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各地に残る近代建築、古い町並みなどを訪ね歩いた旅の記録。建物めぐりと鉄道旅行をミックスした紀行です。各地を訪ねた足跡を紹介することで、当時の状況などを記録として残そうと思います。

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2009/12/05

[The Loitering Report]

====== The Loitering Report =========================================

/// 足まかせ漫歩日誌 ///================================= 2009/12/05

          メールマガジン『漫歩通信』  

       □□□□□□□□□□□□□□□□□    第119回
==========================================================  R.Kuroda

●足まかせ漫歩日誌の概要●

大阪を起点にしての、漫歩の記録を、少しずつ書き起こし
ていこうと思います。これからどうなるかわかりませんが、最後まで、
お付き合いのほどお願い申し上げます。

関係ホームページ 
    http://www.geocities.jp/kurysoft/


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◆ 秋の京都 / 宇治 ◆

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■[秋の京都]JR東海道線桂川駅で下車する。西大路-向日町間にある
この駅は昨年(2008年)10月に開業した駅である。駅名標には「桂川」に併せ
て「(久世)」とあって、このあたりの地名からして久世なのに、それを
つけずに、1kmも離れている川の名前を駅名にもってきたのか、JR西日本
の駅名をつける感覚が不思議ですね。

 かつては、駅西側にビール工場があったが、それがなくなり、まだ取り
壊されず残っているビルと工場跡地の更地が広がり、今は、寂しげな駅前だ。
おいおい駅前らしくなっていくことだろう。

 駅前から桂坂中央行のバスに乗る。洛西ニュータウン方面に向かう府道を
西へ500mほど走ると阪急京都線洛西口駅前、この駅は、JRの桂川駅より早
く、6年ほど前に開業した新駅である。

 初めてこの駅に下車したとき、ニュータウンへの玄関駅としては質素な駅
だなと思っていたのだが、このあたり路線、現在、高架工事が進められてお
り、高架になることを見越した仮設的な駅施設なのだろう。

 さらに西へ進むと、物集女、もづめ、何やら、いわれのありそうな地名。
竹林の丘陵を越えると洛西ニュータウンである。さらに国道9号線を越えて、
桂坂ニュータウンへ。バスは新興住宅街をぐるっと一周して終点に到着。

 桂坂中央バス停から住宅街を北に向かうと国際日本文化研究センターが
ある。その北側は、もう雑木林が迫っているのだが、そこに桂坂野鳥遊園
がある。山間に池があって、やってくる野鳥を観察できる施設などがある。
 園内に設けられた散策路は、公園として設けられた野鳥園ではあるが、
里山に設けられた山道を歩く。

 国道のほうに向かって住宅街を歩いていると、東海自然歩道の道標が
あちこちに立っていて、それに従って歩いているうちに、旧山陰道に出た。
沓掛というところで、古びた家が残っていたりする。

 国道の南側に京都市立芸術大学がある。いまは、秋休み期間中なのか、
学生がいなくてひっそり。学食もやってなかった。
 大学のギャラリーは開いていて、「NCM 1970 総括と継承展」と
いうのをやっていた。70年代に制作された様々なデザインの品物が並べ
られていた。20世紀のデザイン史をまとめて紹介したパネル、学生が
デザインしたものだろうか、なかなかよくできていた。   

 芸大前バス停に行くと、都合よくバスがなく、少し東へ歩いて国道
沓掛口バス停でバスを待つ。最初は阪急桂駅で出ようと思っていたが、
京都駅行という市バスがあったのでそれに乗ることにした。

 バスは国道9号線を走る。桂川を渡り西京極、光華女子学園前バス停で
下車。天神川に沿って北へ、嵐電天神川駅に行くつもりでここで下車した
のだが、国道沿いに大きなショッピングセンターがあるようなので行って
みる。「イオンモール京都ハナ」という施設。ここがいつできたのか知ら
ないが、かつて、ここには島津製作所の工場があったように思う。

 天神川に沿って1kmあまり北に行くと京福嵐山線と交差し、そこから
少し左に折れたところに嵐電天神川駅がある。蚕ノ社駅とは500mも離れて
ない位置だと思うが、ここに駅が設けられたのは、京都市地下鉄東西線が
昨年(2008年)1月太秦天神川駅まで延長されたからである。路面電車の駅
だから上下線のホームがあるだけの簡素なもの。

 ここから電車に乗って太秦広隆寺駅で下車する。かつては、ただの
「太秦」だったが、2007年3月に改称された。このとき、同時に「御室」
から「御室仁和寺」、「車折」から「車折神社」などあわせて7駅が改称
されている。太秦広隆寺駅で下車したことで、京福電車のすべての駅に
降りるか乗るかの足をしるしたことになる。

 せっかくなので、広隆寺に詣でる。この寺にある弥勒菩薩半跏思惟像は、
国宝第一号ということで有名である。
 この寺は、推古天皇11(603)年、聖徳太子の命を受けた秦河勝が創建し、
新羅、任那が献じた仏像を安置したと伝えられている。弘仁年間、久安
年間に火災にあっているが再建された。

 南大門を入ると正面にあるのが講堂、久安6(1150)年の火災後、永万元
(1165)年に再建されたもの、朱塗りの建物であることから、俗に赤堂と称
せられる。そのうしろにある上宮王院太子堂は、享保15(1730)年に再建さ
れた建物。左手奥まったところに桂宮院本堂がある。鎌倉時代建てられた
八角円堂であるが、訪れたときは公開されてなかった。

 この寺院の見所は、やはり霊宝殿に納められた仏像を中心とした寺宝の
数々だろう。旧霊宝殿は大正12(1923)聖徳太子1300年遠忌記念のために建
てられたものだそうで、いまは隣接して建てられた新霊宝殿で公開されて
いる。
 広隆寺をあとにJR山陰線花園駅まで歩き、京都駅を経由して帰る。
(2009.09.28) 

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■[宇治]京都駅で新快速電車から奈良線の各停電車に乗り継ぐ。奈良線に
はまだ単線の区間も残っていて、行き違い列車待ちをする駅があるが、ダイ
ヤの乱れがないと、駅であまり長時間待たされることなく電車が動き出す。

 京都付近、かつては、電車が走る京阪や近鉄路線のそばで、ディーゼル
カーがのんびり走っていたが、今は昔のこと、電化され、奈良との快速電車
が運転されたり、運転本数も増えて便利になったものだ。

 きょうは、黄檗駅で下車する。この駅のそばに黄檗宗大本山万福寺がある。
駅前の商店や住宅の並んだ雑多な街並みの奥にある。
 この寺院は江戸時代の1654(承応3)年、中国福建省から来朝した隠元禅師
が、幕府より山城国宇治の地を与えられ、1661(寛文元)年に創建されたもの
である。その堂塔は左右対称に配置され、中国明代の様式を採用したもの
として知られる。

 「第一義」と横額が掲げられた総門をはいると右に放生池があり、その
東側に三門、それより奥へ一列、順に高まりながら天王殿、大雄宝殿(本堂)、
法堂が並び、本堂の前面左右に鐘楼と鼓楼、伽藍堂と祖師堂、斎堂と禅堂
とを相対させ、回廊で結ばれている。

 三門を入って直進、石段を登ったところにあるのが天王殿、瓦敷の堂内の
中央に、中国の禅僧で弥勒菩薩の化身と考えられている大きな布袋の座像が
祀られ、四方に四天王像が安置されている。

 天王殿の先にあるのが大雄宝殿(本堂)で、瓦敷の堂内には、本尊の釈迦、
両脇侍に阿難、迦葉の二尊者、それに十八羅漢像が安置されている。
 本堂の後方に一段高くなってあるのが法堂である。高欄には卍字崩しの
組子をいれ、格子のはいった円形窓に中国風な感じを受ける。三門をはいっ
て左手にある開山堂の高欄にも卍字の組子が見られる。斎堂の前には魚を
かたどった大きな開版(木魚)が吊されている。

 万福寺をあとに三室戸寺に向かう。住宅街を歩くと、あちらこちらの庭先
にキンモクセイが植えられており、今を盛りにいい香りが漂っていた。
 三室戸寺へ向かう道すがら、午前中の晴れ間も次第になくなり、天気予報
通り、突然、雨が降ってきた。

 三室戸寺は、西国三十三所観音霊場第十番の札所である。西国巡礼中興の
祖花山法皇の一千年御忌にあわせ、全札所で順次ご本尊のご開帳が行われて
いるそうだ。三室戸寺の本尊である二臂の千手観音像、今回は84年ぶりの
開帳なのだという。

 札所だから、門前には広い駐車場が設けられていたりして訪れる人も多い。
年寄りばかりかと思っていたら、けっこう若い人も多い。谷間の広いスペー
スには、アジサイ、ツツジ、シャクナゲ数多く植えられ、花の咲く時期には、
そういった楽しみもある寺のようだ。鯉が泳ぐ地泉庭園や枯山水庭園もある。

 この寺の歴史は古く、奈良時代、光仁天皇の勅願により、770(宝亀元)年
に創建された。宝物殿には平安時代に作られた阿弥陀、釈迦などの仏像が
安置されている。

 三室戸寺から京阪宇治駅のほうに向かうと宇治市源氏物語ミュージアムが
ある。設計は日建設計、1998年に開館した。神社の社殿のような屋根をかけ
たエントランスからはいる。建物の周囲にはモミジなど木々が植えられ、
ガラス壁を通して、庭との融合、一体感が味わえる。

 展示内容は、紫式部の『源氏物語』、全編五十四帖のうち最後の十帖の
舞台となった宇治、復元模型や映像を通じて、源氏物語の「宇治十帖」を
再現したり、平安時代の王朝文化を紹介している。

 京阪宇治駅に出て、京阪電車で帰る。淀競馬場付近の高架工事、淀駅大
阪行ホームは高架になっている。(2009.10.17)

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〇電子メールマガジン「漫歩通信」第119回 2009/12/05
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