2009/11/11
【出たっきり邦人 欧州編】900 イタリア
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■□■□■ 出たっきり邦人・欧州編・2009・11・10・900! ■□■□■
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◇◆乙編◇◆
〓イタリア・ヴェネツィア発〓
水、ゆらりゆらり
その39 国際建築展の総合ディレクターに妹島和世さん
こんにちは。
記念の第900回というのに、配信が遅れましたこと、まずお詫び申し上げます。
1年の中でも、もっとも雨の多い11月のヴェネツィア。雨や暴風、町が水に浸
かるアックア・アルタなど、うんざりするお天気の日が続くからこそ、その間
の晴れ間は一段と美しく、ありがたく感じるものです。
さて、一昨日の11月9日、ヴェネツィアで嬉しいニュースがありました。
来年の8月29日から11月21日までヴェネツィアで開催される、ビエンナーレ
国際建築展の総合ディレクターに、日本の建築家、妹島和世さんが選ばれたこ
と。隔年開催、来年で第12回を迎える同展で、初の女性ディレクターであるば
かりか、建築展と交互で行われている国際アート展も含め、日本人のディレク
ターは初めて。
国際的なイベントで、日本の方が責任者に選ばれるというのはすばらしいこと
ですし、やはり嬉しいものですが、実は、天と地がひっくりかえるほどビック
リ!というほどでもありません。というのも、建築界においては、少なくとも
イタリアから見ると、日本は、最先端の憧れの国の1つ。
こちらのメディアに露出する、現在活躍する日本人の名前が最も多いのはなん
といっても建築でしょう。
この夏、ヴェネツィアでも新たにオープンした美術館「プンタ・デッラ・ドガ
ーナ」の改築プロジェクトを手掛けた安藤忠雄さんをはじめ、フィレンツェの
ウフィッツィ美術館の拡張工事やボローニャ中央駅の新駅を手掛ける磯崎新さ
ん、あるいは伊東豊雄さん、坂茂さん・・・と、日本を代表する建築家のみな
さんの名前はイタリアでもよく知られています。
2004年のビエンナーレにおいて「金沢21世紀美術館」で金獅子賞を受賞した、
妹島さんと西島立衛さんによるユニットSANAAも既によく知られた存在です
し、昨年、2008年のビエンナーレ展では、石上純也さんのプロジェクトによる
日本館が、惜しくも賞は得られなかったものの大評判で、前後にはその石上さ
んがずいぶんあちこちの雑誌で紹介されていました。
あるいは、今やデザインの祭典と言える、毎年4月、国際家具見本市期間中に
ミラノ市内で展開するフオーリ・サローネでは、何人もの日本人のデザイナー
の作品や展示が評判になります。
また、最近では、ヴェネツィアと同じヴェネト州内、ロメオとジュリエットの
舞台であり、夏の野外オペラで知られるヴェローナで、マルモマックという世
界最大級の石材見本市の場で、「石材建築賞」を、竹中工務店の建築家たちを中
心とするボランティア・グループAAFが受賞。これは、ネパールで現地の石を
使って建てた学校建築が評価されたのですが、それに続いて、ヴェネツィアの
お隣、ガリレオも教鞭をとったという古い大学の町パドヴァでは、同地の国際
建築展では、北海道で現地の気候と文化を生かした住宅建築に取り組む小西彦
仁さんが最優秀賞を受賞する、というニュースもありました。
そんな風に、建築やインテリア、デザインの世界では、日本人の名前が出ない
ことはありません。日本では、イタリアはおしゃれなデザインの国、かもしれ
ませんが、イタリアからすると、日本こそ、デザインの国なのです。
イタリア人にとって、日本の建築家たちの作品の魅力とは何なのでしょう?
1つには、何もないところ、ゼロから新しいものを自由に設計できるということ
への憧れと軽い嫉妬。何かと規制の多いイタリアでは、公共建築はもちろん、
一軒の住宅ですら、全く新しい建物を設計するチャンスはそう多くありません。
もう1つには、日本の文化に由来するシンプルさ。常に、飾り立てることをよ
しとしてきた西洋文化から見て、もともとは単なる「ブーム」であったにして
も、そのシンプルさが、同時に使いやすさであり、機能的であることがわかっ
てきたのでしょう。
しばしば、Zen、Wabi-Sabiという単語でくくられる、日本の伝統美と、やはり
日本の十八番であるテクノロジー、それは材料面においても工法においても抜
きん出ており、その両面が合わさって、モダンな美しさとして彼らの目に映る
のだろうと思います。
ビエンナーレの話に戻ると、建築家として、通常はハコを設計されてきた妹島
さんが、初めて、キュレターという立場で大きな企画展の中身をどうプロデュ
ースするのか、1年後のビエンナーレがいつも以上に楽しみになりました。
ちなみに、現在開催中の第53回ビエンナーレ国際現代美術展は、あと10日間
ほど、11月22日まで。
萌香
ではまた次回。
ご意見、ご感想をお待ちしております。
moeca-ve@hotmail.com
ブログ:http://fumiemve.exblog.jp/
参考までに、上記それぞれ個別の詳細は、ブログにて紹介しています。
安藤忠雄さん設計 プンタ・デッラ・ドガーナ
http://fumiemve.exblog.jp/d2009-06-04
2008年建築ビエンナーレ 日本館
http://fumiemve.exblog.jp/d2008-09-15
ミラノ フオーリ・サローネ
http://fumiemve.exblog.jp/d2009-04-25
http://fumiemve.exblog.jp/d2008-04-21
(余談ながら、来年はもう少しフオーリを徹底的に回りたいと思っています)
石材建築賞 ネパールの学校建築
http://fumiemve.exblog.jp/d2009-10-05
第53回ビエンナーレ国際現代美術展については、ブログ・メインからカテゴリ
で検索ください。
◆次回は11月13日(金)オランダ、アイントホーフェンから配信予定
です◇◆
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