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南米のチリはとっびきり女の子がきれい。旅の資金もヤミ市で一気に10数倍。美女に囲まれ、にわか成金生活ができる。甘い蜜に誘われ入国したが、そこは軍事クーデター勃発寸前の火薬庫。旅日記をもとに当時を再現。

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2004/09/05

チリ軍事クーデター前後の旅日記(第2部)NO.9

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◆◆◆                 2004/9/05発行
――――◇◇◇――――――――☆――――――
第2部 NO.9        街角の旅      
★★★☆★★★☆★★★
チリ軍事クーデター前後の旅日記
(アルゼンチン〜ブラジル)
・・・・・・・・・・・・・・・・

10月14日(日)・・正午に起床。体中、ダニの噛み痕が赤くはれ上がり、
調子が悪い。南米は病気続きだ。柔なからだ、抵抗力の弱いぼくにとって、
かなりハードな国だ。町を目的もなく歩き、ふと気がついていたら、ショー
ンコネリの007<ロシアから愛をこめて>の古い映画を見ていた(10ペ
ソ、280円ほど)アルゼンチンまで来て、なんでこんな映画を・・・理由
もない行動をするのが、あてもない旅の魅力のひとつなのかもしれない。・
・・30分ほど見てから映画館をでて、タンゴの発祥の地として有名なボカ地
区、カミニートに向かう。

 さすが、ボヘミアンや芸術家が集まる地だ。オレンジ、黄色、赤、ブルー
のカラフルな原色で塗り固められた家並みが、コンクリートで固められた町
とは、一線をきしている。家々の前では、風景画、人物画、モザイク画を並
べた、野外ギャラリーが始まっている。この港町(ローチャの曲がり角の名
で人気がある)を描いた風景画が米ドルで10ドル、一瞬、衝動買いしそう
になったが、ぐーとこらえる。荷物を増やしたくない・・・。

 ポカ美術館に入る。キンケーラ・マルティン画伯(?)こよなくこの港の
風景を愛した画伯が創作した絵画、彫刻、帆船の船首像(女神)があつめら
えている。彼の人気は、この国ではすごいのだろう。日曜日のせいもあった
だろうが、家族ずれの見学者で一杯だ。たえまなく笑い声が沸きあがる。チ
リだって、平和だったら、こんななごやかな雰囲気であふれるのに・・・。

 美術館につづく踊り場に、茶色と黒のストラップのポンチョをかぶり、白
いあごひげを伸ばした老人が、目を閉じ、座りこんでいた。黒いハット帽を
手に持ち、微動だにしない。被り口を上にした帽子の中には、数枚の紙幣と
コインが、いれてある。前もって自分でいれたのか、慈悲深い観光客の人が
いれたのか・・・、ビクリともしない、彫刻のように固まった姿、彼の忍耐
強い労働にひかれ、そっと1ペソ入れた。
 そのとたん、なんと眠っていたはずの老人が、カッと目を見開き、にたっ
と笑ってお辞儀をしたではないか、あまりのかわりかたに、ゾーとのけぞる。
彼の帽子の中を見てまたびっくり、1ペソいれたはずが、なんと5ペソあげ
ているではないか・・・。
ぼくとしたことが・・・彼の魔法にかかったみたいだ。

(次号につづく)
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http://www.geocities.jp/ishi8ra0120
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