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2008/05/26

VJ&Sound 「X-FADER」(2008/5/26発行) 

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VJ&Sound「X-FADER」 (2008/5/26発行) by D-Style

 [MENU]
  ●Roland V-8 [8 チャンネル ビデオ・ミキサー]
  http://www.roland.co.jp/products/jp/V-8/index.html

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 [Contents]
  ●Roland V-8 [8 チャンネル ビデオ・ミキサー]
   「X-FADER」でのフォローが大変遅くなってしまいましたが、ローランドさん
   の最新ビデオミキサーがリリースされています。V-5の時に大変お世話になり
   ましたが(現役で使用中)、V-5 → V-4 → V-8と来て、かなり洗練された
   内容となっています。

   [デザイン]
   基本的にはV-4のデザインを踏襲したものですが、黒と白とが基調になって
   おり、一新されたシャープなイメージがあります。

   [仕様]
   8chの入力系統があり、それらの任意のものを2つ選択してスイッチ出来る
   タイプのビデオミキサーで、フルデジタル処理によって、DVクォリティ画質
   によるミキシングによる実力を遺憾なく発揮します。出力3系統あり、十分な
   接続バリエーションが可能です。更に、既にVJが当たり前に使用する(ダウン)
   スキャンコンバータも搭載しており、2台のパソコン入力を可能としています
   (2台から選択して1台のみ使用可能)。このビデオミキサーをセンターに置いて、
   ほぼ全ての入出力系統の準備が完結するのは、セッティング上を考えると、
   とてもシンプルで助かります。それから、ミキサーとしてだけでなく、260種
   類を超える映像切り替え効果や、高品位なデジタルエフェクトを150種以上
   搭載しており、とても強力なDVEとしての実力も併せ持っています。

   [リアパネル]
   先ずは、特筆すべき点として、8つの各入力に対して、全てにコンポジットの
   モニターアウトを配置した点です。常に適切な映像ソースを選択するには、
   どの入力端子に何の映像が接続されているのかの把握が大切です。それらが
   可能で初めて何の映像を次に出せるかが決まるからです。
   
   映像入力は、豊富な映像ソースを一挙にフォロー可能な1〜7chまでがコンポ
   ジット入力端子で、8ch目がコンピューター専用のチャンネルとして割り当て
   られています。同じく5〜8chの入力に関しては、S-Video端子が設けらており、
   映像信号が接続された場合は、S-Video端子が優先されます。この優先に関し
   ては以前から同じ仕様でした。
   
   ミキサー全体の映像出力は、コンポジット出力が2つとS-Video出力が2つです。
   1つをイベント会場へ、1つをモニターへ、残りの一つを録画へ割り当てるよう
   にすると、丁度よく端子を使い切るようです。このほか、スクリーンメニュー
   画面も表示されるプレヴューアウトを装備しています。こちらは全体を把握す
   る為には最低限利用すべきモニター端子です。

   MIDI端子に関しては、" IN "及び" OUT/THRU "の2つ端子が装備されています。
   外部の楽器等から制御信号を受信して、テンポをシンクロさせたり、スイッチ
   ングを外部機器や、コンピューターで制御させたりする場合には欠かせられま
   せん。

   これだけたくさんの端子が背面に集中していても、分かりやすく整然と並んで
   いるので、ほぼ迷うこともなくセットアップ可能でしょう。

   もちろん全てを使う必要は無く、一番シンプルに入力ソース2つだけをコンポ
   ジット入力へ繋いでおき、会場へ1本コンポジット出力を出すだけでも、もち
   ろんV-8の基本性能を利用することは可能です。

   しかし、V-8の8たる由縁は、これらの豊富な入出力系統にあるわけで、これら
   をどれだけ利用出来るかが、より細かな要求に耐えうる仕様を、満遍なく使いこ
   なしていることにもなるでしょう。逆にいうと、そうでなければ歴代のVシリー
   ズでも十分なので、V-8には役不足といえるでしょう。

   [フロントパネル]
   ●Tバー型ビデオ・フェーダー
   中央部から見ていくと、先ずTバー型ビデオ・フェーダー、即ち映像用のクロス
   フェーダーがあり、その両脇をトランスフォーマー・スイッチが固めています。
   これらは、DJミキサーに見られる配置とほぼ同格の作りであると思います。

   当然、このクロスフェーダーは、縦方向を横方向へ変更可能で、ネジを外せば
   簡単に行えるようになっています(但し、慎重にやらないと引っ張り過ぎて配線
   を断線させる等、あとで面倒なので気を付けてやりましょう)。

   ●BPM関連
   BPMと書かれている数字のデジタル表示は、その下のBPMコントロールのツマミ
   で、オートでミックス/ワイプさせる時の切り替え速度を調節出来ます。

   常時クロスフェーダーを手で上下させるのは(私はよくやりますが:笑)、普通は
   結構疲れることになりますから、オートでやらせたり、細かい他の作業をする際
   に切り替えを止めずに続けたい時には必ず重宝する筈です。

   DJプレイに対して、映像の切り替え速度を、BPMで細かく合わせ混みたい時には、
   このツマミでやるとよいでしょう。BPMもDJはイベントの空気を読みながら、
   徐々に変化させる事はよくあるので、一度合わせたらOKとはならないでしょう。
   慣れは必要かもしれませんが、切り替え速度を常に監視する上ではこのツマミは
   欠かせられません。

   BPM表示のすぐ右には、TAPボタンがあり、曲のリズムをよく聞きながらポンポ
   ンと押せば、その曲のBPMにすぐ近い速度で合わせられるようになるでしょう。
   こちらも多少慣れが必要でしょうけど、ツマミで合わせ込む以前に、最も近い
   テンポへ近付ける最短の方法かもしれません。

   ●エフェクト関連
   トランスフォーマー・スイッチの上には、4つのエフェクトボタンとCONTROL
   と書かれたフェーダー、そしてFADEというボタンが、各々左右の両サイドに
   あります。その中央にはトランジションと書かれた4つのボタンがあります。

   先ずは、トランジションをミックスにすると、Tバー型ビデオ・フェーダーを手
   で動かした時に、映像のAと映像のBとが、ちょうど半分ずつでクロスフェード
   するミックスが可能です。初搭載のFAM(フル・アディティヴ)、NAM(ノン・ア
   ディティヴ)というミックスモードでは、それぞれが輝度を比較して合成する
   特殊なディゾルヴを実現しています。

   FAM(フル・アディティヴ)では、輝度情報が一定のまま映像が切り替わるのに
   対し、NAM(ノン・アディティヴ)では、比較して輝度の高い方のドットを表示
   しつつ映像が切り替わります。文字でこれを表現するのは限界がありますね。
   
   更にトランジションをワイプにすると、Tバー型ビデオ・フェーダーを手で動か
   した時に、ワイプのプリセット切り替えパターンによって、切り替えられるこ
   とになります。
  
   FADEボタンを押しておくと、CONTROLのフェーダーを動かすことによって
   エフェクト量を加減できます。片側にフェーダーを倒したまま、このフェー
   ダーで変化を付けながら、エフェクトによって映像をコントロールしたり等の
   離れ業を研究すると面白いかもしれません。

   各ツマミの配列は、直感的に分かるように整列しているので、映像切り替えの
   早業を繰り出すにも、非常に向いた設計だと言えます。

   ●プレヴュー関連
   パネルの最上段には、1〜8(PC)及びミックスのアウトプットのプレヴュー画面
   を選択出来るボタンが並んでいます。 これはプレヴューアウトにメニューも一
   緒に表示する端子に繋がれたモニタへ、どの映像をモニタリングさせるのかを
   選択出来るボタンです。各チャンネルのモニターが全て用意されていない場合は、
   このボタンを使って各々に繋がれた映像ソースを呼び出して確認すると良いで
   しょう。

   ● PC INPUT SELECTスイッチ
   PCを2台繋いでいる場合、表示する片方の画面をこのスイッチで選択します。
   (2台を一度には表示できないので、2台以上を同時にソースに使いたい場合は、
   1つ目をこちらに、そして2台目からは、スキャンコンバーターを経由して
   1〜7の端子のどれか、もしくは複数を任意に選択して繋ぐ必要があります)

   ●OUTPUT FADEフェーダー
   白/黒の反転のスイッチとフェーダーがあります。これらを利用して、暗転や
   明転の効果を簡単に創りだせます。曲が段々フェードイン/アウトするときは
   このフェーダーでアクションを付けると、曲との相乗効果で盛り上がること
   必至です。

   ●INPUT SELECTボタン
   パネルの左右に8つずつ並んだ白いスイッチは、入力された映像ソースを選ぶ
   為にあります。AとBの両方に同じ映像入力を選択出来ますが、後付けの
   エフェクトによって効果を変えられる上では、非常に意味のあることだと思い
   ます。

   ●MEMORYつまみ
   中央のBPMコントロールのツマミのすぐ下にある、このツマミは8種類のパネ
   ル上のセッティングを記憶させ、瞬時に切り替え選択が可能なものです。これ
   があるのと無いのでは、瞬時対応での要求に耐えうる上では大きな差が出ると
   思います。仕込みが大切な映像プロの現場では必須機能だと言えます。
   
   [感想など]
   価格は、オープン価格なので、20万円前半くらいまでで、いろいろな価格の
   販売店があるようです。

   この製品は、見ていけば分かる通り、音を制御する為のミキサーでは無い為、
   音声入力端子は見られません。その代わりにBPMに関するが充実していたり、
   MIDIなどの制御信号を細かくやりとりできる端子が、揃っていたりします。
   これは、Rolandという楽器ブランドならではの発想かもしれませんが、必ず
   しも音を扱うメーカーだからといっても、バッサリと映像に必要な部分以外を、
   全て切り捨て、道具を作るというコンセプトが貫かれています。

   以前レボートしたパイオニア社のビデオミキサーは、やはり音と映像両方を
   「DJが」ミキシングするというところにコンセプトが貫かれていた分、コスト
   的には非常に高価な為、アマチュアにはちょっと手が出し難い価格帯になって
   いました。

   両者にそれぞれのよい部分はあるわけですが、VJという観点から見た場合は
   やはり多くのVJのツールという意味では、このV-8は価格も含めかなり完成
   された形ではあると思います。

   [VJのツールへ期待すること]
   今後のVJのツールとして、もしまだ欲しいものがあるとすれば、それはミキ
   サーというよりも、それに繋がる映像ソースの方かもしれません。CG-8など
   の素晴らしいツールもあるわけですが、これらのようなものが、もっと手に
   届き易い価格で入手出来ると有り難いです。それは別にCG-8のような方法論
   に限らず、もっとエフェクター的であっても良いし、サンプリング的なものや
   外部機器を効率良く制御するソフトウェア的なものでも良いと思います。

   これは別にRoland社に限らず他のメーカーがリリースしてもいいわけです。
   現在はPCで殆どの映像制作や、VJソフト的な部分を賄うことが可能です。
   そういう意味からしても、PCだけでは無理なことか、もしくはPCと一緒に
   連携させることによって、威力を発揮するツールは、VJだけでなく映像クリ
   エーターも欲するところでは無いかと思います。

   以上 

   ---- 文・編集 X-FADER - D-Style ----


                                                   §

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