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米国で発行されているCADを中心にしたe-ニュースレターの簡易翻訳版です。設計や製造に関連したCAD以外のソフトウェアの動向紹介もあり、海外での状況に関心がある方には興味を持ってもらえるのでは。

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2007/11/08

海外CAD事情:534号(2007年10月23日号)

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            海外CAD事情:UPFRONT.EZINE - ISSUE #534
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October 23、2007
英語版サイト    www.upfrontezine.com | http://worldcadaccess.typepad.com

今週号の内容:
* "CADにはあらず"
    - Graebert社のこれまで
    - 現在の注力製品SiteMaster
    - 将来製品Argon
* プレスリリースのサマリー、及び他のレギュラー項目

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◆◆"CADにはあらず"◆◆

GiveMePower GmbH社のCEOであるWilfried GraebertとCTOのRobert Graebertが同社
の歴史、現在の同社の動向、及び“Argon”というコード名の将来製品について話を
するために数時間を掛けてupFront.eZineのオフィスまで出向いてきた。

◆Graebert社のこれまで

Graebert氏と私との関わりが始まったのは、同氏がドイツでのAutodeskソフトウェ
アの独占販売権を1983年に得たときであった。Graebert氏は建築系や機械系などの
AutoCADアドオン開発のために開発スタッフを増強した。Graebert氏によれば、1993
年にGraebert氏のサードパーティーデベロッパーとディストリビュータとしての地
位がAutodeskによって剥奪された時点では、Autodeskのマーケットシェアを25%から
67%まで成長させていた。裁判での戦いが始まったが、販売権は他の5社に与えられ
、その5社は価格戦争を行い結局は3社となった。(裁判は未だに継続中)

開発済の一群のアドオンを走らせるため、その時点でAutoCADクローンを開発した。
Autodeskが供給停止した場合に備え、SoftDeskがアドオン用に開発したIntelliCAD
と同じコンセプトであった。Graebert氏の末っ子の名前を取って、そのクローンを 
FelixCAD と名付けた。当時米国での分野別アプリケーションの最大供給者であった
SoftDeskとGraebert氏は話をし、SoftDeskが“Ramona”(Boomerang Technology社
のホームタウン名)レイヤーという名のAPI [applications programming interface]
互換レイヤーを追加するという合意に達した。
(ドイツの著作権法によれば、見てくれが同じであればそれはコピー製品と見なさ
れる。Graebert氏はドイツの弁護士の助言に従い、AutoCAD用に開発されたアドオン
をFelixCAD上で直接走らせることはできないようにした。SoftDeskから提供される
ラッパーによりFelixCADのAutoCADアプリケーションとの互換性が確保される筈であ
った。)

その後何が起きたかは周知の通りである。SoftDeskの買収合戦によりSoftDeskに対
する買収価格は9,000万ドルまで上昇した。IntelliCADDはVisioに672万ドルで買収
されたが利益を生まないことが判明、今ではITCが過去の痕跡を消し去るべく全面的
に書き換えている。

AutoCAD路線を追求することの無意味さを感じ、Graebert氏は私に“これからは何が
いい?”という質問をした。10年前のことである。“LinuxかPalmOSをサポートする
ことでの差別化”というのが私からの助言であった。PalmOSにそこまでの価値はない
ことを同社はすぐに認識したが、デスクトップ上のWindowsから“パームトップ”上
のWindows CEへというMicrosoft路線に従うことに光明を見た。その時点でのポケッ
トPCデバイスはCADを走らせるには十分ではなかったが、3年後における可能性に同
社は賭けた。

その結果、30万以上のユーザを同社は現在持つことになった。

その間、社名を“GiveMePower”に変更、FelixCADという名前を北米では“PowerCAD
”に変え、中国では“QuickCAD”という名称で販売契約を締結している(QuickCAD
という名称になった経緯には面白い裏話がある)。 同社は今週、社名を元の社名
Graebert GmbHに戻した。

◆現在の注力製品SiteMaster

現在Graebert GmbHが注力しているのは“いつでも、どこでも、誰でも”である。同
社のソフトウェアはレーザ計測器、バーコードリーダー、土木分野のTotalstation
データ収集装置、とリンクしている。デスクトップPC、タブレットPC、UMPC [ウル
トラモバイルPC]、ポケットPC、及びSmartPhone上でソフトウェアは動く。CADシス
テム全体を僅か8MBに圧縮することができたため、どのバージョンでも同じ機能で
ある。“ACISソリッドモデリング用には35MBを追加すればいい。ポケットPCや
SmartPhoneでは無理だが”、とCTOのRobert Graebertがニコニコ顔で言った。

UIは現場作業者の手袋をはめた指での操作に合わせている。手が使えなかったら? 
そのときは図面に音声ノートを付けるように音声コマンドで命令する。SmartPhoneと
UMPCはカメラ付であるので、写真をハイパーリンクのように埋め込んだり、添付す
ることができる。Robert Graebertは旧式モデルのポケットPCと新品のUMPCの両方で
ソフトウェアを見せてくれた。最善とは言えぬそのようなデバイス上でのCADソフト
ウェアの動作の速さに私が驚きを示すと、“最適化のたまものです”と笑顔で答えた。

測量デバイス上でもこのソフトウェアは使えるのか、と私は尋ねた。“使えるが、2
万ユーロ(2万8,000ドル)するような上位機種だけです”、とWilfried Graebertは
答え、説明を続けた。“6,000ユーロレベルのローエンドTotalstationでは、300ユ
ーロ出してPDAを追加購入する方が理にかなっている。”

飛躍的な発展はBluetoothのおかげによる無線通信。ポケットPCは手首につけられるし
、UMPCは腰に縛り付けられる。レーザ測定器を使ってPCへ計測データを送信できるし
、また逆に、PCから計測デバイスにインストラクションを送信することもできる。

(写真:http://www.upfrontezine.com/pix/graebert.jpg:手前に見えるのはHilti
製のBluetoothレーザ測定器で、奥に見えるのはSiteMasterソフトウェアを搭載して
いるサムソン製の最新UMPC)

データはホームオフィスに電子メールでアップロードされると聞いて、私は即座に
“えっ、電子メール?”と反応してしまった。つい最近、フランスでのWiFi普及の
低さに辟易した体験をしたからである。欧州ではデータは携帯電話と同じように3G
経由で送信できる。
WiFiアクセスができなければ、作業者は最寄のStarbuckでコーヒーブレイクを取る
ついでに、そこに設置してあるWiFiシステムを使えばいい。Graebert氏はそう続けた。

キーポイント: Graebert社はSiteMasterをCADシステムとして販売はしていない。
ファイルビューアであり、たまたま編集機能を持っているだけである。ポケットPC
やレーザ測定デバイスは1,000ユーロ以下の価格であり、部門予算で処理できる。
“CADにはあらず”が売り文句である。

もう一つのキーポイントは次の通り。Graebert氏の計算によると、英国には25,000
人の建築技術者がいて、CADベンダー5社が彼らを追いかけ回している。一方では、
請負業者、保守作業者、橋梁検査官、自治体職員、不動産代理店、船舶修理業者、
等々の80万人の作業者が存在している。このような人達に、Graeber社のソリューシ
ョンが2倍〜10倍の効率改善と入力の100%の正確性を提供できる点を、同社のスタッ
フは啓蒙していく必要があるとGraebert氏は認識している。売上げの60%はコンサル
ティング業務からで、測量でのSiteMasterシステムの使用法に関するトレーニング
などを行っている。レーザ測定デバイスを使い、測量の専門家でもない50名が、15
週間で1,000万平方フィートの領域を計測したこともある。図面はオンサイトで作成
され、オフィスにいる1名の測量技師が電子メールで図面を受け、承認を与える。

◆将来製品Argon 

3年を掛け、Graebert氏の息子が20名から成るドイツ人とロシア人のプログラマを率
い、FelixCADの全面的書き直しを弁護士立会いの開発環境で行ってきた。Graebert
氏は“ドイツ人弁護士などの助言は聞くべきではなかった”と自分のしたことを笑
った。LISP部分だけが前のままである。Argonでは現在270のスクリプト互換AutoCAD
コマンド(すべてのコマンドオプションも正しく動作)が使えるようになっている
。ダイアログボックスはすべてサイズ変更可能である。ネイティブファイルフォー
マットはOpen Design AllianceベースのDWGである。(この将来製品のArgonという
名前は周期表にある希ガスのアルゴンから取ったもの)

Argonプロジェクトはアルファ段階で、来月からベータ段階に入る予定。出荷は2008
年の第1四半期を予定している。(“なに故にITCや同類のIntelliCAD 7プロジェク
トと競合するようなことをするのか?”“始めたのは我々の方が先。”) Graebert
社にとってのキーマーケットである現在のOEM契約先とは既に作業を始めている。末
端向けパッケージ販売の重要性は同社にとって低い。

ArgonのAPIオプションの豊富さは私にとって驚きである。CUI(XMLカスタマイズフ
ァイル)さえも準備されている。
  -- Lisp
  -- DCL
  -- Diesel
  -- Delphi
  -- COM
  -- C++
  -- FRX/DRX (OpenDWG-ベースAPI)
  -- FXARX ( AutoCAD 2007 ARXとソースコード互換)
  -- .Net (C#とVB.Net)
  -- VSTA
  -- C/fdtヘッダ (ADSからの変換)

FXARXはAutoCAD 2007のObjectARXとの互換性があり、Graebert提供のヘッダを使っ
たリコンパイルを行えばいい。MicrosoftのVBA代替である“VSTA”(おそらく語呂
合わせ?)-- Visual Studio for Applications-- も持っている。

インポート/エクスポートのオプションとしては、DWF入出力、ACIS入出力、150種以
上のラスターフォーマット、PDF出力、SVG出力などがある。“SVGをいったい誰が使
う?” と私は聞き返した。施設管理者やテレコム業界では、ビューイングの際には
ベクトルベースのズーム能力が好まれているとのこと。

(この初期リリースの後の次のバージョンでは、ビジュアルスタイル、ASEスタイル
のデータベース接続性、及びダイナミック入力などが追加予定。)

ArgonはOSには殆ど依存せず、XPの優しいインターフェイス、Windows 2000の効率的
なインターフェイスなどを簡単に利用できる。来年にはOS Xや政府関係で急速に需
要が伸びているLinuxへの移植も可能である。Robert GraebertがArgonのUIや機能を
見せてくれた。表示やレンダリングにはOpenGL、DirectXなどを使用している。他の
CADベンダーの言の通り、OpenGLはVista上ではあまりに遅い。

追記:今年末に、サードパーティー開発者向けの実践セミナーが予定されている。
開催地は下記の通り。申し込みはoem@graebert.comへ。
  バンコク-12月11日
  ベルリン-12月3日
  ボストン-11月27日
  ロンドン-11月21日

http://www.graebert.com

[日本語版エディタ(RRC 大串)のコメント:Graebert氏とは私も以前に2度会った
ことがあり、なつかしく思った。私がベルリンにある本社をアンドールの牧之内社
長(当時)と訪れたのは7年前、そのときはGraebert氏のご子息が英国に留学中と
いうことであった。今ではGraebert社のCTOとして活躍している様が伺え、時の経つ
速さを改めて感じる。]

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◇◇プレスリリースのサマリー◇◇

Tech Soft 3DはHOOPS v16グラフィックスコンポーネントをOpen Design Allianceの
DGNdirectに統合。もしあなたが両団体の会員であれば、Bentley Systemsの正式DGN
ファイルをHOOPS SDK [software development kit]で読むことができる日は近い。
http://www.techsoft3d.com

上記ニュースとは関係ないが、Bentley SystemsはD-Cubedの2D及び3D Dimensional 
Constraint ManagersとCollision Detection ManagerをMicroStation用にライセン
スする。さらに同社はSiemens PLM SoftwareとのParaSolidライセンスを複数年契約
に延長する。これらの機械系指向のコンポーネントはAEC向けソフトウェアでのパラ
メトリック設計に使用される計画である。http://www.ugs.com/products/open/ 

Bentley関連のニュースが続くが、Bentley Systemsは‘AECbytes’に聞き取り調査
を依頼していた。回答者の58%はBentleyが出しているBIMソフトウェアの機能の方を
好むと答えたが、38%はRevitに軍配を上げた。詳細レポートは次を参照されたし。
http://www.aecbytes.com/feature/2007/BIMSurveyReport.html. 

Dassault Systemesは自社の3Dliveソフトウェア用にOffice Communications Server 
2007コミュニケーションプラットフォームを使用。http://www.3ds.com

SYCODEはAutoProject for AutoCAD (e195.00)を発表。AutoCAD用のプラグインで、
3Dから2Dへの投影を自動的に行う。ワイヤフレームも含め、どのタイプの3D図面で
も使える。http://www.sycode.com

Actifyによれば現在のメンテナンス契約数は1万。http://www.actify.com/
[過去20年間のソフトウェア販売累計数よりも、実際のユーザ数をカウントするため
の新しい良いやり方であろう。]

UGS [今ではSiemens PLM Solutions] は、フリーボディーダイアグラムを使う2Dの
技術者向けを狙った無料のSolid Edge 2D CADをアップデート。作成した2Dダイアグ
ラムにより3Dジオメトリを動かせる。これまでにhttp://www.solidedge.com/free2d
から8万名がダウンロード済。 [AutodeskとDassaultは3D CADを“民主化”すると言
っているのに対し、UGSは2D CADを“日用品化”すると言っている。]

AutodeskはImpressionの技術プレビュー6を次のサイトに掲載。
http://impression.autodesk.com/blogs/blog/5/blogpost/3201/

VariCADはVariCAD 2007 v3.00をリリース。3D/2D機械系CADシステムで、BOM(部材
表)の全面書き直し、ユーザインターフェイスの改善、及びSTEPとDWGのファイル互
換性を強化している。30日間のトライアル版はhttp://www.varicad.com。

Eric PousseはRealCADD v4.05をリリース。2D CADソフトウェア(US$95、Proバージ
ョンは$135)で、Windows、Mac OS X、及びLinux上で動く。http://www.realcadd.com

- - -
我々のブログ<http://worldcadaccess.typepad.com>に掲載された最近の記事。
* How Sweet It Is!
* Cosmic Blobs Pro Edition
* Europe Important to US CAD Vendors
* Euro, The New US Dollar
* Graebert Becomes "Graebert" 
* Sales in China $6000/month

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◆◆ハードウェア関連の情報◆◆

Creaformは2005年の販売開始以来、400台目のREVscan(旧称Handyscan 3D)レーザ
スキャナーを販売。http://www.creaform3d.com

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◇◇CAD関連の新刊書籍/電子ブック◇◇

書名:“AutoCAD Civil 3D 2008 Grading”
著者名:Carris Technology Solutions and APW Engineering
出版社:reTreive 
価格:US$19.95
http://www.myvbooks.com

書名:“AutoCAD LT 2008 for Designers”
著者名:Prof. Sham Tickoo
出版社:CADCIM Technologies
価格:US$29.00;720ページ
http://www.cadcim.com/aclt_2008/aclt_2008.htm

書名:“Tailoring AutoCAD 2008”
著者名:Ralph Grabowski
出版社:upFront.eZine Publishing
価格:US$16.50;110 pages; PDF
http://www.upfrontezine.com/ta8

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◆◆読者からのレター◆◆

Re: CADの国際設定価格に不満を感じるユーザ
“価格情報を入手することは容易ではない。どこも公示していないし、誰も価格に
ついて語ろうとしない。下記にドイツでの価格例をいくつか示す(およその価格で
、消費税は含まれていない)。
    -- SolidEdge Foundation = e6,500 + e131 メンテナンス料/月
    -- Pro/E Foundation = e6,350 + メンテナンス料(価格の20%)
米国価格と比較すると、為替レートを逆に適用しているようで、US$ x 0.70 = Euro
という正しいレートの代わりに、US$ x 1.42 = Euroという価格になっている。” 
- Klaus Dahlenburg, Incomm GmbH
ドイツ

“米国製品に3倍の金額を払うことに英国人が不満を言っていることを聞いて私は嬉
しい。チーズに対しては英国人は米国人の1/3の金額しか払っていない。ソフトウェ
アとチーズの交換ならば私は喜んでお相手する。”
- William R Jennings、社長
Consulting Engineering

エディタのコメント:“米国のチーズはカナダの半分の価格。”

“この国際価格の酷さは何だ!” 
- Glenn Letham 
www.GISUser.com

Re: Autodeskの壮大なる統合プラン
“配管ソリューションとして見落とされ、Autodeskの Plant Designソフトウェアと
直接競合するソフトウェアはCoade社のCadworxであろう。P&ID、AutoCAD上での3D配
管設計、装置設計、タンク設計、及び解析の機能がある。”
- Donovan Cox

“JohnにはFactory Layoutモジュール付きのMedusa Plant Designを見てもらいたい
。彼のニーズに丁度合うと思う。
参考になる情報を提供してくれる貴誌に感謝している。”
- Steve Borland, CADservices         
デンマーク

“AutodeskのNavisworks買収のその後はどうなっているのだろうか? いつ、どのよ
うに統合されるのか、何か情報はあるのだろうか?”
- Randy Sanders

エディタのコメント:“Inventorのように、Navisworksは他のAutodeskソフトウェ
アに統合される予定である。”

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