2008/10/13
海外CAD事情:573号(2008年9月22日号)
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海外CAD事情:UPFRONT.EZINE - ISSUE #573
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September 22、2008
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今週号の内容:
* SolidWorks 2009 プレスイベント報告
- 9月18日 木曜日
- Solid Edge買収断念の裏話
- SolidWorks 2010とPLM 2.0
- 9月19日 金曜日
- SolidWorksとInventorのシート数争い
- SolidWorks 2009の新機能体験
* Cosmic Blobs
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◆◆SolidWorks 2009 プレスイベント報告◆◆
この催しはSolidWorks最初のプレス・アナリスト向け国際イベントと銘打たれてい
た。毎年開催されるこのイベントが米国以外で開催されるのはこれが最初である。
理由?SolidWorksユーザの60%が北米地域以外だから。
DS SolidWorksは、膨大な数のジャーナリストやブロガーをこの種のイベントに集め
ることが好きである。今年は総勢120名で、SolidWorksの社員がこの他に40名参加し
ていた。
◆9月18日 木曜日
今回のイベントの中心テーマはCADではなくデザイン。SolidWorksは顧客が必要とす
ることに取り組むのであり決してその逆ではない、とSolidWorksの新しいCEOのJeff
Rayが我々に語った。
SolidWorksファミリーの一員としての3dvia ComposerについてJeff Ray氏は語った。
フランスの本社(Dassault Systemes)が関与した製品はこれが初めてである。この
トピックがその日の午前中のテーマの口火であった。午前中のテーマはSolidWorks
2009ではなく、“Dassault Systemes SolidWorks”への社名変更が示す、フランス
にいる親(Dassault Systemes)と米国に住む従兄弟との間の緊密化した関係がテー
マである。
“この製品がSolidWorksリセラーとCatiaリセラーの両方が販売できる最初の製品で
ある”、とRay氏は言う。両者間で相互乗り入れ販売する製品が今後もっと出てくる
。ただし、これはDS SolidWorksリセラーが“明日にでも”Catiaをプロモートし始
めるという意味ではなく、二つのCADシステムが互いのコンポーネントをもっと活用
するようになることだ、と同氏は釘をさした。サードパーティーのトランスレータ
に依存せずに、両システムがデータ交換を行うにはそれが必要となるだろう。
これまで、SolidWorksの独立性が社員にとっての誇りであった。SolidWorksの年間
利益額と利用できるテクノロージーのみがDassaultの唯一の関心事だ、と前のCEOが
私に言ったことがある。
◆Solid Edge 買収断念の裏話
DS(Dassault Systemes)のCEOであるBenard Charlesは、Solid EdgeをIntergraph
から買収寸前まで行ったという興味深い話をしてくれた。買収価格は適切であった
(1億2,000万ドル)が、3D MCADパッケージの販売方法という点でCharles氏は迷っ
ていた。それというのも、DassaultもIntergraphもディーラーネットワークが準備
できていなかったからである。
解決策はSolid Esgeの話を蹴って、リセラー計画を持っていたSolidWorksを買収す
ることであった。買収価格は高かった(900万ドルの利益しか出していなかった会社
に3億2,000ドル)。 それだけ多額の資金を出すことに取締役会が賛成した理由につ
いては、“大きな賭け”と言うだけで、説明はなかった。
IBMから乳離れするための自前のリセラーネットワーク構築策を、DS SolidWorksが
Dassaultに伝授していたとしても私には驚きではない。実際の話、最近になっても
まだ会社の名前が“IBM Dassault Systemes”だと思っている人に会った、と言って
Charles氏は不満をこぼしていた。
DassaultがSolidWorksを買収していなかったら、PTCが買収し、結局はSolidWorksを
潰していただろうとCharles氏は考えている。(そうではないと私は思う、PTCは
CoCreateを潰そうとはしていない。)“顧客にとって最良の買収もある。”、と同
氏は述べた。(私の横に座っていたエディタが“今度はPTCを買収するつもりだ!”
と私にささやいた。)
“SolidWorks and Catiaには大きな相乗効果があると信じている。Dassaultにとっ
てのEnoviaとの関係と同じだ。” とCharles氏は言う。(ところで、SolidWorks社
員の電子メールアドレスは @solidworks.comから @3ds.comに変わっている。)
DassaultとSolidWorksを合わせて100万のMCADユーザを有している---- この数は
Autodeskが呼号しているInventorユーザ数80万に対抗する上で重要となる数である。
◆SolidWorks 2010とPLM 2.0
Ray氏はSolidWorks 2010の特徴として次の点をあげた。
-- CADに関わるオーバーヘッド軽減(操作性、導入の容易さ)
-- 製品設計の改善
-- 既存設計の検索の容易さと再利用
-- 新市場への製品販売
-- Dassault Systemes製品とのデータ交換の容易性
“3Dはイメージする現実世界への扉を開けてくれる。”、というのが会社のビジョ
ンである。Charles氏は自社のソフトウェアを、シミュレーションを行い、ユーザに
とって有用な、グローバルデザインの仮想化という点で最良なソフトウェアにした
いと願っている。コミュニケーションの手段としてはすべて3Dを用いてこれを行う
。私はこのプランの有効性は部分的だと感じる。3Dコミュニケーションというものが
、テレビ電話のような失敗例とどれだけ違うものか、私には見えないのである。
彼はPLM [product lifecycle management]の3段階について説明した。
I. 3D
II. PLM 1.0
III. PLM 2.0、“すべてをオンラインPLMで”
ゲームテクノロジーを利用したPLM 2.0では、製品を仮想的に取り扱える。“それを
我々はセカンドライフとは呼ばないだろう。ファーストライフと呼ぶべきものだ。”
その違いを同氏は次のように説明した。ゲームは現実世界の偽物を提供するが、PLM
2.0は仮想世界を現実として提供する。
“いつとは言えないが、Microsoftはそのうちオンラインになるだろう”とCharles
氏は言ってのけた。Googleとは違い、Microsoft Exchangeは“どこからでも”アク
セスできることに失敗したとも酷評した。DassaultはMicrosoftではなくGoogleのよ
うになりたい。このセリフがMicrosoftに依存しているソフトウェア関係者からのも
のだけに、これは驚くべきコメントである。OSとは関係ない、ブラウザーベースに
進むというDassaultの最終プランを示すものかもしれない。V6が最初のステップと
なる。
これまでの話をまとめると次のようになる。SolidWorksの将来リリースはおそらく
インターネット指向になり、ユーザ企業は自身のイントラネットを介して容易に社
内機密情報をシェアできる。Ray氏に言わせればこれは重大なことで、これまでの機
能競争よりも重要となる。新しいインターネット指向のSolidWorksソフトウェアは
Dassaultのv6に依拠するようになるだろう。“研究室”レベルでは既にうまくいっ
ている。“この課題を数年に渡って研究してきた科学者達がSimulaにいることは我
々にとって幸運である。”(Simulaでは自動車事故が人体に及ぼす影響を既にシミ
ュレーションできている。)
“我々の計画内容には多くの人が驚嘆し、えっ?、という反応になると思う。”
◆9月19日 金曜日
2日目は自由参加のプログラムで、参加したジャーナリスト達は2〜3時間の
SolidWorksトレーニングをIQS大学で受けることができた。昨年Inventorのトレーニ
ングを受けていたので、SolidWorksとの類似性(違いも)を経験できることに私は
興味があった。
1905年にイエズス会が設立したIQSまでバスが我々を運んでくれた。この大学の設立
目的は、科学への宗教の関与の否定を主張する反宗教的気分がこの地域に広がって
いたことに対抗することであった、と学長が説明してくれた。イエズス会は宗教と
科学の共存を訴え、それを証明するためにこの大学も含め種々の教育施設を世界中
に設立した。
IQSは最初は化学に特化した。その結果、スペインの化学工業の半分はバルセロナと
カタロニア州周辺に集まっている。他の科学分野にも拡張する改編を1990年に政府
は行った。以前のファッシスト政府と区別するために、政府という言葉を“民主政
府”と学長が言い直したことが私には面白かった。
ここの学生は3時間の講義と3つの実験コースを毎日受講している。バルセロナでは
技術者へのニーズが高い。この7月の調査では、CADスキルを有する技術者440名のニ
ーズがあった。5年制の生産工学コースとCAD教育が5年前に導入された。AutoCAD(
建築・建設)、SolidWorks (Inventorから切り替え)、Catia (オートメーションと
航空関連)、ANSYS、SolidCAM、等々の教育が基本的にセメスター単位で提供されて
いる。
我々を指導してくれたインストラクターはSolidWorksを気に入っている理由を、バ
ルセロナ周辺の企業の多くがSolidWorksを導入しているため、及び流体工学、機構学
、構造工学などの関連分野でもインターフェイスは1つで済むからと語った。コマ
ンド説明ではなく、実際の工学的問題に注力できるからである。
◆SolidWorksとInventorのシート数争い
Inventorはもう使っていないという話だったので、その理由を私は尋ねた。その答
えは、AutodeskはアドオンモジュールなしのInventorしか提供しないのに対して、
SolidWorksはモーションアナリシス、FEA、流体解析、等々すべてを組み込んで提供
してくれた。
Inventorでできたのは製図だけ、しかし製図用には既にAutoCADが利用できた。さら
に、バルセロナの多くの企業ではSolidWorksを使用していたので、SolidWorksに切
り替えることは自然でもあった。“しかし今でもInventorのAutoCADコンポーネント
は使っている”、とインストラクターは慌てて付け加えた。
これはシート数争いの別の一面に目を向けさせてくれる。AutodeskもDS SolidWorks
もここでの教育用シート数が200だと主張できる。しかしこの学校ではInventorは実
際には使用していない。
◆SolidWorks 2009の新機能体験学習
クラスルームでは17インチ画面のDell M6300ノートブックPCを使用している(授業
料の中に、SolidWorksを含むソフトウェアが組み込まれた学生個人用のノートPCも
含まれている)。
残念だったのはこのセッションが“SolidWorksの使い方”ではなく“2009バージョ
ンの新機能体験”であったことである。SolidWorksの実際操作を知らないジャーナ
リストにとっては難しすぎて、SolidWorksに慣れたブロガーにとっては退屈な結果
となった。
セッションの途中でこんなことがあった。インストラクターがモデルのズーム/パ
ン操作を行うように指示したときに“ズームやパンのやり方は当然ながら皆さん知
っていますよね。” と言ったのである。苛々していた私は“知らない!”と思わず
叫んでしまった。クラスルームで私が撮った写真を後で見たときに、M6300の前に座
って手を口に当てている人が多いのに気付いた。たぶん、このポーズは当惑が続い
ているときに普遍的なポーズではなかろうか?
[ディスクロージャー:DS SolidWorksは招待したジャーナリストに航空機代、ホテ
ル代、何度かの食事、及び社名入りギフトを提供した。]
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◇◇Cosmic Blobs◇◇
何年か前にDS SolidWorksが子供向け3DソフトウェアCosmicBlobsを出したのは素晴
らしいことであった。Dassault Systemesが信奉していた3Dは皆のものという楽観主
義哲学をこのソフトウェアは証明しようとするものだった。
私のコンピュータのどれを使ってもCosmicBlobsがうまく動作しなかった。何とか使
えるようにしたが、私の子供達には操作が難しく、すぐに興味を失ってしまった。
本年2月、DS SolidWorksはこのソフトウェアの販売を止めた。cosmicblogs.com Web
サイトに掲載された販売停止理由は極めて不明確な表現であった。“当社の他製品
との関係の中でCosmic Blobsの機能を顧客と共有する良いやり方を再検討するとこ
ろです。”
Boston Globe紙のScott Kirsnerとの今週のインタビューで、販売停止理由は僅か
1万コピーしか売れなかったからと前CEOのJohn McEleneyが語っている。“---3Dモ
デリングの使用が期待したほど急速には立ち上がらなかったとMcEleneyは認め….”。
このインタビューはPTCに関するもので、Kirsners氏はコンシューマ向け3DへのPTC
の無関心振りを非難しようとしていたようである。私はPTCの副社長Brian Shepherd
の次の発言に賛同する。"ローエンド3Dデザインソフトウェアは、我々にとってビジ
ネスとして魅力的なマーケットではない。"
超ローエンドマーケットを断念したAutodesk、SolidWorks、及び他のベンダーに尋
ねてみたらいい。一般消費者は3Dモデリングには何の関心も持ってはいない。
リンク:
http://cosmicblogs.com
http://www.boston.com/business/technology/articles/2008/09/21/
next_software_for_the_masses_how_about_three_dimensional_design/?page=2
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