は、この著者の脇中起余子さんという人はまったくのノーチェックで、知
らなかったのですが、これだけの用例を集めるとはただ者ではないような感じ
がします。
この本は論文の再編集だと思うのですが、かなり、すごいですよ。
奥付によれば、京都ろう学校の先生だそうで、ご自身もろう者だそうです。
ですから、ろう学校で手話を教えるための一言メモなども、なかなか含蓄のあ
る解説があったりして、教科書的にも使えますし、練習ネタとしても使えます
し、そして単純に読んでいて面白いです。
推薦の言葉も、全通研の伊東先生や、大塚ろう学校の南村先生など、すごい
人が寄せていますし、ノーチェックなのが恥ずかしい感じです。
とにかく、この2冊の本は必見です。
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そうそう、何が悲劇かと言いますと、結局、この日、本屋での出費が1万円
を超えてしまったことです。
シャトレーゼでケーキを買おうと思っていたのに...
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では、次回の語ろうかをお楽しみに。
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