空気を読まない
「KY(空気が読めない)」というイヤな言葉が流行っている。
なぜ空気を読まなければならないのか? 理由はない。
みんなが同調してつくる「空気」などほとんど間違っている。
意識的に空気を読まず、空気に異議申し立てをする必要がある。
【空気を読まない】衆愚が支配する日本−朝青龍バッシングの大間違い
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大相撲で朝青龍が優勝しホッとした。一連の朝青龍バッシングはまったく理由がなかったからだ。テレビのコメンテーターごとき
がデタラメなことを言い、それが世論になった。逆のケースで小泉時代に「田中真紀子政権待望論」なるものも出た。馬鹿げた「評
価」ばかりやっているテレビが、いま隆盛を極めている。世の中が悪くなるばかりだ。
◆日本人の一人として恥ずかしい
朝青龍の優勝で、ホッとした気持ちになった。例の巡業をサボってサッカーをやっていたという朝青龍バッシングはまったく理由
のないもので、日本人の一人として恥ずかしい、と思っていたからだ。不条理なバッシングによって、朝青龍が崩れてしまうような
ことがなくて、ホントに良かった。
朝青龍バッシングは、テレビのコメンテーターと称する人たちがつくったと思っている。彼らが「サッカーができるなら相撲が取
れるはず」と繰り返し、それが世論になってしまった。こんなことは相撲はもとより、スポーツも知らない、そして知ろうともしな
い人たちがはき出すタワゴトにすぎない。トップレベルのスポーツを冒涜するものである。
◆横綱の土俵は遊びなのか
サッカー選手の運動量と卓球選手の運動量は同じ、と言われていることをご存じだろうか。中学校時代、卓球部にいた私はこれを
知ってうれしくなったものだ。しかしそれには「同レベルなら」という条件がつく。つまり卓球の世界選手権とサッカーのワールド
カップなら同じくらい。双方とも日本の国体クラスなら同じ。中学校の部活同士なら同じということだ。中学生時代の私の卓球が、
ワールドカップサッカーと同じ運動量ということではない。
朝青龍がワールドカップ並みの運動量でサッカーをやっていたなら、確かに相撲もとれるはずだ。しかし朝青龍にそんなハイレベ
ルのサッカーはできない。お遊びのサッカーをやったから「とれるはず」という相撲は、やはりお遊びの相撲でしかない。巡業とは
いえ、プロの力士同士がとる相撲にお遊びで参加したなら、朝青龍でもケガをする。
朝青龍バッシングに荷担した人たちは、力士がお遊びのサッカーをするのと同じ姿勢で土俵に上がっていると思っているのだろう
か。こんな勘違いをする人たちは、そもそもプロスポーツを観戦する資格すらないというのが私見である。
◆誤解を解く努力なし
テレビのコメンテーターごときがデタラメなことを言い、それが世論になったことについて、相撲記者たちはどう思ったのだろう
か。「遊びのサッカーと横綱の相撲は違う」ということをはっきりと書いたり言ったりしなければ、プロの相撲記者たちは存在の意
味自体がないではないか。
相撲協会の幹部たちも、そのくらいのことははっきりと言うべきだろう。「世間の誤解」というのは往々にしてある。誤解を解く
のはプロの役割である。
◆つくられる衆愚の世論
何ごとについてもいっぱし聞いた風なことを言う芸人がテレビのコメンテーターである。どの世界についてもイロハも知らない、
そして知ろうともしない。テレビばかり見ていて、大脳が退化している人間たちの耳に心地よいことを言うことだけが、彼らの持っ
ている芸である。
何かインパクトの強い事件が起こると、そのテレビ芸人によって、世論が決まってしまう。たいていの場合、それは間違いで「衆
愚」というべきものなのだが、きちんと分かっているはずのプロたちが、誤りを正すための努力をしようとしない。「衆愚の支配」
がまかり通ってしまう。その典型が朝青龍バッシングだったのではないか。
◆政治も同じ構図
相撲ならまだ良いと言うべきかもしれない。政治でも同じような現象が起きている。2001年4月、自民党総裁選で「変人」小
泉純一郎が勝利するという破天荒な事態が起きた。小泉が首相就任後の内閣支持率は史上空前を記録した。
そのとき「変人の母」田中真紀子人気も高まった。テレビのコメンテーターたちは外相に就任した真紀子が、官僚の流儀を否定す
ることを全面的に礼賛した。
もちろん日本の外務官僚は欠点だらけだし、機密費流用問題で明らかになったように、カネの面でダーティーすぎる。しかし真紀
子は、官僚から聞かなければならないことも、聞こうとしなかった。
◆田中真紀子礼賛の誤り
例えばパレスチナ問題を語るには、4次にわたる中東戦争と、関連して行われた多数の国連決議について一応理解しておくことが
不可欠である。真紀子は国際関係の基礎的知識も理解しようとせず、国会答弁で明らかな間違いを繰り返した。
外務官僚のレクチャーを聴こうとしなかったのは、官僚を嫌っていたからではないらしい。どうやら真紀子は、「同じテーマにつ
いての話を3分以上続けて聞いていることができない」人間だというのである。これでは外相が務まるはずはない。
新聞・テレビは真紀子が間違い答弁を繰り返すという事実を報じることを控えた。人気者のマイナス情報を報じると、多数の抗議
電話がかかるなどという事態があったらしいが、そんなことでは「真実の報道」のタテマエが泣く。
◆商魂むき出しの動きも
田中真紀子批判がきちんと行われないだけではない。「田中真紀子政権待望論」といった本を書く「政治ライター」も出てきた。
また田中真紀子と誰かの対談が、総合雑誌の誌面を飾ったこともある。人気者にゴマをすっていれば売れるといった商魂むき出しの
やり口だ。
大相撲の記録をつぎつぎ塗り替えようとしている朝青龍は理由なきバッシング、政治家として基礎的な資質に欠ける田中真紀子は
賞賛といった「評価」は馬鹿げている。その馬鹿げたことばかりやっているテレビが、いま隆盛を極めている。これでは世の中が悪
くなるばかりだ。


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