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1950年生まれ、高校(社会科)教師の「学校」をめぐるコメント・コラム集

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2007/12/01

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                第188号 2007年 12月 1日(毎月1・16日発行)

  目次

**学校をめぐるコメント**

        495.『「天才」の育て方』


**日々雑感**

        586.「晩年」


**最近読んだ本から

――――――――――――――――――――――――――――――――――
**学校をめぐるコメント**


        495.『「天才」の育て方』

        (五嶋 節 講談社 2007年 \700)
                                               (2007年11月29日 木曜)

 著者は彼の有名なバイオリニスト姉弟の母親である。姉はみどり、弟は龍。
 そんな二人を育てた母親に注目がいくのは自明のことで、この手の本は十分
な期待を持たせるものであった。もっとも彼らのことは音楽方面の人でないと
あまり知られてないとも言えるのだが。

                        *

 子どもに何かを教えようとするときに、いちばん大切だと思っていることが、
私にはあります。それは、子どもに対する最大限の敬意です。尊敬の念です。
(P.36)

【ああそうだった、と気づかされる。どんなに相手が年少であれ、生徒であれ、
そういうことだったのだ。ついついこの教師稼業をしていると忘れてしまうこ
とだ。普段、対等な人間どおしの何とかと口にしながら、実態は敬意を忘れて
見下していたのかもしれない。そう考えるとぞっとする。教育の第一条件であ
った。】

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 「いじめをなくす」という言葉は、抽象的であると同時に、ネガティブな考
え方で、誤解を恐れずにいえば、ではいじめをなくして何をするのか、といい
たくもなります。(P.54)

【たしかにポジティブな言い回しというか、考え方ができないものだろうか。
いじめをなくそうと考えるから、なくならないのだと堂々巡りの考え方をして
しまう。】

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 子どもはサル真似をするから成長することができ、サル真似を繰り返すから
成長が早いのだと思います。
 そのうち大人になって、いろんな知恵や知識がついてしまうと、自分には自
分の個性があるんだ、自分のやり方があるんだ、他人の真似をするなんて、そ
んな格好の悪いことはできない、といった意識も起こり、たとえ近くに素晴ら
しいお手本があっても、なかなか素直にはその真似をできなくなります。サル
真似をしなくなる。という以上に、したくなくなる。だから成長が遅くなる。
成長できなくなるのです。
「個性」などというものは、そんなにがんばって主張しなくても、誰にでも備
わっています。(P.67)

【二つ。サル真似と個性。著者は「まねぷ」という言葉も取り上げて説明して
いる。技術を身につけるためには、まずサル真似だろう。みんな赤ちゃんの頃
からそうして育ってきたのに、大人になるとひとかどにサル真似なんて、とい
うわけだ。いまは昔、である。
 いまひとつ「個性」についてもとやかく言われるが、そもそも私たちの存在
自体が個性的であって「個性」のない人などいないわけだ。となるとこの「個
性」云々というのは、何か他の狙いがあるのかと考えてもいいだろう。】

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 子どもが相手となると、どんなに悪い点を指摘しても、一つくらいは、お世
辞でもいいからほめるべきだと思うのです(P.76)

【やはり褒めるにしくなし。教育の原則か。】

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 自分で疑問を持ち、考え、試行錯誤して練習し、わからないときは先生に質
問する(P.85)

【この一見、単純に見られることの実現が難しい。生徒たちにそんな風に仕向
ける授業をしてみても、それは教科書も使わないので本当の授業(?)だと思
わないようなのだ。】

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「表現」するという意識があるかないか、というのが、プロとアマチュアの大
きな分かれ目(中略)
 無意識のうちにも何かを「表現」して伝えたいという気持ちがあるかないか、
あるいは、自分を「表現」したい、自分を見せたい、自分を出したい、という
気持ちが、にじみ出ているかどうか......。(P.154)

【どんな表現をどんな手段を使ってやりたいか。それが個性であり、その人ら
しさとして顕現してくる。】

                --------------------------------

 アメリカでは、名作といわれた過去の映画鑑賞を学校の授業でします。(P.
189)

【どんな授業時間帯でやっているのだろう。もっともっと取り入れたいものだ、
私たちも。しかし、まず視聴覚室というか、まともに映画を観られるような設
備がない。そしてソフトもないのが現状だ。箱もの行政といわれるように、容
れ物さえつくればお終いで、あとのことが考えられてない嫌いがあるのは日本
社会の通有性か。文化貧国ではある!】

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 現代を生み出した過去の流れも知っておいたほうが(中略)
 そのためには、現在の流行は放っておいても子どもの目や耳に入ってくるの
ですから、子どもの目や耳に入ってきにくいものを与える必要があります。
(P.190)

【だから歴史の勉強が必要なのだ、と言わないまでもどんな世界でもまずは過
去を知ることだろう。オリジナルのつもりが贋作になってしまう。】

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「過去」を知っているほうが、現在の流行をより豊かに楽しめると思います。
さらに、現在流行しているもののなかから、未来にも残るようなものを、少し
でも見極める力も養われるように思います。(中略)自分が若いころに見たり
聴いたりして大感激したものは、自信を持って子どもたちに投げかけていいの
ではないでしょうか。いや、積極的に、そうするべきでしょう。(P.191)

【これに意を強くして、昔流行った私の好きな音楽や映画などなどを生徒たち
にどんどん紹介していきたいと思う。】


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**日々雑感**


        586.「晩年」
                                        (2007年11月30日 金曜)

 そろそろ私の教師としての人生も終わりに近づいてきた。「晩年」という感
じでもある。そのせいか最近は授業をやることがとても楽しい。次の授業をす
る日が待ち遠しい。
 こんなことを思いだしたのは、もしかしたら教師になって以来初めてのこと
かもしれない。おそらくそうだろう。

 もちろんこれまでだって四六時中授業のこと、その教材のことを考え続けて
きたわけだが。残りの日々が見えてくると、あれもこれもと様々な教材を使っ
て授業をしてみたいと思ってしまう。

 さてこのような日々にいずれ終焉が来る。果たしてその時に私はどんな心持
ちになるのだろうか。
 一度きりの人生なのだから、ことここに至るまでそのようなことは想像をす
ることはあっても非現実であった。それがいよいよ現実化してくる。

 まず第一に生徒たちとの付き合いがなくなるのは淋しいことだろうなと思う。
 また、もはやすることのない授業の、必要でない準備を思わずしてしまって
いるということもあるかもしれない。......
 これからも勉強は続けていくつもりだが、それは授業という目的を失ったも
のとなるわけで、それでもなおかつ勉強を続けていけるのだろうか、とも。

 ――すべてはまだ靄の中だが、すべてこれが私の人生。せいぜいこの私の人
生を楽しんでいきたいと思う。と、ふとこんなことを考えるこの頃である。


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**最近読んだ本から

2007/11/21(水)『「天才」の育て方』(五嶋 節 講談社 2007年 \700)

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FK −−学校をめぐるコメント・コラム集           マグマグID 26043
        (2000年 2月16日創刊)        kishidafumio@hotmail.com
発行者  KISHIDA Fumio          http://fkfk.infoseek.ne.jp
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  インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/)解除は http://www.mag2.com/m/000026043.htm/ へ。
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