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2008/09/19

☆日刊中高MM2071号◆高橋雅世【新連載】「遅刻少女が踊り子になる方法」 ★ 

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 日刊『中・高校教師用ニュースマガジン』(中高MM)☆第2071号☆
                  2008年9月19日:金曜日発行
   編集・発行 梶原末廣    sukaji@po.synapse.ne.jp
    http://www.synapse.ne.jp/~kanoyu/sukaji/index.html
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■【新連載】「遅刻少女が踊り子になる方法」高橋雅世(鹿児島)
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【新連載】
 

■「遅刻少女が踊り子になる方法」(1)


                   高橋雅世(鹿児島)

          
◆第一章 「深夜の独り時間」

 
皆様初めまして!鹿児島在住の二児のハハの踊り子、高橋雅世・まさやん
(masayang)です。わたしは即興舞踏というものを20歳の頃から続けてい
ます。舞踏とは、土方巽という人が1960年代に「暗黒舞踏派」として活動
を始めたことから現代舞踊の一ジャンルとなっていったものです。
 
舞踏の定義は踊る人の数だけあるものだと思っているのですが、私にとっ
ての舞踏は、その瞬間だけにある様々な要素を取り込み、その瞬間だから
こそ成り立つ踊りをするものです。空気も、音も、そこに在るものも全く
同じものが出揃うことは二度とないそれを受け取りたいと思っています。
 
今では舞踏を一生なんらかの形で続けていきたいと思っています。
 
わたしは中高生の頃は、自分のことを「なんにももっていない」人だと思
っていました。容姿も人並み、才能もない、特別な所は何もない人間だと。
 
生きているのがいつも苦しかった。
 
そして、この世の中に信じられるものがあるのかどうかわからなかった。
 
そんな「なにもないひと」であるわたしが一生やっていきたいことにつな
がっていくまでに得た「きっかけ」にまつわる話を月に一回ひとつのテー
マでさせてもらって、それにまつわる詩を添え、簡単にできるボディーワ
ークの紹介もしていきます。
 
教育に関する知識は全くないので、自分自身が生きてきてからだで掴み取
ったもの を頼りに書いてみたいと思います。
 
それを確かめることで、思春期を生きるひとにたいして大人はどう対する
べきなのかのヒントを私自身も探ることができたら・・と思っています。


 
●『深夜の独り時間』
 
わたしは中学生の時は遅刻がやたら多い少女でした。
 
もう行くのがつらくて仕様がない。学校の場に充満した圧迫感の中にいる
こと自体がつらいという感じ。
 
それでも行かない勇気まではなくて、行くまで自転車で学校の周囲をうろ
うろしてからのろのろと行く。そして遅刻の罰として職員室前に正座させ
られてました。ヤンキーっぽい方々と一緒に。中学に入って、「これが善
である」という価値観が全てぶち壊された気がした。
 
小学生の頃までは、まだ割と「これが正しい」というものに添えば認めら
れたんですね。例えば、「人を差別してはいけません」とか「努力するの
は素晴らしいことです」とか「世界の平和は大切です」とか。だからある
種、自分なりに理想にまっすぐに向かっていればそれで大丈夫だと思えて
いた。
 
それが、中学生になると、みんな「そんなのは綺麗事だ」とまざまざと知
っていくことになるのだと思います。
 
見た目やノリがよくないとモテないし、お金がなければ自分を飾る為の物
も買えない。成績が良くて金がある人間だけがいい高校や大学に行ける。
そして楽に生きていける。世界は全然平和なんかじゃない。持つことがで
きる人間だけが生き残る。それが現実だ、と。
 
それに気づいた中学生達は「自分が生き残る為」に善を無視して生きだす
のだ。
 
そうして、まわりの同級生達は見た目を懸命に飾り、自分が孤立しないよ
うに自分以外の誰かを貶めて自分は難を逃れようとしたりしていて、その
一方で教師達は小学校の時と変わらず理想ばかりを口にしてイライラさせ、
わたしはその空気の中で窒息しそうだった。
 
その「現実」に気づかないふりをして理想をそのまま追う、という選択肢
を取ることも出来たんですね。それが一番無難だとはわかっていた。成績
もわりとよく家がさほど貧乏でもないから勉強してれば高校にも進めるだ
ろう。「善」を遵守していれば教師にも好かれて世間にも受け入れられて
いくだろう。
 
だけど気づいてしまった。理想をそのまま追うより、私利私欲に目覚めた
同級生達のほうがよほど正直なような気さえしていた。
 
「わたしは一旦この闇の中でもがいて道をみつけようとしないとずっと嘘
をついたまま生きていくことになるんじゃないか」そう感じていた。
 

そんなわたしの心が休まるのが「深夜の独り時間」だった。
 
大抵、自分の部屋にあるラジカセでヘッドフォンをして音楽やラジオを聴
いてた。好きな曲を繰り返し繰り返し聴いて、音楽雑誌やファッション雑
誌を隅から隅まで読んで。
 
ラジオや音楽や雑誌は外の生々しい現実につながる為のチャンネルで、そ
の中でさまよって、自分を救う「新しいナニカ」を探してた。
 
もしあの時代にインターネットがあったらどっぷり漬かっていたのは間違
いないと思う。
 
親に気づかれないように静かに起きていたとはいえ多分親も起きているこ
とはわかっていたのだろう。干渉されなかったことは救いだった。あそこ
で「なんでこんな時間まで起きてるの!」と叱られればわたしは本当に行
き場を失っていただろう。
 
今でも思いだす。夜明け前の真っ青でなんの音も聞こえない空気の中で、
風邪をひきたくて扇風機の風を浴び続けながらそこにじっと在ったこと。
 
とても、必要な時間だったのだ。



================= 
詩 『シンノヤミ』
=================
 
タブーを破る発言で惹きつける人や 恥しい言動をする人の真実味 
 
そんな風にギリギリでいたかった
 
理解から遠い場所でさまよう人 そんな人は世界につながることが出来る?
 
カラダが大人のようになっていくから、使用法を考えなくてはならない 

あぁわたしは穢いのだろうか
 
救われたいようでいて撥ね付けたい ちゃんと「入る」ものを探してる
 
あぁ なんて空っぽなんだろう
 
 
ワタシハ未だ真空状態の中に いるんだ
 
 
・・・
 
ボディーワーク 「音を聴く」
 
まず、意識を向けて「何か」をすることを休んでみてください。静かに立
っていてもいいですし、静かに座っていてもいいです。なにが聴こえるか
聴いてみてください。 わたしはいまパソコンの起動音や虫の音が聞こえ
ますただ聞こえてくる音をありのままに聴いて耳を澄ます。そして目を閉
じて自分のからだの輪郭を感じてみてください。
 
これで終了です。
 
次回のテーマは「へこむ初恋」です。
もしご意見・ご感想などある方はメールなどいただけたら嬉しいです* 
 
高橋雅世 まさやん(masayang)PCアドレス 
masayang55@hotmail.com 
HP「わたしの踊り研究所」 http://masa.next-create.net/
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===編集日記===

 皆様に支えられて「日刊・中高MM」第2071号の発行です。

 秋の新連載です。舞踏家の高橋雅世さんの「遅刻少女が踊り子になる方法」
作品お届けします。一度読むと3回オイシイ作品となっています。久々に文章
の達人に逢ったような気持ちでいます。(まさやんには面はゆいかも知れませ
ん)感性豊かな人は文章表現にも優れている。そう感じました。従って私は感
性が豊かではないようです。

 ・干渉されなかったことは救いだった。

 私も同じです。 

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                  皆様のご意見・ご感想お待ちしています。
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                  梶原末廣【インターネット編集長】
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中・高校教師用ニュースマガジン 2000年3月26日創刊
         編集・発行 梶原末廣 sukaji@po.synapse.ne.jp   
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【9月連載予定】 
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20 **
21 ** 
22 2072 「知識活用力の育て方」(192) 高橋りう司(東京都)
23 2073 「奄美だより」(3)湯ノ口真由美(鹿児島)
      「モスポイントたより」(57)クニコホール(アメリカ) 
24 2074 「目線を変えて見えた世界」(55)野元尚巳(鹿児島)
25 2075 「インディアナ発 〜シアワセな人生をデザインする〜」(16)
       倉本陽子(アメリカ)
      【復刊】「教育とメディア考」(12)谷口泰三 
26 2076 「中学校技術教員日記」(13)脇田武志(鹿児島)
      ★「第9回未来教育セミナー霧島プロジェクト」報告会★
27 **
28 **
29 2077 「数学まるかじり」(15) 山崎直和(鹿児島)     
30 2078 「薫のデジタルにっし」(58)Slotsve堀内 
   2079 「環境問題について」(79)枝廣淳子(千葉県)  

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【10月連載予定】 
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01 2080  学級通信「翔べない豚さん」(14) 山下君子(神奈川) 
02 2081 「一歩ずつ」(45)岩堀美雪(福井県)
03 2082 「子どもたちのわくわくアート」(60)西尾環(熊本県)
04 **
05 **
06 2083 「未来教育への扉」(3)梶原末廣
07 2084 「プロジェクト志向でいこう!」(33)若槻徹(島根県)    
08 2085 「環境問題について」(80)枝廣淳子(千葉県)
       ☆「からいも食楽部」例会(カレーテリア沙羅)★ 
09 2086  「薫のデジタルにっし」(59)Slotsve堀内
10 2087 「僕らはみんな生きている」(10)杉山武子(鹿児島)
11 **
12 **
13  2088 「総合学習回顧録ー小学生ママと総合学習」(10)名生修子(兵庫県)  
14 2089 「教育実習のアラカルト」(16)上西 好悦(京都府) 
15 2090 「生徒へ送る心のメッセージ〜教師のための新しい視点〜」(17) 
                         桑原朱美(愛知県)
16 2091 「参加型学習の可能性」(19)鈴木隆弘
17 2092 【新連載】「百菜園だより」木原ひろしげ(福岡県)
      「モスポイントたより」(58)クニコホール(アメリカ)
      ☆「かごしま臨床教師学研究会」(サンエール小研修室3)★   
18 **
19 **
20 2093 「教育とメディア考」(13)谷口泰三
21 2094 「もう一つの学校インターナショナルスクール」(12) 壷坂宣也(兵庫県)
      「キチキチ日記」(8)山口祐子(鹿児島) 
22 2095 「ITのお世話の日記」(14)山之上 卓(鹿児島県) 
      「南の散歩道」(15) 梶原末廣(鹿児島)
23 2096 「遅刻少女が踊り子になる方法」(2)高橋雅世(鹿児島)
24 2097 「知識活用力の育て方」(193) 高橋りう司(東京都)
25 **
26 **
27 2098 「奄美だより」(4)湯ノ口真由美(鹿児島)
28 2099 「目線を変えて見えた世界」(55)野元尚巳(鹿児島)
29 2100 「インディアナ発 〜シアワセな人生をデザインする〜」(17)
       倉本陽子(アメリカ)
30 2101 「中学校技術教員日記」(14)脇田武志(鹿児島)
31 2102 「数学まるかじり」(16) 山崎直和(鹿児島)  

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      「身体と心の元気スヰッチ」(12)山下 温(鹿児島) 
      「子どもにいのちをどう教えたいか」(9)股村美里 
      「問題解決における言語感覚の育成」(4)飯盛直子(佐賀県) 
      「こんなんもあります国際交流」(17)原田達明(鹿児島)
      「エンターテインメント教育学」(6)上條晴夫(岩手県)
      「鹿児島でもっといい映画を!」(2)黒岩美智子(鹿児島)
           「想いは南風に乗せて−あなたの心に」(36)堂園晴彦(鹿児島)  
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