紙と美
==紙と美 NO86 =======================
< kamitobi>
2008年3月11日発行
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■■主な項目
………▼「雅」と「わびさび」
▼研究会のお知らせ「紙と墨」
▼新作「継ぎ紙京うちわ」
▼「三十六人家集」「料紙」関連古書籍新着情報
▼展覧会インフォメーション
▼「紙フェァー」予告
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▽「雅」と「わびさび」
古筆の料紙をながめていると、雅やかな中にも一種「わびさび」の美を感
じるものも少なくありません。
世間では「雅」と「わびさび」を対極美として考える傾向がありますが、
私はどちらも日本の典型的な美の形式であり、それが一個の芸術品に共存し
ていてもまったく違和感がありません。
「三十六人家集」は、平安時代末期の古典で、まさに「雅」の粋を集めたも
のですが、この「三十六人家集」においても「わびさび」の美が見え隠れし
ているのがわかります。
ただ「わびさび」と云ってしまうと、「わび茶」のイメージが強く出てし
まいますので、私はこれを「完全美」と「不完全美」という言葉に置き換え
て考えています。
古来日本人は、完全性に美を追求すると同時に、不完全なるもの、未完成
のもの、朽ちていくもの、滅びていくものにも美を見出すという特異なる美
意識をもった民族です。
銀箔でも、完璧に押された箔の風合いを尊重することは言うまでもありま
せんが、時代の経過とともに、焼けた銀箔や、擦れて亀裂の入った箔なども
愛でるという美意識があります。
「三十六人家集」には、まさに雅やかな「から紙」や染紙などとともに「羅
紋紙」や「陸奥紙」や「紙屋紙」などの漉き返しの紙、まったく着色しない
素紙がそのまま使われていたりします。
また、美術品は後の世に伝承するものですから、永い時代の経過と共に、
つくられたときとは異なる景色を呈するときがあります。
これを民芸思想家の柳宗悦は『間接化』ということばで表現しましたが、ま
さに『間接化』した美しさというものがあります。
「三十六人家集」の染紙でも、染料が褪色し、より深みが増します。
平安時代の有名な古筆に「寸松庵色紙」があります。
「寸松庵色紙」の料紙は、から紙ですが、時代の経過と共に、表面におびた
だしい亀裂が生じています。
また、擦れによって、胡粉引きの下地の色が見え隠れして、えもいわれぬぼ
かしの効果を醸し出しています。
これなども「不完全美」の典型といえるでしょう。
「寸松庵色紙」
→http://homepage2.nifty.com/tagi/koten012.htm
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▽研究会のお知らせ「紙と墨」
下記の要項で「日本・紙アカデミー研究会」が開催されます。
今回は第2回目で、私の友人で「かみと美」(平安継ぎ紙フォ−ラム機関誌)
のレギュラー執筆者である山口力氏が講師として出講します。
本研究会の講題となっている「宣紙と井上陳政ー『清國製紙法』」について
は『かみと美』に第7号より連載しています。
これは、山口氏の画期的な研究発表です。
要項は下記の通りです。
□日時 2008年3月29日(土) 13時30分→16時30分
□場所 京都商工会議所地階セミナー室 京都市中京区烏丸通夷川上ル
□講師 山口力・村田篤美
□内容 紙と墨
1、「宣紙と井上陳政ー『清國製紙法』(1885年調査)を読み解く」(山口力)
2、「作品を通しての紙と墨」(村田篤美)
□参加費 1000円
□申込方法
申込用紙に必要事項を記入の上、FAXか郵送にて日本・紙アカデミーまで
送付
□締切 2008年3月25日
※詳細は下記にお問い合わせ下さい。
日本・紙アカデミー
〒606-8585 京都市左京区松ヶ崎御所海道町 京都工芸繊維大学内
電話070-5040−6216 FAX075−381-7374 メールkami@kit.ac.jp
主催者のチラシには次のようにあります。
「日本・紙アカデミーでは、さまざまなジャンルで紙に携わる方をお招きしてお
話をおうかがいするとともに、会員や参加者の意見交換の場として研究会を開催
いたします。
2回目となる今回は<紙と墨>をテーマに、紙の研究をされている山口力氏と、
書家で墨の造形作家である村田篤美氏からお話をいただき、墨をのせる宣紙の研
究と、紙に墨を使って表現する作家との二つの視点から紙を考えます。」
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▽新作「継ぎ紙京うちわ」
めづらしい「継ぎ紙京うちわ」を制作しました。
これは観賞用です。
工芸うちわは、京都に伝わりますが、『千鳥』『六立』『八立』などさまざま
な形のものがあります。
これから夏にむかって、是非お部屋や玄関先などに飾って下さい。
贈答品にも最適です。
現在在庫があります。
在庫切れのものは、2か月ほどお待ちください。
詳細はこちらです。
→http://homepage3.nifty.com/~ryoshi/utiwa.htm
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▽「三十六人家集」「料紙」関連古書籍新着情報
■「染紙の技法」 片野孝志 総合科学出版 1980年 初版213頁 図版14頁
3,500円
数少ない、というよりも唯一の和紙染め専門の技法書です。
和紙の折り染め、和紙のろうけつ染め、西洋の染めの手法であるフロッタ
ージュ、デカルコマ二ー他、全20種類にわたる和紙染めの手法を公開したも
のです。
経年変化によるヤケ等がありますが、状態は並です。
■雑誌「墨」50号『特集・三十六人集』 芸術新聞社 昭和59年
1,900円
保存良好
メール頂きましたら、もっと詳しい情報お送り致します。
価格は税込み・送料別
部数は原則一部限りです。
その他多数UP
詳細はこちらまで
→http://homepage3.nifty.com/~ryoshi/kosy.htm
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▽展覧会インフォメーション
□「書窓展」50回記念 ー自詠歌書・古筆臨書・かな、漢字作品ー 他
私が、いつも料紙を制作させて頂いている島田雨城氏の一門展です。
氏が主宰されている橘書道会は、自詠の歌を書くというポリシーを持って
永年研究活動をされている組織です。
古筆を尊重され、島田氏も真に料紙がわかる数少ない「かな作家」の一人で
す。
本展に出品される橋本昌子氏は、平安継ぎ紙フォ−ラムの同人であり、料紙
づくりのキャリアも豊富な作家です。
近在の方は是非お立ち寄りください。
要項は下記の通りです。
□日時 平成20年3月28日(金)→30日(日)
午前9時→午後5時(最終日は午後3時半まで)
□場所 京都市美術館<2階>
(京都市左京区岡崎公園内)
□主催 橘書道会
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▽「紙フェァー」予告
恒例の「紙フェアー」を5月24日(土)に大阪市北区にて開催します。
当日、鎌田敏輝制作による新作料紙、表装用染紙、揉み紙等を展示即売します。
現在、新考案の紙にも取り組んでいますのでどうぞご期待下さい。
毎回、実演やレクチャーなども企画していますので、今年も何か考えたいと思
います。
こんな紙をつくってほしいというリクエストがあれば何でもおっしゃって下さい。
尚、当日の詳しい要項については、後日本メルマガにてお知らせします。
多数の方のご来場をお待ちします。
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▽このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
▽『まぐまぐ』の登録や解除は
http://homepage3.nifty.com/~ryoshi/bi.htm へ
▽私へのご意見やご提言がありましたら下記メールアドレスまでお願いします。
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2008年3月11日発行
発行者 鎌田敏輝
URL「料紙で彩る宮沢賢治とイーハト―ヴ」http://homepage3.nifty.com/~ryoshi/
Eメール kamata-ihatov@nifty.com
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