週刊物語問題研究会
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週刊物語問題研究会
NO428
発行2008年11月22日
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「太陽の館」http://www.geocities.jp/makinoeri1/
「まきの・えりの世界」
http://www.geocities.co.jp/PowderRoom-Jasmine/5180/
☆★☆☆☆★☆
《これまでの話》
山浦聖は、深夜徘徊コンビニ少年だ。
学校に行っていれば、高校2年になる。
そんなある日、渡辺健三というオヤジが、現れたせいで、聖の
平穏な生活は、音立てて崩れた。
健三には、極秘指令があった。
『年齢十六才、美形で長身の将来性の全く無い男子』を探せ・・・
そして・・・
☆★☆★☆★☆
幻の少年 19
まきの・えり
☆★☆★☆★
8.契約
専務と部長が、いい気分になった頃、健三は、会社に着いた。
正面玄関は開いていないだろうと思ったら、自動ドアが開いた。
専務は、休みの日にまで仕事か、と頭が下がる。
ところが、専務の席に行っても、専務はいない。
とその時、健三の携帯電話が鳴った。
「はい」
「渡辺君だね」という聞き慣れない声だ。
「はい。渡辺でございます」
「社長室を知っているか?」
「は、はい」
「すぐ来るように」
「はい」
ということは、電話の相手は、しゃ、社長!
社長室の前に立つと、頭を低くして、ノックした。
「どうぞ」という声がして、「失礼いたします」と頭を低くして、腰をかがめながら中に
入った。
社長は、席を立って、健三の方に歩いてきて、ソファを勧め、「何か、飲むかね」と言
った。
「いえ、とんでもない。私は、仕事で参りましたので」
「お手柄だそうだね」
「は」
しかし、専務からの電話がかかってくるまで、部長には、昨夜の不手際やら、電源を切
っていた件で散々責められていた。
「この件は、極秘なので、専務と部長には下りてもらった。元々、実際に動いていたのは、
君だということだし。で、専務と部長は、どこまで知っている?」
「は? どこまでと申しますと」
「例の少年の名前とか顔だ」
「部長には、少年の中学時代のアルバムをお見せしましたが、アルバムには写真がありま
せんでしたので、名前ぐらいしかご存知ないかと思います。もし、覚えておられればです
が」
健三は、社長に聞かれるままに、少年の名前や住所や行動形態、娘との関わりとか、一
切を話した。
また、コンビニでの接触に至るまでの経過や、コンビニでの未知との遭遇、あっという
間に逃げられたことや、自宅への訪問なども隠さず話した。
ただ、インタフォンを十八回鳴らしたことは、自分では数回と思っていたので、話さな
かった。
「では、娘さんも、このことを知っているわけだね」と社長に言われて、健三は、なぜか、
背筋が寒くなった。
「知っていると申しましても、私が仕事で、美形で背が高くて、将来性が全く無い十六才
の少年を探しているということしか知りませんが」
「ふーむ」と社長は、しばらく考えを巡らせているようだった。
「とにかく、深夜になれば、その少年に会えるわけだね」
「はい。深夜の二時か三時になると、家から出て、四軒のコンビニを巡って家に帰るとい
う習慣がある模様です」
「ふーむ」とまた、社長は、何か思案を巡らせている様子だ。
パソコンに向かうと、社長は何やら打ち込み始め、用紙にプリントアウトすると、書類
一式と、二種類の名刺が出来上がった。
名刺には、『国東芸能プロダクション 社長 国東一』『国東芸能プロダクション タ
レント部 部長 渡辺健三』だった。
健三には、社長が何を考えているのか、見当もつかない。
が、自分の名前の上に『部長』と書かれていることは、健三の自尊心をくすぐった。
「明日は、日曜日だね」と社長が言い、健三は、「はい」と答えた。
「着いてきたまえ」と社長に言われて、健三は着いて行った。
社長は、守衛室に電話して、自分が出た後は、全部ロックするように、と命じていた。
恐れ多くも、健三は、社長の運転する車の後部座席に座って、ひたすら恐縮していた。
社長に連れられて、高級レストランに入り、社長が注文した料理を、ただただ恐縮しな
がら食べた。
朝から何も食べていず、空腹のはずだったが、料理は喉元でつかえて、水で流し込まな
ければ、食道に入っていかなかった。
健三は、また、社長の運転する車で、自分の家の近くに戻った。
「さ、その家まで案内してくれ」と社長が言った。
で、健三は、車から降りて、先に立って、山浦聖の家まで、社長を案内した。
「車を停めてくるから、そこで待っているように」と社長は、車を駐車場に入れに行った。
戻ってくると、「君は、名刺だけ出して、黙っていたまえ」と健三に言った。
「は」
社長は、腕時計を見た。時刻は、午後三時過ぎ。
ピンポーン
社長は、山浦家のインタフォンを押した。
(次号に続く)
★★☆☆★★
ご意見ご感想、お待ちしています。
makinoeriside1935@yahoo.co.jp
編集まきの・えりでした。
★★☆☆★★
♪ d(⌒o⌒)b♪
またも、ご無沙汰してしまいました。m(_ _)m <(_ _)> m(_ _)m
「ラブファイト聖母少女」(講談社文庫)が、10月15日に刊行されたのに引き続いて、
映画「ラブファイト」が、11月15日から、遂に、公開となりました!
7月に、東京の試写会で見せていただきましたが、その時は、撮影現場での迫力も記憶に
残っていたので、現場との落差のようなものを感じ、また、人名が大阪弁じゃない・・・
というような瑣末なことが気になって、映画をきちんと観ていなかった気がします。
今回、改めて、「本当に、いい映画だな」と感じました。
一緒に行った息子は、「少しずつ少しずつ感動が溜まっていって、それが喉元まで来た時に、
一筋二筋の涙が流れ、それがとても気持ちがいい」と言ってましたが、そういう感じでした。
笑いあり、涙あり、ボクシングあり、恋愛ありのステキな映画です。
「世界で一番痛い恋」というキャッチフレーズ通り。
林遣都君(稔役)と北乃きいちゃん(亜紀役)が、不器用な恋模様とファイトシーンを見せ
てくれます。
大沢たかおさんが、ジムの会長役で、とっても渋くてカッコイイです。
お会いした時に、あんまりハンサムだったので、「会長役にしては、ハンサムすぎますね」
と失礼なことを申し上げましたが、次に撮影現場で目礼されても、大沢さんだと気がつきま
せんでした・・・完全に、会長になり切っている・・・凄い!
桜井幸子さんも、中々切ないいい味を出していますよ。
4回ぐらい、一筋二筋の涙が流れました。
観終わった後、こんなに幸せな気持ちになる映画って、滅多にあるものじゃありません!
関西では、梅田ブルク7、なんばパークスシネマ、MOVIX堺、八尾、京都などで上映し
ています。
是非、ご家族、友人、お誘い合わせて、ご覧ください。
何度観てもいいので、もう一度観に行こうかと思っております。
♪ d(⌒o⌒)b♪
★★☆☆★★
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