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不動産金融アナリストの井出保夫が、難解とされる不動産証券化のしくみを基礎からやさしく解説します。ビギナークラスの不動産、金融、建設セクターに勤めるプレーヤー向きの内容です。大学生も歓迎します。

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2005/05/12

井出保夫の不動産証券化教室 第114回

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井出保夫の不動産証券化教室 第114回 平成17年5月12日


J−REITが新築物件にシードマネーを入れ始めた

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最近の傾向として、J−REITがTMK(特定目的会社)が発行する優先出資証券
やYK(有限会社)+TK(匿名組合出資)スキームのTK部分に投資する事例が増
えつつある。


例えば、ジャパンリアルエステイト投資法人(JRE)は、「(仮称)晴海センター
ビル」(平成18年11月竣工予定)を開発するために設立された開発型TMKの
優先出資証券のうち、約12.7億円(優先出資全体の49.9%相当)を3回に分割
して取得すると発表した。


また、日本リテールファンド投資法人(JRF)も、大阪府高槻市の商業施設
(核テナント:ジャスコ)を開発するために組成されたYK+TKスキームのTK
出資部分を取得すると発表した。JRFは他の2社とともに全体の15%程度に相当
するTK出資を行うことになる。


両方の取引に共通しているのは、いずれも物件完成後の優先取得交渉権を持つことを
目的として、その前段階のSPCに投資している点である。J−REITは相変わら
ず投資物件の取得難に直面しているが、市場で売りに出される物件を競争して買う
よりも、これから開発が予定されている物件を、開発前の段階から“唾をつける”
戦略に切り替える投資法人が出てきたということだ。


開発期間中のSPCへの出資は、基本的には収益を生み出さぬまま資金を寝かせるこ
とになるが、優先取得交渉の権利は一種のコールオプションであり、オプション料を
払うつもりであればそれほど惜しくはないとの判断なのだろう。完成後実際に物件を
取得するか否かは、その時の市場環境と相場による。


いざとなればコールオプションを行使せずに他の投資家が物件を購入するというシナ
リオも成り立つ。
こうした流動化スキームにおけるSPCの出口の引受手としてのJ−REITが、
いわゆるシードマネーとしてSPCに出資する手法は、他のREITにも徐々に広が
っていくだろう。


ところで、上記のような取り組みにおいては、平成16年度より税制上の緩和措置が
取られたので注意が必要である。本来投資法人は、その導管体要件に「他の法人の
発行済株式または出資の総額の50%以上を保有していないこと」という要件が含ま
れていたため、TMKが発行する優先出資証券を50%以上取得することは事実上で
きなかった。


この規制によって、本来優先出資者に対して優先交渉権を付与するケースが多いTM
Kの保有資産処分(出口)時に、J−REITがTMKの保有不動産を取得すること
が困難となっていた。ところがその後、平成16年の税制改正において、この導管体
要件が一定の要件の下であれば緩和される措置が取られた。


一定の要件とはすなわち、優先出資証券の保有期間をTMKの最終2事業年度に限り
、かつ3年間の時限措置として認めることになった。この要件の下でJ−REITが
TMKの発行する優先出資証券の100%を取得した場合には、その優先出資証券に
ついては、J−REITの導管体要件の一つである「他の法人の発行済株式又は出資
の総額の50%以上を有していないことの要件」を適用しないことが認められ、その
取得した優先出資に係わる利益の配当についてはJ−REIT段階で課税されること
になった。


したがって、非常に短期的な制約のなかで、優先出資を100%取得した場合に限っ
てのみ導管体要件が認められるというイレギュラーな特例を活用するか、もしくは
従前どおり優先出資の保有を50%未満に抑えるか、いずれかの投資判断が求められ
ることになる。


≪ 講演会のお知らせ ≫
<1>
テーマ:不動産証券化市場の最新動向と今後の課題
    〜J−REIT、私募ファンド、米国他海外REITを中心に〜
日 時:5月31日(火)13:30〜16:30  
場 所:東京・茅場町
参加費:33,700円
申 込:金融財務研究会  
ホームページ http://www.kinyu.co.jp/ Tel03−3297-6371 

<2>
テーマ:小規模不動産の流動化業務と小口ノンリコースローンの実務
日 時:6月22日(水) 15:00〜18:00
場 所:大阪・梅田 阪急ターミナルビル17階会議室
参加費:6,000円
締 切:定員100名
大阪の不動産投資顧問会社(株)ジェイ・アムズ主催の不動産証券化
ビジネスセミナーで井出が講師を務めます。
お申込/お問合等は、ホームページ http://www.j-ams.jp  
Tel06−6243−5115 までどうぞ。

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本教室のバックナンバーは井出不動産金融研究所のHP上で公開しています。
URL http://www.hi-ho.ne.jp/idex/

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http://www.kaijo.com/

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