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自分のアタマで考えるというシンプル手法を貫き、ぶんぶん頭をフル回転。文職人JUNKOの職人芸を御賞味ください。常識のウソ、社会の矛盾、笑いと元気と、ついでに自分も、発見しよう。映画紹介や記者会見レポもあります。

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2009/07/07

ぶんぶん便 No.434

bunbun-bin ha tanosiina kyoumogenkini bunbunikou sore!
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■■■    「ぶんぶん便」  2009/7/7 No.434
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  作/者/か/ら/

本日は七夕です。ねがいごとしました?

わたしは週7日フルにねがいごとしてるんです。

不眠不休のイキオイでねがいごとしてるんで、七夕くらいお休みしようかなと。

ねがいごとしなくてもしあわせになれますようにという

ねがいごとにしようかなと(結局してるし)。

今日はいなもと(猫)の誕生日でもあるんです。

はじめは7月1日にしたのですがつい忘れちゃうので

忘れないようにと七夕にスライドしておきました。

ハッピーマンデーみたいなご都合主義です。

6歳です。人間にしたらわたしくらいかなぁ。

6といえば先月は6月。父の日でしたね。

社会人1年生の娘は父親にホチキスをプレゼントました。

本人が欲しがったので。

「なに欲しい?」「ホチキス」即答です。

中年男の欲しいものがホチキスというのも…微妙。

娘はついでという感じでわたしには画びょうを買ってくれました。

欲しがったおぼえはありませんが、もらってみると

わたしは画びょうがほしかったのだ。という気になってきました。

さいきん父の日は母の日に迫るイキオイで認知されています。

なのに敬老の日はじぃじとばぁばひとからげですね。

7月はおじいさんの日、8月はおばあさんの日を作ってみたら…

冗談です。こんな提案、政府がマジでくいつきそうで怖い。

経済効果のためならエコだって利用する国家ですからね。

エコ替えなんてうたってまだ使えるものを捨てて買い替えろなんて

思いっきり理論矛盾やってます。うさんくさい!

うさんくさいといえば何年か前、みどりの日ができましたよね。

きいろの日もできるかなと思ったら、みどりの日じたいがなくなっちゃいました。

憲法が改正されたら憲法記念日はどうなっちゃうんでしょう。

憲法改正記念日も作って休日を増やしてその日も高速料金千円にしたりして。

安いからってみんなが利用すれば高速道路が渋滞します。

渋滞すると低速になるので低速道路が千円なのはむしろ高くないですか?

憲法改正記念日で休日が増えるならばと改正に賛成者が増えたりして。

あはは。

笑えません。

一ヶ月遅れですが今日はおとうさんについて考えてみました。



─C─o─n─t─e─n─t─s─────────────────

□ 今週のコラム : おとうさん

● お知らせ  

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□ おとうさん

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実家は歩いて20分のところにある。
以前は10分と書いたような気がするけど
さいきん徒歩の速度が急速に落ち、倍はかかってしまう。

実家には両親が住んでいる。
わたしはこのふたりに育てられたに相違ないのに、
行くといろいろなことが目についてしまう。

庭の物干ざおに男物の腕時計が干してあったりする。
「どっかに落として濡れたの?」と聞くと、
父は首を横に振り「太陽電池だから」と答える。

太陽電池の時計は物干ざおに通して干すものだろうか。

「あれっておかしいんじゃないかなあ」と夫に聞いてみる。
すると夫は目を細めて
「おとうさんは説明書に頼らず自分の頭で考える人なんだよ」
とわかったようなことを言う。

わたしには奇行に思える父の言動の数々を夫は無理なく理解できるようだ。
夫と父は似ているからだろう。
人とつるまず、工作が好き。几帳面で綺麗好き。
しょっちゅうハンダゴテでなんかやってる。
下着も財布も鞄もちくちくと継ぎ当てをして永遠に使う。
我慢強く、妻の悪口を言わない。そんなところもそっくりだ。

夫もいつか物干ざおに時計を干すのだろうか。

現在夫は仕事部屋に靴下を干したりする。

「どうしたの? コレ」と尋ねると
「昨日履いた靴下です」と夫は答える。
「脱いだら洗濯機に入れてよっ」と怒ると
夫はもじもじして「洗濯物を増やすと悪いので」と答える。
わたしは黙って靴下をつまんで洗濯機に放り込む。

妻の負担を減らそうとするなら自分で洗濯すりゃあいいじゃん。
と思う人もいるだろうが、夫は洗濯機を使っちゃいけないの。
わたしが洗濯する権利を独占しているの。
夫はわがやで洗濯権と料理権を剥奪されている。

夫は結婚するまで一人暮らしで掃除も洗濯もすべて自分でやっていた。
結婚当初はわたしが会社勤めをしており、夫はフリーランスで自宅が職場。
帰宅すると洗濯と掃除はすべて夫が済ませていた。
それはそれでありがたかったのだけれども。

わたしもフリーになって自宅で仕事するようになり、
洗濯の仕事をわたしは取り戻した。
前の結婚では専業主婦だったので家事は365日当たり前のようにやっていて
だから家事は自分充分な世界なのだ。
どんとこい!どすこい!なのだ。
外の仕事で行き詰まった時、わたしは洗濯機を回し、
フライパンをジャカジャカして、自信を取り戻す。
「わたしにもできることがある」と思えて、気分がすっきりするの。
外では「かけだし」のわたしも家では「ベテラン」で「大御所」なのだ。
大御所だからいろんな権利を持っている。洗濯権とかね。

掃除する権利と皿を洗う権利とゴミ出しの権利はつつしんで夫に渡してる。
わたしこの3つはヘタだから自信につながらない。
夫はゴミの分別なんてもう、どんとこい!どすこい!だから、
綿密にこなしつつウットリし、仕事のストレスを解消しているに違いない。

話はソレるけど(まだソレる?)。
育児も権利と考えて、夫と妻で奪い合うくらいの意識だといいナ、と思う。
今の社会って生まれてスグに預け先を探すことにやっきになってて
政府もそれに応えることで少子化に歯止めをかけようとしてる。
経済事情もあるけど、子育てを押し付け合ってる社会にも見える。
育児を義務や苦役に思ったら親も子も生きにくい。

話はもどる。
どこに戻るかというと、父の話に戻る。
以前、ふらっと実家に顔を出したとき、
たまたま父とわたしはふたりきりになった。

父はハンダゴテでなにやら作業をしながらわたしを見ずにこう言った。
「KさんはJUNKOにあれこれ言わないだろう?」

Kさんとは夫のことだ。わたしは父の説教が始まるのを覚悟した。
おそらく「夫が口うるさくないからって甘えずにきちんと主婦をしろ」
とでも言うのだろう。

「うん、なんにも言わない」とわたしは慎重に答える。
すると父はこう言った。
「あれこれ言わない人は、自分もあれこれ言われるのが嫌なんだよ。
だからJUNKOもKさんを自由にさせてやりなさい」

ハッとした。
その言い方は説教とはほど遠く、心地よい距離感があった。
わたしには離婚歴がある。
親にしたら言いたい事は百万だらあるだろう。
そこをぐっとこらえて「遠くからそっと」の親心を感じた。
わたしはその時ただ「うん」と言ったけど、父をあなどれないと思った。

父の日はいつも近所の花屋でひとたば700円の花束を買い、自分の足で届ける。
玄関先で「コレ」と渡すと父は「おう、ありがとな」と受け取り、
「上がってくか?」と言ったり言わなかったりして、
わたしはほとんど上がらずに帰ってしまう。
行事にのっかってそういう行動をとることへの「照れ」があるからだ。

今年は近所の大型スーパーで「父の日キャンペーン」に乗せられて
半袖のワイシャツを選んで届けた。
サイズがわからないので「だいたいこんなもんだろう」と
てきとーなりに懸命に選んで持って行った。
やはり玄関先で「コレ」と渡し、父は「おう、」と受け取り
そのまま別れた。

その夜、父から電話があった。
「立派すぎて着て行くところが無いけど、病院とかに着て行く」
と言うのだ。
2千円のバーゲン品を立派と言われてくすぐったかった。

後日母が言うには、大きすぎてとても着られないらしい。
「わたしが着れそうなくらいなの」と母は言う。
それは……たしかに大きすぎる。

そのシャツを着て会うと「大きすぎる」とわかってしまうから
わたしの前で着てみせる事ができない。
だから「病院に着て行く」とうそを言ったのだろう。

そういえば。
今回玄関で父にシャツを渡すとき、父の腕が細くなったのに気付いた。
ゾク、っとしたんだ。あんなに細かったっけ。

「てきとーなりに懸命に選んだシャツ」は、わたしの幻想だった。
選ぶとき無意識に過去の父を思い描いていたのだ。

幼い頃、海水浴に行くとわたしは父の背中にしがみついていた。
元海軍で少年兵だった父の鍛えられた背中は筋肉隆々でたくましかった。
わたしを背中にのせてウミガメみたいにすいすい泳いだ。
波をものともせずに、すいすい泳いだ。
どんなに海が荒れてても、なんの心配もいらないの。
わたしは時々わざと手を離して、波間に消えてみたりした。
強い水流に飲み込まれ、海底で体がぐるんぐるん回った。
「せんたくきみたい」と回りながら思った。
すると父がぐっとわたしの足首をつかまえる。
そしてまた、海の上の空気が吸えるんだ。
父のそばにいれば危険などひとつもない。
わたしは安心して再び父の背中にしがみついた。
父の後頭部のムコウに水平線が広がっていた。

あのときの背中は今はもうない。
しがみつく背中はないんだ。
海底でぐるぐるもまれたら自己責任で死んでしまう。
大人になるというのはそういうことである。

こんどはわたしが背中に背負う番なのかもしれない。
娘は自分のボートを見つけたし、今後背負うべきは父や母である。
おそらく父はしがみついてこないだろう。
こんなヤワな背中じゃあ、しがみつきたくもないだろう。
もっとたくましかったら、しがみつく気にもなるかもしれない。
こんなわたしでもなれるかな。
人に頼られたりアテにされるゆるぎない人間に。

ゆるぎない。っていいね。
今はだめ。クラゲみたいにゆらゆらだ。

父の日はいろんなことを考える。


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●おしらせ
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ぶんぶん館を更新しました。
先週のぶんぶん便がいなもとの写真付きで読めます。
いなもと生後半年くらいの写真です。まるで別猫。

http://homepage1.nifty.com/jyk/bun.html

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