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2005/10/11

化学って面白いよね!!2005,Vo.35

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    H-C≡C-H   ◆ 化学って面白いよね!! ◆ NaCl >C=C<
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  ━━━Index━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ■世界の化学者たち
  
  第二回 『 Robert H. Grubbs 』
  
  ■研究者へのインタビュー募集
  
  ■ホームページ更新情報
  Chem-Station URL: http://www.chem-station.com/
   (10/2〜10/10)
  
  ■最新化学ニュース
   
  ・ノーベル化学賞、米仏の3氏に・「メタセシス反応」研究を評価
  
  ■編集後記
  
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   
  ■世界の化学者たち
  
   第二回 『 Robert H. Grubbs 』
  
  ▼経歴
  
  1942年生まれ。Columbia大学R.Breslow教授のもとでPh.Dを取得後、Stanf
  ord大学J.P.Collman教授の下でポスドクとして研究を行う。のちにMichig
  an大学を経て、2005年現在California工科大学・Victor and Elizabeth A
  tkins Professor。 
  
  ▼受賞歴
  
  ACS National Award in Organometallic Chemistry , Arthur C. Cope Sc
  holar Award, ACS Award in polymer Chemistry , Nagoya Medal, Fluka 
  Reagent of the Year, Benjamin Franklin Medal, ACS Herman F. Mark P
  olymer Chemistry Award, ACS Herbert C. Brown Award for Creative Re
  search in Synthetic Method, Arthur C.Cope Award, ACS Gabor A. Somo
  rjai Award for Creative Research in Catalysis, ACS Award for Creat
  ive Research in Homogenous or Heterogeneous Catalysis,The Richard 
  C. Tolman Medal, Pauling Award Medal, Tetrahedron Prize, Paul Karr
  er Gold Medal等。2005年にはNobel Prize in Chemistry を受賞。
  
  ▼ 研究
   
  有機金属を用いる化学合成、ポリマー合成のための触媒開発及び反応機構
  解析。とりわけオレフィンメタセシス反応( http://z.la/fdbi8 )
  に関する研究。
  
  オレフィンメタセシスにおけるGrubbs第一世代・第二世代触媒と呼ばれる
  触媒の開発、それを用いた反応の詳細な機構解析。閉環メタセシス・エン
  インメタセシス・クロスメタセシスを用いる有機合成化学における新規方
  法論の開拓。開環メタセシスポリメリゼーション・非環状ジエンメタセシ
  スポリメリゼーションをもちいる種々の多官能基化・サイクリックポリマ
  ーなどの新規物質創成。
  
  ▼ コメント
  
  メタセシス反応・触媒の開発に関して多大な業績を上げています。Grubbs
  触媒は合成化学の分野で広く用いられる画期的な触媒としてSchrock触媒と
  並び高い評価をうけています。この触媒が合成化学界に与えたインパクト
  はきわめて大きく、Grubbsは2005年のノーベル化学賞を受賞しています。
  
   以前学会で拝見する機会があったのですが、とても背の高い方(190cmは
  ゆうにあったかと)で、近くに居られると存在感の大きい方でした。ノーベ
  ル賞受賞前から合成化学の分野では名を知らない人がいないほど有名な研
  究者でしたが、今回の受賞でその名誉は有機化学領域を超えて不動のもの
  となりました。  
  
  ▼ キーワード&解説
   
  ・オレフィンメタセシス 
  カルベン錯体触媒存在下、2種のオレフィンの結合の組み替えが起こり、
  新たなオレフィンが生成する反応。原則として平衡反応なので、生成系に
  進行させるためには工夫が必要となる(発生するエチレンガスを追い出す
  など)。1990年代に入りRobert. H. Grubbsらがその有効な触媒を開発した
  ことによって、オレフィンメタセシスは有機合成化学において頻繁に用い
  られる反応の一つとなった。(ODOOS:オレフィンメタセシスより)
  
  ・ Grubbs触媒
  
  1992年にGrubbsらはルテニウムを中心金属とするアルキリデン触媒を開発
  しました。この触媒は1990年に開発されていたSchrock触媒に比べて官能基
  受容性の面に優れており、空気・湿気・少量の不純物に安定な取り扱い容
  易な錯体でした。1995年にその改良型のGrubbs第一世代触媒が報告・市販
  されて以来、メタセシス反応は合成化学の分野で一挙に広まりました。19
  99年にはN-ヘテロサイクリックカルベンを配位子として用いることで、安
  定性・官能基選択性・反応性など触媒性能をさらに向上させたGrubbs第二
  世代触媒の開発にも成功しています。
  
  
  ・ サイクリックポリマー
  
  金属触媒を用いてポリマーを合成すると、通常は開始点と終点の両端が出
  来、直線型もしくは分枝型のものが大抵はできてしまいます。サイクリッ
  クポリマーはそれが無い環状のポリマーであり、効率的合成法はこれまで
  知られていませんでしたが、Grubbsの開発した触媒はこれを可能にしまし
  た。サイクリックポリマーは、新規な性質を持つ機能性物質に応用展開で
  きるとして多くの注目を集めています。
  
  
  ▼書籍&論文
  
  ・Grubbs' Reserch Review on Olefin Metathesis: Tetrahedron 2004, 6
  0, 7117.
  
  ・Synthesis of Cylclic Polymer: Science 2002, 297, 2041.
  
  ・ Handbook of Metathesis (Greim/Henschler)
   http://z.la/ls1ao
  
  ・ Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization 
   http://z.la/ao5gq
   
  ・Ruthenium in Organic Synthesis
   http://z.la/ia9po
  
  ▼関連リンク
  
  ・メタセシスとカテナン(有機化学美術館)
   http://z.la/98xmb
  
  ・The Nobel Prize in Chemistry 2005 (Nobelprize.org)
   http://z.la/yv5oc
  
  ・有機って面白いよね!! 「オレフィンメタセシス」
   http://z.la/du3ej
   
  ・The Organometallic HyperTextBook- Olefin Metathesis
   http://z.la/26c0b
  
  ・Grubbs' Catalyst(Sigma)
   http://z.la/ip1ao
   
  ・Olefin Metathesis (organic-chemistry.org)
   http://z.la/kfw5g
   
  ・Ring-Crosing Olefin Metathesis: Basic Principles (PDF)
   http://z.la/8bcoh
  
  ・Olefin Metathesis Polymerization
   http://z.la/k38av
   
  ・トムソン:2005年ノーベル賞の有力候補者を発表 (ケムステニュース) 
  
   http://z.la/mtxga
  
  ・Olefin Metathesis: Big-Deal Reaction (C&EN)
   http://z.la/k0zu4
   
  ・Olefin Metathesis: The Early Days (C&EN)
   http://z.la/zi8l9
   
  ・Mechanism of Ru-Catalyzed Olefin Metathesis
   http://z.la/hi189
   
  ・海産物の毒 (有機化学美術館)
   http://z.la/qdeiz
   
  ・メタセシス反応(Wikipedia日本語) 
   http://z.la/7it20 
  
  ・Olefin Metathesis (Wikipedia)
   http://z.la/n919u
   
  ・Research Area "Olefin Metathesis" (PDF: A. Furster's group)
   http://z.la/jq553
  
  ・Olefin Metathesis (PDF)
   http://z.la/l9sjk
  
  ・Olefin metathesis and its application in organic synthesis
   http://z.la/olems
  
  ・Olefin Metathesis Catalyst (PDF) 
   http://z.la/ri83e 
  
  ・ノーベル化学賞、米仏の3氏に・「メタセシス反応」研究を評価(ケムス
  テニュース)
   http://z.la/yeevz
   
  ・Career of Robert Grubbs (PDF: MacMillan group)
   http://z.la/wrhoc
  
  ・Olefin Metathesis (PDF: MacMillan group)
   http://z.la/lbtdp
  
  ・Olefin Metathesis (PDF: A. Myers' group)
   http://z.la/lilkt
  
  ・Robert H. Grubbs (Wikipedia)
   http://z.la/wotb9
   
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ■研究者へのインタビュー募集
  
   「研究者へのインタビュー」を行っています。内容は難しいものではなく
  基本的には高校生や大学生でも化学系の仕事に従事されている方がどのよ
  うな仕事をしているのか、どんな考えをもって働いているのかをお伝えで
  きたらいいと考えております。 基本的にはメールでお話を聞きたいと思っ
  ています。化学関連企業に勤めている方 、大学の研究者の方のご協力をお
  願いできないでしょうか?研究職でなくてもかまいません。また、会社、
  研究所、大学研究室単位でも個人的にでもかまいません。
  
  協力していただける、またはできそうな方はお手数ですが 
  webmaster@chem-station.com
    
  までご連絡ください。
  
  現在、最後までご協力いただいた方には薄謝ですが、amazon.co.jpでお買
  い物にお使いいただけるアマゾンギフト券3000円分を差し上げています。
  ぜひご協力ください。
  
  ※インタビュアーとしては機密保持義務を多くの企業から負うことになる
  のは避けたいので、インタビューに際しては秘密情報を開示しないように
  してくださいとお願いしています。
      
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ■ホームページ更新情報
  Chem-Station URL: http://www.chem-station.com/
  (10/1〜10/10)
  
  ▼10月 5日
  
  ・チャンネル『ニュース』を更新 
  
  ・ケムステニュースに記事を追加
  
  ・「ODOOS」を更新 
  
  ▼10月 2日
  
  ・チャンネル『学習』を更新
  
  ・メルマガ「化学って面白いよね!!」2005,Vo.34を発行いたしました。(配
  信部数5,141部) 
  
  ▼10月 1日
  
  ・月間人気化学書籍ランキングを更新undefined
  
  ・チャンネル『ジャーナル・学会』を更新
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ■最新化学ニュース
  
  ・ノーベル化学賞、米仏の3氏に・「メタセシス反応」研究を評価
  
  2005年ノーベル化学賞  スウェーデン王立科学アカデミーは5日、2005年の
  ノーベル化学賞をフランス人のイブ・ショバン仏石油研究所名誉研究員(
  74)、米国人のロバート・グラブス米カリフォルニア工科大教授(63)、
  リチャード・シュロック米マサチューセッツ工科大教授(60)の3氏に授与
  すると発表した。石油化学分野などに幅広く応用されている触媒反応の研
  究が評価された。
  (引用:日本経済新聞 http://www.nikkei.co.jp/ )
  
  2005年ノーベル化学賞受賞者が決定しました。今回の受賞者は有機合成化
  学からで、メタセシス反応を実用的なところまで引き上げた化学者達です。
  先月のトムソンISIの2005年ノーベル化学賞候補者にも上げられていたため、
  予想通りということになり、残念ながら日本人の受賞とはいきませんでし
  た。それでは今回の受賞者達を簡単に紹介いたします。
  
  ▼イブ・ショバン(仏石油研究所名誉研究員)
  
   メタセシス反応は1964年にNattaらによってMoまたはWを触媒とするシクロ
  ブテン、シクロペンテンの重合が最初の発見でしたが、それがメタセシス
  だとはわかっていませんでした。ショバンらは1971年 に カルベン錯体と
  オレフィンの[2+2]環化付加による反応機構、つまりメタセシス反応
  が起こっていることを提唱しました。
  
  ▼ロバート・グラブス(米カリフォルニア工科大教授)
  
   メタセシス反応は知られていたものの、官能基選択性もなく、合成化学に
  おいて実用性が低いものであった。1992年、GrubbsらはルテニウムRuによ
  るビニルカルベン錯体(Grubbs catalyst 1 st genelation)を発表しました。
  
  
  Grubbsさらに活性の高い第二世代Grubbs触媒も開発しメタセシス反応の第
  一人者となりました。合成化学の分野では化合物の合成法を一新するほど
  の衝撃的な触媒でした。Grubbs 触媒は非常に実用性が高く、工業的にも実
  用化され利用されています。 
  
  ▼リチャード・シュロック(マサチューセッツ工科大教授)
  
  SchrockらはGrubbsより2年前にメタセシス反応の触媒であるモリブテンMo
  またタングステンWカルベン錯体を作りました。Grubbs触媒で行かない反応
  でもSchrock触媒では進行する例もあります。しかし、酸素や水に対して極
  端に不安定であり、また合成も難しいため、Schrock触媒が第三世代メタセ
  シス触媒、Grubbs触媒は第四世代のメタセシス触媒と呼ばれています。
  
  ▼関連書籍
  
  ・Olefin Metathesis and Polymerization Catalysts: Synthesis, Mecha
  nism, and Utilization (Nato Science Series Series C: Mathematical 
  and Physical Sciences)
   http://z.la/io6oo
  
  ・Handbook of Metathesis (Greim/Henschler: Occupational Toxicants)
  
   http://z.la/f15v6
   
  ▼関連ニュース 
   
  ・ノーベル化学賞明日発表(2005.10.4) 
   http://chemstation.livedoor.biz/archives/50125071.html
  
  ・トムソン:2005年ノーベル賞の有力候補者を発表(2005.9.10)
   http://chemstation.livedoor.biz/archives/50073707.html
   
  ・ノーベル化学賞受賞者が講演 3月1日、徳島文理大学(2005.2.25)
   http://chemstation.livedoor.biz/archives/15083407.html
  
  ・ノーベル化学賞、米・イスラエルの3氏に授与(2004.10.9)
   http://chemstation.livedoor.biz/archives/7814095.html
   
  ▼関連リンク
  
  ・C&EN: COVER STORY - OLEFIN METATHESIS: BIG DEAL REACTION
   http://pubs.acs.org/cen/coverstory/8051/8051olefin.html
  
  ・オレフィンメタセシス(ODOOS有機合成反応データベース)
   http://www.chem-station.com/odoos/data/ene-ene-3.htm
  
  ・オレフィンメタセシス Olefin metathesis(有機って面白いよね!!)
   http://www.chem-station.com/yukitopics/olefinmetathesis.htm
  
  ・特集ノーベル化学賞
   http://www.chem-station.com/yukitopics/nobel2004.htm
   
  ・Nobelprize.org
   
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  
  ■編集後記
  
   ノーベル化学賞が決定しました!メタセシス反応についてです。かなり
  自分的には興奮していたのですが、Yahooやその他のサイトでの扱いは最低
  でした。物理化学賞や平和賞はトップページに乗ったのに、化学賞はニュ
  ースもかかれない。新聞社のサイトもトップニュースではない。日本人じゃ
  なきゃそんなにだめなんか!ホントにちょっと古いけど落ちた飛行機に日
  本人はいませんでした!よかったですね!と同じ発想です。しかも、解説
  も環境に易しいとかそういう解説。なんじゃそりゃ?
  
   というわけで詳しい詳細が書かれたサイトも少なく、今現在ではすでに
  忘れ去られている状況。そこで、世界の化学者第2回としてグラブスにつ
  いて取り上げました。
  サイトのほうでもオレフィンメタセシスについては多く解説しているいる
  のでみてくださいね。
  
   本当に最近忙しいです。年齢が上がるたびに忙しくなる。ただ何もして
  いないという気持ちとあせりだけが残る。まわりの評価に負けないように
  がんばっていきたいと思います。
  
   それではまた次号!
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  ■ 【バックナンバー閲覧/購読中止/配信先変更】は下記アドレスで! 
  
  http://www.chem-station.com/merumaga.htm
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  ■ 配信System まぐまぐ  http://www.mag2.com/  (ID = 36452)
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  ■ご意見&ご感想
  こんなコーナーを作ってほしい!、化学トピックスで〜に関する話題をと
  りあげてほしい!、ここがおかしい!、ここがおもしろい!等々のご意見
  &ご感想はメール webmaster@chem-station.com へお願いいたします。お
  便りお待ちしています。
  
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  マガジン名:化学って面白いよね!! 2005,Vo.35 (2005.10.11)
  発行者: Chem-Station 
  情報サイト:http://www.chem-station.com/
  
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