2009/05/29
[やまのい和則メールマガジン第1258号]
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やまのい和則の
「軽老の国」から「敬老の国」へ
第1258号(2009/05/29)
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初の党首討論 麻生総理の目指す国家像が見えない
〜新たな育休切り被害者 泣き寝入りを増やしていいはずがない!〜
メルマガ読者の皆さん、こんにちは。
一昨日、初の党首討論が行われ、私も目の前で傍聴しました。
鳩山代表は「友愛社会の実現」を旗印に、
ボランティアなどが活躍する助け合い社会の実現、
人の喜びを自分の喜びとする社会の実現を訴えました。
しかし、麻生総理は、自らの目指す国家像については語らず、
「国民の一番の関心は西松問題だ」と言い、
小沢前代表の説明責任について質問しました。
確かに鳩山代表の「友愛社会」という言葉も抽象的で、
これから具体論を語る必要があります。
実際、民主党は具体的な多くの政策を既に提示しています。
しかし、麻生総理には、
そもそも目指す国家像がないのではないでしょうか。
また、西松問題も問題ですが、
国民の一番の関心は、景気であり、雇用であり、
年金などだと思います。
それを強引に民主党を攻撃するために、
西松問題、小沢問題ばかりを批判する麻生総理の姿は、
一国の総理として、本当に国民の生活のことを考えているのか
と疑問に思いました。
いよいよ夏には総選挙でしょう。
これから何度も党首討論を行い、
正々堂々と日本のあるべき姿を語り合ってほしい。
その姿を見て、
主権者である国民の皆様に日本の総理大臣にふさわしいのは、
麻生さんか鳩山さんか、判断して頂きたいと思います。
「品の悪いお金持ち」と「品の良いお金持ちの戦い」です。
どちらが、品の良いお金持ちかは読者の皆さんの判断に任せます。
私も政治の世界に入って、14年です。
1つ鳩山さんについて言えることは、
この14年間、何十回も鳩山さんと接して、
また、何度も一緒に同行して仕事もさせて頂いて、
一度も嫌な気持ちがしたことがないことです。
政治の世界はドロドロした部分も確かにありますし、
日々、難しい選択の連続です。
しかし、そんな中でも鳩山さんは、
受けないジョークを時には交えながら、
温かく包み込む性格で、誰にも笑顔で接しています。
すごいなあ、人間ができてるなあ、と感じます。
数年前、鳩山さんが衆議院本会議で代表質問をされるときには、
「福祉のことを小泉総理に質問したい」と言われ、
私は鳩山さんを新宿公園のホームレスの方々と引き合わせました。
テントの中に入り、ホームレスのお年寄りから
「病気が原因で仕事ができなくなり、
家族も別れ別れになり・・・・・」などと
いう話にじっくり鳩山さんは、耳を傾けておられました。
話を聞いたあと、
「テントの中のふとんをさわったけど、おしっこのにおいがしたよ」
と、鳩山さんが悲しそうにつぶやかれたのが印象に残っています。
「友愛社会の実現」と言っても、
半信半疑な方も多いと思いますが、
鳩山さんはそのことを本気で考えるピュアな方です。
●悲しい「育休切り」
さて、昨日は、私にとってブルーな、つらい日でした。
私の知人が退職願いを出したからです。
彼女は、10年間、正社員として
その会社の中心として働いてきました。
非常に優秀な素晴らしい女性です。
そして、昨年、子どもを出産し、育児休業をとりました。
その会社では育児休業をとった女性は彼女が始めて、
多くのほかの女性が独身か、まだ子どもがいません。
つまり、彼女は第一号として育児休業をとりました。
1年後に職場復帰するために、彼女は毎月、
「母子共にに健康です」などと、
近況報告を上司に手紙を書き続けました。
返事や連絡は来ませんでしたが、彼女は毎月、
近況報告の手紙を書きました。
「予定通り、復職する準備を進めています」と。
しかし、職場復帰予定日の直前に上司から呼び出され、
「職場復帰を待って欲しい」と言われました。
「いつまで待てはいいのですか」と聞くと、
「いつから復職してもらえるとは言えない。
あなたが育児休業をとっている間に不況で
会社の経営が厳しくなった。
そもそも復職させるとは約束してない」とのこと。
しかし、彼女は復職を予定して、待機児童が多い中、
やっと四月から保育園に子どもを預けることになっていました。
そして、その期限は2ヶ月。
つまり、5月末までに復職でいないと保育園から
子どもが出ねばならなくなり、保育園がなければ、
他の就職もできないことになります。
そのため、この間、
何度か上司に面談を申し込みましたが、無視。
そもそも育児休業後に復職を拒むことは育児休業法違反なのです。
育児休業後の復職するのは、当たり前の法律で守られた権利です。
彼女が役所に電話したら、
「育児休業が終わったのに復帰させないは、
明らかな育児休業違反。役所から会社に指導しましょうか」
と、彼女は担当者に言われました。
しかし、
「役所から会社に指導してもらうと、復職はできるかもしれませんが、
無理やり復職しても、職場に居づらくなる。
それに、今まで長年働いたお世話になった会社と
人間関係をこじらせたくない」と、
彼女は、役所による指導は求めませんでした。
悲しいかな、実際、役所の指導により
育児休業後に復職できたケースでも、
その後、いじめや無視にあい、苦しんでおられる事例を
私はいくつも聞いています。
さらに、役所が「育児休業法違反ですよ」と指導しても、
会社がその指導に従う保証はありません。
その場合は、労働審判で争うしかありませんが、
小さな子どもを抱えて、
労働審判や裁判は非常にお母さんにとっては厳しいのです。
さて、5月末の保育園退園のリミットが迫りました。
実は、調べてみれば、彼女に対して会社は
「不況で・・・・」と復職に難色を示しながら、
4月から新卒の社員を5人も雇っていることがわかりました。
不況が原因ではなくて、育休切りなのです。
昨日、
「私から会社に退職届けを出しました。
そしてアルバイトを始めました。
5月末が保育園のリミットだったので」と、
彼女から聞きました。
私はショックを受けましたが、ぐっとこらえ、
「今までのキャリアが生かせる同じ業種ですか」
と聞きました。
「いえ、違う職種です」と、彼女。
そして、「申し訳ありません」と、彼女は言いました。
「全然、謝る必要ないですよ。
あなたが悪いわけじゃないんだから。
悪いのは会社なんだから」と、私。
国会議員として、何の力にもなれなかった自分が情けなかった。
しかし、私がこの会社に怒鳴り込んで、どうなる問題ではない。
彼女自身が、お世話になった会社とは
人間関係をこじらせたくないと言っているのだから、
私が口をはさむなんてことはありえない。
しかし、私はあんまりだと思う。
自分の仕事にプライドと愛情を持ってきた彼女が、
育児休業を原因に退職に追い込まれる。
彼女の人生はどうなるのか?
男性の私が言うのも変ですが、
これではあまりにも女性に冷たすぎる。
男性は出産か仕事か、
などと二者択一を迫られない。
なぜ、女性だけが迫られるのか。
女性の人生を大きく変える卑劣な行為「育休切り」が
このように、全国各地で行われ、それが表に出ることもなく、
多くの女性が泣き寝入りしている。許せない!
昨日の民主党の厚生労働部会。
育休切りの実態を厚生労働省担当者から聞いた。
育休切りの事例を厚生労働省はほとんど把握していない。
資料を見ると、
「経営者と合意して退職した」
「本人が育休後、復職の意志がなかった」
「本人の意志で退職した」などという言葉が並ぶ。
私は思わず、
「これ、違うんじゃないですか。
本当は、本人は働き続けたかったけど、
厚生労働省にあがってくる資料では、
『本人の意志で退職』になっているんじゃないですか」
と、担当者に言いました。
今回の私の知人の女性のケースも統計上は、
「自己都合退職」です。
そして、理由は、
「育児の負担のため」となるのでしょう。
でも、真実は違う。
彼女には、ずっと積み上げたキャリアがあり、
彼女は一生の仕事として、その仕事を続けたかった。
仕事を愛し、多くの残業もこなしてきた。
しかし、育児休業をとったばっかりに、
子どもを産んだばっかりに・・・・。
今回の彼女のケースは、
日本社会の氷山の一角だと思います。
厚生労働省は、統計で育休切りは少ない、
と言いますが、大多数が、泣き寝入りなのです。
彼女の会社には多くの女性社員の後輩がいます。
本来なら、彼女が育児休業後に職場復帰して、
仕事と子育てを両立する姿を見て、
後輩たちも「自分も育児休業をとって、
仕事と家庭を両立させよう!」という気持ちになるのです。
しかし、子どもを産んだ先輩は結局、職場に戻れなかった、
ということになれば、後輩の女性は
「仕事か子供か」の二者択一を迫られるのでしょうか。
このメルマガを読まれた方は、
「なぜ、泣き寝入りするのか。会社と戦えばいいじゃないか」
と思われるかもしれません。
しかし、労働者の立場は弱い。
実際、会社と争って何とか職場復帰しても、
居心地が悪くなるケースが多々あるのです。
もちろん、「育児休業後の解雇は違法」
という育児休業法は存在します。
しかし、その法律を会社が守らない場合、
本人が苦情を言わない限り、効果がないのです。
育休切り防止のために「育児休業確認書」発行の義務化を!
私は、この間、多くの育休切り被害者に会い、
話を聞いてきました。
みんなが異口同音に言うのは、
「私たち自身が苦情を言って、会社とけんかしなくても、
自動的に会社が育児休業法を守るようにしてほしい。
育休切りをしないようにしてほしい」というものです。
このためには、以前もメルマガに書きましたが、
育児休業に際して、雇用者が労働者に対して書面で
「育児休業期間」「育児休業後に解雇などをしない」
ことを通知することが不可欠と考えます。
すでに、この書面による通知は、
育児休業法21条2項に「努力義務」となっています。
しかし、努力義務は、「できればやってください」ということで、
その結果、書面を出している会社はほとんどありません。
そこで、今回、民主党は
この書面の通知を義務化する修正案を提出しています。
なぜならば、そもそも育児休業後の解雇は、違法ですから、
今回の書面の義務化により、会社側が新たな義務を課されることは
一切ありません。
ただ、労働者にも「自分は何日まで育児休業で、何日から復職できる」
という権利を書面で明確になり、安心できます。
育休が終わって復職できるかどうかわからなかったら、
安心して子育てもできないでしょう。
この書面は、お母さんにとって心強い「お守り」になります。
今まで、育児休業は事実上、口約束だったわけですから。
また、会社にとっても、
育児休業法という法律の存在を再認識する。
もちろん、一枚の書面ですべての育休切りが防止できるわけではありません。
しかし、私はこの書面の義務化が、
防止策の第一歩になると確信していますし、
今の深刻な事態を放置するわけにはいかない。
1つ大事なことは、
私は育休の女性だけの雇用を特別に守れと
言っているのではないということです。
いまの不況の中で、残念ながら、
多くの労働者が解雇されています。
他の労働者が解雇されている中では、
育休をとった女性が解雇されるのもやむを得ません。
しかし、私が言いたいのは、
他の労働者が解雇されておらず、
今日のケースのように、新入社員を多く採用しているのに、
育休をとった労働者を解雇する(いや、実際には、
表向きは解雇でなく、復職させず嫌がらせをして、
自己都合退職に持ち込む)のがおかしい、差別だ、
違法だと言っているのです。
このような中、ある与党議員とこの話をしました。
来週から育児休業法の審議が厚生労働委員会で行われるからです。
そして、民主党の修正案と書面の義務化の話を要望しました。
その男性議員が言うのは、
「子どもが小さいうちは、お母さんは家庭にいたほうがいい。
焦らず、ゆっくり休んで、子どもが大きくなってから、
また仕事に復帰したらいい」ののこと。
「もちろん、個人の価値観だから、いろんな価値観があるけど、
経済的な事情や、仕事の継続性、女性の一生の仕事という意味で、
育児休業後、同じ会社に復職したいと願う女性がいるのも当然でしょう」
と、私。
さらに、その議員は、
「民主党は育休切り防止のために、法案の修正と言うけれど、
この育児休業法改正法案はもう政府の審議会で了解済みだから、
国会での修正は無理だよ」とのこと。
私は、
「審議会で了承したのはわかるけど、俺たちは国会議員。
もし、審議会が了承したら、国会で法案を修正しないと
決めるんだったら、何のための国会での法案審議なんだ。
国会議員なんか不要じゃないか。
多くの女性が育休切りで不安に思い、
これは、女性だけの問題でなく、社会全体の問題。
国会がその防止策を議論しないなら、国会なんかいらない」と反論。
彼との話はそれで終わりましたが、
私の与党議員は楽でいいなあ、と、つくづく感じました。
法案の内容の議論は、
ほとんど政府の審議会や役所に丸投げ。
自分たちは近づく選挙の準備に専念。
今これだけ育児休業切りが深刻な問題になり、
まさにその育児休業法改正法案の審議を来週に控えている
にもかかわらず、与党議員が、育休切りなどについて
勉強会やヒアリングをしたという話は一切聞かない。
そもそも育休切りに対する問題認識がない。
政治は国民のためにあります。
政治の主人公は国民です。
国民が苦しんでいることがあれば、
それを解決するのが政治家の責務です。
泣いている人、泣き寝入りをしている人を応援するのが政治です。
にもかかわらず、その肝心の責務を官僚や審議会に丸投げして、
今の与党は、政治家としての役割を果たしていない。
来週水曜日6月3日から法案審議が始まります。
もちろん、私はこの問題を舛添大臣に質問します。
与党に対しては、是非、柔軟に修正協議に応じてほしい。
そして、全国の育児休業をとる女性には全員、
「育児休業確認書」が発行され、その書面を持っていることで、
女性は安心して育児休業をとり、子育てに励み、当然の権利として復職する。
この書面は、「お守り」です。
そして、雇用者も、その書面を発行することにより、
「育児休業法を守る」という法治国家では当たり前のことを改めて誓う。
私は民主党が、雇用主に対して、無理な要望をしているとは思いません。
なぜなら、会社の経営が困難で、合理的な理由があり、
他の社員も解雇されるような状況であれば、
育休をとった女性も解雇されるのはやむを得ないと考えていますし、
今回、義務化を提案している書面でも、
「法律を守る」という以上の新しい義務は一切課していません。
さらに、この書面の義務化には一切、新たな予算はかかりません。
育休切り対策に100億円、1000億円、
予算を使えと言っているのではないのです。
出産した女性の安心のためにお守りの書面をたった一枚、
交付しようというだけの話です。
こんなことすら、やらないなら、国会は不要です。
以上、久しぶりに長いメルマガになりましたが、
最後まで読んで下さった読者の方々には感謝します。
山井和則
追伸 6月1日月曜日には、
民主党「母子加算復活作業チーム(座長:長妻昭議員)」
第二回会議を開き、学者や当事者の声を聞きます。
母子加算復活法案は、民主党の「次の内閣」で
法案の中間報告が了承され、
法案策定を急ピッチで急いでいます。
法案の提出目指して頑張ります。
この法案についても、与党は柔軟に対応し、
母子加算廃止で被害を受けた10万世帯、
20万人の貧しい子どもたちを救ってほしい。
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