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自分のアタマで考えるというシンプル手法を貫き、ぶんぶん頭をフル回転。文職人JUNKOの職人芸を御賞味ください。常識のウソ、社会の矛盾、笑いと元気と、ついでに自分も、発見しよう。映画紹介や記者会見レポもあります。

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2009/12/09

ぶんぶん便 No.450

     bunbun-bin ha tanosiina kyoumogenkini bunbunikou sore!
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■■■    「ぶんぶん便」  2009/12/9  No.450
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  作/者/か/ら/

わたしにことわりもなく12月が来てました。

めちゃ、びっくりです。

「そろそろ行きますけど」とか「いよいよ来ました」とか

挨拶がないように思います。

玄関でピンポンもせずにいきなり宅配便のおにーさんが入って来て

パソコンに向かうわたしに「肩をおもみしましょう」と言ったら

うれしいより先にきっとかなりびっくりします。

いや…

「どうぞ」と肩を差し出す(どうやって?)かもしれません。

いまのわたしなら、そういうことも考えられます。

どちらかというとひまじん系のわたしがこのところ

ひとなみ程度に働いているため、月とか曜日の感覚が

わからなくなっています。

いままでどんだけさぼってきたか……。

ということで、ぶんぶん便も一週抜かしましたし、

今日のコラムの内容も、とんちんかんだし(いつものことです)、

今年はあと一本、発行できるかどうか……って感じです。

みなさんもお忙しいことでしょう。

忙しいのは12月の特徴ですもんね。

この忙しさを乗り越えれば、ぽかんとした1月がやってくるのでしょう。

か?


─C─o─n─t─e─n─t─s─────────────────

□ 今週のコラム : 雨が好き

● シネマ de ぶんぶん : 『ウルルの森の物語』


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□ 雨が好き

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朝、目を覚ますとまぶしい。
カーテンごしに聞こえて来る。
「今日は晴天でいくぞ」という日光の決意が聞こえて来る。
そんな朝。

「今日はあの章から書き始めるんだよな」と思いつつ、むっくり起き上がる。
テレビもつけず、おでかけもせず、
書いて書いてひとやすみにDVDを見る。そんな生活の中でも、
晴れてるだけで気分がいい。日光をありがたく思う。
窓からの日差しを感じながら書くと、心がひろがってゆくような気がする。

ふと、「子どもの頃は雨が好きだったな」と思う。
なぜ好きだったんだろう?
濡れるし、外遊びできないし、傘は要るし。
なぜ好きだったんだろう?

台風なんかもう、ゾクゾクものだ。
停電、ろうそく、避難した体育館、毛布にくるまる人々。
それらすべてにゾクゾクワクワクした。
庭の杉の木が倒れて、雨戸をぶちやぶった日の翌朝の庭の惨状は
今もくっきりと覚えている。匂いごと覚えている。
もう、なんもかんも、めっちゃくちゃ。
どっきどきのわっくわく。
なぜそんなことが好きだったんだろう?

子どもの頃は風邪を引いて熱を出すのも好きだった。
苦しくて吐いたりするのに、ワクワクした。
昼間寝ている自分に、ワクワクした。
今はそんなことイヤだ。
子どもの頃はなぜそんなことが好きだったんだろう?

きっと。
非日常だからだ。
日常がたんたんと義務的にすぎてゆくのに対し、
非日常はゆがみがあって、ロマンがいっぱい。
ふだんスマシている大人もうろたえて、違う顔を見せる。
これぞ、ロマンだ。

子どもって無責任だから、
台風で家が壊れても、発熱で食べられない状態でも、
それはすべて大人が引き受けてくれて、なんとかしてくれる。
後始末や仕事が発生しないぶん、非日常の一瞬一瞬を無責任に楽しめた。
「このまま一生、困った状態が続く」とはつゆほどにも思えず、
無責任でいられた。

それだけ、ありがたい環境だったのだ。
無責任な子ども時代をありがとう。
親への感謝もあるけど、社会への感謝もある。
子どもに強迫観念を与えるような情報は今ほどにはなかった。

「きちんと勉強しないとおちこぼれる」みたいなのは無くて。
「無菌無臭命! 手を洗ってうがいをしないと死ぬかもヨ」も無くて。
「おなかを出すとかみなりさまがおへそをとっていく」はあったけど。

当時は社会が子どもに要領の良さを求めなかったんだ。
近道しなくていいし、出し抜かなくていい。
なんとかなるさと思えたし、大人たちもそう思ってたんじゃないかな。
なんとかなるって。

記憶にあるわたしの夏休みには課題がなかった。
宿題もしなかったしラジオ体操にも行かなかった。
ただぶらぶらしてた。
宿題もラジオ体操も学校としてはあったのかもしれないけど
やらなかったし、やらなくても済んだし、しかられた記憶が無い。

なんとかなる教のお気楽信者である子ども時代のわたしは
非日常が大好きで、特に「急な雨」がお気に入り。
学校へ行っている間に雨が降り始まると胸がおどった。
朝からの雨より途中から降る雨が好き。
「傘を持ってない状態での雨」が、非日常性をアップするのだ。

あめあめふれふれかあさんがじゃのめでおむかえうれしいな

という歌にあるように、わたしの母は傘を持って迎えに来てくれた。
放課後、雨の中、必ず、母は立っていた。
わたしは「母が学校に来る」という非日常も好きだけど
「雨に濡れながら帰る」という非日常にもっとロマンを感じていたから
うれしい反面、ほんのすこしだけど、がっかりした。

ある日のこと。
低学年のわたしはとっくに帰宅していた昼下がり。
しばらくして雨が降り始めた。
外へ遊びに行くのをあきらめて、部屋で本を読む。
雨の日に部屋で本を読む。そんなひとときも好きだった。

すると母がでかけようとしている。
見ると傘を2本持っている。
「おにいちゃんを迎えに行って来る」と母が言う。
わたしは想像力が豊かな子どもだったので、
とっさに「兄のがっかり」を想像した。
お兄ちゃんにロマンをプレゼントしたいと思う。

「雨の日は、濡れて帰りたいものだよ。
むかえに行かない方がいいよ」とわたしは言った。

母は「そうなの?」とわたしを見る。
わたしは自分の気持ちも含めて「うん」」と頷く。
これからは迎えに来なくていいから、という思いがあった。

今思うと、なぜ母はちっちゃな子どもの言う事をマに受けたのだろう。
それ言ったの、低学年の女の子だよ?
母にはそういう、子どもじみたところがある。
「上から目線」がなくて、子どもの言い分に「なるほど」といちいち感心する
素直な気持ちがあるのだ。

雨はどんどん激しくなった。
わたしは兄が大ロマンを味わっていると確信し、うらやましいような、
恩着せがましいような、そんな気分で本を読んでいた。

玄関を強く開ける音が響き、兄が帰って来た。
兄は全身ずぶぬれで、服ごとこれほど濡れた人を見るのは
あとにも先にもこれ1回きりだ。
母とわたしが「おかえり」と言うと、兄は口をきかず、
やぶにらみの目をして、ドスドスドス!と風呂場へ直行した。
母はあわててタオルを持って兄のあとを追いかけた。

あきらかに兄はへそを曲げていた。
母に見捨てたられたと思ったのだろう。
「お兄ちゃんはむかえに来て欲しいタイプなんだ」と知り、
わたしはちょっと驚いた。

ロマンの感じどころはひとにより様々で、
自分の感覚で人をはかることはできないのだ。

子どものとき、あんなに非日常が好きだったのに
現在のわたしは日常を愛している。
晴れるとうれしく、平熱だとうれしい。
おひさまよ、ありがとう。

非日常はいやおうなしにやってくる。
その時は自分で立ち向かわねばならない。
中にはどうにもならないこともある。
そのことが痛いほど、わかってきたからだ。

子どもじみているわたしだけど、一応大人にはなっているみたい。
日常を愛せる。そんな大人だ。


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● シネマ de ぶんぶん : 『ウルルの森の物語』

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2009年12月19日公開
http://www.ululu-movie.jp/index.html

北海道を舞台にしたオオカミの子のお話です。
自然と人間の共生、家族の絆がテーマです。
冬休み、親子で楽しめる系の映画です。
オオカミの子はウルフ・ドッグという犬種が演じています。
デリケートな犬種なので、ペットには不向きです。
あまり知られてない犬種だと思います。
この犬、渋くてかわいいです。渋カワ?

お話の下ごしらえ段階でお手伝いしました。
脚本はタッチしていません。
うっすらだけど一応関係者ということで冷静には観られず、
感想はまとはずれになりそうなので、ノーコメント。
あ、試写会の舞台挨拶の時、主演の船越栄一郎氏のおくさま松居一代さんが
会場二階席から「おとうさーん、よかったわよー」と叫んだので、
それが関係者代表の感想ということで。

わたしも二階の関係者席にいたのでめちゃくちゃびっくりしましたが、
声は通るし、綺麗な声だし、顔もやっぱ美人でした。
さすが女優さんです。

音楽は久石譲さん。
犬は渋カワ。でもペットにしちゃいけないヨ。
とだけ、自信もって言えます。

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