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2008/03/15

[書評]のメルマガ vol.352

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■■------------------------------------------------------------
■■ [書評]のメルマガ                      2008.3.15発行 

■                                              vol.352
■■     mailmagazine of book reviews  [名前はわかるよね 号]
■■------------------------------------------------------------
[CONTENTS]------------------------------------------------------
★近事雑報「南陀楼綾繁のホンのメド」
 →本をめぐる情報+アルファの雑談です。一箱古本市やトークいろいろ。
★「関西古本女子だより」頓花恵(トンカ書店) 
 →大阪と神戸の「本スポット」から届く、楽しくて美味しいお便り。
★「音を探してページをめくる」貴島公
 →音楽サイト「モノノフォン」の主が、音とテキストの関係を考察する。
★「〈畸人研究〉今柊二の読書スジ」
 →瞬間を記録するということでは鉄道関係の人々はスバらしい仕事をする。
★「酒とつまみと営業の日々」大竹聡
 →各方面で話題沸騰のミニコミ「酒とつまみ」の営業秘話です。大好評。
★「版元様の御殿拝見」塩山芳明
 →新幹線通勤中に毎日一冊は本を読む男が版元の社屋を徘徊します。
*本文中の価格は、すべて税抜き(本体)価格です。

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■南陀楼綾繁のホンのメド 
新刊、古書、マンガ、雑誌、ウェブサイト、書店、イベントの近事雑報
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★不忍ブックストリートの一箱古本市
 毎年春・秋に開催される「不忍ブックストリートの一箱古本市」。今年の春
はなんと、2日間開催です。また、この両日を含む、4月26日(土)〜5月6日
(火・祝)までは、一箱古本市weekとして、ライブ、展覧会、講談、トークなど
のイベントが15以上開催されます。こちらもお見逃しなく。

日時 2008年4月27日(日)& 5月3日(土祝)
時間 11時〜16時(両日とも)

現在、両日に出品する店主さんを募集中です(先着順、3月24日締め切り)。
すべての情報は下記をご覧下さい。

「しのばずくん便り」
http://d.hatena.ne.jp/shinobazukun/

★『山のぼりおり』発売記念 石田千トークイベント三連発

 エッセイスト・石田千さんが「のぼりおり」した十の山。『山と渓谷』での連
載を一冊にまとめた『山のぼりおり』の発売を記念して、トークイベントを開
催します。
 石田千さんをよく知る御三方が、「いったいなぜ山のぼり?」という素朴な疑
問をぶつけたり、「山といえばね…」と思いもかけぬ話をはじめたり、山をテ
ーマにゆるゆるとおはなしする会です。
 ちなみに、山のぼりに関してはみなさん初心者ですので、山の知識や経験は必
要ありません。お休みの日の開催です。散歩がてら、お気軽にご参加ください。

石田千×荻原魚雷(フリーライター)
会場 高円寺・古本酒場コクテイル http://koenji-cocktail.com/
日時 3月20日 (木・祝)16時30分開場 17時開演 19時終演
定員 20名(先着順)
料金 入場無料ですが、飲食代は別途かかります。ワンドリンク以上のオーダ
ーをお願いします。
申し込み方法メールにて「石田千トークイベント」とお申し込みください。宛
先はこちらcocktailbook@hotmail.co.jp
お名前、人数、当日ご連絡のつく電話番号を明記してください。 

石田千×畠中理恵子(元書肆アクセス店長)
会場 神田・アンチヘブリンガン 千代田区猿楽町2-7-11ハマダビルヂング2F
日時 3月22日(土)13時30分開場 14時開演 16時終演
定員 20名(先着順)
料金 1000円(ワンドリンク付) 
申し込み方法メールにて「石田千トークイベント」とお申し込みください。
宛先はこちらantiheblingan@tcn-catv.ne.jp
お名前、人数、当日ご連絡のつく電話番号を明記してください。 

石田千×田村治芳(彷書月刊編集長)
会場 神保町・ヒナタ屋 www4.plala.or.jp/HINATA-YA/
日時 3月22日(土)17時30分開場 18時開演 20時終演
定員 20名(先着順)
料金 1000円(ワンドリンク付)
申し込み方法メールにて「石田千トークイベント」とお申し込みください。
宛先はこちらhinata.ya@ivory.plala.or.jp
(ヒナタとヤのあいだに.がはいります) 
お名前、人数、当日ご連絡のつく電話番号を明記してください。 

注意書き※ 各回ごとに申し込み先が異なりますのでご注意ください。
※イベントに関する最新の情報www.yamakei.co.jp

★ブルース・インターアクションズの新刊
 ブルース・インターアクションズの新レーベル「P-Vine Books」より、2冊
が出た。北山耕平『雲のごとくリアルに 長い距離を旅して遠くまで行ってき
たある編集者のオデッセイ』は、1970年代に『ワンダーランド』や『ポパイ』
の編集者として活躍した北山氏の自伝的エッセイ。『本の雑誌』連載中の津野
海太郎「サブカルチャー創世記」と読み比べてみると面白い。1600円。もう一
冊は、ブル・モーガン『ビート・ジェネレーション ジャック・ケルアックと
旅するニューヨーク』。2381円。ケルアックの旅をたんねんにたどったもの。
ビート文学入門書でもある。本書の発行日は、ケルアックの誕生日にちなんだ
3月12日だ。
http://www.bls-act.co.jp/bm/index.php

★『女子の古本』発売記念
岡崎武志さん 浅生ハルミンさん トークイベント

『女子の古本』(筑摩書房より3月25日発売予定)の発売を記念して、著者
で書評家の岡崎武志さんと、表紙デザイン・挿画を担当したイラストレーター
の浅生ハルミンさんのトークイベントを開催します。

期日 4月13日(日) 午後5:30〜
場所 オリオン書房ノルテ店内ラウンジ
入場料 500円
お電話・メール・店頭にて席のご予約をお願い申し上げます。
トークイベント終了後、お二方によるサイン会を開催させていただきます。
サイン対象本は当日会場にても販売させていただきますが、
岡崎さん・浅生さんのご本でしたらお客さまお持ちの、弊社でお買い上げいた
だいた本でないご本でも結構です。

オリオン書房ノルテ店
TEL:042-522-1231
http://www.orionshobo.com/

もうひとつ岡崎さんのイベント。

岡崎武志 コクテイル・ライブ・トーク(春)

中央公論新社『ベストセラーだって面白い』の発売を記念して、岡崎さんのラ
イブ&トークをおこないます。

日 時 :3/18(火) 19:00開場 19:30開演
チャージ:1000円

場所 古本酒場コクテイル(高円寺)
http://koenji-cocktail.com/
※要予約です。お申し込み&お問い合わせは下記
 03-3310-8130またはcocktailbook@hotmail.co.jp

★水族館劇場、古書ほうろうに現る!

日時:2008年3月19日(水) 
    開場 18:30/開演 19:00(終了予定時間 22:00)
料金:1500円(簡単な打ち上げつき)
定員:40名(要予約)

演目
・第1部 さすらい姉妹『鞍馬天狗』
  作演出 桃山邑

・第2部 対談「いのちを屠るということ──やさしさ、について」
  内澤旬子(イラストルポライター)
  桃山 邑(水族館劇場代表)

*ご予約は、古書ほうろうまで、メール、または電話で。先着順にて受け付けます。
・メール あて先:horo@yanesen.net 
件名:3月19日 水族館劇場 申し込み
お名前、人数、当日ご連絡の取れる電話番号を、お書き添えください。
・電話:03-3824-3388
*飲みものは、ご自由にお持ち込みください。
*お問い合わせは、古書ほうろうまで。

なお、ココに載せられなかった新刊、イベントなどの情報は、随時以下に
掲載しています。ときどきご覧ください。
「ナンダロウアヤシゲな日々」
http://d.hatena.ne.jp/kawasusu/

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■関西古本女子だより  頓花恵
(7)ある古書店でのあるご縁
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 近頃、お店の中のやり取りでこんな光景が増えました。
「あ、袋は大丈夫ですよ」「そのままでー」「袋持ってますので」「袋ありま
ーす」……。購入していただいた本を袋に詰めようとすると、持参の袋を差し
出される方が多いのです。少し前までは女性に多かったのですが最近は男性も
かなり多くなりました。それも急激に。
 エコバッグというのでしょうか、鞄の中から携帯用カバンを取り出され慣れ
た手つきで詰め込まれていくのです。

 そして、買取依頼のお話しでは、「どなたかに使っていただきたいのです」
「もらって生かして欲しい」「傷んでいますがいい本です」「家の人のもので
私は読んだことないのですが誰か欲しい人はいませんか」引き取り手を探して
おられる方の多いこと。本を捨ててしまうのはあまりに辛すぎる、そんな思い
が毎回伝わってきます。

 神戸の灘区にある神戸学生青年センターでは毎年六甲奨学基金のための古本
市が行われます。(今年は3/15〜5/15です)六甲奨学基金とは主に留・
就学生への奨学金支給などを目的にした基金でこの古本市も基金活動の一環に
なっています。古本市に並べられる古本は皆が不要になって送ってもらった本
で成り立っていて、売価も一冊100円〜300円とお値打ちで掘り出し物も多数
出るようです。古本市に本を送られる方の気持ち。買う人もそれを受け取る気
持ち。本のバトンです。

 本に限らずですがこれ以上不要なものを増やさない、もし不要になったとし
ても必要とする人の元に届けたいという思いを最近強く感じるようになりまし
た。本に対する愛着も含めて査定をするのは時に責任重大のように思えます。
そして古本屋としての意味を感じさせられるのです。

〈とんか・めぐみ〉
神戸元町にてザックバランな古本屋「トンカ書店」を営業中。
イベント案内
3/15〜3/31 “給食をテーマにしたアート展”『給食のじかん』
3/15〜4/30 神戸5ヶ所のギャラリー、イベントスペース合同企画『おさんぽ
スタンプラリー』
詳細はHPまで

トンカ書店
650-0011 神戸市中央区下山手通3-3-12元町福穂ビル2D
078-333-4720 
http://www.tonkabooks.com/ 

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■音を探してページをめくる  貴島 公
(8)名前はわかるよね(番号を調べてみてよ)
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村上春樹、和田誠『村上ソングズ』中央公論新社、2007年12月

 街の大きなCDショップには、読み物コーナーが充実しているところがあり、
雑誌だけでなく、書籍もそこそこ置かれている。輸入CDを扱っている店では
雑誌や書籍も同様で、しかも一般書店の洋書コーナーよりも安い。流通の違い
から、一般書店では付けられないオマケが付くこともある。それに……せこい
話だけど、店のポイントカードは書籍にも適用されるのだ! というわけで、
一般書店には申し訳ないけど、「音楽本はCDショップで買う」ことにしている。

 ただ、何故だか、あくまで経験上の話だけど、広範囲の読者を持つ著名な作
家の本は、音楽を扱ったものであっても、あまり置かれていないような気がす
る。最近では、的確なあがた森魚評にうれしくなってしまった(えらいピンポ
イントですんません)森達也『ぼくの歌 みんなの歌』がそうだし、村上春樹・
和田誠の両氏が好きな歌について、詞を訳し、随想を綴り、イラストを描いた
『村上ソングズ』もそう。見当たらない。ポイントが稼げない……のはともか
くとして、CD購入者にアピールしそうな気がするのだけど。

 CDショップの読み物コーナーで見かけ(たことが)ないことと関係がある
のかどうか(いや、ありません)、いわゆる音楽本とはちがったところが確か
にある。「あくまでも趣味的な本」とはあるけれど、村上さんの読者ではある
がレコード好きでないひと、ランディ・ニューマンやREMを聴いたことがな
い読者に向けても、「ひととき「趣味」をともにすることができたら」と考え
られている。まえがきを読んでいて、そのことを実感し、感激してしまった。
掲載しているレコードやCDの写真が手持ちのものであることに触れて、村上
さんは書く。「製品番号もいちおうそのまま記載した」。「いちおう」とある
のがうれしい。レコードがほんとに好きなこと、でも、そのことを無自覚に誇
ったりしないことが伝わってくるから。

 レコードやCDは、本よりも流通寿命が短いので、本に製品番号を記載する
ことは一考を要する。番号を載せても、読者がそれを読んだ時点で、注文する
のに役立つとは限らない。だから載せない、と濱田滋郎さんが『エル・フォル
クローレ』で書かれているのを読んで、潔さにうなった。でも、もう一方で、
奥付記載の習慣がないレコードにとって、製品番号は「版」を知るための手が
かりであり、手元のそれがどのようなものであるかを示すものでもある。注文
の役には立たなくなっても、身の証のために添えておいてあげたい。だから
「いちおう」なのだと、村上さんの本をろくに読んだこともない身で申し訳な
いけど、勝手に推測している。本を読んで、興味がわいて、聴きたくなったら、
村上さんも書いているように、「インターネットか何かで最新情報を検索」す
ればいい。読者に少し手間暇をかけさせることになるけれど、そのことで、製
品番号を載せることにまつわる屈託が緩むのであれば、喜びたいと思う。

〈きじま・こう〉説明業、趣味・読書と音楽鑑賞。
『ぼくの歌 みんなの歌』と『村上ソングズ』には載せられなかった文章につ
いて共通点があります。というわけで、今回のタイトルは訳しちゃダメらしい
某バンドの歌のタイトルより。でも、この歌は手持ちの訳詞集2種のどちらに
も載ってなかった。……別の意味で訳しちゃダメだったりして。

「モノノフォン」
http://homepage1.nifty.com/hebon/fhp/ 

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■〈畸人研究〉今柊二の読書スジ
(22)定点観測と鉄道
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 東京というか、首都圏で暮らしていると、すさまじい勢いで街並みが変化し
ていくのがわかる。特に今年は東京メトロ副都心線が6月に開通することもあ
ってか、新宿をはじめとして明治通りでの変化が著しい。変化の最中は、どう
変わっていくかに気持ちが行ってしまうけれど、しばらく経つと、消えて行っ
た街並みやモノが懐かしくなるのだった。そういう意味で、街を瞬間瞬間に記
録することはとても大事な気がする。

 瞬間を記録するということでは鉄道関係の人々はスバらしい仕事をする。『写
真で比べる昭和と今 国鉄風景の30年』二村高史 (山海堂)は、国鉄風景に
特化した定点観測の一冊で、駅、路線、施設、運転、車両などを全国にかけて
記録している。現在は跡形もなくなっている貨物ホームや、今も痕跡をとどめ
る広大な構内を持つ駅など、どれも興味深い。また「大変貌した東京近郊の駅」
では、昭和48年の武蔵野線新松戸駅前がスゴイ。駅前には商店はおろか、人家
もほとんどなく、ただ平原が広がっているのだった。そして現在は駅前から線
路が見えなくなるほどビルなど建物が立ち並んでいる。ここまで変化するとは。

 また、「上野駅のいま昔」での地平ホームとコンコースの変化も楽しい。や
っぱり昔のほうが強烈なエネルギーを感じたなあ。

 なお、定点観測ということならば、『懐かしの横浜市電―あの頃の市電通り
へ』天野洋一・武相高校鉄道研究同好会 (竹内書店新社)も実にナイスな一
冊だった。

〈こん・とうじ〉畸人研究学会主幹。
東京新聞にて、隔週火曜日の夕刊にて「立ちそば大好き!」連載中。

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■酒とつまみと営業の日々  大竹聡
(58)新たな女性スタッフ活躍す
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『酒とつまみ』創刊号から5号までの座談会的インタビュー『酔客万来』を単
行本にまとめる作業は、発行人である私がタッチしていないところで、少しず
つ進んでいった。

 中島らもさん、井崎脩五郎さん、蝶野正洋さん、みうらじゅんさん、高田渡
さんと一緒に酒を飲んだときの連載記事を、一冊の本にする。それは、前年に
やはり『酒とつまみ』連載から単行本化した『ホッピーマラソン』と同じ経緯
であるが、今回の『酔客万来』の場合、大御所5人の言葉をどれだけ生き生き
と伝えられるかという点で、ホッピー本のときより編集のハードルが高かった
ように思う。しかし、編集Wクンは、表紙のデザインから紙質、全体の構成、
テープ起こし、原稿執筆、脚注作成、校正その他もろもろ発生する作業を着実
にこなした。

 この連載の前号にも書いたが、私はもう、まるでタッチしていない。やりた
いんだが、どうにも手がつけられる状態ではなかった。少し後になってからの
ことだが、編集者のクレジットからオータケの名前を外そうかと、Wクンは真
剣に考えたらしい。それが実態だった。

 さて、寒風吹きすさぶ感のある『酒とつまみ』編集部であったが、この頃、
いいことがあった。新たな女性スタッフのN美さんが参加してくれたのだ。W
クンも私も、以前から知っている人で、偶然にもその頃、少しばかり時間が作
れるような状況にあったため、頼んで来てもらった。

 創刊メンバーであり本誌に連載も持ってもらっているY子さんも別嬪だが、
N美さんもまた、別嬪なのである。それがどうしたというなかれよ。仕事場に
花が咲いたみたいではないか。おそろしくオヤジ臭いことを言うようであるが、
恐れることはない。それが私の正直な感想だった。
 そして、『酒とつまみ』編集部はがらりと雰囲気を変えるのだ。N美さんは
Wクンの指示のもと、営業、事務、配本、そして編集と、実に幅広い仕事をこ
なしてくれるようになる。

 私がとても驚いたのは、それが私にない部分でもあるかと思うが、N美さん
は、言われた作業をその日のうちに片付けようとしていることだった。普通は
時間を気にする。何時までが仕事、と、思う。しかし彼女はそうではなくて、
これを終わらせて帰ろう、と思うタイプなのであった。私はすぐに仕事を翌日
に回して酒を飲みに行くタイプなので、このあたり、とても驚いたし、嬉しく
もあった。

「なんか、懸案だった仕事が片付くねえ」
 私はWクンに言った。N美さんは、いずれやらないとなと思っていた仕事を
片っ端から処理していってくれた。
 そして、『酔客万来』はいよいよ、完成間近となっていくのである。

〈おおたけ・さとし〉酒とつまみ編集発行人。
ああ今日は一滴も入らないなと思いながら誘われるままに缶ビールを飲んだ日
曜日、その場で2本開け、次の飲み会に合流してからは焼酎の3杯目くらいか
ら調子がついて、結局5,6杯で、さらにまた次、場所を変えてウイスキーを
3,4杯。最後のほう、何を話したか、まるで記憶がございません。休日もこ
れですから、体もちません。
http://www.saketsuma.com

ブログ「『酒とつまみ』三昧」
http://blog.livedoor.jp/saketsuma/

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■版元様の御殿拝見  塩山芳明
(66)週刊金曜日の巻 戦艦の艦橋のようなデルタビル
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 別に寂しくはないが、定食屋「まさみ」に行っても、橋向こうが近頃は静か。
橋とは、首都高速の下を流れる、日本橋川にかかった新川橋(しんかわははし)。
橋を渡ってすぐの角地、千代田区三崎町3ー1ー5、神田三崎町ビル6階に、
『週刊金曜日』は入居。

 三角形の角地に沿って建てられた同ビルは7階。2階までは普通のビルだが
(角地の先端には、オブジェ風のシルバーの円柱が数本並び、ちょいとハイソ
気分)、3階以上は窓と薄茶の壁部分の押し出しが威風堂々としており、戦艦
の艦橋のよう(かつて本欄でも取り上げたが、丸岡明が経営に関わってた、能
楽書林の社屋を連想)。左翼雑誌の入居するビルに、戦艦を連想するのも失礼
な気がするが、かつて『丸』で拝んだ、連合艦隊の「長門」に特に似ている
(『丸』の発行元で能楽書林同様に本欄で扱い済みの、光人社&潮書房の粋な
ビルが、先月漫画屋が移転して来た、千代田区飯田橋2ー3ー2、三信ビル
303号の右手窓辺から、よ〜く見える)。

 あの騒ぎは確か、松崎菊也なる、エッラソーなだけでワンパな芸を繰り返す
退屈芸人の、皇室パフォーマンスをめぐってだったが、本人と編集部の電光石
火のような謝罪文にはあきれた。左翼雑誌たるもの、裁判所の命令さえ無視、
断固日教組の全体集会をこばみ続けた、かのプリンスホテルのような、野蛮な
かたくなさが欲しかった(それが売り上げにもつながる)。

 当時の右翼の街宣活動は、よく神保町帰りに見物に。警官が20人くらい、本
当に面倒臭そうにイヤイヤ警備してた。左翼デモの際のように、スキあらばテ
ロってパクってやろうってな、戦闘モードはゼロ。皇族警護のような気配りに
溢れた、“社交ダンス風規制”。お陰でプーチン独裁帝国のロシアは、日本の
裏金公安警察を、支配の手本にしてると悟る(けど連中もデモを道路の片側で
しかさせなかったり、先頭に警察車両を配置するような、“土人警備”までは
しとらん。すぐ殺すが…)。

 デルタビルに向かって右は、千代田ファーストビル西館の裏手にあたり、「西
神田百樹の広場」と名付けられた小公園が。ダンス警備の私服共が、ここでダ
ベッたり、アリバイ的に街宣車を撮影させていただいていた。編集部のある6
階からは、両者の新婚夫婦のような様がよく見物出来たろうが、どんな気分だ
ったのか?(たのもしかったりして…)。

『週刊金曜日』は2度講読を中止した。1回目は創刊の際で、余りの退屈さに
残金はあったのに、「もう送らんでくれ!」とハガキを書いた。2度目は右翼
騒動の時。「そんなに根性ある誌面に?」と買い始めたが、騒動の存在自体を
封印しようとする腰抜け振りに、即再び講読中止。

“編集者の生活感の希薄さ”。同誌の創刊時からの伝統(『ビッグイシュー』
にもそれを)。権力に痛めつけられてる人や弱者は、多数誌面に登場するのに、
扱う編集者の手際が悪いというか、手袋して接している感じ。多分、いい家の
坊っちゃん、お嬢様ばっかなんだろう。今後編集を採用する際は、新聞奨学生、
ないし夜間部卒に限定してみちゃどうかね?(エロ本業界出身者とかもね!)                      
   
〈しおやま・よしあき〉エロ漫画編集者。編プロ「漫画屋」を率いる。著書
『嫌われ者の記』『現代エロ漫画』(一水社)、『出版業界最底辺日記 エロ漫
画編集者「嫌われ者の記」』(ちくま文庫)。1980年以降書き散らしたコラムを
まとめた『東京の暴れん坊 俺が踏みつけた映画・古本・エロ漫画』(右文書
院)が好評発売中。

なお、この連載に関しての批判・苦情・お叱りは筆者本人まで、どうぞ(た
だし、謝るとは限りません)。
mangaya@air.linkclub.or.jp
http://www.linkclub.or.jp/~mangaya/

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