海外CAD事情  RSSを登録する

米国で発行されているCADを中心にしたe-ニュースレターの簡易翻訳版です。設計や製造に関連したCAD以外のソフトウェアの動向紹介もあり、海外での状況に関心がある方には興味を持ってもらえるのでは。

現在休刊中です    
解除

規約に同意して

2008/07/30

海外CAD事情 569号(2008年7月22日号)

*************************************************************************
            海外CAD事情:UPFRONT.EZINE - ISSUE #569
*************************************************************************
July 22、2008
英語版サイト    www.upfrontezine.com | http://worldcadaccess.typepad.com

今週号の内容:
* Oce ColorWave 600のプレビュー
  - CrystalPointトナーパール
  - 欠点
  - Color Wave Printer
* CorelのDesigner Technical Suite X4
  - Right Hemisphere & Visio
  - CADにより近く
* プレスリリースのサマリー、及び他のレギュラー項目

==========================================================================
◆◆Oce ColorWave 600のプレビュー ◆◆

ワイドフォーマット・プリンティング事業部のトップであるPatrick Chapuis氏が、
我々8名のエディタを出迎え、オランダ企業Oce社について説明してくれた。ワイド
フォーマット・プリンティング事業部の本社はシカゴにあり、年間45億ドルの売上
がある。同社は全世界90カ国で活動しており、“プリンティング・プロフェッショ
ナル向けのテクノロジーとサービス”がテーマである。

Oce社は4事業部から構成:
(1) ドキュメント・プリンティングシステム --- 企業向けの印刷、コピー、スキャ
ン、及びファックス事業
(2) プロダクション・プリンティングシステム --- 連続フィード&カット方式のシ
ート印刷。マーケットシェアは60%で、おそらく読者のクレジットカードの明細書は
Oce社のプリンターで印刷されている。
(3) ワイドフォーマット・プリンティングシステム --- 技術文書、CAD/GIS、ディ
スプレーグラフィックス、及びイメージ印刷。マーケットシェアは50%。“ディスプ
レーグラフィックス”はモニターとは何の関係もなく、巨大な垂れ幕や屋外広告に
用いられる4' x 8' シートのことを意味するとは知らなかった。
(4) Oceビジネスサービス --- ドキュメント処理のアウトソーシングで、一番新し
い事業部。

Oce社は、カラー及びモノクロの低〜高数量の印刷マーケット全体をカバーしている
唯一の会社であり、ラージフォーマットのフラットベッド形式プリンターを販売し
ている唯一の会社でもある。スキャナーに関してはContex社と提携している。

カラーは欧州では10年前から巨大マーケットになったが、米国では今やっと人気が
出てきている状況であり、潜在マーケットは巨大である。モノクロ印刷の数量(平
方フィート)は緩やかに落ちてきている。

カラー印刷には3種のインクを使用:
アクエアスは現在最もポピュラーな水溶性インクで、非水溶性インクで見つかった
発癌性物質を避けるために開発されたインク。
アクエアスに代わって、現在ソルベントインクが伸びている。理由は安全な製法が
開発され、水を通さないためである。
UVインクは屋外用で、絶対量は一番少ないが一番成長率が高い(+28%)インクである。

顧客向けに自らサービスも提供するプリンターメーカーはOce社だけである。他のメ
ーカーはサードパーティーを利用している。サービス事業からの売上はOce社に底上
げ的な貢献をしている。

◆CrystalPointトナーパール

Penny Holland氏は、Oce社の最新プリンターとプリンティング技術について説明を
行った。まだ新しすぎて、現時点では欧州で30台しか設置されていない。

インクジェットのマイナス面はよく知られている。普通紙用には毛羽立ちやにじみ
が見られることがあること、インクが水溶性なので水分の影響を受けること、印刷
後に乾燥時間が必要となることなどである。私が最も苛立つのは、インクジェット
の出力品質が使用する印刷媒体によって変わることである。最高品質のアウトプッ
トを得ようとすれば、普通の20ポンド紙よりも16倍の値段がする厚手の紙を使用す
る必要があるなど、出力品質を比較するためには数種の紙で試す必要がある。イン
クジェットの利点は正確なドット表現と環境にクリーンな技術である。

レーザプリンタで使用するトナーにはインクジェットの欠点はないが、レーザ/LED
プリンタはオゾン放出の問題がある。カラー印刷の場合には4種のトナーカートリッ
ジが必要で、位置合せの問題が生じる。Holland氏の言を借りれば、印刷が最も難し
い色は4色すべてを使う青の直線で、僅かにオフセットした2〜3の直線が出力され
る可能性がある。

このような理由から、Oce社では両方式を取り入れたハイブリッド技術を開発した。
それがトナーパールである。このトナーはブルーベリーの大きさのロウ質の球体か
ら成っており、華氏300度でゲル状になり、その状態で出力媒体上に8つのヘッドか
らジェット噴射され、ゲルは媒体内で結晶化する。

乾燥時間は必要なく、印刷直後でも取り扱いができる。紙が曲げられても、このイ
ンクはひび割れたりはしない。Oce社は大学と共同で、薬や抗菌物質の包帯上への浸
透などのアプリケーションを探索中である。

Oce社は売上げの7%を研究・開発費用に投じ、同社の2000名の研究・開発陣はイン
クジェットやトナー固有の問題点を解決するCrystalPointトナーパールの開発に成
功した。この開発はHPに対する同社の競争力を高めると共に、HPの印刷処理技術に
関する巨大な特許防壁を乗り越えることにも役立つ。

(研究・開発方面では、Oce社は3Dプリンティング技術に現在注力中。)

◆欠点

私が欠点について質問するとOce社のスタッフは意外そうな顔をした。しかしながら
、この日の紹介が進むにつれて欠点がいくつか顕わとなった。

プリンタのコストは6〜7万ドルであるが、月間最低3000ドル分のラージフォーマッ
ト印刷業務をユーザが処理するのであれば買えない値段ではない。

トナーパール・カートリッジは1個で400ドルであり、カラー印刷を行う場合には4
つのカートリッジが必要である。カートリッジのサイズは厚手のハードカバーの本
くらいもあり、デスクトップの領域にこのテクノロジーが進出するとは思われない。

手持ちのラージフォーマット・プリンタがまだ使える状況で、新たなプリンタを購
入するに足るほどの仕事量が確保できるかに潜在顧客は確信を持てないかもしれない
。新しい技術に対する抵抗感もある。この新技術に永続性があるかをプリントショ
ップは気にするのかもしれない。

トナーパールはOce社独自のもので、一般のショップで購入することはできない。結
晶化プロセスではファイバに染み込む必要があり、光沢のある紙やフィルム上には
印刷できない。屋外使用は可能であり、紫外線耐候性が6週間である。写真の印刷品
質は良質ではあるが高品質ではない。

4つのカートリッジセットで2万平方フィートのCAD図面を印刷できる。私がイメー
ジできる単位に直せば、8.5 x 11インチの紙29,750枚に相当 ---- 私の現在の使用
量から言えば12年分に匹敵。トナーパールに使用期限はなく、これは有利な点である。

◆Color Wave Printer

ColorWave 600がCrystalPointトナーパールを使用した最初のプリンタである。将来
的には大量印刷タイプや少量印刷タイプ、及びスキャナ組込タイプを出す計画がある
。最終的にはトナーパールが旧テクノロジーに置き換わることになろう。

“600”という数字は中量印刷プリンタを意味する数字で、月間1〜6万平方フィー
トの分量を処理するレベルである。11〜42インチ幅のロール式媒体を使用する。

このプリンタの解像度は600dpiであるが、毛細管現象がないために600dpi以上に見
える。アドレス指定能力は1200dpiである。Oce社によれば、カラー印刷の速度はモ
ノクロ印刷とほぼ同等で、HPの同等レベルのカラープリンタ(HPの650モデルや1050
モデル)に比較して印刷速度は4〜6倍も速い。乾燥時間を含めれば、全体スルー
プットはさらに速くなる。その場合、同社の“600”プリンタはHPのプリンタ5台に
置き換わり得ることになる。1台のプリンタでモノクロとカラー印刷ができるので、
土地代が高い繁華街にあるプリントショップにとっては特に導入効果が高い。

プリントショップにとって重要なのはインク使用量である。これは極く少量(CAD図
面など)から極く大量(カラー写真など)まで大きな巾がある。CAD図面がレンダリ
ング・イメージを有する場合には、インク使用量は大きく増える。

Oce社のSmartClickソフトウェアはトナーから紙への噴出回数をカウントするので、
オペレータは費用を決定できる。さらに、ジョブに使用された紙の幅と長さも知る
ことができる。これらの情報に利幅を加えて、オペレータは顧客への請求額を決め
ることができる。

ColorWave 600で印刷し得るの最大長は42インチ幅 x 212フィート長。

- - -
リンク:  www.oce.com    写真に関しては下記のリンクを参照されたし。
http://worldcadaccess.typepad.com/blog/2008/07/oce-colorwave-media-event.html

[ディスクロージャー:航空機代、現地交通費、ホテル代、食事代、及び出席者全員
への企業ギフトの提供を受けた。]

==========================================================================
◇◇CorelのDesigner Technical Suite X4◇◇

Klaus Vossen氏は、北米と並びCorelのDesigner Technicalの人気が高いドイツのプ
ロダクトマネージャーである。7月16日からダウンロード入手ができるようになった
X4の新機能について語ってくれた。

◇Right Hemisphere & Visio

CADユーザの関心が最も高い機能追加はRight HemisphereのDeep Explorations
(RHDP)である。これによってCorelユーザは3D CADモデルを開き、テクニカルイラ
スト用に手を加え、その後でDesigner Technicalにインポートできるようになった。
RHDPを使えば、組立て展開、断面作成、レンダリング、アニメーション、タグ追加
、等々ができる。イメージはTechnical Designerにリンク付の2Dベクトルとしてイ
ンポートされ、RHDPで変更を行い、Corelイラストレーションを更新できる。

Visioを必要としないVSDファイルには驚かされた。ダイアグラム作成ソフトウェア
はパラメトリックのスプレッドシート形式に似たフォーマットでデータを保存し、
他のソフトウェアでは通常扱えないからである。Designer Technicalの新しい機能
では、伸縮性のコネクタのようなVisioデータ構造の読込と保持ができる。補助機能
として、交差する線分への“飛び越し”マーク付記などの新しいダイアグラムツー
ルが追加されている。2線分間のギャップも表示され、コネクタの場所移動もできる。

寸法表示に関するコントロールが増えた。寸法についてはダイナミックと非ダイナ
ミックの切り替えができ、寸法線を引き伸ばしても寸法値が変化しないような使い
方ができる。これはCADでは忌み嫌われることであるが、テクニカルダイアグラムで
は有用な機能である。

◇CADにより近く

CADにより近い環境について言えば、オブジェクト作成の前、もしくは後でのオブジ
ェクト寸法指定ができるようになっている。AutoCADのハッチパターンもサポートさ
れている。画層はDWGやDXFファイルからインポートでき、Designer Technicalでペ
ージ毎に画層定義ができる。

アイソメ図の作成が容易になった。PowerTraceはアップデートされ、ラスターイメ
ージからベクトル図面への変換が改善されている。フォント指定と同時に図面のテ
キストが更新されるLiveテキスト機能があり、変更結果を即座にプレビューできる。
Microsoftの新しいDOCXフォーマットも含め、種々のソースからのテーブルのインポ
ートや編集ができる。

ConceptShareが組み込まれており、Designer TechnicalからConceptShare.comのコ
ラボレーションWebサイトへドキュメントを送付し、第三者がビューイングやマーク
アップを行うことができる。

価格は999ドル。Catia、SolidWorks、及びPro/EngineerのCADフォーマットのインポ
ートを行うアドオンは別売1,699ドルである。アップグレードは499ドルで、30日間
限定の無料デモ版は次のサイトで入手できる。
www.coreldraw.com/content/cdtsx4preview.aspx 

==========================================================================
◆◆プレスリリースのサマリー◆◆

Carlson SoftwareのSight Survey 2009は建設測量に関わる問題を軽減するソフトウ
ェア。AutoCAD 2002以降、MicroStation V8、XM、及びPowerDraftで使用でき, 
IntelliCAD組込版もある。www.carlsonsw.com/ 

JTBはAutoCAD Automation Tools (e25.00)をリリース。Excelテンプレートで作成さ
れたコントロールファイルやソース図面から自動的に複数図面を生成する。
www.jtbworld.com/autocad_automation_tools.htm 

Siemens PLM Softwareは、コラボレーション製品データ管理ソフトウェアTeamcenter
Express v4を出荷。www.siemens.com/plm/teamcenterexpress 

IMSI/designはTurboCAD Pro 15 Architectural Edition ($1,395)をアップデート。
デモ版のダウンロードは次のサイトから。
www.turbocad.com/TurboCAD/TurboCAD15/TurboCADPro15ArchitecturalEdition/tabid
/700/Default.aspx  

LMSは、National Instruments LabVIEW Real-Timeモジュール用のインターフェイスを
LMS Imagine.Lab AMESimの最新リリース版に統合。www.lmsintl.com 

Geometric LimitedはCATIA V5 and for Pro/ENGINEER用のGeomCaliper v2.2をリリ
ース。15日間有効のデモ版の入手はwww.geomcaliper.geometricglobal.com/ 。

Oasys(Arupのソフトウェア部門)は構造設計・解析ソフトウェアGSAの新バージョンを
発表。骨組みフレームモデルの設計・解析、及び2D FEA解析を行うことができる。30日
間デモ版は次のサイトで入手できる。www.oasys-software.com/gsa 

AlibreはAlibre Design v11のベータ版をメンテナンス契約の顧客全員に提供と発表。
新バージョンは夏の終わり頃に出荷予定。www.alibre.com/promos/online/v11.asp 

Aftercad SoftwareはAftercad Onlineプラットフォームのベータ版希望者を募集。
特定ビューアを使うことなくWeb上で大きなCADやGISデータのビューイング、マーク
アップ、管理、及びパブリッシュができる。(AfterCADは現在ではMeggaByte 
Softwareが保有)www.aftercadonline.com 

サービスパック 1(今回から“Update 1”という呼び名に変わった)では、AutoCAD 
2009とLTのバグ50個を修正。Readmeファイルは次のサイトで見ることができる。
www.images.autodesk.com/adsk/files/autocad_2009_and_autocad_lt_2009_update_
1.html 

- - -
我々のブログ<http://worldcadaccess.typepad.com>に掲載された最近の記事。
Yes-way: Inventor on the Asus Eee
How Editors Record Press Events
OCE ColorWave Media Event

Gizmos Grabowskiブログの掲載記事:http://worldcadaccess.typepad.com/gizmos/ :
Asus Eee: Advanced Mode
Visa 10x Slower at Printing Than Linux 
Asus Eee: Installing Picasa
Asus Eee: External Keyboard

==========================================================================
◇◇ハードウェア関連◇◇

nVidiaは同社のAutoCAD Performance Driverをv17.2.1 (OpenGL) 及びv17.2.0 (
Direct3D) にアップデート。Quadro FXグラフィックスカードの場合には最高10倍の
パフォーマンス改善が見られたというテスト結果もある。
www.nvidia.com/object/AUTOCAD_2009.html 

==========================================================================
◆◆セミナーとコンファレンス関連◆◆

Mid-Continent MicroStation Communityはカンザス州オーバーランドパークの
Overland Park Conference Centerで8月26日〜27日に開催。登録は次のサイトで。
www.tmcmcmc.org/modules/confreg/ 

==========================================================================
◇◇人や会社の動き◇◇

CIMdataはSAPの新しいPLM Roadmapプログラムのレビューを発行。無料ダウンロード
は次のサイトからできる。
www.cimdata.com/publications/complimentary_product_program_reviews.php 

EDSはいったん売り渡したものの、再びSeimens PLM Softwareとの連携を取ろうとし
ている。EDS ServicesはSiemens Teamcenterソフトウェアを使って、航空・宇宙及
び国防の物流・兵站業務向けのDefense Logistics Solutionを開発中。

==========================================================================
◆◆マーケット関連◆◆

Catalog Data Solutionsの2008年第1及び第2四半期売上は、2007年前半との比較で
売上げが85%伸張。同社は無料CADモデルのサーチエンジン上のコンテンツを拡大。
www.3DModelSpace.com 

==========================================================================
◇◇一見の価値あるWebサイト◇◇

"Monitor110: A Post Mortem"
www.alleyinsider.com/2008/7/monitor110-a-post-mortem 
Roger Ehrenberg氏からの推薦

"Smaller PCs Cause Worry for Industry"
www.nytimes.com/2008/07/21/technology/21pc.html?ei=5124&en=2f05e98ebcb10095
&ex=1374292800&partner=permalink&exprod=permalink&pagewanted=print 
Matt Richtel氏からの推薦

==========================================================================
◆◆読者からのレター◆◆

Re: OpenDGNはそれ程オープンではない
“まず第一にOpenDGNのヘッダーファイルの殆どが隠されてしまった。V8要素の実際
の構造にマッピングせずに、コードはバイトストリームを読むようになった。一体
、何のためかと私には不思議である。OpenDGNコードではファイルフォーマットを明
らかにしないとBentleyは言っているのだと、私は相当の確信を持って推測する。そ
うであれば、年間12,000ドルのソースコードライセンスを購入しても、フォーマッ
ト判読にはほど遠いことになる。”
- Chris Hannukainen
PCS CAD

“Autodeskが気にするのはカネだけである。貧しきユーザが中古のAutoCAD R14を
eBayで売ることに対してさえも妨害工作を行った。しかしAutodeskはどうやら負け
そうである。<www.caddit.net/forum/viewtopic.php?t=5>  中古AutoCADを再び誰も
が売れるようにeBayは計らおうとしている。”
- Ben Decker, director
CADDIT.net

==========================================================================
Entire contents copyright (c)2007 by upFront.eZine Publishing, Ltd. All 
rights reserved worldwide. Article reprint fee: $250 and up. All trademarks 
belong to their respective holders. "upFront.eZine," "The Business of CAD," 
and "On your desktop every Tuesday morning" are trademarks of upFront.eZine 
Publishing, Ltd. Letters to the editor may be edited for clarity and brevity
. Translations and opinions expressed are not necessarily shared by upFront.
eZine Publishing, Ltd.

現在休刊中です
解除

規約に同意して

最近の記事

上へ戻る