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2008/07/30

[やまのい和則メールマガジン 第1142号]

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      やまのい和則の
        「軽老の国」から「敬老の国」へ
             第1142号(2008/07/30)
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                 後期高齢者医療制度 
     「天引き増税」は400万世帯、総額250億円!?
     〜説明なき「だまし増税」は、国による詐欺!
   聞いてないぞ!「夫の年金206万円以上、
   妻の年金155万円以下」という普通の世帯が増税に〜

 メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。
 今日は、国会で4時間にわたって、年金部会と
 後期高齢者医療制度勉強会を行いました。

 特に、「天引き増税」については、問題は深刻です。

 後期高齢者医療制度に対して、いま、全国の市町村の窓口では、
 「自分たちは、年金からの天引きで、増税になるのか?」
 「口座振替にしたほうが、得なのか?」
 という問い合わせが殺到しています。

 ●天引きになると、世帯主の社会保険料の控除が減るから増税に

     「天引き増税」になる2つのケース

 「天引き増税」には、2つのパターンがあります。

 まず、社会保険(組合健保など)に高齢者が加入している場合は、
 「天引き増税」にはなりません。一人暮らし世帯もなりません。

 老夫婦世帯か、国保の親子同居世帯の「約70%」、
 400万世帯が、1世帯あたり年間6200円、
 総額250億円の「天引き増税」になると推計されています。

 1、老夫婦のケース
 (夫が世帯主として妻の国保保険料も払っていた)

 今まで夫が国民健康保険の世帯主として
 妻も保険料も一緒に払っていました。そのため
 夫が妻の保険料の分まで社会保険料の控除を受けていたのです。

 しかし、後期高齢者医療制度になると、
 世帯単位でなく、個人単位なので、それぞれの年金から
 保険料が天引きされ、その結果、夫の社会保険料の控除が減り、
 減税が減るため、結果的に、増税になるのです。

 これは、老夫婦がともに後期高齢者医療制度に入る場合に限らず、
 夫か妻の一方が後期高齢者医療制度に入り、
 分離されても場合によっては、起こり得る問題です。


 2、親子同居世帯のケース
 (子どもが世帯主として親の国保保険料を払っていた) 

 今まで子どもが老親の国保保険料を世帯主として一括して払って、
 その分、社会保険料の控除で減税措置を受けていました。

 しかし、後期高齢者医療制度で、老親が、分離されたため、
 控除が受けられなくなり、増税になるのです。

 2のケースは、厚生労働省の試算によると、1世帯あたり、
 年間8700円の増税、所得税、地方税(住民税)の増税になります。

 しかし、これは、保険料がアップした効果も入っているため、
 保険料が変化しないと仮定すれば、1世帯あたり年5400円の
 増税になります。1のケースも同様に6200円です。


 ●「天引き増税」「隠し増税」の被害者は、
  単身者以外の国保世帯の7割? 400万世帯か?
  ごく普通の「会社員と専業主婦」の世帯が増税に!?

 この天引き増税の問題は、
 例外的な世帯が増税になるのではなく、
 ごく普通の世帯が増税になることです。

 そして、厚生労働省が正直に、
 この増税を国民に説明してこなかったことです。

 民主党の部会で、
 「なぜ、天引き増税を隠してきたのか?」
 と、厚生労働省の担当者に質問したところ、

 「増税の問題は、財務省の担当であり、厚生労働省ではありません」
 という答弁を頂き、「縦割り行政もここまで来たか」」と、
 議員一同、ショックを受けました。

 財務省の言い分は、
 「この増税は結果であり、後期高齢者医療制度を実施したのは、
  厚生労働省なので、財務省には、増税になるという説明を
  国民にする責任はない」との答弁。

 「それでは、財務省は、後期高齢者医療制度で、坊主丸儲けですね」
 と、私が言うと、

 財務省の担当者は、
 「いくら増税になるかは、来年の確定申告にならないとわからない」
 とのこと。

 たとえば、民間企業ならどうなるでしょうか。
 お金の徴収方法を一方的に変えて、そのことによって、
 お客様の年間の負担が6200円増えることを黙って、
 十分に説明していなかっととしたら、
 その会社は「詐欺」「だまし」で、社会的批判を浴び、
 社長は即刻、クビではないですか?

 厚生労働省は「たった6200円くらい」という考え
 なのかもしれませんが、ただでさえ生活が苦しい年金生活者に
 対して、説明もせずに、増税するのは、犯罪的行為です。

 この件について、厚生労働省は、
 7月22日と25日に、地方自治体に通知を遅まきながら出しました。
 「口座振替にすれば、社会保険料控除を受けられることを住民に
 周知すること」とのこと。

 でも、どうやって周知するのか? 
 どんな世帯が「天引き増税」になるのかも、
 厚生省は公式に発表してないのです。

 厚生省は、
 「具体的に、ご自分の世帯が天引き増税になるか否かは、
  市町村の窓口で個別に聞いてほしい」とのこと。

 天引き増税の可能性がある400万人が問い合わせたら、
 窓口はパンクします。

 私も、先週末に窓口に行きましたが、
 この問い合わせで、窓口は混雑、電話は鳴りっぱなしでした。

 そら、誰でも、自分の世帯が天引き増税になるかどうかは、
 確認したいでしょう。天引き増税になるなら、口座振替にしたら、
 年6200円安くなるのですから。

 しかし、今の制度では、
 この天引き増税に気づいた人は、口座振替にするでしょうが、
 多くの75歳以上の高齢者は、こんなことには気づきません。

 おまけに、このメルマガを読んでも、よくわからん、
 と思う人も多いのではないでしょうか。

 ●夫206万以上、妻155万以下で天引き増税の可能性
  なぜ、厚生労働省は、正直に広報しないのか?!

 厚生労働省は、「天引き増税」の事実は認めていますが、
 「どのような世帯が増税になるのか」
 という肝心の点を明らかにしませんでした。

 そして、今日の部会で初めて、数値を出しましたが、
 まだいくら増税になるか、何割の世帯で増税になるのか
 という肝心な点は明らかにしていません。

 そこで、私が7月25日に交渉して、
 厚生労働省から頂いた文書回答が次のとおりです。

 山井文書質問 
 「夫の収入がいくら以上、いくら以下で、妻の収入がいくら以下の
  場合に、天引き増税になるのか?」

 厚生労働省文書回答 
 (保険局高齢者医療企画室より。7月25日19時09分、
  ファックス回答)

 「例えば、高齢者夫婦2人世帯であれば、
  1、所得税では、年金収入のみとした場合、
    夫206万円以上、妻158万円以下。

  2、地方税では、年金収入のみとした場合、
    夫222万円以上、妻155万円以下 
  などの場合に、起こり得るものです。」

 以上が、厚生労働省の回答です。

 地方税とは、住民税のことです。
 問題は、このような世帯が「天引き増税」になることを、
 厚生労働省が国民に知らせていないことです。

 もし知れば、ミスミス年5400円の増税になるなら、
 75歳以上の高齢者夫婦は口座振替にし、妻から天引きでなく、
 妻の保険料も夫の口座から振り替えにするでしょう。

 そして、大問題なのは、政府・与党が先週の閣議決定により、
 天引きか口座振替を「申請主義」の選択性にしたのです。

 ということは、「天引き増税」に気づき、「申請」した人だけが、
 増税を免れ、「天引き増税」に気づかない大多数の高齢者は、
 知らぬうちに増税になってしまうのです。

 実際、この口座振替の選択性の通知を市町村が、
 最近、高齢者に発送しました。

 しかし、
 「口座振替にしたら、減税になる場合がある」
 と明記している自治体はありません。

 ですから、大多数の高齢者は、
 まさか「天引きにすれば増税になる」とは思っていないのです。

 おまけに「天引き増税」は、
 夫が会社員で、妻が専業主婦であったという
 「ごく普通」の高齢夫婦に起こるものであり、
 「例外的なケース」ではないのです。

 ●単身世帯以外の、7割の世帯で「だまし増税」

 では、上記の厚生労働省の
 「夫206万円以上、妻155万円以下」という夫婦は、
 何割くらいでしょうか。

 厚生労働省のデータでは、約7割と推計されます。
 また、同居世帯における天引き増税も約7割の同居世帯で
 起こると推計されます。

 1300万人の後期高齢者医療制度の対象者のうち、
 単身者と社会保険加入者を除いた世帯に、70%をかければ、
 約400万世帯。

 そして、年間の天引き増税は、計算すると約6200円。
 400万世帯に6200円をかけると、
 年間約250億円が「天引き増税」の総額と推定されます。

 ●「気づいた人だけ減税(社会保険料控除)、気づかない人は増税」
   は、おかしい!
   増税にならないように、全員口座振替にすべき

 この問題の深刻さは、税の不公平ということです。
 「天引き増税」に気づいて申請したひとだけが減税され、
 大多数の気づかない75歳以上の高齢者が、増税になるのはおかしい。

 増税にならないように、全員口座振替にするのが当然です。
 ミスミス6200円多く税金を払いたい高齢者がいるはずがありません。

 そして、そもそも年金からの天引きは廃止し、
 後期高齢者医療制度も廃止すべきなのです。

 以上でメールマガジン終わります。山井和則  
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