2009/10/29
[ほぼ日刊日々是映画] vol.2645 ★ 石油プラットフォーム
===============================================2009/10/29== -vol.2645-- ほぼ日刊 日々是映画 発行:cinema-today http://www.cinema-today.net/ =======c===i===n===e===m===a===-===t===o===d===a===y======= 2645号です。 今日はスイス人がアゼルバイジャンで撮った作品。 アゼルバイジャンといえばキャビアらしいですよ… http://tinyurl.com/yjoehxd スイスといったらチーズ?ラクレット! http://tinyurl.com/yj5cbua というわけで今日は『石油プラットフォーム』です。 ワンクリック投票実施中! ほぼ日刊日々是映画 ブログ版 http://www.eigablog.com/ 携帯の方もコチラにどうぞ。 http://www.eigablog.com/ -------- 目次 -------- ■ 今日の映画 石油プラットフォーム □ ワンクリック投票 □ ヒビコレリンク □ DVD今日の買い! ------------------------ ■ 今日の映画 - 石油プラットフォーム <1行コメント> カスピ海に浮かぶ巨大プラットフォーム、そこから見えてくる21世紀の 課題 --cinema2526------------ 石油プラットフォーム La Cite du Petrole 2009年,スイス,52分 ----------------------- <キャスト&クルー> 監督 マルク・ヴォルフェンスバーガー 撮影 ジョン・ビョルグヴィンソン 音楽 イゴール・クブリロヴィッチ キャスト ドキュメンタリー <評価> ☆☆☆☆(満点=5) <プレビュー> カスピ海に浮かぶ巨大な石油プラットフォーム、ソ連時代の1949 年に作られ、今も稼動するこのプラットフォームは世界にあまり知 られてこなかった。ジャーナリストのマルク・ヴォルフェンスバー ガーが外国メディアとしてはじめて許可を得て撮影を行った記録。 9階建ての住宅などが健在の中、老朽化して崩れ落ちた端なども 多い。エネルギー、環境、技術、社会主義などさまざまなことを考 えさせてくれる作品。 <レビュー> この作品は60分未満と短いし、見終わって「これでもおわり?」 というあっけなさもある。それは残念なことではあるのだが、同時 に「もっと見たかった」という気持ちを持ったということも意味す る。この映画に登場するのは広大なプラットフォームのほんの一部 だし、インタビューに答えている人もわずか5人、しかも心からの 本音を言っているようにも見えない。もっといろいろな場所が見た いし、いろいろな人の話も聞きたい。それが見終わった瞬間の素直 な感想だ。 そんな物足りなさは残るが、作品としては面白い。このプラット フォームが建築されたころやフルシチョフが訪れた時に撮られたアー カイブフィルムも織り交ぜられることで歴史的な部分もわかりやす く提示されているし、それによってインタビューを受ける古株の人々 の話も理解しやすくなる。 そしてこの古株の人々、特に指導員として建設当時からいるとい う老婆の話なんかはすごく印象的だ。彼女はおそらく80近い年齢だ ろうと思うのだが、その話し方は威圧的でいかにも社会主義国の模 範的な党員という感じだ。自分のやってきたことを正当化し、誇り を持っていると主張する。しかしそのもはや時代遅れな言動の裏に は空しさのようなものが隠されているようにも見えた。 映画の後、監督の話があった。私は基本的に映画というのは映画 それだけで完結しているものだと考えているが、この話は面白かっ たし、そこから見てくることもあったので、ちょっと紹介してみる。 まず、この作品の短さの原因は素材の不足にあるということ。こ の石油プラットフォームは未だ情報管理の対象であり、なかなか撮 影が許可されず、許可されても撮影に内務省の人が常についていた ために人々の口が重かったのだという。そんな6日間の撮影からし ばらくして今度は内務省抜きで撮影ができたのだが、それでも仕事 を失うことを恐れる人たちの口は重かった。 口を開いてくれた人の一人で冒頭から登場する若い男は軍隊経験 が長く、怖気ずくことがなかったのだという。だから正直に何でも 話してくれて、彼のおかげで作品が救われたと。確かに彼抜きの作 品は考えられない。彼によってこの石油プラットフォームの概要が わかり、抱える問題も明らかになっている。 先ほどあげた指導員だった老婆や、別のガス分離装置を管理する 老婆は言うべきことを言っているという印象だ。本音ではなく体制 が望むような発言をしていると。ただ、指導員だった老婆は本当は 人生のすべてをささげたことに少しならず後悔している面もあると いうことを監督は語っていた。それを作品に盛り込むことはできな かったが、その気持ちは彼女の言外に表われていたと思う。 そして彼が撮影を許可された最大の理由が「環境問題をテーマと しないこと」だったという。アゼルバイジャン政府は原油の漏出な どの環境問題に神経をとがらせていて、それをテーマに映画を作ら れるのを嫌ったというわけだ。だからここには環境に関する記述は ほとんどない。さびて朽ちてゆく橋脚が湖水にどんな影響を与える のか、漏出した原油が生態系にどんな影響を与えるのか。それは語 りたくとも語れなかったのだ。 それでもこの部分も、観客に考えさせるように映像的な工夫はさ れている。朽ち落ちる橋脚、湖面に浮いた油膜、生物がほとんど見 られない風景、それらだけでも考えさせるには十分だ。 アゼルバイジャン人でもほとんどの人が行ったこともないし、そ の映像を見たこともないというこの石油プラットフォーム、ぜひもっ ともっと撮影をして続編を作ってほしいものだと思う。 □ ワンクリック投票 今日のメルマガは? 面白かった! http://clap.mag2.com/giobeclous?good2645 つまらなかった http://clap.mag2.com/giobeclous?bad2645 普通 http://clap.mag2.com/giobeclous?ave2645 □ DVD今日の買い! <今日の作品:石油プラットフォーム> 『石油プラットフォーム』 http://www.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=215 <今日のお勧め> ちょいとお休みです。 *購読解除や、アドレス変更の際はお手数ですが、まぐまぐまたは 下記アドレスで手続きをしてください。こちらでは対処しきれな い場合もございますので。 まぐまぐ http://www.mag2.co.jp マガジンID:0000032940 メルマガページ http://cinema-today.net/magazine.html ======================================== 日々是映画第2645号 2009年10月29日発行 発行:cinema-today マガジンID:0000032940 Mail to: webmaster@cinema-today.net ======================================== 購読解除はこちらから http://cinema-today.net/magazine.html ======================================== ▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲_▲


