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総合的な学習の時間などで話題のメディアリテラシー教育に関心のあるかたに向けて、メディアリテラシーに関する情報をお届けします。日本メディアリテラシー教育推進機構がプロデュースしています。

  • 周期 月1回刊
  • 最新号 2008/11/09
  • 発行部数 1381
  • マガジンID 0000029763
  • 個別ページ
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2008/03/10

★メディアリテラシー教育21★No.249増刊号 2008.3.10

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
  情報の読み書き能力を育てる「メディアリテラシー教育21」No.249増刊号
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       編集長/水野 恵(愛知産業大学三河中学校教諭)配信部数1428
 
 三重大学教育学部の教育課程論2(担当:佐藤年明教授)において、学生によっ
てCMづくりやテレビ分析が行われ、去る1月に授業の中で発表会がありました。当
日は私、水野もコメンテーターとして参加しました。多くの班がCMづくりでしたが、
音楽教育コースの学生は人気テレビドラマの放送1回分全体のBGMの分析を行い、
発表では、ドラマの一部を見せ、パワーポイントを用いて解説しました。メディア
リテラシーに視点をおいた音楽教育コースの専門性が感じられる人気ドラマのBGM
の分析は希少で、興味深いものですので、担当した班の田辺悠さんにお願いして、
本メールマガジンに向けて書いていただきました。映像や音楽をお届けできないの
が残念ですが、どうぞご一読ください。佐藤年明教授にはたいへんご理解ご協力い
ただき、厚くお礼申し上げます。
 
 また、メル・プラッツ公開研究会(3月28日金曜日午後5時から東京大学大学院情
報学環福武ホールにて)のご案内を掲載しました。どうぞご確認ください。
 
 
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テレビドラマは、音楽と効果音で活きる
〜三重大学教育学部 教育課程論2(佐藤年明教授)テレビ番組分析発表より〜
 
   三重大学教育学部 音楽教育コース
     田辺悠 安達加弥乃 金森久実 竹内彩乃 古川志保 渡辺良美
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 私たちは、メディアリテラシーの授業において、ドラマのBGMと効果音を分析
した。取り上げたテレビドラマ「やまとなでしこ」は2000年10月9日から12月18日に
フジテレビ系列にて全11回放送され、平均視聴率26.4パーセント、最高視聴率は
34.2パーセントを記録した人気ドラマであり、再放送もたびたび行われている。
 
 まず、ドラマ「やまとなでしこ」第8話のあらすじをご理解いただきたい。
 
●あらすじ-----------------------------
 桜子(漁師の娘で玉の輿を狙う美貌の客室乗務員)と、東十条(大病院経営者の
御曹司)の結婚の準備が着々と進んでいた。しかし東十条は桜子を疑っていた・・
桜子が東十条の病院建設地について「代官山、嫌なの」と反対し、欧介(元数学者
で魚屋)が立ち退きしなくて済むようにしたのだと。
 
 一方、桜子は欧介の母が言った「お金より大切な“たったひとつのもの”。それ
は欧介と一緒にいれば分かるはず」という言葉が気になっていた。
 
 そんな中、欧介は、桜子が病院建設地に反対して自分を助けてくれたことを知り、
桜子に礼を言い、立ち去ろうとすると、桜子は欧介を呼び止めた。欧介がいつも
行っているところで「一緒に過ごしたい・・」と。そうすれば、“たったひとつのも
の”が分かると思ったからだ。そして、二人で河岸の寿司屋でまかない丼を食べ、
パチンコ店で大当たりし、次はバッティングセンターへと出かけて、楽しさを満喫
した後、桜子宅へ向かう。
 
 その二人を東十条が待っていた。桜子が高級マンションでなく、アパートに住ん
でいることを東十条は突き止めていたのだ。
「僕の目を盗み、まだこの男と…」と迫る東十条に、欧介が一歩前に進み出て、「う
そをついていたのは、大好きな人に良く思われたいからだ」などと熱弁。それを聞い
て東十条は納得して二人は和解し、欧介は一人帰っていく。
 
 次の日、欧介は若葉(客室乗務員で桜子の後輩)を空港まで送っていき、「フラ
イトから帰ったら一緒に食事でもしよう」と言う。若葉はうれしそうに欧介に駆け
寄り、キスをする。ちょうどその時、車の中に置いたままの欧介の携帯が鳴りだす。
桜子からだ。欧介が気づかぬまま桜子からの電話は切れる。桜子は電話を切った後、
東十条と仲人との食事会に向かう…。
--------------------------------------
 
●ドラマの中のシーンに、効果音や曲はどう使われているか
 桜子の行為に対して東十条がショックを受ける場面は、東十条がアップになる。
救急車も消防車も存在しないにも関わらず、さりげなく救急車のサイレンがなるの
は痛手を負った東十条の心の中を表現するかのようだ。その後、すぐに消防車のサ
イレンに変わり、痛手からさらに緊迫した心境が伝わってくる。これは、効果音と
して活きている。
 また、桜子や東十条が仲人とレストランで会食するシーンには優雅なclassicが使
われて、その場の雰囲気を盛り上げながら華麗な結婚を連想させる。そして、欧介
と若葉との長いキスシーンでは、曲『Every thing』が流れているが、途中から曲
全体が半音高く(変二長調→二長調)なった時に「桜子がパチンコ玉を捨てる」映
像になる。パチンコは欧介と桜子が楽しさを満喫した場だ。はかなく離れていく二
人の現実を伝えているように思う。
 
●私たちが考える楽器のイメージ
<ピアノ>
 個人の内面を映し出す 登場人物の切ない感情を表す・・・A
<オーケストラ(協奏曲等)>
 全体を包み込むような壮大さ 気持ちを揺れ動かす ・・・B
<ギター>
 アットホーム 癒し系・・・C
 
●メインテーマ曲の編曲とその効果
 熱い思いが伝わるようなメインテーマ曲『You are the one』は、編曲されて頻
繁に登場している。
 この曲のピアノver.(イ長調)は、欧介と桜子の交際を回想する場面に使われてお
り、個人の内面を映し出し、登場人物の切ない感情を表す(上記A)のでピッタリだ。
また、東十条に欧介が熱弁する場面はピアノ協奏曲(イ長調)が流れ、全体を包み
込むような壮大な感じがあり、気持ちを揺れ動かす(上記B)。同様に、欧介が桜子
の結婚を祝う切ない握手はオーケストラ(イ長調)で演奏され、大きく包み込むよ
うな壮大さで迫ってくる(上記B)。そしてこれらすべてに共通することは、ヨハン.
マッテゾン(1681〜1764)が述べる「イ長調は、情念の表現に向いている」ことだ。
 
 また、病院建設地について桜子が「代官山、嫌なの」と言う場面や、桜子が欧介を
助けたことを、東十条が知る場面は、アットホームで癒し系であるギター(上記C)
によって心の中を伝えている。ハ長調で演奏されており、素朴さがあると思う。ま
た、安定感、勇壮、荒削りで大胆といったハ長調の性質<byマンカントワーヌ・
シャルパンティエ(1643〜1704)の分析>によって、イメージを印象付けていると
思う。 
→参考: ウィキペディアhttp://ja.wikipedia.org/wiki/「イ長調」「ハ長調」より 
 
●BGMがないシーンは、どうしてBGMがないのか
 桜子と欧介が一緒に過ごした後、桜子のアパートに二人で帰ると東十条が待ち伏せ
ていて、気まずい空気が流れる…というシーンはBGMがない。どうしてだろう。
ここでは、3人の気持ちがそれぞれ同程度の強さがあると思われる。主人公(桜子)
のテーマソングともいえるメインテーマをもしここで入れると、視聴者は桜子に感
情移入してしまい、欧介や東十条の気持ちが視聴者に伝わりにくいのではないかと
私たちは考える。 
 
●まとめ
 たくさんの曲を使い過ぎるのではなく、メインテーマを様々な形で流すことで視
聴者の耳に次第に馴染むようになり、親近感や安堵感を覚える。また、自然にドラ
マにしっくりあてはまるのではないか。
 場面に応じて調や楽器を変えることで、視聴者は飽きずに見ることが出来る。ま
た、その場面の情感をより効果的に視聴者に伝えることが出来る。
 BGMがないシーンにもそれぞれ意味があることがわかった。 
音楽や効果音なくしてテレビドラマは存在しないと思う。音楽の持っている力のす
ごさに改めて気づいた。
 
【編集室より】
 授業での上記発表は、実際のテレビドラマを視聴しながらのものであるため、
メルマガに向けて文章化するために説明等加えています。また、教育課程論2は
ローマ数字の2が正式な名称です。ご了承ください。
 
 
 
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★「メル・プラッツ」第7回公開研究会のご案内★
  〜メディア・エクスプリモの挑戦:学環えんがわワークショップから考える〜
 
 今回の公開研究会では、メディア・エクスプリモを進める多摩美術大学の須永剛
司さん、東大先端研の堀浩一さん、産総研の西村拓一さん、メルプラッツ・運営メ
ンバーで東大情報学環の水越伸さんら、およびチームメンバーにお越しいただき、
その概要とこれまでの成果をお話しいただきます。
 
 また「学環えんがわワークショップ」の成果を用いた「福武あいうえお画文」と
いうメディア遊びをやる予定です。これはケータイやデジカメの写真と文章からな
るメッセージをたくさん集め、アーカイブし、それらを組み合わせたり、編みあげ
たりして、人々の思いを可視化したり、新しい物語を作ったりする、一種の集合的
な、コミュナルなメディア・アートです。
 市民のメディア表現や芸術表現、新しい技術システムを活かしたワークショップ
教育、ケータイのメディア・コミュニケーション、大学発の地域おこしなどにご
興味、ご関心がおありの方に、ぜひお越しいただければと思います。
 
    日時 :2008年3月28日(金)17:00〜20:00
    場所 :東京大学大学院情報学環福武ホール・福武ラーニングシアター
     ※地下鉄丸の内線・大江戸線[本郷三丁目駅]から徒歩6分
      地下鉄南北線[東大前駅]から徒歩8分
     ※いつもとは曜日や開始時間がちがいます。ご注意下さい
     ※赤門左脇、3月26日落成の新しい建物の地下2階。
      工学部新2号館ではないのでご注意下さい
      http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html
    参加費:500円 (事前申込は必要ありません)
 
■タイムテーブル
全体司会:水越伸(東京大学)
 17:00-17:10 メル・プラッツからの挨拶
 17:10-17:40  発表(1):メディア・エクスプリモの軌跡
            須永剛司(多摩美術大学)、鳥海希世子(東京大学)
            友部博教(産総研)、沼晃介(東京大学)ほか
 17:40-17:50  休憩
 17:50-19:20  ワークショップ 「福武あいうえお画文」
 19:20-20:00  発表(2):振り返り&まとめ、質疑応答
 
【解説】
 メディア・エクスプリモ <http://www.mediaexprimo.jp/>は、人々のメディア
表現をより豊かに、持続的に育むことを目指した、情報デザインの学際的な研究
プロジェクトです。
 
 近年は、数多くの人々が、ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーク・サー
ビス)を使って自らのことや地域のことを語ったり、映像のやりとりをしたりと
いうふうに、メディア表現をはじめています。いわば「表現する社会」が立ち現
れつつあります。
 
 しかし私たちは、本当に豊かな「表現する社会」を生きているといえるのでしょ
うか。
 
 日本社会は、歴史的にみてマスメディアが強く、技術中心的なメディア観が卓越
し、社会規範や約束事のしばりが強いという特徴があります。メディア・エクスプ
リモはそうした中の市民のメディア表現をより豊かに、持続的に展開するための、
新しい技術的、文化的なシステムを研究開発します。
 
 情報デザインを中心に、インターフェイスとSNSの技術的研究、人工知能と知
識支援システムの研究、そして人文社会的なメディア研究に取り組む4つの研究グ
ループが、文理横断的、学際的に協働して進められる予定です。
 
 その協働のために、「批判的メディア実践」という新しい方法論を用いています。
科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)「デジタルメディア
作品の制作を支援する技術基盤・研究領域」の一プロジェクトとして実施していま
す。
 
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【2008年4月の研究会の予定】
2008年度メル・プラッツEXPO(仮称)    
 4月26日(土)〜4月27日(日) 会場;東京大学(本郷)情報学環福武ホール
 年に一度、さまざまなメディア・リテラシーに関する実践と研究が全国から「集
結」するイベントを企画しています。様々なテーマを設けて、皆さまに楽しく参加
いただける会にしたいと考えています。詳しくは、メル・プラッツWebサイト
http://www.mellplatz.com/)の情報をご覧ください。
 
<メル・プラッツ運営メンバー>
飯田豊/伊藤昌亮/宇治橋祐之/小川明子/河西由美子/北村順生/見城武秀/
境真理子/坂田邦子/砂川浩慶/高宮由美子/崔銀姫/土屋祐子/鳥海希世子/
長谷川一/林田真心子/古川柳子/ペク・ソンス/松井貴子/水越伸/水島久光/
宮田雅子/村田麻里子/本橋春紀/劉雪雁(25名、アイウエオ順) 
 
◆お問い合わせは、メル・プラッツ事務局 2007@mellplatz.com まで。
 
 
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   □□□ご意見、実践報告、催しのご案内など情報をお寄せください。□□
     □□転載は電子メールで水野 mm@jmec01.org  までご相談ください。□□
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 【編集室】 編集長水野 恵 /藤川 大祐、石川 晋、小林 浩一 
   発行:日本メディアリテラシー教育推進機構 < 理事長 藤川 大祐 >
     Japan Media-literacy Education Council 略称JMEC(ジェイメック)
         〒263-8522 千葉市稲毛区弥生町1-33 千葉大学教育学部
          藤川大祐 研究室 Tel 043-290-2564 Fax 020-4666-7825 

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