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不動産金融アナリストの井出保夫が、難解とされる不動産証券化のしくみを基礎からやさしく解説します。ビギナークラスの不動産、金融、建設セクターに勤めるプレーヤー向きの内容です。大学生も歓迎します。

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2005/09/10

井出保夫の不動産証券化教室 第119回

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井出保夫の不動産証券化教室 第119回 平成17年9月7日


米国の住宅バブルはどこまでもつのか

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米連邦準備理事会(FRB)が米国の住宅バブル崩壊を本気で警戒し始めたよ
うだ。かつてFRBは「住宅価格の上昇は実需の下支えがあるからであって、
決してバブルとは言えない」とのスタンスを取り続けてきたが、実需だけで住宅
価格が年率2桁も上昇するのは、明らかに異常である。


米国の住宅市場は、新築住宅、中古住宅ともに今年4月の販売実績が軒並み過去
最高を記録し、販売価格も前年同月比で15%上昇するなど、量的にも価格面
からも過熱感が伝わってくる。全米不動産協会(NAR)によると、住宅市場の
目安とされる一戸建て中古住宅の販売実績は、4月に5%増の628万戸と過去
最高を更新。その価格(中心値)は15%増の20万3800ドル
(約2200万円)と初めて20万ドル台に乗せ、値上がり率も過去最高と
なった。


グリーンスパンFRB議長は、約1年前から続く長期金利の低下について「米国
だけでなく世界的に見られる異例の動きだ」と指摘し、その理由を説明する
「仮説」として次の4点を挙げた。

<1>経済の先行きに対する市場の不安
<2>年金基金による債券運用の拡大
<3>外国の中央銀行による米国債の大量購入
<4>中国やインドの市場参加に伴うインフレ圧力の抑制


もっとも、議長は「いずれの仮説にも疑問が残り、国際化の進展で新たな現象が
起きているかもしれない」とも説明している。グリーンスパン流に言えば、長期
金利が上昇せずに不気味なほど安定している現状は、まさに「謎」としか言いよ
うがないのかもしれない。


FRBや通貨監督局(OCC)など銀行監督当局は今年5月に、バブルの一因と
考えられている銀行のホーム・エクイティローンの抑制策を打ち出した。金利
のみの取引や所得に対する借入比率の高い取引などに関して、銀行にリスク管理
の徹底を求めたわけだが、果たしてその程度の指導でここまで過熱した住宅バブ
ルがクールダウンするのかどうか疑問である。


住宅バブル退治を急ぐ余り、金融当局が今まで以上に利上げを重ねるとどういう
展開が考えられるのか。かつて平成バブル末期に、平成の鬼平と言われた三重野
日銀総裁が犯したバブル退治の愚は語るまでもあるまいが、
もっと身近な例では、住宅バブルを抑制するために昨年末から利上げに走った
英国の事例が挙げられる。


英国では利上げ後に何が起こったか。英国経済の原動力となってきたのは住宅
価格の高騰と、それを担保にした借り入れによる旺盛な個人消費だった。
しかし、英中銀は昨年以降、「不動産バブルに歯止めをかける」として金融引き
締めを鮮明にした。英国では住宅ローンの大半が短期金利に連動しており、
利上げ後まず足元で住宅価格が下落に転じた。


さらに、大手英銀の個人向け融資の貸し倒れが増え始めた。金融引き締めで返済
負担が重くなっているのに加え、担保となる住宅価格が下落に転じたことが背景
にある。株式市場では、不良債権の増加が嫌気され大手銀行株が軟調な展開に
なっている。市場では早くも利下げ観測が台頭してきた。


こうした身近なバブル退治の実例をグリーンスパン議長はどう見ているのだろ
うか。米国の住宅バブルに比べれば、英国のそれはミニバブルに過ぎない。
利上げによって米国の住宅価格が下落傾向に向かえば、不動産市場のみならず
米国の金融システムそのものが崩壊しかねない。おそらくこの思いは中国の金融
当局にも共通のものがあるのではないか。いずれにしても、世界各国で
住宅バブルをソフトランディングさせることは至難の業である。


<大阪で第3回不動産証券化スクールを開催します>

【日   時】9月17日(土) 9:30〜17:00
【場   所】大阪・梅田 阪急ターミナルビル17階
【受 講 料】52,500円(税込)/お一人 昼食・テキスト代含
【主催・申込先】(株)ジェイ・アムズ Tel 06-6243-5115  Fax 06-6243-5775
 詳細は http://www.hi-ho.ne.jp/idex/ をご覧ください。

【プログラム】
第1講 『SPCを使いこなして証券化しよう』
・2つの証券化スキーム:流動化スキームと運用型スキーム
・典型的なSPCとは
 − TMK(特定目的会社)、YK(有限会社)、KK(株式会社)
   LLC(有限責任会社)、etc

第2講 『拡大する証券化市場、多様化する証券化スキーム』
・不動産証券化市場規模の現状と今後の動向	
・開発型証券化スキーム
・地方物件、中小規模物件の証券化スキーム
・公募型、私募型の最新実例を紹介

第3講 『SPCを活用して証券化スキームを作ろう』
・TMK(特定目的会社)と資産流動化法
・YK(有限会社)+TK(匿名組合)+ノンリコースローン スキーム
・諸条件に応じた適切なSPCの判断方法
・有限責任中間法人を活用した倒産隔離スキーム

第4講 『証券化に必要な最新知識』
・LLP(有限責任投資事業組合)の概要
・改正証取法の概要と不動産証券化への影響
・信託業法改正と信託受益権販売業者制度の概要

第5講 証券化に必要な会計・税務知識
    その他質疑応答

※会計・税務の講師は菊地潤也氏(公認会計士/税理士)を予定   
            
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本教室のバックナンバーは井出不動産金融研究所のHP上で公開しています。
URL http://www.hi-ho.ne.jp/idex/

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http://www.kaijo.com/

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