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2008/05/05

[ほぼ日刊日々是映画] vol.2279 ★ キムチを売る女

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=================================================2008/5/5==
                        -vol.2279--
  ほぼ日刊 日々是映画         発行:cinema-today
                http://www.cinema-today.net/
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2279号です。

今日は5日、今年のGWはしょぼいですが、明日6日火曜日も休み
というのはちょっと得した気分です。
これは、休日法が改正されて、5月4日が祝日となったために明日
が振り替え休日となったため。休日が増えるのはとりあえずいいこ
とだ。

さて、法律といえば裁判員制度の導入まで1年となりました。しか
し、実際それがどういうことなのかということはよくわかりません。
と思っていたら、アムネスティインターナショナル日本がメールマ
ガジンで「日本の司法制度を考える〜裁判員制度導入の前に」とい
う連載を始めました。
裁判員制度や人権問題に関心のある方はぜひお読みください。
http://archive.mag2.com/0000209623/index.html

今日は久々アジア、『キムチを売る女』です。
これは賛否分かれると思いますが、私は好きです。


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-------- 目次 --------

■ 今日の映画
 キムチを売る女

□ ヒビコレリンク

□ DVD今日の買い!

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■ 今日の映画 − キムチを売る女


--cinema2204-----------

 キムチを売る女

 芒種
 2005年,韓国=中国,109分

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<キャスト&クルー>

監督 チャン・リュル
脚本 チャン・リュル
撮影 ユ・ヨンホン
音楽 

キャスト リュ・ヨンヒ
     キム・パク
     ジュ・グァンヒョン
     ワン・トンフィ

<評価>

☆☆☆1/2(満点=5)


<プレビュー>

 中国の田舎町、キムチの行商で生計を立てるまだ小さな息子と二
人暮しのチェ・スンヒはある日この土地では珍しい同じ朝鮮族の男
に声をかけられる。隣に住む娼婦のひとりにあの男は悪い奴だとい
われ、会わないようにしようとするが、男はしつこくやってきて…
 自身も韓国系中国人のチャン・リュルが韓国系中国人の女の日常
を淡々と描いたドラマ。韓国アートフィルム・ショーケースの第1
回作品として日本で公開された。


<レビュー>

 この映画は結局のところ、と書いてしまうことがよくあるが、そ
れは私の悪い癖なのかもしれない。「結局のところ何なのか」とい
うことを考えながら映画を見てしまうと、結果的にその映画の本質
を見逃してしまうことがあるかもしれない。
 この淡々として静謐なこの作品は、息子とふたり質素に暮らす中
国の朝鮮族の女性の日常を描いている。彼女の日常はキムチを売る
ことに終始し、免許を持っていない彼女は警察に摘発されることを
常に恐れている。その間息子は一人であるいは友達と勝手に遊び、
夜は息子にハングルを教える。隣には4人の若い娼婦達が住み、彼
女達の日常はあくまでも無邪気な若者のそれである。
 となると、ここで描かれるのは変わりつつある中国の変化に取り
残された人々、都市にいながら貧しい生活を強いられる人々を描く
ということになりそうだ。しかし、この作品はそのような社会的な
ことは一切描かず、ただひたすらにこのチェ・スンヒの日常を描い
ていく。スンヒはある日同じ朝鮮族の男と知り合い、関係を持つ。
息子がガラスを割ったことで知り合いになった男性には仕事を紹介
してもらうが、その代償に関係を迫られ拒否する。ある日、警察に
商売道具の自転車を没収される。その自転車を別の男から買い戻す。
娼婦達が捕まる。
 そのような断片的なことが淡々と描かれるだけで、そこに何らか
のメッセージが込められているとはとても思えない。そのようなエ
ピソードから目をそらすと、そこに映っているのは広い空、風にた
なびく布やたこ、無機質な壁、ネズミの死骸、野菜などである。
 チェ・スンヒの心に巣食っているのは何なのか。それは子どもへ
の愛情、孤独、あきらめ、欲望、などの雑多なカオスである。その
カオスを図式化することなど到底出来ない。“結局”彼女の心に巣
食っているものはなんだったのか、などと問うことは決して出来な
いのだ。

 じゃあなぜこんな映画が作られ、なぜこんな映画を見るのか。
 それは至極まっとうな疑問だが、同時に的外れな疑問でもある。
すべての行為に目的があるとしたら、その疑問は当然のものだが、
果たして本当にすべての行為に目的があるのか。この映画には隠さ
れる形でセックスが頻繁に登場する。映画とセックスの密接な関係
というのは昔から言われていることだが、このセックスというもの
には果たして目的があるのか。もちろん欲望を満たすため、子ども
を作るため、といった目的はある。しかし果たして本当にその目的
のために人はセックスをするのか。人は何か目的があって映画を作
り、映画を見るのか。
 この作品の無機質で淡々とした表情はその“目的”に対する疑念
を表しているのではないか。映画はクライマックスという“目的”
に向かって構築されなければならないという文法は決して普遍的な
ものではない。実際この作品のクライマックスはわけもわからない
まま訪れ、その結果がどうなったのかもはっきりとはわからない。
それはかなり拍子抜けで、見終わっても疑問符が拭えない展開だが、
それでいけないという理由はない。むしろ、そのように宙ぶらりん
に終わることによってクライマックスに収斂せずに映画全体が平等
に印象に残るのだ。
 結論はない。批評も常に結論で終わるとは限らないのだから、



□ ヒビコレリンク

  韓国アートフィルム・ショーケース
  http://www.kaf-s.com/index.html
  現在、第2弾4作品が順次公開中


□ DVD今日の買い!

<今日の作品:キムチを売る女>

 『キムチを売る女』
  http://tinyurl.com/3mg8xv

  楽天で借りるなら→http://tinyurl.com/4z7hke


<今日のお勧め>

 韓国アートフィルム・ショーケースの作品群

 『不機嫌な男たち』
  http://tinyurl.com/3s9nuj

 『許されざるもの』
  http://tinyurl.com/4tsdgm


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                     日々是映画第2279号
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