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米国で発行されているCADを中心にしたe-ニュースレターの簡易翻訳版です。設計や製造に関連したCAD以外のソフトウェアの動向紹介もあり、海外での状況に関心がある方には興味を持ってもらえるのでは。

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2008/07/05

海外CAD事情 565号(2008年6月24日号)

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            海外CAD事情:UPFRONT.EZINE - ISSUE #565
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June 24、2008
英語版サイト    www.upfrontezine.com | http://worldcadaccess.typepad.com

今週号の内容:
* 著作権ウオッチ:ワイヤフレームの再利用権
* 読者の意見:Wildcat, オープンソースCAD
* プレスリリースのサマリー、及び他のレギュラー項目

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◆◆著作権ウオッチ:ワイヤフレームの再利用権◆◆

単純な契約紛争が法廷に持ち込まれた。CADとデジタルコンテンツのコミュニティへ
衝撃を与える裁定がその法廷でなされた。ワイヤフレームモデルの所有権は誰が保有?

Meshwerks社はトヨタの2004年の乗用車ラインのワイヤフレームモデル作成の件で、
トヨタの広報会社の1社と下請契約を結んでいた。(広告用の画像作成のために別の
会社がワイヤフレームのレンダリング作業に雇われていた)

驚いたことに、MeshwerksはCADモデルへのアクセスが許されなかった。 そのため...
 “... Meshwerksはトラックやバンも含め、対象車種すべてに格子状のテープを貼り
付け、格子点全部の計測をコンピュータに接続された関節アーム式の計測機を使い、
トヨタ車の全車種に対して計測を行った。これらの計測をベースにして、モデリング
ソフトウェアを使いワイヤフレームモデル的なデジタルイメージの生成を行った。”

この作業は労力を要するもので、車1台のワイヤフレーム作成には80〜100時間が掛か
った。 “... スクリーン上のイメージは完全とは程遠いもので、‘手作業モデリン
グ’が必要であった。... ホイール、ヘッドライト、ドアハンドル、及びトヨタのエ
ンブレムなどの詳細部分は現在のテクノロジーでは正確な測定はできなかった。これ
らの部分はモデリングの第2段階で追加する必要があった。データポイントの約90%は
この第2段階で手作業により追加された。”

この仕事のもう一つの側面、最終結果に対する低評価、は私を当惑させるものであっ
た。

これらのプロセスで得られた製品は...トヨタ車の2Dワイヤフレーム描写であり、ス
クリーン上では3次元に見えるが、カラーやシェーディング等々の装飾的ファクター
は一切含んでいない。”
Meshwerksは車1台分のワイヤフレームを作成するのに90人・時間を費やした。

4年前の2004年に、トヨタは社内CADシステムTOGOでの3Dワイヤフレーム作成に失敗し
たのではなかったか? それとも一種の情報操作が行われていた? Hiroshi Toriyaの 
'3D Manufacturing Innovation' という本によれば、トヨタは2006年以前にサーフェ
スモデルをLattice's XVLフォーマットで出力していたことになっている。

下請の広告会社がMeshwerks製作のワイヤフレームを再利用したときに、そのワイヤ
フレームの所有権に関する論議が発生した。結んだ契約は1回限りの使用に限定され
ているとMeshworksは思っていた。法廷では、問題のワイヤフレームモデルがトヨタ
車の正確なコピーであり、何のオリジナルなコンテンツも含んでいないため、  
Meshworksは著作権を主張できないと判事は決定を下した。

先週の判事決定の余波を受け、Webの一般参加者はワイヤフレームモデルには著作権
を設定できないと誤解しているが、事実はそうではない。ワイヤフレームモデルがト
ヨタ所有の自動車デザインの正確なコピーであるが故に、トヨタがそのワイヤフレー
ムモデルの著作権を所有しているのである。

製造者が明確である製品のワイヤフレームやメッシュを販売している会社にとって、
このことは問題となるのだろうか? 製品の所有者は、製品モデルの販売を差し止め
たり、ロイヤリティ要求を行う理由を今や持ったことになる。

今年初めにも似たような騒ぎがあり、偶然にFord車が写った写真の所有権をFordは主
張した。この二つの出来事には関係があるのかとも思う。どちらのケースも、企業が
自社製品の偶然的及び利益目当てでの複生物に対して規制的になりつつあるように見
える。

http://www.sltrib.com/business/ci_9630368
http://ca10.uscourts.gov/opinions/06/06-4222.pdf
http://www.meshwerks.com/

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◇◇読者の意見:オープンソースCAD◇◇

[Graham HemingwayのWildcatオープンソースCADプロジェクトに対する読者の意見が
、まだ継続的に届いている http://wildcat-cad.blogspot.com]

“[Open Source CAD] は完全なCADツールなどとは何の関係もない。今日では、すべ
てのCAD製品は相当のレベルに成熟している。我々(消費者)が必要なもの、正に心
底必要なものはAutoCAD LTのようなCADで、AutoLISP、VBA (またはVSA)が組込み済み
の、ネットワークライセンスが1000ドル以下のCADである。
Autodeskは、このことを10年の間言われ続けてきたが、売上増大を優先してきたが故
に一切無視してきた。株主の声は顧客の声よりも大きい。 私はAutodeskを責めよう
としている訳ではない。すべてのソフトウェアベンダーが、ユーザ囲い込み努力と利
益極大化に関しては罪がある。
どのソフトウェア市場においても、競合相手がいない領域では、そのような行動は歯
止めが利かず暴走することが問題なのである。どのベンダーにも勝者になって欲しく
はない。真の競合状態が存在し、活発な競争が繰り広げられることをこそ私は望んで
いる。それによって機能改善・強化(自己満足的な年次アップデートではなく)、及
び価格の低下が起こるのかもしれない。
そのことが消費者としての私の益となる。短期間の内に成功するとは誰もが思ってい
ないが、WildCATが成功すれば、競合を恐れる者を除き誰も傷付くものはいない。消
費者は自分の予算を考えてCADを選択することになる。”
- David Stein

“‘オープンソースCAD開発もさることながら、オープンGISソフトウェアの必要性も
極めて大きい。何か情報はあるだろうか?’、とのコメントを述べた読者FC Upland
氏へのアドバイスだが、次のサイトをチェックしてみたらどうだろうか。
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_GIS_software ”
- Joe Tilman 

“オープンソースの世界へのWildcatの新たなる登場に関する解説記事は面白く、情
報に触れ得たことを感謝している。読者からのコメントの中で、心に留まったものに
ついて一言述べてみたい。

...このような基本的問題がある状況を、オープンソースCADが本当に変えてくれ
ると考える人はいるのだろうか? フィーチャーや機能の手直しに誰もが血道を上げ
、本当の戦いの場を忘れ去るという問題をさらに悪化させるだけだと私は思う。製図
板やスケッチのエッチング処理の頃に戻り、仕事をやり遂げることの方が、悪賢い大
手CADベンダーについて悩み、彼らの駆逐法を考えることに時間を費やすよりも余程
ましである。...

オープンソースCADが基本的問題の改善の助けとなることを私は腹の底から信じている
。業界の価格破壊に挑戦することになるだけではなく、使用されているツールやテク
ニックに関するCAD業界の停滞状況を打破することにもなる。より高度なコミュニケー
ションとコラボレーションが本質的に要求される、これまでとは全く異なった社会的
動きを、オープンソース・ソフトウェアの開発がもたらすことになる。
BRL-CADがオープンソースとしてリリースされて以来、我々の活動とコミュニティへ
の参加者は地道に上昇している。これまで手が回せなかったユーザインターフェイス
や使い勝手の良さのような問題にも手を着ける余裕が出てきた。これによって益々有
用で、Google Summer of Codeのようなイベントにも参加できるレベルのCADツールへ
と発展中である。

...Graham Hemingway氏の幸運と成功を心から願う。CAD販売ベンダーは自らの振
舞い酒に酔っ払い、異常な価格には手をつけない。...

同感である。Graham氏のゴールは殆ど我々と同じなのだから、BRL-CADプロジェクト
とコラボしてくれたらもっと良かっただろう。しかしわが道を行く同氏の熱意は尊敬
するし、その成功を私は願う。

...オープンソースCAD開発もさることながら、オープンGISソフトウェアの必要性
も極めて大きい。何か情報はあるだろうか? ...

GRASSという順調に進展しているプロジェクトがある。http://grass.itc.it/

ユーザの観点からは、オープンソース・ソフトウェア開発は緩慢なプロセスと見られ
ることが多い。商用開発の進捗速度よりもはるかに開発が遅いのは事実である。殆ど
のユーザが認識していないが、オープンソースの一番良い点の一つはユーザ自身が直
接的に貢献できることである。例えプログラミングが分らなくても、多くの方法で誰
もが積極的に貢献できる。ユーザが権限を持てるのである。関与することなしに、開
発が遅い、機能が乏しいと文句を言うのは利己的であり、意味のない考え方である。
変化を望むなら関与すべきである。”
- Christopher Sean Morrison
http://brlcad.org

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◆◆プレスリリースのサマリー◆◆

AIAによれば、建築設計の分野での売上は下落が続き、“設計活動の劇的縮小”が発
生、下落は西部地域で最悪状況。建築家広報グループの見解では、建築設計分野での
売上縮小の9〜12ヶ月後に建設活動に影響が現れる。 
http://www.aia.org/release_061808_abi

Cambashiによれば、エンジニアリング・ソフトウェアの成長はチェコ、ハンガリー、
ポーランド、スロバキアで11%、中でも量的にはポーランドが一番シェアが高い。 
http://www.cambashi.com

MFG.comの調査によれば、USドルの下落によりバイヤーの47%が米国から調達を増やし
ている。[冗談だろう。米国ではインフレ懸念が高まっているのだから。] この調
査には500名の購買担当者、エンジニア、及び管理者がMFG.com上のサーベイに回答し
た。http://www.MFG.com

TransMagic R7 SP2では、CAD変換ソフトウェアにデュアル、クウォッド−コアCPU用
での並行処理を導入。無料トライヤルも提供。http://www.transmagic.com

BunkspeedのHyperShotレンダリングソフトウェアが Rhinoceros用のプラグインとし
て登場----現時点では無料ベータ版。HyperShotの連続レンダリング処理によって、
忠実度の高い最終イメージのプレビューをほぼ即座に実現。
http://www.bunkspeed.com/hypershot/rhino

スペインのAsuni CADはRhinoを建築向けに適応させたVisualARQをリリース。
http://www.visualarq.com/default.htm

Lattice TechnologyはInventor 2009用のXVLコンバータを近々出荷 ----6月30日予定。
http://labs.autodesk.com/utilities/xvltranslator/ 

中国のDWG TOOL(旧名:FreeFire Studio)はDWG、DXF、及びDWFをラスターやベクト
ルフォーマットにバッチ変換するAcme CAD Converter v7.9をリリース。
http://www.dwgtool.com/cadconvert.htm

1Spatialの新製品MapRelate (BP99.00) は地図上にCADデザインを配置。無料トライ
ヤル版も入手できる。http://www.1spatial.com/products/maprelate/index.php

PARTsolutionsはPacific Bearing Online Product CatalogとConfiguratorを発表。
http://www.partsolutions.com

Bentley SystemsはBentley Water V8 XM Editionをリリース。[注目:"MicroStation
"ではなく"Bentley"となっている]  http://www.bentley.com

CADsoftはNARI [National Association of the Remodeling Industry] とAIBD [The
 American Institute of Building Design]の認可を受けた同社のEnvisioneerソフト
ウェアのセミナーを開催。http://www.cadsoft.com/support_training.php

スエーデン系のAnimech Technologiesは製品構成ビジュアリゼーション用の 
aniDim3nsion v1.5を発表。
http://www.animechtechnologies.com/products/anidim3nsion

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我々のブログ<http://worldcadaccess.typepad.com>に掲載された最近の記事。
* Introducing Synchronous Technology in Your Organization
* Sniping Continues Between Autodesk and ODA
* Engineous Software Worth $40M to DS
* Autodesk's Second Customer Briefing Center
* PR Sez
* Believe Us, We're Doing Great 
* Secret, Like Microsoft

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◇◇ハードウェア関連の情報◇◇

VrcontextとIntelは3Dモデルをリアルタイムでレンダリングするパラレル・レイ・ト
レーサーのデモを実施。IntelのマルチコアCPUを使い、Vrcontextは1秒間に80フレー
ム、1億ポリゴンを生成できた。2年以内に、この機能はPalm PC上でも可能と予想し
ている。http://www.vrcontext.com

NVIDIAは makes its Gelato Pro v2.2 GPUを利用したレンダリング・ソフトウェアを
無償ダウンロード提供する。http://www.nvidia.com/gelatozone

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◆◆人と会社の動き◆◆

Creaformは日本にCreaform Japanオフィスを、フランスにEuropean libration
 Center を開設。http://www.creaform3d.com

Dassault SystemesはEngineous Softwareを4千万ドルで買収、Simulia事業部に吸収。
   
 
Bentley SystemsはCommon Pointを買収。買収条件は非公表。

VUEWorksはAlex Von Svobodaをセールス/マーケティング担当副社長に任用。同氏は
Autodeskでチャネル・ディレクターの職にあった。

DelcamはSteve Creronを英国事業のゼネラルマネージャーに任命。

John CallenはGibbs and Associatesを退社。

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◇◇CAD関連の新刊書籍/電子ブック◇◇

書籍名:"ModelMetricks"
著者名:Bonnie Roskes
Google SketchUpを使った8〜15才の子供向けデザインプロジェクト
http://www.f1forkids.com/

書籍名:"What's Inside? AutoCAD 2009 - 4th Edition"
著者名:Ralph Grabowski
出版社:upFront.eZine Publishing
100ページ、フルカラー、PDF $13.20
http://www.upfrontezine.com/wia9

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◆◆読者からのレター◆◆

“CADソフトウェア別の求人数に関連した、Dave Aultへの貴誌の回答に対して異議を
申し立てたい。Mechanical Desktopユーザへの10万シートのInventor無償提供を利用
して、AutodeskがInventorソフトウェアのシート数増大に関する誇大発表を行ったこ
とがあった。その時点から始め、既にかなりの期間に渡り、個人的興味から私なりの
調査をしてきた。(SolidWorksとかInventorに個人的思い入れがある訳ではない。私
の会社ではCoCreateのSolid Designerを使用している。)

InventorとSolidWorks両方の求人数をMonster.comで2004年から継続的に追跡してきた
。その結果は次の通りである。
2004年6月
Inventor 99
SolidWorks 585
 
2005年4月
Inventor 138
SolidWorks 550
 
2006年3月
Inventor 252
SolidWorks 769
 
2007年2月
Inventor 286
SolidWorks 1,026
 
2008年6月
Inventor 331 
SolidWorks 1,372
 
 (検索では 'Solidworks' と 'Solid Works' を使用)貴誌ではMonster.comを使用
しなかったのは分っているし、検索対象の地域がどこであったかも私は知らない。し
かし、上記の結果が示すように、最も人気のあるCADを選ぶCADtalent.comのやり方に
は疑問を感じる。”
Bill Coleman
Manitou North America

エディタの回答:“私はアラバマ州で3種のCADの検索を行った。”

Coleman氏の返答:“非常に面白い。あなたが行ったのと正に同じ検索をMonster.com
でやってみたら、アラバマ州ではInventorに関する求人数は3件、SolidWorksに関し
ては9件であった。私が調べた結果、CADtalent.comでのヒット件数の大多数は
Craigslist広告をベースにしたものであることが分った。Inventorの数に寄与した広
告の多くを調べてみたが、そこにInventorというソフトウェア名を見ることはできな
かった。CADtalentの検索ロジックには大きな欠陥があるようだ。CADtalentをシート
数のインディケータとして使っていたら、私は悪戦苦闘していたことであろう。”

- - -
“ソフトウェアはOEM/製造元からインターネットを介して購入、ダウンロード、ライ
センス取得などができ得る。在庫の確保、かさばるマニュアルの送付、エンドユーザ
の実際のニーズに対応した製品の紹介や他社製品との比較を行うショールームなどは
いらない。
公認販売代理店の手助けが無償で得られ、ソフトウェア会社のヘルプデスクとの単な
るリレー役でなかったのは一体いつのことであったのか?

エンジニアリング/アーキテクチャの世界でのコンピュータ・スキルと知識の向上に
より、公認販売代理店というコンセプト自体が時代遅れとなっていると思う。最近の
世代のユーザは並みの事柄に関しては特に手助けを必要としない。
今日の公認販売代理店が、単なる門番、無駄なおしゃべり、記録付け、及びローカル
マーケットでの情報収集など以外に、どのような機能を果たすべきかについて私には
良く分らない。これは単なる私の(おそらくは皮肉っぽい)意見であって、何か大事
なことを私は見逃しているのだろう。”
-  Paul Bowers
PipingDesign.com

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