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2008/05/21

[書評]のメルマガ vol.361

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■■ [書評]のメルマガ                        2008.5.21発行  

■                                               vol.361
■■     mailmagazine of book reviews   [ 豚汁の味 号]
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[CONTENTS]------------------------------------------------------
★短期集中連載 樽本周馬「文学鶴亀』ができるまで」
 →文芸評論家・武藤康史の単行本ができるまでの8年間の手記。
★「入谷コピー文庫 しみじみ通信」堀内恭
 →限定15部でオモシロ小冊子をつくる極小版元の活動報告です。
★「古今東西歌舞音曲芸能図書偏読三昧」高野ひろし
 →落語には当時の社会や風俗や暮らしのエッセンスが詰まっている。
★「オヤツのオトモ」大橋あかね
 →アマいオヤツにゃ本が合う。本邦初の「食い合わせ」書評なのです。
★「中山亜弓が選ぶこの一冊」
 →強烈な色彩を放つガーナの手描き映画ポスター本をご紹介します。
★「新・新刊書店の奥の院」荒木幸葉
 →休載です。

*本文中の価格は、表示のあるもの以外は、税抜き(本体)価格です。

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■短期集中連載 『文学鶴亀』ができるまで 樽本周馬
その2 この本には「文学鶴亀」が収録されていない
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 前回、武藤康史さんが畑中佳樹さん斎藤英治さんらと作っていた同人誌「キ
ップル」を見たことがない、と書いたところ、なんと武藤さんと大学で同じゼ
ミだったという黒岩比佐子さんに「キップル」の現物を見せていただく機会に
恵まれた。やはり凄い内容だった。詳しくは次の回で書くことにいたします。
黒岩さん、そして仲介をしてくださった南陀楼さん、ありがとうございました!

 武藤さんに直接会ったのは2000年の夏、中野駅のホームに於いて、であった。
私はその年の春、京都の大学院を中途半端に修了して国書刊行会に就職、営業
部に配属され書店をまわっていた(担当は渋谷・新宿・中央線沿線)。中野駅
のホームに見覚えのある男性が立っている。「あっ……」武藤康史さんだ。な
ぜ武藤さんの顔を知っていたのか? 答え:『金井美恵子全短篇』(日本文芸
社)の月報で武藤さんが金井さんをインタビューしていて、そこに顔写真が載
っていたから。私はしばらく遠くから観察していたが、(一旦武藤さんは車両
に乗り込み……そのとき『塀の中』[花輪和一]を読まれていたように記憶す
る…しかし車両故障とかで又ホームに戻ってきて…)、意を決して「武藤さん
ですね」と声をかけてしまった。武藤さんは少し動揺して「なぜ分かったので
すか」と聞いてこられたので、『金井美恵子全短篇』で云々と説明した。そし
て、出版社の人間であること、武藤さんの文章が好きで、武藤さんの本が出し
たい等々、ごにょごにょと口走り、持っていた『野坂昭如コレクション(全3
巻)』のチラシを渡して、別れた。

 その年の9月、刊行された『野坂昭如コレクション』を献本した際、同封し
た手紙で、武藤さんの文章をまとめた本を出したい云々と書いた。その後、達
筆の文字で書かれた葉書をいただき、そこには今はまだ…という断りの言葉が
丁重に記されていた。残念に思いつつ、手紙の末尾に「いずれよろしくお願い
します」という一文があるのを記憶に留めたのである。

 以降、自社の本を書評用ということで献本したり、めぼしいものがないとき
には、ひょんなことから入手した『藤澤清造貧困小説集』(亀鳴屋、2001年、
つげ義春のカバーが素敵)という限定本を自分のところにあるよりは、とお送
りしたりした。その頃「図書館の学校」という雑誌で武藤さんは「読書日記」
を連載していて藤澤清造のことを書いていた

 2002年、編集部へ異動になってからは、自分が編集したものを献本するよ
うになった。武藤さんも著作を送ってくださった。そうして手紙のやりとりを
時々……そうこうするうちに2007年。私はふたたび意を決して武藤さんに「そ
ろそろ…」と電話をした、のだが、そこまでの記憶は鮮明なのに、なぜいきな
り電話をしたのか、なにかキッカケとなる出来事があったのか、まったく記憶
がない。とにかく意を決した、のだった。武藤さんの返事は「是非、是非」、
ということで、『文学鶴亀』企画は具体的に進んでいくことになった。

 ちなみに、「三田評論」の最新号(5月号)で、武藤さん御自身が『文学鶴
亀』が出るまでを執筆されている(私との出会いも含めて)。〈(……)プラ
ットフォームでつくねんとしていたところ、若い男が近寄ってきて「武藤さん
ですね」と言った。〉というくだりを読んで「おれって不審者だなー」と今更
ながら呆れてしまった。

 さて、本のタイトルは『文学鶴亀』しかない、と思っていたが、武藤さんも
そうだったようだ(何度目かの打ち合わせで「タイトルはやっぱり『文学鶴亀』
ですかねえ」と聞くと、「やっぱりそうでしょうねえ」という感じの返事だっ
たので)。とはいえ、社内では企画書のときにつけた『日本語探偵帖』のほう
が何故か評判がよく、『文学鶴亀 日本語探偵帖』という表記もありか? と
ずっと思っていたが、思い切りがよくない、と反省し、結局『文学鶴亀』とな
った(ただし思い切りの悪さは残っていて、オビ裏に「日本語探偵帖」の文字
があり)。ちなみに「文学鶴亀」とは雑誌「ノーサイド」に連載されていた文
藝エッセイのタイトルである(1994年9月号から96年6月号まで全22回)。
里見トン(弓+享)、野上彌生子、伊藤整といった作家たちを〈新しい、これ
からの作家〉として紹介するような、目の覚めるような連載だった。

 しかし『文学鶴亀』に「文学鶴亀」は収録されていない。もちろん当初は、
この連載を収録する予定だったものの、他の連載(「批評の細道」「韋駄天漫
筆」「旧刊十二番勝負」「日本語探偵帖」)と並べると、どうも「鶴亀」だけ
調子が異なることに気付き、さらには、充実した作家プロフィール欄も武藤さ
んが書いていたことを知り、それだとプロフィール欄も載せたい、しかしペー
ジ数が足りぬ……と悩み、さらにさらに、武藤さんが私が全然見たこともない
雑誌掲載の文章のコピーを送ってくださり、それも載せたし載せたし、しかし
ページ数が……ということで、結局「文学鶴亀」は外す、ということになった
のである。私が以前に編集を担当した『ピントがボケる音』(2002年)も
「ピントがボケる音」(アックス連載)というシリーズ自体は収録されておら
ず、なぜそうなるのか分からないのだが、もしかするとボリス・ヴィアンが小
説のタイトルを、舞台が北京でもなく季節が秋でもないから『北京の秋』と名
付けたこと、のようなことか? と思ったりもする。いずれ「文学鶴亀」は武
藤さんの著作に収録されるだろう。しかし、その本のタイトルは『文学鶴亀』
ではないわけで、実にややこしい。それも良き哉。       〔続く〕

〈たるもと・しゅうま〉1974年生まれ。国書刊行会勤務。

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■入谷コピー文庫 しみじみ通信  堀内恭
(16)上板東映と豚汁定食
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 さる3月の地方新聞の死亡欄を見ていて驚きました。1983年12月31日に
閉館した上板東映劇場(東武東上線の上板橋にあった)の支配人だった小林絋
さんが65歳で亡くなったとの記事だったからです。

 70年代後半、まだ無名だった石井聰互を育て、ついには映画『狂い咲きサン
ダーロード』(1980年)の製作に乗り出したのも小林さんでした。その当時、
低迷を続ける邦画界を救えるのは自主映画、独立プロの若者たちではないかと、
あえてその自主映画上映に力を注いだのも小林さんが支配人だった上板東映で
した。
 また、1979年からは「ズームアップ映画祭」に協力し、高橋伴明、中村幻児
らの若手ピンク映画監督らの作品を評価した功績も忘れられません。

「西の京一会館、東の上板東映」と言われて、〈名画座の熱き時代〉に若者た
ちにひときわ注目された名画座でした。その館内は壁や天井いっぱいに映画の
ポスターで埋め尽くされて、いつも熱気ムンムンでした。
 ここで初めて川島雄三の作品を見たり、神代辰巳の『宵街草』や高橋伴明の
『襲られた女』を観たことも忘れられません。

 亀有名画座の今井通雄支配人を通じて、2度ほどお目にかかったことがあり
ます。小林さんはまだこれからも映画文化発展のために何かしようとされてい
ました。上板東映のことを聞くと、写真などもあるということだったので、い
つか上板東映の話を聞きたいと思っていたこともあり、小林さんの逝去は本当
に残念でなりません。

 上板東映で忘れられないのは、まだ学生だった頃、映画を観た帰りのこと、
どうしようもなく腹が空いた夜のことでした。近くの定食屋のショーウィンド
ーを見て店内に入り、一番安い「豚汁定食」を頼んだ時のことです。「ごめん
なさい。あれはもうやっていないのよ」と女主人に言われてしまいました。そ
れ以上の定食は皆高く、注文をすると帰りの電車賃がなくなるので、仕方なく
席を立とうとした時、「じゃ、特別に作りましょうか」と言われて、豚汁と大
盛りの飯、お新香を目の前にドーンと女主人が置いてくれました。

「おばさん、この豚汁の味は一生忘れませんぜ」と口には出しませんでしたが、
そんな思いで、泣きそうになりながら食べたものでした。

〈ほりうち・やすし〉1957年生まれ。フリー編集者。
赤穂貴志さんの『都内名画座・ピンク劇場潜入レポートふたたび』を5月中旬
には刊行予定です。

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■古今東西歌舞音曲芸能図書偏読三昧  高野ひろし
(43)凄まじい労作
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北村一夫『江戸東京地名辞典 芸能・落語編』講談社学術文庫、2008年4月、
1700円

 三遊亭円朝が作った人情噺で、落語でも歌舞伎でもお馴染みの『文七元結』。
腕は確かだけど博打好きの左官の親方・長兵衛さん。このだらしない父親の借
金返済のため、娘が吉原に身を沈めて作った50両って金をね、長兵衛さんは
吾妻橋から身を投げようとした大店の手代・文七にあげてしまうんですわ。感
動的なシーンが目白押しで、しかも笑いもあり、これを思い切り臭くやるか、
さらりと江戸前に仕上げるか、演じ手の裁量ひとつ。

 江戸っ子の長兵衛さん一家が住む本所達磨横町は、駒形橋を渡った先あたり、
墨田区吾妻橋一丁目。達磨屋があったからそう俗称され場所で、北斎も住んで
いたそうです。
 健気な娘・お久さんが自ら身を売りにいった佐野槌という店は、吉原の江戸
町二丁目にあって、ここに身を寄せていた勝海舟の父・小吉が大立ち回りをし
たことでも有名なんだって。
 一方、身を投げようとした文七は、本白銀町三丁目の鼈甲問屋・近江屋の手
代。丁度中央通りと江戸通りの交差点一帯ですよ。

 ってな具合で、落語、講談、浄瑠璃に芝居等に出てくる江戸の地名が今どこ
ら辺に当たるのか、すいすい分かっちゃうんです。しかもただ住所だけでなく、
坂や社寺、大名旗本、店名までが網羅され、ちょっとしたエピソードや町の由
来も、ほどよい文量で書かれているんです。

 本書は文庫版での再発で、最初に出たのは23年前。勿論現在のような落語ブ
ームではなく、インターネットもないし、学術分野ではないから、頼りになる
先達もなく、実在かどうかから確かめなくてはなりません。文献を丹念に調べ、
自らの足で探して作り上げたんです。発刊当時にどの程度評価されたか分かり
ませんが、これは凄まじい労作です。

 江戸時代から語り継がれ、演じ継がれてきたのは、市井の人々に支持されて
きた証拠です。その一字一句の中には、当時の社会や風俗や暮らしのエッセン
スが詰まっています。使われた地名や固有名詞を知ることは、当時を知る手掛
かりでもあるんです。そこをきちっと踏まえた作りに、著者の強い信念を感じ
ます。1700円はお買い得!

〈たかの・ひろし〉東京生まれ、路上ペンギン写真家。もう10年以上、5月
の連休は京大阪に遊びに行っている。今年の大阪の収穫は、居酒屋・正宗屋千
日前店と総本家更科の感動的居心地の良さを発見したこと。正宗屋はチェーン
店らしいが、店舗毎に全く個性も肴も料金も違うので、是非全店制覇したい。
京都は悪王子町と元悪王子町を見物し、おぉ確かに悪王子の仕業と、爆笑しな
がら頷くひとときだった。歩くか喰うかという至福の旅だ。 

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■オヤツのオトモ  大橋あかね
(32)日本人の宝物
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小沢忠恭撮影、小田豊二文『笠智衆 写真集 おじいさん』朝日新聞社、
1992年、2700円

 私はショートケーキが大好きだ。日本人が考え出した宝物の一つだと思う。
お気に入りは『ラ・テールセゾン』のショートケーキで、ほわっとした口溶け
の生クリームにしっとりしたスポンジ、甘味の強い苺と、どの素材も丁寧に正
直に作られているのがわかって、食べていて、安らいだ幸福な気持ちになる。

 この宝物は未だに日本人に大切にされているのだが、忘れ去られようとして
いる宝物も多い。その一つに出会えるのが『笠 智衆 写真集 おじいさん』だ。

 この本は、笠さんが八十七歳の時の写真集で、笠さんの鎌倉での日常や熊本
への帰郷、小津安二郎監督の墓参りに行く姿を各地の風景と共に撮った写真に、
ぽつぽつと語られた笠さんの言葉が、ひっそりと添えられている。

 樹々や花々、日本の美しい自然に溶け込む様にすうっと立っている姿や、画
面一杯の笑顔を見ると、思わず涙が出そうになるほど、愛おしくなる。
 ここには、かつての日本人が大切にしていた「恥を知り、足るを知る」とい
う心がある。これこそ、日本人が忘れ去ろうとしている宝物に他ならない。

 笠さんの言葉にも「どんなに欲張ったって、人間にはそれぞれ分がある。」
「この世の中、欲張ったらきりがない。こりゃ諦めにゃァならんと、そう、わ
し思うたんじゃ。」とあるが、まさにその通りだと思う。自分の分を知れば、
思い上がった自分を恥じ、謙虚になる。そして、満足して幸せになれる。

 この写真集を見る度、私は忘れてはいけない日本人の宝物を思い出す。

〈おおはし・あかね〉ハラゴメカエル作家。ずっと伝えたいことがあって、こ
の本を選びました。どうか、沢山の人の心に届きます様に。
http://www.haragome.com/ 

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■中山亜弓が選ぶこの一冊
(29)これぞユニヴァーサルデザイン!
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『MOLLUSK 06 /Ghana Movie Posters』(encyclopedia de Bongoût)
230×170 36P 英仏二ヶ国語表記

 タコシェに、ガーナの手描き映画ポスターばかり70点を収録したカタログ
“GHANA MOVIE POSTERS”がベルリンから届きました。
 Bongoûtという、どちらかというとアンダーグラウンド、あるいは先鋭的な
アートを紹介する雑誌&ギャラリースペースが、同タイトルの展示にあわせて
作成したものです。

 ガーナのことは、ガーナチョコととっても派手なお棺(故人の職業にちなん
で漁師さんならお魚型、仕立てやさんならミシン型のカラフルなお棺を、ある
いは好きだったものを特注するようで、いまや海外からも発注があるとか…)
くらいしか知らなかったのですが、お棺に負けず、映画ポスターも強烈だった
のです。

 このカタログの解説によると80年代以降、ガーナではビデオを使ったハリウ
ッド映画やカンフー映画などの上映が庶民の娯楽になり、呼び込みのために手
描きポスターが小屋に貼られるようになったそうですが、プレスリリースとか
宣伝スチールといった情報がない中で、映画の魅力を最大限に描写すべく、不
明部分は絵師さんの経験と想像力で補うものだから、ハリウッドや香港にアフ
リカの土着の要素がブレンドされて、大蛇やお獅子が組み込まれた半人半獣が
出てきたり、豪快な首チョンパや手や足がボウボウに生えた樹木が植わってい
たりするのです。そして文字情報といえばシンプルにタイトルのみ!

 そしてこの本は、商業戦略やスターシステム、アイキャッチやデザインetc.
でパッケージング・アディクトな我々を、絵そのもの、映画本来の魅力に引き
戻してくれるとガーナ映画ポスターを大絶賛。

 しかし、なぜガーナばかりがこうも派手で強烈なのでしょう?
 ガーナのお棺を取材したことがある都築響一氏に伺ったところ、ガーナでは
字を読めない人もいるため、何をするところかわかりやすく絵を描いた看板が
町中にあふれていた、とのことでした。なるほど! これぞ本当のユニヴァー
サルデザイン、常に目が刺激され、文字以外の表現が発達しているわけですね。

 ところで、ガーナ映画ポスターはいまやコレクターズアイテムにもなってい
るようです。ほかにも、本を対象にこの手のものを検索してみるとインドの広
告コレクターが編んだインド広告アートの本から、北朝鮮のプロパガンダポス
ター集などなど、いろいろな宣伝アートのコレクターと本があるようで、貼り
紙やら街頭広告の世界も存外奥深いようです…。

 そして、ここからは宣伝になりますが、高円寺でリサイクルショップを営む
松本哉さんが、「法政の貧乏くささを守る会」「貧乏人大反乱集団」「素人の乱」
および杉並区議選出馬&落選などなど、様々な社会活動を通して会得してきた、
お金を使わずに実現できる表現や暮らしの知恵を記したhow to本を筑摩書房
から出すのを記念して、現代日本ではかなりプリミティヴな宣伝アートといっ
てもいい、彼らの手書きビラや印刷物の展示をタコシェで行う予定です。

 コンピュータを使った整った体裁の印刷物が多くなったきた今日、ちょっと
ローテクな手書きを併用した氏とその仲間の印刷物は刺激的で表現の隙をつい
ているようなところがあります。そして何よりチープ!

 若松孝二監督の『実録・連合赤軍』の中の立て看板のゲバ文字を見たり、ガ
ーナポスターを眺めつつ、松本さんの活動に刺激されてそんな、ちょっと変わ
った、でもタコシェらしい展示を考えているところです。

〈なかやま・あゆみ〉中野タコシェ勤務。 

タコシェ 
http://blog.taco.shop-pro.jp/ 

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