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投資運用の基本を押さえれば、やればやるほど上達します。自己責任の時代。相場で飯を食いたい。息の長い相場生活を送りたい。そんなあなたへ、相場のプロからひとこと、ふたこと。。。「生き残りのディーリング」の著者の相場解説!

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2009/12/28

相場はあなたの夢をかなえる

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▼---------------2009.12.28 Vol.376----- デフレ対策 ----------------

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・デフレ対策

11月の完全失業率は4カ月ぶりに悪化。とりわけ卸売・小売業の就業者数が
大幅に減少。製造業中心だった雇用調整が非製造業にも広がってきた。

また、11月の全国消費者物価は、前年同月比で1.7%低下、9カ月連続の低下
となった。前年に急騰したガソリン価格の反動と、衣服や食料など身近なモ
ノの値段が下がった。

日銀は、「デフレ」は2012年3月まで続くと見なし、18日には消費者物価に
ついて「マイナスを容認しない」「プラス1%程度を中心に考えている」と
いう異例の声明を発表した。

12月21日付のウォールストリート・ジャーナルは、白川日銀総裁が「消費者
物価の下落は容認できない」と語ったことについて、

It's intolerable. So, what are you going to do about it?
「耐えられない。では、あなたはどうするつもりか?」と揶揄した。
(参照:BOJ Says CPI Fall Intolerable. And So? 
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704304504574609580050572574.html)


これだけ長くゼロ金利政策を続けてきて、尚且つ、量的緩和で資金を供給し
ても、消費者物価が下がるとすれば、一体、日銀にどのような手段が残され
ているのだろうか? 私などから見ても、日銀の金融政策には手詰まり感が
ある。

現在の政策金利と呼ばれるものは、無担保コール翌日物の金利だが、以前は
公定歩合を操作していた。その公定歩合が0.5%に下げられたのは1995年9月
8日で、以来、日本の政策金利は1%未満のままだ。

実は私なども以前は、日銀が利上げ出来た時期に利上げをしなかったために、
利下げが必要な時に利下げ余地がなく、手詰まりになったという見方をして
いた。

ところが、この1年、不況期に買える銘柄を探すという目的から、企業の財
務内容をいろいろと見てきたが、多くの企業が利上げに耐えられない状況に
いたことが分かった。

また、異常な低金利が続いたために、低利での支払いを前提に組まれた住宅
ローンが行き渡っている。過去15年間ほどの間に住宅ローンを組んだ人たち
は、ローンの支払いは比較的少額で、金利が上がってくる頃には、収入も増
えていると思っていたことだろう。現実は、収入が増えるどころか、雇用す
らも不安定となってきている。

つまり、GDPがプラスになった時期があったからといって、利上げ環境が
整っていたわけではないのかもしれないと疑っている。そして今となっては、
利上げという言葉は、禁句だとすら思えるのだ。



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先日、管副首相と、竹中元蔵相とが、需要サイドの経済が正しいか、供給サ
イドの経済が正しいかで対立したと、新聞の見出しにあった。中身は読んで
ないので、両氏の考えの細かいところは知らない。

これまでの政府の経済対策は、供給サイドを刺激することが中心だった。

ところが、供給サイドへの資金投入は、効果的どころか、逆効果ではないか
と思われる事例が多発した。例えば、不要な箱ものや道路、空港などと、そ
れを管理する団体がたくさん作られ、その維持費用で政府や自治体が窮乏化
するようなことだ。

意外と思われるような例では、「仕分け」で削減されることになっていなが
ら、ノーベル賞学者たちの陳情により復活したスーパーコンピューターの開
発費用だ。忘れてはならないのは、20~30年前に数百億円かけて開発したも
のが、今は、ノートパソコンほどの演算性能しかないという事実だ。つまり、
今数百億円をかけて世界一を目指し、世界で2位か3位のものを作り上げて
も、それが優位性を保っているのは数年もないだろうということだ。

一方で、長崎大学が3800万円の費用で開発したスーパーコンピューターの演
算性能が、国内最速だった地球シミュレータ2の性能を上回り、米電気電子
学会のゴードン・ベル賞を受賞したように、費用対効果はなかなか計り切れ
ないものなのだ。
(参照記事:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/136999)


それほど効果的ではないかも知れないが、とりあえず大きな資金を投与する
のだから、巡り巡って多少の景気刺激策になると考えるのは間違いだ。それ
は、次のような政府予算に繋がるからだ。

「政府税制調査会の試算によると、税制改正の影響は10年度は限定的で、国
税分が400億円の減税、地方税分は300億円の増税。それ以降に影響が通年で
表れた場合、国税分は5,000億円、地方税分は4,800億円の増税となる。」

つまり、政府による無駄な出費は、増税という形で、需要サイドから資金を
吸い上げてしまうのだ。

政治は優先順位だ。優先順位を間違えると、景気刺激策が景気刺激ではなく
なってしまう。スーパーコンピューターの開発費用は、増税という形で、デ
フレ圧力となる。それでも、必要な開発なら、実績のある長崎大学に任せる
のも一案だ。

供給サイドにいくら資金を投入しても、需要が起きなければ景気は回復しな
い。また、供給サイドが需要もないのに競争で物やサービスを提供し続ける
ことは、そのこと自体がデフレ圧力につながるといえる。

景気を刺激したいのなら、需要サイドに資金を投入することだ。今回の予算
では、結局増税なので、むしろデフレ推進効果があるといえるかもしれない。



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日銀の金利政策は手詰まりだ。上げることも、下げることもできない。では、
量的緩和はどうか?

量的緩和とは、日銀が市場に出回っている資金量を増やすことだが、あなた
の手元に資金が振り込まれてくるわけではない。つまり、あくまで金融機関
相手の量的緩和であり、資金余剰なのだ。

ところが、その金融機関は貸出を渋っている。さらには、最大手行が1兆円
を超える(半分は海外)公募増資をしたように、市場から資金を吸い上げて
いる。最大手行だけではない、大手銀行、大手証券、大企業などの増資ラッ
シュで、今年の公募増資は、2002年から2008年の7年間の総額に匹敵する5
兆円に迫っている。うち85%近くは、上位10社だけで占めた。これだけの金
額が市場から吸い上げられて、大企業の懐に入ったのだ。

今年の日本株は、海外市場と比べると著しく見劣りするが、上の事実を鑑み
ると、よく健闘しているともいえる。

とはいえ、これがデフレ圧力にはなっている。

政府の予算を多く使っているところも同様だが、巨額の公募増資をした企業
も、そのデフレ圧力を凌ぐだけの景気刺激の役割責任がある。もっとも、お
互いの持ち合い分もあるだろうから、5兆円を市場から吸収したとはいえな
いが、それはそれで、他の景気刺激に繋がる投資先、融資先を削ったことに
なるので、社会的な責任は変わらない。



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では、日銀の考えるように、消費者物価の下落は、悪いことなのか? それ
とも、不況時の生活者、特に弱者にとっては救いなのだろうか? 


私は以前から、技術の進歩はディスインフレにつながると指摘してきた。例
えば50年前に、GM製の自動車を買うのに、いくらかかっただろうか? ま
た、アメリカ旅行にいくらかかったことだろう? これらのものが、今、手
に届く価格になった一番の原因は技術の進歩だといえる。

単純に考えて、高価過ぎて一部の人のものであったものが、値下がりにより、
多くの人々の手に届くようになることが、悪いこととは思えない。

食料品や衣料品などの生活必需品なら、尚更だ。日銀が容認しないとする消
費者物価の値下がりにより、生活が助かっているというのは、多くの人の実
感だろう。何とか生き延びることができている人たちも、たくさんいること
だろう。


一方で、生産者であるGMは破綻し、多くの航空会社の経営も困難に至って
いる。しかし、これは値下がりが原因だろうか?

GMについては、ブログで「GM破たんの真実」を取り上げているので、参
照して貰いたい。
(GM破たんの真実:http://ameblo.jp/dealersweb-inc/entry-10278291488.html) 


GMの破綻は、一言で述べるなら、「高コスト体質」が原因だ。JALの経
営陣が「穴(ANA)があったら入りたい」と考える経営危機は、同社だけ
でなく、航空行政をも含めた「高コスト体質」が原因だろう。

日本政府の財政も、「高コスト(メタボ)体質」を変えなければいつか破綻
する。高コスト体質はカラ騒ぎに終わった「仕分け」で、暴かれることは暴
かれた。しかし、暴かれるだけで、高コストのままに残され、期待した分だ
けの脱力感を与えたといえる。不必要な公共投資、都知事のオリンピック招
致費用、天下り先の維持費用、すべての高コストは増税に繋がっている。


デフレ対策を考えるなら、需要を喚起することだ。消費者に消費の原資を与
えることだ。徹底的に無駄を省いて、予算を縮小し、所得税を引き下げる。
消費税を引き下げるのも効果的だ。

消費が上向けば、企業の売り上げも伸び、雇用も拡大する。そして、物の値
段も上がってくる。私にはこれが当たり前の順序に思えるのだが、政府や日
銀が考える経済とは、もっと難しいものなのだろうか?



☆生き残りディーリング塾への質問

先週、ご紹介した「生き残りディーリング塾」に関して、早速、エスチャー
トやその自動売買システムに対する(主に損するのではないかという、運用
成績における)不安を述べられたメールを頂いたので、私の返事をご紹介する。
(参照ブログ:http://ameblo.jp/dealersweb-inc/entry-10416849842.html)



★今年もお世話になりました。

今年は、今回で終了。年初は1月4日スタートです。

良いお年をお迎え下さい!



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★ 執筆責任者:矢口 新(やぐちあらた)
野村證券(東京、ニューヨーク、ロンドン)、ソロモン、UBSなどで為替、
債券のディーラー、機関投資家セールスとして活躍。 著書『実践・生き残
りのディーリング』は、現役ディーラーの“座右の書”として、高い評価を
得てきた。株式会社ディーラーズ・ウェブ(金融商品取引業 関東財務局長
<金商>第872号)社長兼ファンドマネージャーとして、日本株を中心に運用。



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