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 「KY(空気が読めない)」というイヤな言葉が流行っている。なぜ空気を読まなければならないのか? みんなが同調してつくる「空気」などほとんど間違っている。積極的に読まない必要がある。

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2003/10/10

「21世紀を解読する」 原辰徳解任劇の意味

 「21世紀を解読する」第90号=2003年10月10日(金)
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 筆者・発行者=田中  良太
 メールアドレス=gebata@nifty.com
 URL=http://www.gebata.com/
 【ホームページを変更します。10月中は旧URL
 http://www.asahi-net.or.jp/~tq8r-tnk/
 からリンクできます。お気に入りにご登録下さい。
 旧URLは、10月末をもって閉鎖します】
 [敬称・呼称略]
**********************************************
 ◆<原辰徳解任>独裁害・老害の読売グループ
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 9日付一般紙のスポーツ面に、
 <巨人の吉村チーフ打撃コーチら1軍コーチ5人が8日、東京都内の球団事務所を訪れ、
辞意を伝え了承された。これで、トレーニングコーチ以外の1軍コーチ陣全員の辞任が正
式に決まった>
 という記事が掲載されていた。1軍コーチの総辞任は、原辰徳解任への反逆だろう。
 同じ紙面で、堀内新監督の背番号が「88」に決まったというニュースも出ている。山
梨・甲府商高時代の恩師だった菅沼八十八郎氏(故人)にちなむ数字だという。背番号ぐ
らいは簡単に決まるのだろうが、コーチ陣を編成できるのかどうか? 他人ごとながら気
になる。
 一部の読者はご存じだろうと思うが、小生はトラキチである。5人兄弟で、長男は巨人
ファン。三男の私は対抗上、阪神ファンとなったのだと思う。ものごころついたときから、
阪神以外の球団に色目を使ったことはない。
 原辰徳辞任によって、当分巨人は「勝てない野球」をやるしかなくなった。その意味で
は歓迎だが、同時に花形球団の運営があまりに理不尽なものであることに怒りさえも覚え
る。
 プロ野球も一つの企業だが、その運営は、選手が輝くようにすることが至上命題である。
「スター選手」が球場内で、十分すぎるほどの個性を発揮してプレーする。それが「勝利」
にも「人気」にもつながるのである。
 一般に「興業」といわれるものは、すべて同じである。映画でも演劇でも、スターたち
が輝かなければ人気はでない。どの世界にも「監督」はいるのだが、監督が前面に出るこ
とさえ、危険である。
 巨人でいえば、川上哲治の管理野球があり、1965年から日本シリーズV9をやって
のけた。しかし手堅く勝ちに行くばかりの川上のゲームづくりは不評で、「管理野球は面
白くない」という反発を買った。
 長嶋茂雄は監督となっても、強烈な人気を維持した希有なスターである。渡辺恒雄が読
売新聞の社長=巨人軍のオーナーとなったのは、長嶋監督時代だった。長嶋はオーナーで
さえ首を切ることができない強固な存在だったから、「独裁者」にのし上がったナベツネ
が欲求不満に陥っていたことは容易に想像できる。
 その反動だろうか? 原監督に移行して後、ナベツネは自らが「球団トップ」であるこ
とを誇示するための言動を重ねた。その頂点となったのが、9月18日の
 <まだ分からん。(19日からの阪神戦で)3連敗したら話は別だ>
 という発言だった。
 これを知った原は
 <やってられないよ>
 という気持ちになったという。
 その背景には、コーチ陣の編成をめぐる双方の対立があったというのが、どのメディア
も書いている解説=背景説明である。
 毎日新聞は27日付朝刊に
 <唐突な辞任劇/原監督、人事への強硬姿勢は通らず>
 というタイトルで、以下のような記事を掲載している。
 <巨人の渡辺オーナーが「(続投は)決定だろうよ」と明確に語っていただけに、原監
督の辞任劇は唐突なタイミングだった。だが、原監督が自ら辞任への流れを作った面は否
めない。
 関係者の話を総合すると、原監督のつまずきの発端は、コーチ人事に全面関与しようと
した姿勢だった。鹿取ヘッドコーチに全権委任した中継ぎ投手起用が失敗に終わったこと
で、鹿取コーチが辞意を伝えた8月上旬以降、原監督は「来年はヘッドコーチはいりませ
ん。自分一人ですべてやりたい」と球団側に伝えていた。コーチ人事に加えて、ドラフト
戦略までも「監督主導でやらせてほしい」と談判していたようだ。
 だが、阪神に優勝をさらわれ、Bクラスに低迷するチーム事情を考えれば、敗軍の将の
希望がすんなりと通るわけはない。思い余った原監督が東京都内の読売新聞東京本社を訪
ねたのが今月19日。原監督は渡辺オーナーに二つの要望を述べたという。一つは、球団
フロントの介入を排除して、監督主導でのチーム編成を実現すること。もう一つは、要求
が受け入れられなかった場合には辞任もありうるとの不退転の覚悟だった。結局、原監督
は初志を貫き、身を引くしかなかった。
 18年ぶりにリーグを制覇した阪神の星野監督が、現場すべての人事権を掌握し、補強
戦略にまで影響力を行使した成功事例が、注目を集めたばかり。前任の長嶋監督も「編成
担当」の職権が付与されており、フリーエージェント補強など強大な編成権をほしいまま
にしていた。若くして実績を挙げた原監督が、人事権を掌握するオールマイティーな監督
スタイルを追い求めたことは、想像に難くない。
 「原君が辞める時はおれが辞める時だ」と語ったこともある渡辺オーナーの腹には「続
投」があっただけに、原監督がもう少し柔軟な思考を持って話し合えば、わずか2年で終
焉(しゅうえん)を迎えることもなかっただろう。【徳丸威一郎】>
 この記事は、「監督辞任」に至った事態を「原のつまずき」だとし、原に「もう少し柔
軟な思考」を要求するという一方的な立場で書かれている。「ナベツネが独裁者であるこ
とは、認めなければならない事実だ。だから上手くだまくらかすことを考えるべきだった」
というわけだろう。
 毎日の記事の筆者は、運動部記者の役割に忠実な記者なのだろう。論評の射程を「スポ
ーツ界」の枠内に限るのが、運動部記者のオキテだからである。
 しかしその論評は、当のスポーツ界内部でたいへん不評なはずだ。こんな論理に承伏で
きないからこそ、巨人の1軍コーチ陣が総辞任したはずである。
 もう一度言おう。プロ野球はタカラヅカと同じ「舞台」である。タカラヅカでオーナー
にあたる人物は、阪急電鉄の社長であろう。その人物が前面にしゃしゃり出て、演出者の
クビをすげ替えたりしたならどういうことになるだろうか。ナベツネはそれと同じことを
やっているのである。
 巨人軍の球団社長とか代表とかに起用される人物は、読売新聞の記者あがりが多いから、
ときに私にとって面識のある人物が登場する。政治部記者など、ゴマスリ上手だというこ
とだけが印象に残っている。
 このゴマスリたちが、ナベツネに「オレが主役」といわんばかりの行動を促しているの
かもしれない。もはや読売は企業として死んでいる。独裁の弊害、老害だけが目立つ。批
判精神などかなぐり捨て、政権擁護の論調を展開する紙面は、新聞界の恥だと言ってもい
いだろう。
 それでもなおかつ、販売部数では圧倒的な優位に立っている。日本人の知性はどこに行
ったのかと疑いたくなる。
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