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不動産金融アナリストの井出保夫が、難解とされる不動産証券化のしくみを基礎からやさしく解説します。ビギナークラスの不動産、金融、建設セクターに勤めるプレーヤー向きの内容です。大学生も歓迎します。

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2005/04/17

井出保夫の不動産証券化教室 第113回

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井出保夫の不動産証券化教室 第113回 平成17年4月13日


「事業用借家制度」創設の動き

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オフィス仲介大手:三鬼商事の調査によると、今年3月末時点の東京ビジネス地区
のオフィスビル空室率は8カ月連続で改善し、5%台半までに改善したという。
東京ビジネス地区の平均空室率は前年同月比2.47ポイント改善し、5.51%
となった。ビル別では大型新築ビルの空室率が同3.85ポイント改善の
4.09%、大型既存ビルが同2.43ポイント改善の5.55%となった。
このように大型新築ビルの募集状況は概ね好調に推移している。


また、平均賃料は前年同月比0.93%下落の1万7593円となり、下落傾向は
弱まっているという。ちなみに大型新築ビルは同0.11%下落の2万5347円、
大型既存ビルは同0.15%下落の1万7438円(いずれも坪単価)だという。


オフィス賃貸市場の改善を受けてか、政府・自民党は賃貸オフィスなどの商業用
不動産市場を活性化するため、新たに「事業用借家制度」を創設する方針を固めた
という。骨子は定期借家制度のように契約期間が終了すれば確実に退居してもらえ
る一方、貸主と借り主が合意すれば更新手続きだけで契約を延長できる仕組みだ
という。今秋に予定される臨時国会に借地借家法改正案を提出、成立を目指す方針
だという。


従来の借家制度の主流は契約期間を限定できない「普通借家制度」であり、借り主
の権限が強いため、契約期限が来ても退居せず、高額な立ち退き料を求めるトラブ
ルも頻発していた。こうした問題点を踏まえて、2000年に契約期間が満了すれ
ば確実に退居する「定期借家制度」が導入された。しかし、更新制度がないため、
双方が更新を希望する場合には契約を新たに結び直すことが必要とされ、
連帯保証人も再度要請しなければならないなど、使い勝手の悪さが指摘されていた。


新制度は、契約期間を限定できる定期借家と、簡便な更新手続きで契約を延長でき
る普通借家の双方の長所を組み合わせたハイブリッド型だとされている。小規模
店舗では住居と一体のケースも多いことに配慮し「専ら事業用で居住に使う物件
は除く」と明記するほか、床面積も200平方メートルか300平方メートル以上
の物件に限るとの条件を盛り込む方針だという。


もっとも、実現までには詰めるべき課題も多い。例えば、「事業用借家」には個人
経営の病院・診療所や弁護士、税理士、行政書士等の、いわゆる「士業」事務所を
対象にすべきかどうかといった点である。この形態が、「事業用借家」の対象外
となり、適用されるのが「普通借家」のみとなると、柔軟性がなくなり、この形態
の事業者が貸してもらえなくなる事態にもなる、との指摘をする声が早くも出て
いる。実現までにはまだまだ紆余曲折がありそうだ。


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