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自分のアタマで考えるというシンプル手法を貫き、ぶんぶん頭をフル回転。文職人JUNKOの職人芸を御賞味ください。常識のウソ、社会の矛盾、笑いと元気と、ついでに自分も、発見しよう。映画紹介や記者会見レポもあります。

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2009/08/26

ぶんぶん便 No.441

     bunbun-bin ha tanosiina kyoumogenkini bunbunikou sore!
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■■■    「ぶんぶん便」  2009/8/26  No.441
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  作/者/か/ら/

先週のコラム『3つの懺悔』に対し、

多くの方から励ましのおたよりをいただきました。

「犬の肉球は平気だよ」とか「セミはしかたないよ」とか

あたたかいお言葉をありがとうございます。

メールをひとつ読むたびに、ゆっくりと救われてゆきました。

実を言うと、書いてて辛かったんです。

自分で「まずいことをした」と思っている過去を文章化すると、

もういちど落ち込みますからね。

自分を念入りに嫌いになるというか…。

反省の追体験ですからね。

「だいじょうぶ」と言ってもらえるだけで、少し気が楽になります。

かといって、あまえてはいけません。

反省は反省として、心に刻みます。

刻みましたが。

わたしの反省度を神様が試しているのでしょうか?

夕方近所を歩いていると、またセミに遭遇しました。

セミはちゃんと背中を上にして、道路を歩いています。

道の真ん中をよちよち歩くと踏みつぶされてしまいます。

セミに近づいて、しゃがんで、よーく見ました。

わたしの気配に驚いて飛び去って欲しかったのですが、

飛ぶ元気はないらしく、よちよち歩いています。

もう寿命なのでしょう。

つかんで、道の端の草花のところへ置きましょう。

と、

心ではサラッとそう思うのですが、手が震えます。

背中がゾクゾク、ぶるぶるっとします。

コンチューサワルノ・デキルノカ・ジブン…

ここで見捨てたらまた後悔します。

でもさわるのはゾッとします。

葛藤です。

先を歩いていた夫が「セミ?」と言いながら戻って来ました。

いつもは後ろを振り返りもせずにどんどん行ってしまい

最終的に見えなくなってしまう夫が、珍しい事です。

虫(セミ)の知らせ?

夫に置いて行かれるのはそう苦ではありません。

初めはびっくりしたけど、わざとじゃないらしいし、慣れました。

今回はわたしがいきなり道路にしゃがみこんで地面を睨んでいるのですから

非はわたしにあると言っても過言ではありません(おおげさ)。

「セミ?」の問いかけに「セミ」とわたしは答えます。

まるで幼稚園児の会話です。

「あぶらゼミだね」と夫は言いますが、

わたし、あぶらもみんみんもつくつくぼうしもようわからんです。

それより背中にあぶら汗です。

さわるさわらない問題で心がいっぱいです。すると、

「わたしはセミをさわれますよ」と夫が言います。

え?

夫はセミをやわらかく握り、「このへんでいいですか?」と

草花の中へそっと置きました。

ええっ?

うそっ!

解決しちゃったよ!

神様、見てた?

人の手を借りてセミを助けました。

これって、反省度として、どのへんですか?

だめですか?

でも、とりあえず懺悔の必要はない気がします。

セミはおそらく草花の中でそっと息をひきとったでしょう。

グシャ!よりいくらかおだやかな最期だったと思います。

人の手を借りるとラクチンです。

わたしは味をしめました。

次回もまた人の手を借りて懺悔を免れたいなあと思ってしまいました。



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□ 「ほんとうに好き」の孤独と永遠

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シナリオライターは基本、出入り業者なのだ。

わたしは全くの個人でやっているので、事務所は無く、組織にも属さない。
依頼があると映画会社やテレビ局に行って打ち合わせをし、
書く作業は自宅でする。
生活は金銭的にも時間的にも不安定きわまりない。
精神的にも…だ。
精神不安はフリーランスだけでなく、会社員にも共通することだと思うけど。

やった!と思ったり、もうだめ!と落ち込んだり、
喜怒哀楽の激しい毎日で、近頃精神的にはタフになった。
まだかけ出し中のかけ出しで、ほっかほかの新人だから
よくわからないことも多くて、それだけに不安もあるけど、
裏を返せば、新鮮なの。

わたしは以前あまりテレビを見なかったのだけど、
意識的に見るようになった。
一視聴者であり、制作側の思いも知る立場となって、
ウッスラと違和感を感じることがある。

「こうすると視聴者はチャンネルを変えてしまうから、
 こうしないでああするほうが望ましい」
テレビ番組の製作現場の人から、なんどかこういう発言を聞いた。

基本的には映画もテレビもそこは同じで、
「観客が目をそむけたり、心が引いてしまわないように」
そう心がけるのは制作側として当然だし、送り手の誠意だと思う。
わたしもそうしたい。

だけど、チャンネルを次々変えて観る通りすがりの視聴者ばかりを念頭に置き、
つなぎ止めるための付け焼き刃的な技術をあまりに駆使すると、
「はじめから腰をすえてじっくり観るつもり」の視聴者を
ないがしろにする出来になってしまうのではないか。

かなりキレイゴト言ってしまうけど、
良質な作品を創ることが、結果的にスポンサーのメリットになる。
わたしはそう信じたいのだけど。

ニュースなのにモザイク入れてCMをはさんでから結果を見せたり、
その結果が「モザイクかけるほどのことかよ」だったりすると
もう全然、落ち着いて観ていられないの。
たしかに、結果が知りたいからチャンネルは変えないけど、
じゃあCMをじっくり見るかと言うと、イライラして目をそむけてしまう。

視聴率という数字だけ見て「よしよし」と思ってるスポンサーはどうなのだろう。
視聴者を「数字」でしか見ていない。
視聴者には心があって、心がある人間が財布も握っているってこと、
ご存知だろうか。

また、制作側も「視聴率」と言いながら、視聴者を見ず、
スポンサーだけを見てしまうってこと、ないだろうか。

良質なドラマやドキュメンタリーが
「視聴率がとれない」という側面だけで判断され、
「負け組」みたいなカテゴリーに入れられちゃうのも悲しい。
先日は心を打つドキュメンタリーを観て、心がわしづかみにされたけど、
それは某民放局の深夜にやっていた。
その局では、みんなが起きてる時間帯に何を放送してるかと言うと、
大勢の芸人さんがきゃーきゃー言いながらオーバーアクションでなんかやる、
そんなバラエティをたくさん流している。

そういえば、ひさしぶりにバラエティ番組を観たら、
芸人さんが両手をまるで柏手を打つようにバンバンと拍手しながら
仲間を「笑ってあげる」という芸がはやっている(のかな)みたい。
視聴者が笑う前に、現場で笑ってるってのは、有効なのかな?
あまりキキメはないと思うのだけど。
そうそう、仲間の話に仲間が「泣いてあげる」というのもあるみたい。
視聴者は泣いているのかな?
ひょっとしてもらい泣き?

芸人さんが芸を見せずにダイエットしたり過去の苦労話したり、
そういう「素(ス)」の部分で勝負するのは、わたしはあまり興味を持てないけど
多くの人はそういうの、好きなのかな。
多くの人がそれを好きなら、それはそれで成立してるんだよね。

わたしの感性がどうかしてるのかも。

自分が長年好きだった番組が「視聴率低迷」で打ち切りになると
「好きでソンした」って気にもなってしまう。
この国は民主主義って言いつつも、その実は利益至上主義だから、
「大勢の人が好むものを同じように好きでいないと、
嫌な思いばかりする」ってことになる。

先日のスパークリングベジもそうだけど、
いくら自分が好きでも「多くの人は買わなかった」という理由で
即、製造終了になってしまう。
結果はしかたがないにしても、「即」過ぎる。

新商品が発売になると、企業はこぞって宣伝するよね。
車だって冷蔵庫だってお菓子だってそう。
「みなさーん、これ、好きになってね〜」と叫ぶ。
「うん、好きになったよ〜」とこちらがニコニコ楽しんでると
「ごめん、無し!」と突然、やめちゃうんだもん。

それって、差し出された手を握り返そうとしたら振り払われた。
そんな感じだ。とても寂しい。

わたしが今使っているふっる〜い自動車はすでに製造中止になっている。
別にどうってことない車なんだけど、愛着がある。
紺色なのにウッスラと白くなって、よぼよぼなんだけど、
形も性能もほどほどで、身の丈にあってて好きなの。
でも、全く同じ新品は手に入らないってわけ。

わたしはちっぽけな存在だ。
わたし中心に世の中がまわっているわけではない。
そういう愚痴を言うのは自己中心主義!ってやつなので、大声は出さない。
ひっそりと、そう、こっそりと
「好きになったものたちよ、消えないでおくれ」と祈るばかりだ。

最近新商品が出て来ると、つい引いてしまう。
もし自分が好きになってしまって、
みんながそれを好きにならなかったら、
また製造中止になって、好きな気持ちがオキザリにされる。
それを「ベジ現象」と名付けて起こる前から予想してびびってしまい、
商品に手が出せなくなっている。
すっかりベジ・コンプレックスなわたしなのだ。

みんなと同じ物を好きになる習性を持てば、問題解決なんだけど、
物との出会いは一対一の真剣勝負!なので、
自分が見て、いい!と思う以外の方法では好きになれない。
流行や風評(他人の評価)では、好きになれないの。

それを証拠に、これはわたしが中学生の時、
修学旅行で訪れた清水寺近辺でおみやげとして買ったブローチだ。
  ↓
http://homepage1.nifty.com/jyk/js2/bbp036.html


数ある同じデザインの中で、ひとつだけイラストが左右に伸び切って、
ゆがんでた。
「これ失敗作だな」と子どもながらに見てとれた。
すると「唯一無二のしろものだ」と思えたし、その伸び加減も愛らしく、
一瞬にして好きになり、買いました。
ん〜じゅうねんのつきあいです。
フチが欠けたし、ウラのピン先もゆがんだけど、今も大切に使っています。

自分の目で見て「ほんとうに好き」と思うと、永遠です。
流行とか時間経過ですりへったりしないんです。

モノだけでなく、文章も映像も同じです。

今、結果がでなくても、
この先、なんねんもなんじゅうねんも先、
わたしの命が消えてしまったあとでも、
顔も知らない誰かの心に届くかもしれない。
そんな…小さいようで妙にでっかい野心もあります。

ひとに「ほんとうに好き」と言ってもらえる作品を
わたしは心をこめて書いてゆきたいです。


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・過去の作品からよりすぐり各8編。ぶんぶんセレクションはこちら。
     http://homepage1.nifty.com/jyk/bbsel.html
     http://homepage1.nifty.com/jyk/bbsel2.html
・すべてのバックナンバーは下記URLでご覧になれます。
     http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000037573



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