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2008/05/08

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2281 ★ 獄門島

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=================================================2008/5/8==
                        -vol.2281--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
                http://www.cinema-today.net/
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2281号です。

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今日は『獄門島』、市川崑です。


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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 獄門島

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − 獄門島


--cinema2206-----------

 獄門島

 1977年,日本,141分

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<キャスト&クルー>

監督 市川崑
原作 横溝正史
脚本 久里子亭
撮影 長谷川清
音楽 田辺信一

キャスト 石坂浩二
     司葉子
     大原麗子
     草笛光子
     佐分利信
     東野英治郎
     加藤武
     大滝秀治
     ピーター
     坂口良子
     浅野ゆう子

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレビュー>

 昭和二十一年、瀬戸内海に浮かぶ獄門島、金田一耕助は友人の依
頼でその島から出征した千万太の死を告げるためその島に渡る。し
かし金田一はその千万太の謎のメッセージの解明も目的としていた。
そしてその予言どおりに千万太の3人の妹の1人花子が殺される。
金田一は次の殺人を防ぐべく動き出すのだが…
 市川崑と石坂浩二による金田一シリーズの第3作。前2作に比べ
るとおどろおどろしさが減り、サスペンスとして見やすくなった感
じ。原作と犯人を変えたことが話題になったという。


<レビュー>

 この市川崑の金田一シリーズの特徴は、おどろおどろしい事件と
それを再現したショッキングな映像である。『犬神家の一族』の湖
に脚が突き出している有名なシーンに代表される死体の気味悪さ、
殺人の瞬間の残酷さ、それらが見るものにショックを与え、作品の
印象を強烈にする。この作品も確かに最初の花子の死体を初めとし
てショッキングな映像も登場する。しかし、これまでのシリーズで
慣れたしまったためか、それとも実際に残酷さが薄れたためか、前
2作ほどの衝撃はない。
 しかし、それがマイナスかというと必ずしもそういうわけでもな
く、残虐なシーンに驚かされない代わりにミステリーの本筋である
謎解き部分に焦点が当たっていてその部分を楽しむことが出来る。
シリーズ第1作の『犬神家の一族』は謎解きのサスペンスとしても
一流、衝撃度も一流だったが、第2作はおどろおどろしさばかりが
押し出されて謎解きの部分は今ひとつだった。この第3作はおどろ
おどろしさを抑えて謎解きに力を入れることでミステリー作品とし
ての面白さを取り戻した。原作と犯人を変えたというのだから、謎
解きへの力の入れようは只者ではなかっただろう。
 犯人への手がかりをわずかに示す思わせぶりなシーンと、犯人が
トリックに使いうるものやヒントをさりげなく示す構成のしかた、
そして謎解きをする金田一のひらめき、それらをうまく使ってさま
ざまな犯人の可能性と、複数の関係者の複雑な関わり方を見事に描
いている。

 さて、このシリーズのもうひとつの共通点はある土地で大きな力
を持つ家が舞台となり、その独裁者的な当主が死んで跡目争いが起
こっているという点である。第1作は犬神家の内紛、第2作は由良
家と仁礼家という2つの勢力の争い、この作品では本季冬と分鬼頭
という半ば内紛の2つの勢力の争いである。
 私は横溝正史の作品はほとんど読んだことがないのだが、横溝正
史の作品のすべてがこのような設定とは思えないので、市川崑がこ
のような題材を選んでいるということだろう。このような題材では
殺人犯は外からやってくるのではなく内部に必ずいる。そのほうが
謎解きは複雑になり、多くの関係者の心理が問題となってくるので、
ミステリーとして面白くなるということなのだろう。
 このあり方はなんだか非常に日本的なものな気がする。“家”の
存在が大きく、地縁=血縁の濃い環境の中でその利害が衝突し、怨
恨が生じたときのすさまじさ、それを解決できるのは外部の人間し
かいない。それがこのシリーズの面白さなのかもしれない。外部の
人間として金田一とともにそのどろどろとした“家”に入っていく、
そのスリルがいい。その意味では『犬神家』に続いて登場した坂口
良子の存在は大きい。その土地にいながら事件と直接関係ない外部
の人間を演じる坂口良子は金田一と事件と観客をうまくつなぐ役割
を果たす。第2作の『悪魔の手毬唄』にはそのような存在がいなかっ
たことが少し面白みが感じられないひとつの要因だったのかもしれ
ない。
 このシリーズは同じ役者が違う登場人物を同じ人物像で演じてい
る。加藤武、大滝秀治、草笛光子、そして坂口良子、なかなか型破
りなこの方法が実は効果的であるというのを坂口良子が実証してい
る。やはりなかなか侮れないシリーズだ。




□ ヒビコレリンク

  『犬神家の一族』
   http://blog.mag2.com/m/log/0000217098/109597477.html

  『悪魔の手毬唄』
   http://www.eigablog.com/article/95385250.html


□ DVD今日の買い!

<今日の作品:獄門島>

 『獄門島』
  http://tinyurl.com/333wtl


<今日のお勧め>

 『金田一耕助の事件匣 市川崑×石坂浩二
  劇場版・金田一耕助シリーズ DVD-BOX』
  http://tinyurl.com/3y4bdr

 『犬神家の一族』
  http://tinyurl.com/2vy7b7

 『犬神家の一族 完全版 2006&1976 【初回限定生産3枚組】』
  http://tinyurl.com/363fkc

 『悪魔の手毬唄』
  http://tinyurl.com/2ucb5v

 『女王蜂』
  http://tinyurl.com/3cdc4f

 『病院坂の首縊りの家』
  http://tinyurl.com/2pvkdw



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                     日々是映画第2281号
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