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自分のアタマで考えるというシンプル手法を貫き、ぶんぶん頭をフル回転。文職人JUNKOの職人芸を御賞味ください。常識のウソ、社会の矛盾、笑いと元気と、ついでに自分も、発見しよう。映画紹介や記者会見レポもあります。

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2009/02/24

ぶんぶん便 No.424

     bunbun-bin ha tanosiina kyoumogenkini bunbunikou sore!
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■■■    「ぶんぶん便」  2009/2/24 No.424
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  作/者/か/ら/

日本アカデミー賞受賞式をテレビで見てました。

日本のほうですよ。本場のじゃなくて。

松雪さんの衣装すてきぃ〜とか、モッくんて目がキラキラ〜とか

函館の映画祭でお世話になった審査員の作家さんもいるぅ〜とか、

ふへ〜と見とれていたのだけれど、あれれ?

何人かの役者さんがかけもちで受賞しているのです。

松雪さんは『容疑者Xの献身』と『デトロイト・メタル・シティ』で。

堤真一さんは『クライマーズ・ハイ』と『容疑者…』で。

あっちの作品でもこっちの作品でも。なのです。

えーーーーー。

たしかにすばらしい役者さんです。

でも、すばらしい役者さんはほかにもたっくさんいらっしゃいます。

わたしは叫びました。

「ワークシェアリング!」

……答えは返ってきません。

心の叫びですからね。

さてさて、本場のアカデミー賞も決定。

日本の『おくりびと』が外国語部門でオスカーに!

アニメーション『つみきのいえ』も見てみたい!

オリンピックよりうれしいです。がんばれ、日本。



─C─o─n─t─e─n─t─s─────────────────

□ 今週のコラム : 『伝えること・伝わること』

○ シネマ de ぶんぶん : 『犬と猫と人間と』


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□ 『伝えること・伝わること』

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わたしはシナリオライターの駆け出しのくせに、
テレビをあんまり見ない。
見るけど。
シナリオ修行中にしては、見方が足りない気がする。

選んで見ているのは、NHKのドキュメンタリーや対談。
そのひとつ、爆笑問題の『爆問学問』。
火曜夜11時からやってます。

お笑いタレントの爆笑問題おふたりがあちこちの大学へ行き
生徒や教授と対話をする番組。
あちこちの大学がいろいろな学問を地道に探求している姿が見える。
社会や経済の流れとは違う「遠くを見た流れ」を知ることができて、
なんだかほっとする。

学問は、過去を振り返る方法をとるけれど、その本質は、
自分が死んだ後の、自分では見ることのできない遠い未来に向けて
メッセージを残してゆくものだ。すごいよね。
学問はロマンなのだ。

民放のバラエティ番組をほとんど見ないから、
爆笑問題がほかでどういう活躍をしているのかよく知らない。
でも、太田さんも田中さんも素早い解釈力があって、
だから見応えがある。

ただ、不思議なの…
太田さんは東京芸大に行った時、ちょこっと変化する。
なんていうのかな、素直じゃなくなる。
なので、今までたしか2回、芸大が登場したのだけど
その2回とも途中から面白くなくなった。
芸大には知り合いがいるし、友人に出身者も多く、興味深い大学なのに、
残念。

1回目は芸大の学長さんとの対談。
2回目は芸大の准教授との対談。

途中までは芸大で行われている研究の紹介だからめちゃ興味深いのだが
いつも太田さんがひっかかるのは、伝えるってこと。
ひとに伝える方法として、芸術は弱く、
テレビでしゃべることが最高の「強さ」をもっていると
太田さんは思っているようだ。
「こんなとこで芸術やって誰が見てるの? 見てねーよ」みたいな。
「百年かけて伝える? まどろっこしいよ、大事なのは今だよ!」みたいな。
上2行、太田さんが言った事の要約なのだけどね。
少しニュアンスが違ってたらごめんね。

芸大2回目の対談での、准教授の考えはこうだ。
エンターテイメントはすぐに伝わる。すぐに伝わる物はすぐに消える。
芸術はゆっくり伝える。ゆっくり伝わるものは永遠だ。

対し、太田さんはこう言う。
テレビでしゃべると大衆にすぐに伝わる。
ことばですぐに大勢に伝えられる。この手段は最強だ。

ここで議論になれば面白いのだけど、議論にならない。
なぜかこのことにつき太田さんは理性を失う。
相手の言い分を聞かずにしゃべりまくることで、自分の主張を押し通す。

なんか、怖がってるみたい。
芸術が怖い? いや、
芸術を志している人が怖いのかな。
自分の足元をぐらつかせられる「何か」を感じるのだろう。

やがて准教授は黙ってしまった。怒ったとかじゃなくて。
聞く耳持たない人とは会話が成り立たないものね。
芸術はゆっくり伝えるもので、相手を今日打ち負かすことではないからね。
だから准教授は黙っちゃったのよ。ちぇ。

わたしは太田さんの意見が聞きたいんじゃなくて、
本日のゲストの言い分が聞きたい。だから番組は急につまらなくなる。
ので、太田さんがちと憎くなる。

これが太田さんの言う「伝え方」なのかしら。
だとしたら全然こっちには伝わらないんだけど。
太田さんは伝えてるつもりかもしれないけど、「言ってるだけ」なのだ。
伝えるということは相手が受け取ることなのに。
相手が受け取ってもいないのにぽんぽん言葉を投げつけてる。
星飛雄馬もまっつぁおの豪速球で。

太田さんは言う。
「今、ビルから飛び降りようとしている奴に
何年もかけて説得してらんない。
ガシっと腕をつかんで「死ぬな」と言うしかないでしょ」

太田さん、それは違うよ。
死にたい人に「命は大切だから、死ぬな」と言葉を投げかけたら
その場でその人は自殺を思いとどまるかもしれない。
でも、3日後にそっとビルから飛び降りるかもしれないよ。

死にたい人はみな「命が大切で自殺はいけない」ことを知っている。
そういう理屈はみんな知ってる。
他人がことばを尽くしてもだめなの。
その人が「生きたい」と心から実感するしか、道はない。

准教授の言う「芸術はゆっくり伝える」というのは
わたしにはスンナリ飲み込める理屈だ。
それは「死んじゃだめ」と言葉でストレートに伝えることじゃなくて。
たとえばだけど、
朝日を浴び、日々の心地よさを体感し、あるいは道ばたのたんぽぽを見て
「生」の強さや美しさやはかなさを自分の目や心で実感して、
自ら「生きよう」と思えることが大事だってこと。

そうして「生きよう」と思ったら、3日後もその後も続くんじゃないかしら。
「生きよう」という気持ちが。

正論はひとの心を動かさない。とわたしは思う。
自分で実感することが大切だ。
芸術が伝える方法って、絵や彫刻につまった作家の思想や思いを
見る側の人生でもって汲み取って、
送り手と受け手が融合して、
そこから何かが生まれるってことじゃないかしら。
けして一方通行じゃない。
受け手にもチカラがあってこその感動だ。
そうやって得た気付きは強い。
強いから残って行く。

テレビで伝える直接的正論は、ことばでしかなく、一方的なものだ。
太田さんの考えを聞きました。ハイ。それだけだ。
ことばが多ければ多いほど相手の思考の可能性は狭まる。
実感するスキがないもの。

太田さんは「思いを大衆に伝える」と言ったけど、
大衆は均一ではない。
大衆は個々に人生を抱え、心を持っていて、受け取り方はさまざまだ。

わかってほしかったら、相手の人生を尊重しないと。
「考える自由」を奪っちゃいけない。

人々に投げかけるときは言葉少なく
受け取り方自由なものであってほしい。

わたしのおしゃべりはゆっくりめ。
おばかさんみたいに。
わたしの脳の働きそのものが遅いせいもあるけど、
相手がこちらに反論するスキマをつくっておく。
つけいるスキっていうの?
それを与えないと返って伝わらない気がするの。深いところでね。

テレビドラマと映画の違いは最近なくなってきている気がする。
けど従来は、
テレビドラマは説明的で、映画は受け取り自由な気質があった。
茶の間でタダで見る環境と、お金払って暗闇で真剣に見る環境の違いがある。

わたし自身はテレビドラマも映画も
受け取り方に振り幅があるものが好き。
説明過多な作品は一方的に発信しているだけで
「言ってスッキリ、自己満足」なだけで、見ているコチラは受け取り損なう。
「あ、そう。わかった」と思って、わかるけど実感は無くて、
理解はあるけど共感はなくて、あとは記憶から消えてしまう。

記憶に残ることって、
事象に対して何か能動的に感じた時じゃないかな。
事象に自分の感情が重なって、記憶を形作る。
だから記憶は人それぞれに違った形状になる。

「受け取って、考えてくれない?」という伝え方が好き。
相手の人生を尊重しているってことだから。

それにはまず、もちろん、伝えたいことがあるのが基本だけどね。
伝えたいことがなくてウケたいだけだったらスカスカだ。

太田さんには伝えたいことがある。
だからあのひとは面白い。
わたしも伝えたいことがある。
でも伝え方は…違う方法をとりたい。

太田さんのクローンが太田さんに豪速球を投げ続けたら
太田さんはキャッチできるのかなぁ。
こんど芸大に行ったらもちっと聞く耳もってほしいです。
……。
ぶんぶんでこう書いたって、太田さんには伝わらないね。
わたしのほうこそ「言ってるだけ」だ。
お粗末!



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○ シネマ de ぶんぶん : 『犬と猫と人間と』

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先週ご紹介したドキュメンタリー映画を22日に観て来ました。
↓『犬と猫と人間と』
URL: http://homepage2.nifty.com/lowposi/


1時間58分。
長さを感じさせない。
不謹慎な言葉ですが、面白い!面白い!面白い!

日本の動物たちのリアルな現状を監督の透明な心が見つめてゆきます。

辛い映像を覚悟していましたが、
残酷さも悲しさも、あたたかいフィルターを通すとこうも豊かになるのか。
構成もすばらしく、ゆっくりゆっくり伝わって来ます。
そしてそれぞれの心にそれぞれの思いを残します。

面白い!(にこにこ)
頭が下がる。(しゅーん)

自分がチンピラに思えて来ました。
……。

チンピラの推薦がどれだけチカラになれるかわからないけど
JUNKOはこの作品を応援します。
夏に劇場公開が予定されているそうです。
それから全国で上映会…となるでしょう。

予定が決まったらまたお知らせしますので、ぜひぜひご覧くださいね。
「この会場でやったらどう?」とアテのある方がいらしたら
上記サイトへ連絡してみてください。

処分されていく犬や猫を心配されている方々はもちろん、
全く興味のない方も、というか、興味が無い方ほど、ぜひ見てください。

なぜだか下腹にチカラが入り、パワーアップします。


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・過去の作品からよりすぐり各8編。ぶんぶんセレクションはこちら。
     http://homepage1.nifty.com/jyk/bbsel.html
     http://homepage1.nifty.com/jyk/bbsel2.html
・すべてのバックナンバーは下記URLでご覧になれます。
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