出たっきり邦人【欧州編】  RSSを登録する

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2009/04/15

【出たっきり邦人 欧州編】847 イタリア

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                            ◇◆乙編◇◆ 

                    〓イタリア・ヴェネツィア発〓
                          水、ゆらりゆらり
 
その34  国境近くから

こんにちは。
まずは、配信が遅れましたこと、お詫び申し上げます。

先週、6日(月)に、イタリア中部、アブルッツォ州で強い地震がありました。
世界中で大きく報道されたのでご存知の方も多いかと思います。
ヴェネツィアからはかなり遠く、私自身はまったく被害を受けておりませんが、
いろいろご心配などいただきまして、ありがとうございました。
1週間たった今日も、まだまだ余震が続いていること、多くの建物が破壊され、
避難生活を続けている人が多いこと・・・そんなわけで、自分の体験ではなく
あくまでもテレビや新聞の報道をもとにした二次情報ですが、当日以降、気が
ついたこと、見聞きしたことなどを随時ブログで綴っていますので、関心のあ
る方はどうぞそちらをご覧ください。

さて、今日は、チヴィダーレ(Cividale)という町に行ってきました。
ヴェネツィアから北東方向へ向かって、快速電車で2時間、ウディネ(Udine)
という町で、単線のローカル電車に乗り換えて20分。道路標識に、カンタンに
「国境」の文字が表示されているようなところです。実は今日は全くそんな予
定ではなく、ほかの用事で近くまで行っていたのですが、ふと時間があいて、
前から一度は行きたいと思っていたチヴィダーレに足を伸ばすことにしたので
す。なので、地図もガイドもなし、かなり怪しい、うろ覚えの予備知識がおぼ
ろげに頭の片隅にあるだけ。どうせ小さな町だから、行けばなんとかなるだろ
う、と思ったものの・・・たどり着いたお昼すぎには、道を聞こうにも軒並み
お店は閉まっているし、なんとか探し当てたツーリスト・インフォメーション
も同じく閉まっている。どうなることかと思いましたが、期待していた以上に
いいところでした。

スロヴェニア国境にそう遠くない、チヴィダーレ・デル・フリウリ(Cividale del 
Friuli)は、ローマ時代に既に自治都市として栄えていました。それどころか、
紀元前にケルト人が住んでいたとされる跡も残っていて興味深いのですが、イ
タリア半島において、ローマ時代の遺跡や、古代からの人の活動を示す跡はさ
ほどめずらしいものではありません。
この町を特徴づけ、有名にしているのは、なんといっても「ロンゴバルド族」。
はて、ロンゴバルドとは・・・なんぞや・・・?そういえば遠い昔、何やら世
界史の教科書で見かけたような・・・というみなさん、ハイ、もう少し思い出
してみましょう。
ローマ帝国崩壊の原因の1つとなった、「ゲルマン民族の大移動」。というと、
もう少し聞き覚えがあるでしょうか?ただし、ロンゴバルド族はその中でも、
ゴート族、フランク族・・・などの第1派からはかなり遅れを取り、イタリア
半島に入ってきたのは、6世紀中盤です。ただし、大勢が波のように押し寄せて
じわじわと旧ローマ帝国の領地を脅かしていったほかの民族と違い、小さなグ
ループ単位の、効果的な戦闘集団であったロンゴバルド族は、北イタリアに入
り込むと、ひとつひとつの町を攻略していきます。
そして、ここでまたロンゴバルド族がほかのどの民族とも違ったのは、彼らは、
征服した土地をつなげて領地をどんどん拡大していくのではなく、町を一つ奪
うと、戦闘隊長がその町の一国一城の主となる、という方式をとったことです。
どういう理由によるのか、はわかっていません。同じロンゴバルドの町でも、
それぞれが独立した自治体として存続し、それっぞれが自らの宮殿や、教会、
修道院などの建築に力を注ぎました。

チヴィダーレは、そんなロンゴバルドの町の1つ。
「歴史は勝者によって作られる」、の原則通り、やがて滅ぼされていくロンゴバ
ルド族については資料が少なく、まだまだ謎が多いのですが、ここチヴィダー
レには、ロンゴバルド時代のほんとうに貴重な貴重な教会建築が残るほか、周
辺で発見されている埋葬地などから、多くの考古学的資料が発掘されています。
私がどうしても、このチヴィダーレに一度は来てみたかったのも、「ロンゴバル
ドの小礼拝堂」にある、聖女たちの像を見るためでした。聖人の彫刻なんて、
イタリアの教会には、それこそ無数にあるのですが、これは大理石でも木彫り
でもなく、なぜか石膏でできていて、他に全く類を見ないものとされています。
これまで写真でさんざん眺めた聖女たちは、そのまんま、そこで静かな微笑み
をたたえていました。これが石膏でできているとは、ちょっと信じがたいくら
い。

街を歩いていて、目についたのはあちこちに貼られた「チヴィダーレ ロンゴ
バルダ」というポスターでした。よく見ると、「2008年ユネスコ世界遺産候補地」
と記されています。このチヴィダーレを筆頭に、ブレシャ、カステルセプリオ、
スポレート、カンペッロ、ベネヴェント、モンテ・サンタンジェロ、と、イタ
リア全国に点在する、「ロンゴバルド」遺産をまとめて、Italia Langobardorum
(イタリア・ロンゴバルド)としての登録を目指しているのだそうです。
今年のユネスコ世界遺産委員会は6月末、スペインのセビリアにて行われます。
このチヴィダーレ含むロンゴバルド・チームがはたして新たに世界遺産リスト
に登録が認められるのかどうか、応援しながら見守りたいと思います。

そうそうこのチヴィダーレ、少し前にスズキ スプラッシュのCM撮影に使われ
たそうです。(半分はトリエステ)
http://www.suzuki-splash.jp/gallery/tvcm.html

私もチヴィダーレの写真など、これも数日に分けてブログにアップしていく予定で
す。
それではまた次回。
萌香

ご意見、ご感想をお待ちしております。
moeca-ve@hotmail.com
ブログ:http://fumiemve.exblog.jp/

◆次回は4月17日(金)オランダ、アイントホーフェンから配信予定
です◇◆   

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