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2009/06/11

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2555 ★ ベルイマン監督の 恥

================================================2009/6/11==
                        -vol.2555--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
                http://www.cinema-today.net/
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2555号です。

関東地方まで一気に入梅しまして、いよいよ雨の季節ですね。
北海道は梅雨がなくていいなぁ

ところで、「1Q84」↓読みました?
http://tinyurl.com/ljrqne
売れまくっているようですが、面白いのでしょうか。
結局、村上春樹の作品は読んでしまうのでこれも読むと思います。
しかも今回はオーウェルの「1984」↓がモチーフ
http://tinyurl.com/n7l3ue
ということでSFファンとしては捨て置けない。
いまamazonみたら、マーケットプレイスで4000円とかになって
いますが… ブックオフ行けば100円で売ってるでしょ?
オーウェルの「1984」は面白いので、「1Q84」を読んだという人
はぜひ!


今日は『ベルイマン監督の 恥』その名の通りベルイマン監督です。

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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 ベルイマン監督の 恥

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■ 今日の映画 − ベルイマン監督の 恥

<1行コメント>
崩壊してゆく人間の心を描いたベルイマンの心理ドラマ。怖いです。


--cinema2457------------

 ベルイマン監督の 恥

 Skammen
 1966年,スウェーデン,103分

-----------------------

<キャスト&クルー>

監督 イングマール・ベルイマン
脚本 イングマール・ベルイマン
撮影 スヴェン・ニクヴィスト
音楽 

キャスト マックス・フォン・シドー
     リヴ・ウルマン
     グンナール・ビョルンストランド
     ブリジッタ・ヴァルベルグ
     ハンス・アルフレッドソン

<評価>

☆☆☆(満点=5)


<プレビュー>

 戦争のため今は島で畑を耕しながら暮らす元演奏家の夫婦、何と
か静かに生活をしていたが、ついに戦火が彼らのところまで届いて
しまう。銃撃と爆撃の恐怖におびえながら何とか生き延びた彼らだっ
たが、次に待っていたのは敵側に協力したという糾弾だった…
 イングマール・ベルイマンが戦争によって荒んでいく人間の心理
を描いた心理ドラマ。



<レビュー>

 場所も時代も明らかではないところで一組の夫婦が戦火にさらさ
れる。戦争が始まってから耐え忍ぶ生活をしてきた夫婦はどこかギ
クシャクしながらも何とか愛情を保ってきた。しかし、そこについ
に戦火がやってくる。戦闘機や爆撃、銃撃の轟音が彼らをいらだた
せ、ふたりの関係も緊迫する。

 この決定的な戦闘の場面、ベルイマン監督は戦争の“音”が与え
るストレスを観客にも与えることで劇中の人物の心理をとらえさせ
る。長く続いた轟音の果てに訪れる静寂、それは安心感を与えるが、
轟音の恐怖の経験と爆撃や銃撃の傷跡は心にも大きな傷を残す。

 そしてやがて彼らは無理やりに答えさせられたインタビューを理
由として敵に協力したとして糾弾され、苦境に陥る。それらの困難
を経て夫婦の関係は変化し、特に夫のヤーンは性格までが変わって
しまう。

 それは生きることで精一杯の中で人間がどんどん人間性を失って
ゆくという映画でもたびたび描かれている事実である。妻のエーヴァ
のほうは夫ほどには人間性を失わず、しかし夫を思いやるほどの余
裕はなく、彼を蔑み拒絶するようになって行ってしまう。広がる夫
婦の距離と崩壊してゆくヤーンの心、それを淡々と描くベルイマン
の冷たいまなざしはまさに戦慄だ。

 そして、クライマックスのシーンで大写しにされるヤーンの表情
と目には恐ろしいほどの空虚と暗黒が見える。生き延びることは動
物の本能である。しかし、人間は社会をもち理性を身につけること
で動物の本能とは一線を画してきた。しかし、生命が危機にさらさ
れたとき本来の動物の本能が頭をもたげ、理性による制御が利かな
くなってしまう。そして一度表れた本能は理性にその場を譲ろうと
はしなくなってしまう。

 それを“恥”とベルイマンは呼んだ。恥という語感とはちょっと
違うという感覚はあるが、果たしてこれをそのように呼べばいいの
かはわからない。それは、ベルイマンに導かれてヤーンと同じ心理
を経験した観客たちには感覚的に理解できるものだが、言葉で説明
するとなると不可能とも思える。それはこの感覚が言葉という人間
的なもの以前の感覚だからなのかもしれない。あえて名づけるなら
ば“獣”というべきか、あるいは“麻痺”と。

 観ていることが非常に不愉快な、だがだからこそいい映画だと感
じる。



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□ DVD今日の買い!

<今日の作品:ベルイマン監督の 恥>

 『恥』
  http://tinyurl.com/lro4d9
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<今日のお勧め>

 イングマール・ベルイマン作品

 『イングマール・ベルイマン コレクション』
  http://tinyurl.com/ljbs4f

 『狼の時刻』
  http://tinyurl.com/nf4mbn

 『蛇の卵』
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 『サラバンド』
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                     日々是映画第2555号
                      2009年6月11日発行
                     発行:cinema-today
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