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2008/06/04

龍王茶

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   第3話:中国絵画の観賞について


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◆中国絵画の観賞◆ 
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  一幅の中国絵画を紐解くと画面には様様な”啓示”が満ちている。
それらは中国絵画における一種の”約束ごと”で、中国絵画を観賞する
のに必要な最低限度の知識でもある。

  例えば、題識は我々に作品の伝来過程や批評、あるいは、観賞の
要点を教えてくれるもので、他国の絵画には例がない。題字は、作品
の題名で画面以外の余白に大きく書かれているものと、画面の中に
小さく書かれているものがある。

  印には作品を描いた画人の印、その作品を所蔵した所蔵者の
所蔵印、清代の乾隆皇帝の印に代表される皇帝の観賞印、三希堂
、又は御書房に所蔵されていたことを示す所蔵印などがある。

  詩は、絵画と結合された詩意図なるものが唐代の王維によって
始められ、後代には三絶(詩書画)の一角を成す芸術として完成
された。

  中国の絵画は、山水画、人物画、動物画、花鳥画、墨梅墨竹画などに分けられ、
上記の題識、題字、落款、印、詩などが加わり、中国独自の総合的な美の世界を作り
出している。例えば、山水画は表現上の特徴である皺法と構図と点景画に要約される。
また山水画は、画面における人物の有無によって無人山水画と有人山水画にも
分けることができる。

  山水画も皺法とは、山石や樹木などを特殊な筆、又は筆の運筆によって描く
もので、董源の披麻皺、李唐の斧劈法などがある。樹木の独特な描き方には、
李成の蟹爪描がある。

  山水画の構図には高遠画法、深遠画法、平遠画法の三種類があり、三遠とも
呼ばれている。このほかに南宋時代の馬遠によって創作された辺角の景や、
元代のげいざんの作品に見られる平遠小景の構図などがある。

  人物画は、古代では、主に歴代王朝の皇帝や建国の功臣が宮殿の壁面に
描かれ、民間では庶民の風俗を描いた風俗画が明、清代に隆盛した。故宮博物院には
多くの人物画が伝われているが、数ある人物画の中で溌墨画法に長けた梁楷の仙人
図が異色な人物画として注目されている。

  動物画は、牛画、馬画が圧倒的に多く、唐代から清代まで様様な作品が
描かれている。
  花と鳥を画題にした花鳥画には、花のみを描いた花卉画と鳥の代わりに蝶など
の昆虫を描いた草虫画(犬、猫、兎、鹿などを草木の間に配したものも含む)
がある。花卉画の画法は五代十国時代に輪郭線の内部を彩色するこうろく画法の黄氏体
が黄筌によって確立され、輪郭を色彩の濃淡で描く没骨画法の徐氏体が徐煕によって
確立された。これらの画法は、今日に至っても花卉画の二大画法とされている。
  このほかにも北宋の崔白によって写実的なれいもう画が描かれた。

  梅や竹を描いた墨梅画は、作品に採用されている皺法や構図や画法などである
程度の時代設定と画人、及びその画派の推定が可能である。中国絵画の観賞は、
基本的な中国絵画の知識もさることながら、先人の多くの作品を観賞する機会を
持つことがなによりも大切である。

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◆山荘高逸図◆ 郭煕  宋代
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  本作品は、郭煕の代表的な作品で、作品の作画は、”山水の構図”

に従い、中央に郭煕が創作した山水画法の乱雲皺で主峰を描き、その周囲には、滝と
渓流、遠方には寺廟の楼閣を描いている。また作品には、家の中で談笑する人、
驢馬に乗って道を急ぐ人と供の下僕、漁をする漁民などの点景画も配されている。

  本作品の季節は、蟹爪描を用いて樹木を描いていることから、季節は冬である。
本作品は、幻想的な深山幽谷の情景を見事に描いているが画面から不自然さを
感じる。つまり本作品を構成しているいくつの点景画(塔、滝、東屋)は、
意図的に書き加えられたもので、指でそれらの点景画を隠して見れば、不自然さは
ない。本作品は、装飾性の強い作品である。


作者紹介:

  郭煕は(1023〜1085)、北宋時代後期の郭煕は、神宗皇帝(徽宗皇帝の
父帝)より翰林院侍詔(官職)を拝命して画院に奉職した宮廷画人である。郭煕は、
翰林院では山水画を総括する首席であった。


専門用語紹介:


乱雲皺:(らんうんしゅん)

  山石画法の一つである乱雲皺は、山石の輪郭を色濃く描き、中心をぼかした
描写が空に舞い上がる雲に似ていることから、乱雲皺、または雲頭皺とも呼ばれている。

蟹爪皺:(かいそうびょう)

  蟹爪皺は樹木の代表的な描き方の一つで、冬の寒風に痛めつけられた木木を荒々しく
描いたものである。蟹爪皺の呼称は、その外観が蟹の爪に似ていることから名づけられた。



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◆中国歴代の名画とは◆
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  まず、中国絵画発展の推移と各時代の絵の特色について、紹介していきましょう。
中国絵画と文字の根源は誠に深遠であり、また象形文字の始まりは、絵画と分別の
できないほど密切なものがある。中国の絵がいつから始まったかについては、色々
説があり、仮に新石器時代の陶器にみられる紋様を絵と解するならば、中国の絵は
すでに五千年余りの歴史を有すると言える。
  中国の絵画は、人物、山水、花鳥及び竹石の四大系統にわけることができる。
その発展経過を見ると、一番最初に現れたのが人物絵で唐代以前の絵画は人物画を
中心としていた。次いで山水画が現れ、そのあと花鳥画が登場し、最後に竹石画が
現れたのである。
  彩陶の上にみられる図案には、人物、鳥、魚などがあり、われわれは、これらの
図案を、中国の原始的な絵であると認めざるを得ないが、これらのの図案は、器物
の装飾を目的とするものであって、後世でいう絵画とは目的が違うことをも指摘
しなければならないと思う。
 
  中国歴代の名画といえば、数え切れない数はあるが、その中でいくつ有名な
絵画をここに紹介して置きましょう。

あ、東晋時代(A.D317〜501)
  顧諧之(こかいし)氏が描いた「洛神図」

  同氏の描いた「洛神図」は、台湾の故宮博物院が収蔵している「名画集珍」
という画冊のうちの一頁にあり、絹張りで出来ている。「洛神」とは、洛水
(中国陜西省にある川の名です)の女神のことで、伝説によれば、三国時代、
曹丕の弟、曹植が甄氏の娘に片思いを寄せていたが、やがてその娘は自分の兄嫁
となり、皇后となった後に死んだ。曹植はいつまっでもこの美しい兄嫁皇后の
ことが忘れなかった。ある日、洛水を通過した時、おぼろげながら、この美しい
皇后を見たような気がして、霊感が湧き、「洛神賦」という詩をつくった。
  顧諧之(こかいし)の「洛神図」がこういういきさつがあって、描いたもので
、この絵では、洛神が現れたとき、六頭の竜が車をかつぎ、鯨やめくじらが
車の軸を成している場面を表している。

い.唐代の絵画
  韓幹氏が描いた「牧馬図」
  
  韓幹は幼い時、家が貧しく酒屋の小僧をしていた時に、王維の家に酒代を取りに
行き、王維が留守だったので、戯れに地面に人馬を描いていたのを、たまたま帰宅した
王維が見て大いに賞賛し、絵画を学ぶよう励ました。
  台湾の故宮博物院にある「牧馬図」は、絹張りの軸で、淡い色彩を帯びたもの
である。宋の徽宗皇帝の題字で「韓幹真跡。丁亥御筆」及び御璽があるほか、数多く
の認め印がある。絵の中に白と黒の馬を各一頭が描いてあり、胡人が白馬にまたがり、
馬の輪郭は細かく、馬の性格を雄雄しく温順に、そして馬上の人は、元気はつらつ
とした所を遺憾なく表現している。

う.五代の絵画(A.D907〜959)
  徐煕 氏が描いた「玉堂富貴図」

  徐煕は岸辺に咲く野花や、竹石、水鳥、あるいは、池に泳ぐ魚など、多くは
野生的な動植物をモチーフとして描いた。すわなち、黄筌一派の花鳥画が色彩を重んじ、
非常に華麗な絵を描いたのに対し、徐煕は淡い墨絵で富や栄華を超越した清純な画法を
尊んだわけである。
  台湾の故宮博物院にある「玉堂富貴図」は絹張りの軸で、彼の代表的な遺作である。
画面いっぱいに牡丹、玉蘭(はくもくれん)、海棠(ばら科の落葉灌木)及びつつじを
描き、最後に岩石と野禽を一匹描いている。このような画面いっぱい、隙間を残さない
画法は、明らかに仏教芸術の影響を受けたもので、当時「舗殿法」(装堂花)と呼ばれた
画法であとあろうと思われる。徐煕と黄筌は、一人は南唐におり、もう一人は、後蜀に
いたが、同時代に生きる花鳥画の祖として、後世に残した影響は頗る大きいと言えよう。


  如何でしょうか、台湾の故宮博物館にある中国伝統の名画の数々について、
また、次号に続いて紹介しましょう、ぜひ、お楽しみにしてください。

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