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不動産金融アナリストの井出保夫が、難解とされる不動産証券化のしくみを基礎からやさしく解説します。ビギナークラスの不動産、金融、建設セクターに勤めるプレーヤー向きの内容です。大学生も歓迎します。

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2006/01/11

井出保夫の不動産証券化教室 第123回

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井出保夫の不動産証券化教室 第123回 平成18年1月11日

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香港市場に3番目のREITが上場


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中国本土系企業初のREITとなる「越秀房地産投資信託基金{越秀リート、英語名
はGZI(Guangzhou)REIT}」が、先月21日に香港市場に新規上場した。


初値は3.7香港ドルと公募価格(3.075香港ドル)を20.3%上回り、上々
の滑り出しを見せた。この背景としては、不調が続く香港市場には投資家向けに新た
な金融商品を提供したいとの思惑があり、一方中国政府にとっても、香港REITを
バブル懸念が消えない中国の不動産市場を安定化させる切り札にしたいとの思惑が
ある。


越秀リートは、中国広州市政府系の不動産開発業者:越秀企業(集団)の香港上場子
会社である越秀投資が、広州市内に保有する4つの商業施設で組成した不動産投資
信託である。個人投資家向けの投資口に対する応募倍率は、最終的に496倍、機関
投資家向けは74倍とかなり人気が高かった。予想配当利回りが年率6.54%〜
7.05%と高めに設定されたのが功を奏したようだ。


もっとも、香港のREIT上場は始まったばかりである。昨年11月25日に香港の
政府機関系の領匯(リンク)」が初めて上場し、先月16日には香港の有力財閥:
長江実業系のプロスペリティーが続いた。初値はリンクが公募価格を9%、
プロスペリティーが27%上回るなど、今回も含めてIPOプレミアムはそこそこ
確保できている。


実は以前から香港政府当局は今回のREIT上場の地ならしを進めてきた。香港では
運用対象の不動産を香港域内に限定してきたが、昨年6月に関連法規を改正して、
中国本土の不動産も運用できるようにした。一方中国側は11月1日から新しい外貨
管理規定を施行して、中国本土企業がREITを海外で設定することを認めた。香港
側にはシンガポールが先行するREIT部門の巻き返しに向けて、中国本土企業を
利用する狙いがあるとされる。


一方で、北京政府が香港REITに寄せる期待も生半可なものではない。今年11月
に北京で開催された「2005年中国不動産金融年会」で、中国人民銀行の呉暁霊・
副行長は、「中国の不動産業者の負債比率は75%前後。香港の上場大手5社の
30〜40%に比べて高い」と警戒感を示した。

呉副行長は続けて、「銀行からの融資に加え、直接融資のルートを開拓することが
重要だ」とも主張している。中国の不動産市場にいきなり直接金融を導入するのは、
さらなる混乱を招きかねないだけに、中国にとっても香港市場の既存インフラは
かなり魅力的に映っているはずだ。


いずれにしても、アナーキーと言われてきた中国本土の不動産が、香港市場を通じて
グローバル市場にデビューしたことの意義は大きい。

         
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