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毎回一本の映画、又は一人の人物、或いは一つのテーマを取り上げ、筆者のコメントを交えながら、リレー式に紹介していきます。筆者が最近観た映画の感想も随時掲載します。

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2004/01/12

[Cinema Who & What Review 2003]

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   映画                      2004年1月12日
     あの人                      特別号
        この一本 
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●目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ・はじめに
 ・去年あれ見たこれも観た
 ・投稿のお願い
 ・おわりに


●はじめに━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 遅ればせながら明けましておめでとうございます。
 今年が皆様にとって素晴らしい1年となりますように。

 さて、前回の配信が昨年の秋分の日ですから、
 また随分ご無沙汰してしまいました。
 今回は通常号ではなく、特別号といたしまして、
 昨年の新作映画もしくは国内初公開の映画のうち、私が観たものの感想を
 思うに任せて書いてみることにします。
 ただし、新作、初公開作という分類はそれ程厳密ではありません。
 おととし公開されたものもあれば、以前どこかでこっそり上映された旧作
 もあるかも知れません。
 このメールマガジンでは滅多に新しい映画を取り上げない
 (メールマガジン自体滅多に発行されないというのも事実ですが…)
 ので、たまにはいいのではないかと思います。
 (通常の原稿をさっぱり書かない言い訳のつもり。)

 なお、いままで文体は全体を「です・ます」体で統一していましたが、
 今回から本文についてはそれにこだわらないことにします。
 急に文章がぞんざいになったとお叱りのありませんよう…。
  

●去年あれ見たこれも観た━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 (題名五十音順)

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・赤目四十八瀧心中未遂(2003年,日本)
 この題名ちょっと正直過ぎはすまいか?まあいいんですけどね…。
 大楠道代は芝居はうまくなったけど随分しなびてしまいましたね…。
 おかげで寺島しのぶが随分体格良く見える。
 裸になるとそうでもないんだけど…。
 でもウブな男ってのはああいう服装に弱いんだな…。
 模様のない単色のワンピース。君に胸キュン!何てね…。

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・あの家は黒い(1962年,イラン)
 イランのハンセン病患者を描いた映画。絶句。

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・エルミタージュ幻想(2002年,ロシア・日本・ドイツ)
 全編ワンカットというのは確かに凄い。凄いけれども目が回る。
 映像が豪華であれば尚更。人間は瞬きをする。不必要なものは見ない。
 切れ目がないというのは不必要な場面もあるということ。
 それを観ることを強要されてしまう。
 お陰で全体の流れがわかりにくくなった。

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・過去のない男(2002年,フィンランド・ドイツ・フランス)
 いつもの通り静かな静かな映画。寡黙な登場人物たち。
 点在する音楽の間の人工音のない時間。
 にじみ出てくる何とも言えない可笑し味と幸福感。
 計算ずくとわかっていてもやられてしまう。
 北朝鮮云々のおふざけにはさすがに笑えなかった。
 カフェバーの壁にこれ見よがしにペロンパ−の写真が掛けてあったのには、
 吹き出しそうになると同時に何とも嬉しかった。
 彼がこの映画の主人公であったならとも思う。
 カウリスマキ監督自身もおそらくそう思っていたのだろう。

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・ガーデン(1995年,スロヴァキア)
 「マルティン・シュリーク 不思議の扉」と題して公開された3本の映画
 のうちの1本。後述の「不思議の世界絵図」と「私の好きなモノすべて」の
 中間のような映画。撮られた時期も中間に位置する。
 観ていて私が小学生の頃、父親の転勤で北海道の古い家に引っ越した時の
 ことを思い出した。
 「奇跡の処女」はいつまでたっても処女か…。

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・傷跡(1976年,ポーランド)
 キェシロフスキ監督の長編処女作。
 社会主義時代の社会派映画、という感じ。
 本邦初公開。

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・狂恋誌(1968年,香港)
 中平康監督が自身の「狂った果実」を香港でリメイクした映画。
 元の映画のシャープなモノクロ映像、気だるい雰囲気と観比べると
 こちらはあまりにも凡庸。
 あちらでは裕次郎ですら格好良かった。北原三枝は言うまでもなく。

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・経験(1973年,イラン)
 キアロスタミ監督初期の中篇。
 写真屋で働く少年。「友だちのうちはどこ?」に通じるものあり。
 最近のキアロスタミ作品のようにくどくないところがいい。
 革命前はイランの女の人って洋風の解放的な服装してたんですね。

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・刑務所の中(2002年,日本)
 刑務所に入りたがる人の気持ち、わからないでもない。
 でも私はまだ入りたくない。

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・裁判長(1918年,デンマーク)
 カール・ドライヤー監督の処女監督作品にして本邦初公開作品。
 話の筋がややわかりにくくちょっと無理がある気がしたが、
 主人公の心理描写が凄い。

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・サタンの書の数ページ(1919年,デンマーク)
 これもドライヤー監督の(多分)本邦初公開作品。
 色々な時代にサタン(悪魔)が人間を誘惑する様子をオムニバス的に
 描いた物語。
 キリスト教の神より悪魔の方がはるかに人間的なので、ある種の親しみすら
 感じてしまう。
 でも長いので観ていてとても疲れた。

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・サーヴィング・サラ(2002年,アメリカ)
 本邦未公開(?)
 私はこの映画を観て、エリザベス・ハーレイがとっても好きになりました。
 以前の出演作も観たいな。
 それにしてもアメリカには変な法律があるんですね。

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・散歩する惑星(2000年,スウェーデン・フランス)
 私にはこの映画、笑えなかった。眠かった。

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・シカゴ(2002年,アメリカ)
 つまらなかった。

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・10話(2002年,フランス・イラン)
 主人公の女性は母親失格。同乗者にあれこれ説教する資格なんかない。
 息子はいつも嫌がってるじゃないか。私もこういう母親は嫌いだ。
 それにしてもイランにも売春婦がいるんですねえ。

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・少女の髪どめ(2001年,イラン)
 相手が女であるとわかった瞬間、態度が180°こうも変わるものだろうか?
 ちょっと極端。
 この主人公、後がつらいな…。ずっとタダ働きか…。

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・スコルピオンの恋まじない(2001年,アメリカ)
 電話で催眠術にかかるものだろうか…などと考えずに楽しんだ方がいい。

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・戦場のピアニスト(2002年,フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス)
 ポランスキーってこんなちゃんとした映画を作る人だっけ?
 もっとエグい映画を作る人だと思ってた。大人になったもんだ。
 作者の名前を知らずに観れば文句なしの感動大作。

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・ソラリス(2002年,アメリカ)
 タルコフスキー監督「惑星ソラリス」のリメイク、と言うよりは、
 スタニスワフ・レム原作「ソラリスの陽のもとに」の再映画化。
 ハリウッド流の無残なSF映画になっていることが予想されたが、
 やはり気になって観に行った。
 やはり失敗。
 予想はやや外れたが、タルコフスキーを過剰に意識した目配せが不愉快。
 ちょっと似た雰囲気の俳優を使ってみたり、バッハを流せばいいってもん
 じゃない(グールドのゴールトベルク変奏曲というのがいかにも安直)。
 首都高が何に化けるかとの期待も見事にうっちゃられた。
 観終わって「オープン・ユア・アイズ」(バニラ・スカイに非ず)の感じ
 と何やら似ていると思った。

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・たそがれ清兵衛(2002年,日本)
 こういう映画だと私はどうしても上司役の小林念侍や敵役の田中泯を
 贔屓にしてしまう。

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・D.I.(2001年,フランス・パレスチナ)
 パレスチナ問題についてよく知らないが、これが現実?
 もちろんおふざけであることは確かなのだろうが、ただのおふざけでは
 ないのだろう。
 笑えそうで顔が引きつって笑えない。

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・10日間で男を上手にフル方法(2003年,アメリカ)
 予定調和的ハリウッド流恋愛娯楽映画。
 これ以上コメントする必要もないでしょう。

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・トーク・トゥ・ハー(2002年,スペイン)
 女闘牛士と看護士はまるで出汁じゃないか!可哀相に。
 アリシアの裸体はとてもきれいです。

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・8人の女たち(2002年,フランス)
 色々な意味でアガサ・クリスティー風のミステリー。
 当然どんでん返しあり。
 ベテランから若手まで、フランスを代表する女優たちが歌って踊る
 (意外な人まで…吹き替えあり?)贅沢で楽しい映画。

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・パリ・ルーブル美術館の秘密(1990年,フランス)
 ルーブル美術館の舞台裏を描いたドキュメンタリー。
 余計な解説がほとんどなく、映像だけで語らせているところがいい。
 私がルーブルに行ったのはもう10年以上も前のことだが、
 また行きたくなった。

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・不運な人々(1921年,ドイツ)
 カール・ドライヤー監督の本邦初公開(?)映画。
 ユダヤ人差別を描いているが、ナチス台頭前のドイツでこれを作っている
 ところが凄い。

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・フェリーニ 大いなる嘘つき(2002年,フランス・イタリア・イギリス)
 フェデリコ・フェリーニ監督や彼の映画の出演俳優等関係者への
 インタヴューを中心に構成したドキュメンタリー。
 と言っても、フェリーニは自分を「大いなる嘘つき」だと語っているので、
 真実を描いたドキュメンタリーとは言えないのかも。
 「8 1/2」以降の比較的新しい映画に関する話題や映像が中心で、
 そのあたりの映画を私があまり観ていない(もっともこの映画の後に
 何本か観たが)せいもあって、今一つピンと来なかった。

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・不思議の世界絵図(1997年,スロヴァキア)
 マルティン・シュリーク監督作品。
 施設を追い出された少女が母を訪ねて旅をする。
 「母を訪ねて三千里」や「不思議の国のアリス」というよりは
 「ドラゴンクエスト」の乗りだね、こりゃ。
 最後はちょっとシュール。
 スロヴァキアの自然が美しい。

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・復活(2001年,イタリア・フランス・ドイツ)
 タヴィアーニ兄弟の最新作。
 何故タヴィアーニ兄弟がトルストイの「復活」を映画化するのか
 その意図がよくわからない。
 映画自体は原作に忠実で立派なものなのだけれども、
 どうもロシアっぽい感じがしないのである。
 カチューシャ役の女優も((原田三枝子+藤真利子)÷2+ジェーン・バーキン)
 ÷2といった感じで(私の)イメージとはちょっと違う。

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・冬の日(2003年,日本)
 松尾芭蕉らの連句「冬の日」を川本喜八郎やユーリ・ノルシュテインら
 国内外のアニメーション作家達がリレー形式で自由に映像化したもの。
 私は最近のアニメはほとんど観ないが、作家による表現や解釈の違いが
 面白かった。
 私が観たのはメイキングつきの上映で、これは本来出来上がった作品とは
 別の余計なものだが、その道の通でない人にはあった方がいいかも。

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・ぷりてぃ・ウーマン(2002年,日本)
 「野良犬」の淡路恵子と、その後の淡路恵子と、この映画の淡路恵子が、
 私にはどうしても一致しない。

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・牧師の未亡人(1920年,ノルウエー)
 カール・ドライヤー監督作品。
 これは面白い!喜劇と言ってしまうのは何だけれども笑える。

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・マナに抱かれて(2003年,日本)
 川原亜矢子というのはずっとJR東日本のモデルをやっていて、
 変な顔の女だと思っていたが、女優もやるとは知らなかった。
 最近流行のいわゆる「癒し系」映画で、映画としてはつまらない。
 映像はまあ綺麗だけど、色んな美しい映像の氾濫する昨今では
 この程度ではね…。
 芸達者の蟹江敬三があんな芝居をさせられてもったいない気がする。

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・ミカエル(1924年,ドイツ)
 カール・ドライヤー監督作品。
 映像が凄い。特に登場人物の表情。

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・猟人(1968年,香港)
 中平康監督が自身の「猟人日記」を香港でリメイクした映画。
 前半は大体そのままだが、後半の肝心なところが省略されてしまっている。
 劇中の猟人日記の肝心なページのように。

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・六月の蛇(2002年,日本)
 つい一生懸命観ちゃったけど、この映画やっぱり変だよ…。

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・私の好きなモノすべて(1992年,スロヴァキア)
 マルティン・シュリーク監督作品。
 短いエピソードの連続で、ある男のある時期の生活が綴られていく。
 何てことのなさそうな日常の中の実は大きな非日常。
 細かく区切られているのがいい。
 でないとたらたらと進んで行ってだれてしまいそう。


●投稿のお願い━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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 掲載を希望されない場合にはその旨お書き添え下さい。

 誌面への掲載は、ご返答を添えたかたちでいたしますので、
 個々のメールに対する私からのご返事は省略させていただきます。
 どうかご了承下さい。


●おわりに━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 特別号いかがでしたでしょうか。
 この程度の内容ならあまり色々と調べたり考えたりしなくても書けるので、
 配信頻度を上げるために最近観た映画の感想も、新作・旧作問わず
 書いてみようかなどと考えております。
 今回のご感想をお寄せ頂けますと有難く存じます。

 ところで昨年11月の話でもう随分前のことになってしまいましたが、
 女優の団令子さんと小林千登勢さんが亡くなりました。
 お2人の歳は2つ違いくらい。
 映画出演の比較的少なかった小林さんはともかく、
 団さんは一時期の東宝映画のほとんどにと言っていい程顔を出していて、
 元気印のお姐ちゃんを演じていた方ですので、
 そういう方が亡くなったことに私はある種のショックを受けました。
 昭和も遠くなりにけりですね。

 では次回はどうなることやら。どうぞお楽しみに。
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 ※本文中、一部敬称は省かせていただきました。


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 発行者:熱田海之
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