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2009/06/16

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2558 ★ 蛇の卵

================================================2009/6/16==
                        -vol.2558--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
                http://www.cinema-today.net/
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2558号です。

いろいろあってtwitterをはじめてみました。
http://twitter.com/gentleman_loser
「使ってるっ」って人はフォローしてくださいね。何の映画を観た
とか書くこともあると思うので、次のメルマガが予測できます。
まだ使い方がわからないので、どうなるかはわかりませんが…
多分どうでもいいことしか書かないです。

twitterは今熱い!そうなので、興味のある方は始めてみてください。


今日はベルイマン『蛇の卵』です。
ベルイマンを3本見て思ったのは「続けて見るもんじゃない」
でもまだ見るかも。


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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 蛇の卵

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■ 今日の映画 − 蛇の卵

<1行コメント>
精神の崩壊はいつでも起きる。ベルイマンのアクロバット。


--cinema2459------------

 蛇の卵

 The Serpent's Egg
 1977年,アメリカ=西ドイツ,119分

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<キャスト&クルー>

監督 イングマール・ベルイマン
脚本 イングマール・ベルイマン
撮影 スヴェン・ニクヴィスト
音楽 ロルフ・ヴィルヘルム

キャスト ジャン=クロード・ヴァン・ダム
     フランソワ・ダミアン
     ジヌディーヌ・スアレム
     カリム・ベルカドラ

<評価>

☆☆☆(満点=5)


<プレビュー>

 1923年のベルリン、アメリカ人のサーカス芸人のアベルは滞在中
の宿屋で自殺した兄を発見する。アベルは、兄の別れた妻マヌエラ
に彼の死を告げに行く。兄の怪我でサーカスを辞めていこう酒びた
りの彼はその夜も酔っ払い、マヌエラの部屋を訪ねる…
 舞台は第一次大戦後の不安定なドイツ、社会の不安が人々を蝕ん
でいく様を捉えたサスペンス・ドラマ。


<レビュー>

 人間の精神が崩れ行く様を描くベルイマン、今回はその崩壊の原
因がわからないだけになおさら怖い。サーカス芸人(空中ブランコ
乗り)で兄とともにアメリカからやってきたアベルは兄が怪我をし
たために仕事を失い、ベルリンで酒びたりの日々を送っている。そ
んな中突然兄が自殺、死んだ兄をアベルが発見するシーンでその死
体はアベルの背中越しに小さく映るだけ。観客にそのシーンの意味
を理解する機会を与えないまま物語は進行する。

 主人公のアベルは何かに怯え、いらつき、さまよう。超インフレ
の社会、ユダヤ人であることが危険になりつつある社会、その社会
に入り込んだ異邦人でありユダヤ人であることに対するおびえなの
か、それとも他に何か原因があるのか?

 そしてアベルが一緒に暮らすことになる兄の元妻マヌエラも何か
に追われるように怯えて暮している。体を壊すまで働きづめで病気
を治そうともしない。一体何が彼女をそこまで駆り立てるのか?

 理由はなんだかわからないが、彼らは何かに駆り立てられ、彼ら
は怯え、逃げ惑い、追い詰められてゆく。そこには底知れぬ怖さが
あるが、なんだかわからないだけに興味を維持し続けるのは難しい。

 警察によって明らかにされるアベルの周囲で続発する変死が関係
ありそうだということは理解できるのだが、それらの死にまつわる
事実が明らかになっていくということはなく、ただただアベルとマ
ヌエラの生活が描かれるだけなのだ。そこにあるのは思わせぶりな
目配せと怪しげな人々、社会の不穏な空気と不信感、ただそれだけ
だ。

 それだけで1本の映画を作ってしまうというのは確かにすごいが、
果たしてこのように恐怖を生み出すことだけで映画として成立しえ
るのだろうか? ひとの精神が崩壊してゆく様を描いてそこに意味
を見出しうるのは、その崩壊の理由を読み解くパズルが隠されてい
たり、誰にもおこりうる原因が示唆されていたりして観客がその崩
壊をある意味で追体験できるときに限られる。

 この作品のアベルとマヌエラの精神の崩壊はわけがわからず、観
客はその様を呆然と眺めるしかない。最後まで観ればその原因は明
らかになるのだけれど、それを推測することは不可能だ。

 それでもこのときのドイツ社会の状況やデカダンな雰囲気は精神
の崩壊を予感させるものではある。そう考えると、主人公が空中ブ
ランコ乗りだというのは示唆的なのかもしれない。死と隣り合わせ
の危険な状況から別の状況への飛躍、その飛躍の瞬間に最大の危険
が存在する。これまでのベルイマンの作品は空中ブランコというよ
りは綱渡りのイメージに合致していたが、そこに飛躍が加えられた
のかもしれない。

 そんな風に考えてもなかなか理解し難いが、とにかく恐ろしい。



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□ DVD今日の買い!

<今日の作品:蛇の卵>

 『蛇の卵』
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<今日のお勧め>

 イングマール・ベルイマン作品

 『イングマール・ベルイマン コレクション』
  http://tinyurl.com/ljbs4f

 『恥』
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 『狼の時刻』
  http://tinyurl.com/nf4mbn

 『サラバンド』
  http://tinyurl.com/ncyz93



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                     日々是映画第2558号
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                     発行:cinema-today
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