2007/11/01
海外CAD事情:533号(2007年10月16日号)
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海外CAD事情:UPFRONT.EZINE - ISSUE #533
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October 16、2007
英語版サイト www.upfrontezine.com | http://worldcadaccess.typepad.com
今週号の内容:
* Autodeskの製造ソリューション・メディアサミット(開催地パリ)
・コンファレンス初日
- デジタル部門
- コンセプトデザインとプラスティックデザイン
- 将来のInventorプラットフォーム
- Q&A
- 回答が得られなかった質問
・コンファレンス二日目
- 新しいテクノロジー
- CADメディアによるブログレポート
- WorldCAD Accessでの追加レポート
* プレスリリースのサマリー(簡略版)
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◆◆Autodeskの製造ソリューション・メディアサミット(開催地パリ)◆◆
AutodeskのMechanical Solutions事業部は毎年恒例のメディアサミットを場所を変
えて行うのが好きである。これまでのメディアサミットは私の近くのポートランド
とサンフランシスコであった。今年はミュンヘンとパリが候補地であったが、コイ
ントスの結果パリに決まった。ミュンヘンには以前に行ったことがあったが、パリ
は私にとって初めてである。
◆◆コンファレンス初日
今回のサミットには22カ国から80名のCADメディア関係者が招待された。殆どは欧州
と北米からの出席者である。これまで同様、強調されたのはデジタルプロトタイプ
であり、Autodeskは製造企業を従来の物理的プロトタイプ(時間が掛かりコストも
高い)からデジタルプロトタイプ(時間が掛からずコストも安い)に移行させたい
と考えている。そこには二つの理由がある。(1)Autodeskの売上げ増大、及び(2)環
境保護。これについてはコンファレンス二日目のレポートで報告する。
Autodeskのフラストレーションは彼らが自動車製造に無縁なことである。GMが次の
コルベット設計用に使える機械系CADをAutodeskは持っていない。ボディーデザイン
用のソフトウェアはあるのだが、機械設計用のソフトウェアはない。今回のイベン
トは機械系CADのイベントであるから、読者はAutodeskがInventorについて話したと
思うかもしれない。そうではない。最近買収したコンセプトデザイン用ソフトウェア
Aliasが主役であった。
そうは言いながらも、AutodeskのManufacturing Solutions事業部の野心的な上級副
社長Robert Krossが、“我々にはすべてのことを行う野心がある”、と言った言葉
が私の耳に残っている。
Kross氏は彼の事業部が先四半期に9,900万ドルを売り上げた(前年同期比31%増)と
嬉しそうに発表した。“我々の競合会社のある1社のような僅か4%増ではない”、と
暗にSolidWorksに言及していた。四半期末時点(7月21日)で、Inventor Seriesソ
フトウェアのユーザ数は722,000である。
Kross氏が考える顧客企業の懸案事項とは次の通りである。
・国際化:同業他社に抜かれないためのアウトソーシングの必要性、及び企業買収
による国際的企業連携
・イノベーション:新素材や新合金の使用、及び設計への電子部品採用の急増
・複雑性:知能センサーの製品への組み込みというチャレンジ、大量生産と高品質
との融合、ITと製造との統合。(フェデラル・エクスプレスによって運ばれるパッ
ケージの現在位置をWebブラウザーでチェックしているのと同じことを、世界各地で
製造されている製品に対しても適用したいと製造企業は考えている。)
・持続性:エネルギー価格(今後も上昇しそう)とエネルギー供給(今後も縮小し
そう)から生じるチャレンジ、さらに有害物質の使用禁止や100%リサイクル(欧州
のように)などの新たな法律への対処。
上記の課題すべてを処理するソフトウェアの供給者にAutodeskはなりたいと考えて
いる。現時点ではまだすべての課題への対処はできていないが、おそらく遠からぬ
日には実現できるかも。
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◆デジタル部門
CAD/CAE製品担当副社長Andrew Anagnosは製造企業の中のデジタル部門の概念につい
て語った。(1)ペーパーベースの仕事を主に行っている部門、(2)機械系CADの基本機
能を使用している部門、(3)設計、解析、既存データの再利用、モデルをデジタル的
に共有する能力などを含め、全面的なデジタル化の可能性のある部門。
同氏は三つの顧客レベルを示した。
ローエンド: 2D製図による2次元設計
ミッドレンジ: 3Dモデルでの3次元設計
ハイエンド: デジタルプロトタイプ化の採用(これが今回のコンファレンスの
メインメッセージだったのだが)
◆コンセプトデザインとプラスティックデザイン
Angonost氏は、Inventorの将来リリースに含まれる可能性のあるコンセプトデザイ
ンのフォームを我々に見せてくれた。歯車を定義した矩形の2DシェイプをVisioや
Actrixと同じようなやり方でドラッグした。次にモーターを表すMという矩形を追加
した。
コマンドをヒットすると、Inventorは正しいサイズの歯車の3Dモデルを生成した。
M(モーター)のパラメータを変更すると先ほどの3Dモデルはアップデートされた。
同氏はさらに、コンセプトデザインを行うデザイナーがプラスティック部品を定義
するやり方に従ったモデリングを見せてくれた。このデータがモールド設計者に渡
され、チェック、修正、及び承認などの作業が行われ、そのデータはベースモール
ドに出力される。デザイナー向けのダイアログボックスでは単純化されたオプショ
ンが使え、Inventorが選択し、デザイナーが指定したパラメータが問題ないことを
確認するのはモールド設計者の責任である。
AutodeskのMCAD事業部のソフトウェアは、デザインと製造という二つのカテゴリー
に分化するのかもしれない。そのような分化が将来起こるのか尋ねると、“多分、
しかし現時点では計画はない”という答えが返ってきた。
新しいプラスティックデザインに関してはどういう計画なのかと私は尋ねた。“コ
アパッケージの一部分になるのか、それとも配管のようなアドオンなのか?” どう
なるかは決まっていない、という答えであった。“プラスティックは計画中のモジ
ュール群の一つにすぎない。”
◆将来のInventorプラットフォーム
Alias Design Products担当副社長Richard JonesがInventorの将来のプラットフォ
ームについて説明してくれた。Inventorプラットフォームは5つのモジュールで構
成される。[競合各社は注意を払われたし]
コンセプトデザイン -> サーフェス作成-> エンジニアリングデザイン-> シミュレ
ーション -> 製造
このプラットフォームの下層には新しいAPI [applications programming interface]
がある。このプラットフォームの上層には全モジュールに共通のビジュアリゼーシ
ョン層がある。API−プラットフォーム−ビジュアリゼーションという全体パッケー
ジは包括的なデータ管理システムによって包含される。非PLMモジュール向けのPLM
とでも言うべきか。
Jones氏のプレゼンは控え目であったので、参加者の注目を集めることはなかったか
もしれない。ディナーレセプションの席でKross氏は、この新しいプラットフォーム
が彼の事業部の将来にとっていかに重要であるかを語っていた。
今回のコンファレンスはこの新プラットフォームから始めるべきであったと思う。
そうすれば、ジャーナリストの一部から漏れていたコンファレンスに対する不満の
声も避けられたかもしれない。
◆Q&A
マーケティング関係者は“メッセージ発信”という枠内で考える。Autodeskの今回
のメッセージはデジタルプロトタイプであった。懐疑的なジャーナリストはこの概
念の有効性に疑問を感じていた。質問に対する回答の中には曖昧なものもあった。
デジタルプロトタイプの概念がまだ初期段階のものだからであろう。
Q:デジタルプロトタイプを全面的に使用する企業数の予測値を出せるか?
A:我々の使命はデジタルプロトタイプを小規模メーカーに普及させることである。
それらの企業が5年後も相変わらず物理的プロトタイプに執着していれば、我々は失
敗することになる。
Q:物理的プロトタイプとデジタルプロトタイプのどちらが、どのような時に優れて
いるかについてユーザは理解しているか?
A:物理的プロトタイプが全くなくなってしまうとは我々も考えていない。物理的プ
ロトタイプを法制上求めるところもある。しかし我々が願っているのは、デジタル
的にチェックを掛けることで物理的プロトタイプの必要性を減少させることである。
Q:コンセプトデザイン的なツールの売り込み先は誰? 2Dユーザ(まだ使ったこと
がない)、それとも3Dユーザ(既に使用中)?
A:スマートオブジェクトや図面自動化にCADを使用するユーザがターゲットである
。現在、図面作業は設計部門を出た時点で終わっている。Autodesk(及び他のCADベ
ンダー)は図面の利用法に関係するマーケットにおいて拡大しようと努めている。
Q:3Dからデジタルプロトタイプへの移行はどの程度進んでいるのか?
A: それについては分らない。おそらく1桁のパーセントだろう。我々のユーザの18
%は3Dを使用している。
Q:デジタルプロトタイプの後に来るものは何?
A:[最初の回答]我々には分らない。
[Jones氏が直ちに発言] バーチャルリアリティが自動化に貢献するのと似たよ
うな形でのデザインプロセスの体験化。マルチCPUプロセッサがもう少し早く登場し
ていたらと思う。それによって種々のシナリオを同時に検討することで、複数プロ
セスの同時遂行が可能となる。
Q:デジタルプロトタイプはPLMの呼び名を変えただけのものではないのか?
A:それは違う。他のCADベンダーのPLM製品には“L”が抜けている。PLMは顧客に巨
額のコンサル費を請求する単なる手段となっている。
Q:PLMに批判的なスタンスはなぜ?
A:PLMはDassault Systemesが考え出した言葉で、同社はハイエンドマーケットをタ
ーゲットにしていて、ERPを統合する必要があった。そのためには多大[高額]なコ
ンサルティングサービスが必要となる。PLMはAutodeskユーザにとっては問題とはな
らない。自動車業界においてはPLMに統合化する必要があることは我々も理解している
。PLMは我々にとって馴染みがないものではない。
Q:MDT [Mechanical Desktop] の位置付けはどうなる? Webサイトでは今でも紹介
されているが。
A:現在ではMDTユーザは5%以下である。
Q:ファンクショナルデザインが出荷されるまでにはどの位掛かるのか?
A:18ヶ月以内である。
Q:AliasはInventorパッケージに含まれるようになるのか?
A:長期的な計画の中には入っている。
Q:Inventorパッケージに含まれるAliasのUI[ユーザインターフェイス]はどうな
るのか? Alias独自、それともInventorのユーザインターフェイス?
A:UIに関しては、すべてのアプリケーションに対して単純化したUIにするという明
確な戦略を持っている。[Autodeskソフトウェアの次回3月リリースには新しい統合
化されたインターフェイスが一部入ることになる、という話を帰りのバスの中で耳
にした。]
Q:Inventorの中に2Dコンセプトデザインのソフトウェアが入るのはいつ?
A:そう遠くのことではない。
Q:産業界の実情はAutodeskが言うほど以上に進んでいるのか?
A:データ的には3Dやデジタルプロトタイプを使用している企業数はまだ十分ではな
い。
◆回答が得られなかった質問
Q&Aセッションの中でAutodesk幹部が答えなかった、もしくは答えることができなか
った質問を列挙しておく。
Q:既存ソリューションに比べて、貴社ソリューションの価格はどの程度なのか?
Q:このコンセプトデザインというものはAutoCADに容易には適合できないのでは?
Q:戦略ロードマップのどの位置に現在いるのか?
A:答えるのは難しい。
Q:競合他社のことについて話ができないか?
A:今回は適切なタイミングではない。
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◆◆コンファレンス2日目
AutodeskのCEO であるCarl Bassは、コンファレンス2日目をCAD業界版のAl Gore張
りの熱弁によって始めた。地球環境の持続可能性に関するスピーチの部分で“企業
は価値あるもののために戦わねばならない”と宣言した。駐車場の屋根をソーラー
パネルで覆うようなことは馬鹿げた努力だとして同氏は嘲笑した。
CADベンダーの役割は、設計者が環境に優しい製品の創造ができるように鼓舞するこ
とにある、と同氏は考えている。後で質問に答えて同氏は次のように述べた。800万
というCADユーザ数は世界人口60億人に比べると小さいが、設計者はすべての製造物
に対して大きな影響力を持っている。単純な例を挙げれば、設計者は製品で使用す
る材料の種類と量を決定しているのだから。
◆新しいテクノロジー
データ管理に関しては、ProductStreamが他のソフトウェアとのデジタルパイプライ
ンになり得るとAutodeskは考えている。例えば、Sharepointとの統合がある。
SharepointはMicrosoftがOfficeスイートのエクステンションとして押しているもの
で、ドキュメント共有のためのソフトウェア。
RevitとInventorとのリンクに関するデモがあった。Inventorで作成したアセンブリ
をRevitの中に配置し、双方向での連携が取れるというデモであった。このデモでは
、同時に何台の組立てが可能かをチェックする目的で、HTCの新型床清掃機が工場の
図面上に配列されていた。Inventorのアセンブリがアップデートされると、Revit内
でそれが自動的に反映される。我々には詳細は教えてもらえなかったが。
双方向リンクが存在するとして、Revit図面の修正がInventor図面にどのようにして
反映されるのか理解できなかった。Revit図面をInventorアセンブリ内に配置するこ
とに意味があるのかも私にはピンとこない。このテクノロジーはまだ未成熟で、将
来さらに何か他のことを我々に見せてくれるのであろう。残念ながら、この点に関
して質問する時間は無かった。
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◆CADメディアによるブログレポート
CAD Insider: http://cadinsider.typepad.com
-- Autodesk Needs to Lead in Technology, Too
-- The Greening of Autodesk
-- Pretty Makes for Competitive Advantage
3D CAD News: http://3dcadnews.blog.com/
-- Autodesk Bangs 'Digital Prototyping' Drum... Loudly
-- Classy Paris Neighborhood Ignores Arrival of World MCAD Media
PR, Marketing and the Business of CAD: http://floatingpoint.typepad.com
-- Autodesk Gets the Press Thinking
◆WorldCAD Accessでの追加レポート
* Unreleased Inventor Spy Photo
* Autodesk Manufacturing Media Summit, Paris Day 2.5
- Data Management
- Real Time Raytracing
- Consumer Products
- Paris Moment
* Autodesk Manufacturing Media Summit, Paris Day 2
- Who Knows When the Wind May Blow
- Paris Moment
* Autodesk Manufacturing Media Summit, Paris Day 1
- Franke
- Paris Moment
* Autodesk Manufacturing Media Summit, Paris T-0
- Noma Pocket Power Charger
* Autodesk Manufacturing Media Summit, Paris T-1
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[ディスクロージャ:Autodeskは私に航空機代、車代、ホテル・食事代、及び会社ギ
フトを提供した。]
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◇◇プレスリリースのサマリー◇◇
我々のブログ<http://worldcadaccess.typepad.com>に掲載された最近の記事。
* 3D Lens From Adobe
* Real-time Raytracing Courtesy Intel
* Get $200 Books Free
* Proprietary Software Forces You To A Specific OS
* 3D Drafting In the Air
* The Single-Owner Job
* Dassault + Seemage
* One Million Page-Views for WorldCAD Access
Gizmos Grabowski <http://worldcadaccess.typepad.com/gizmos/> のブログに掲載
された最近の記事。
* LED Lighting? I'm Not So Sure
* HP Batteries Overpriced 2.7x
* Downloading ECM Albums from Amazon MP3
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