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2008/05/07

【出たっきり邦人 欧州編】751 ドイツ

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             ◇◆乙編◇◆
             
         〓ドイツ・デュッセルドルフ発〓

         <ビールだけがドイツじゃない?>

      第7回 Leipzigマラソン-42.195kmの間に考える事-
                               

皆さんこんにちは。配信が遅くなってしまい申し訳ありませんでした。

ドイツにもやっと春が来ました。1-2週間前までは曇りや雨の日が多かっ
たのですが、ここ最近やっと晴れの日が多くなりました。本当に太陽のあり
たがみを実感しています。

今回は小生の趣味の一つであるマラソンについて書きたいと思います。

小さい頃から体を動かす事が大好きで=それは、母親に毎朝たたき起こされ
て定期的にジョギングをさせられていたからだと思います=、体力的にはそ
れなりにある(と自負している)こと、そして他の人がなかなかできないこ
とをやってみよう、という思いからフルマラソンへの挑戦を決意したのが2
年半前2005年の夏、そして3ヶ月ほど練習した後、関東地方のとあるマラソ
ン大会に参加しました。その時は途中脱水症状っぽくなりつつも一応ゴール
にたどり着きました(所要約5時間15分)。

そして2回目のマラソンは、去年2007年9月末、参加人数が3-4万人とも言
われている国際的にも有名なベルリンマラソンで、人波にもまれつつ4時間
45分でゴール、次はその3週間後の10月下旬、ドイツ国内のドレスデンと言
う街のマラソンに参加、4時間14分でした。
 
今年になって、いつどこで2008年の初マラソンに出ようか考えていたのです
が、4月20日に旧東独のLeipzig(ライプチヒ、ライプチックなどと発音)で
行われるマラソンに参加することにしました。やはり私は、今は無き旧東ド
イツにノスタルジーのようなものを感じる事、そしてドイツの街の中でも好
きな部類に入ることから、ここを選びました。
 
相変わらず仕事が忙しくほとんど練習をする暇もないまま=平日は20-30分ほ
ど会社帰りに早足で歩く、土日は1時間くらいのランニング=、前日に夜行
列車で移動。ほとんど寝れませんでしたが、思えばベルリン・ドレスデンの
前もほとんど寝れなかったことを思い出しました。そして当日朝にLeipzig駅
に到着。

話はそれますが、この駅はヨーロッパで3番目に大きい駅と言われていて、
ホームが20本以上あり列車が続々入って来ます。そして、私の大好きな行き
止まり式の駅でもあり、重厚長大の典型のような建物です。初めてこの街に
来たのは1997年3月、その時は駅はまだ大工事中で、街も埃が舞っている旧
東ドイツ独特の雰囲気があったことを覚えています。
 
話を基に戻します。スタート地点の近くの本部のような所でゼッケンを受け
取り、荷物を預け準備運動。そしていよいよスタートの時間、午前10時です。
私の今回の目標は4時間を切って完走する事、そして何より楽しめて無事に
ゴールすることも目標です。走る前にいろいろと考えました。4時間を切る
為には折り返し地点で2時間以内でなければ、いや過去2回のマラソンでは
後半の方が早く走れたので、折り返しの時には2時間を少し過ぎていてもい
いか、などなど…。
 
生憎天気も悪く、観客も少ない中スタートです。周りを見てもアジア系の人
はいませんでした(これがまたいいんです!)。
 
最初の10キロくらいまで。周りを楽しむ余裕がありました。観客と目が合え
ば「hallo」、そして旧東欧の特徴である高層マンションの群、広々とした道
路、街路樹の多さなどなど…。そして、観客がどんなパフォーマンスをして
いるかも一つの楽しみです。ベルリンでは至る所に音楽隊がいて=結構多か
ったのはブラジル人のグループによる演奏=、ドレスデンで多かったのは、
数人でドラム缶をたたいて音楽を奏でている人です=ドラム缶で音楽ができ
るのですね!=。

Leipzigではドラム缶隊はいませんでしたが、数グループ音楽隊がいました。
味気ないマラソンの中でも彩りを与えてくれる、重要な人達です。そして、
交通整理の警察官や待たされているトラム(路面電車)の運転手=かなり暇
そうでした=にも感謝です。
 
20キロくらいまで。まだ体も気持ちも大丈夫です。周りの景色を楽しむ余裕
もまだあります。ただ、給水所の飲み物=水、温かいお茶、ジュース、コーラ
も=そして果物が非常においしく感じられるようになりました。体が疲れてき
た証拠でしょうか。いつもマラソンに参加するたびに思うのですが、食べ物・
飲み物は生きていく上で本当に必要な物であること、そして普段は何気なく食
べている物でも、疲れている時に食べると本当にその物の味が分かるのです。

最初のマラソンで感激したのは、梅干とコーヒー(いずれも沿道で応援してい
る方からもらいました)、ベルリンではバナナ、ドレスデンではケーキ=給水
場に置いてありました=、そして今回感激したのはレーズンです。私はあまり
普段食べる事がなかったのですが、本当においしかったです。
 
25キロくらいまで。折り返し地点でのタイムは2時間5分くらいでした。後半
頑張れば目標の4時間は切れる!、と思いつつ段々足に痛みが出てきました。
「筋肉痛は早く出れば出るほど若い」とどこかで聞いたので「自分もまだ若
い!」などと勝手に思いつつ、同じコースを2回走るので1周目で見た演奏隊
にまた会いました。寒い中座って演奏し続けるのと42キロ走るのはどっちがき
ついかな、などと思いつつ走り続けます。
 
30キロくらいまで。「走り続けるのは大変だからちょっと休もうよ」という声
と「一旦立ち止まってしまうともっと辛い」という2つの声が聞こえます。一
旦立ち止まった後に再度走り始めることの大変さはよく分かっているつもりな
ので、まだ頑張れると自分に言い聞かせます。自分との戦いです。
 
世の中にはもっと大変な思いをしている人もいるんだ(=マラソンはその比で
はない)、とか、自分が尊敬している人で腎臓癌を克服したプロレスラーもい
ます(=彼の辛さに比べたらマラソンはその比ではない)、ここで自分に負け
て止まったら後悔する、などとも考えました。
 
そして、とうとうちょうど30キロ地点で止まってしまいました。足がほとんど
動きません。練習不足が理由なのは明らかです。屈伸運動をしつつ自分を奮い
立たせます。その後は断続的に走ったり歩いたり。完全に立ち止まるとそれか
ら先に進めないので、少なくとも歩くようには心がけました。少しでも前に進
む事しか考えていません。給水所の飲み物やレーズンの誘惑に負けてたらふく
食べたせいで、胃が重くなると言うアクシデント(?)もありましたが、何度か
走り続けます。途中で時計を見たところ、もう4時間を切ると言う最初の目標
は不可能な事が分かりました。それでも早く走り終えて楽になりたい!と思
い、走り続けます。
 
40キロくらいまで。あまり覚えていません。沿道の人の声援に応える力も残っ
ておらず、とにかくゴールまでたどり着く事だけを考えていました。そして急
に思い出したことが一つあります。
 
私の高校時代の友人が、4月に不慮の事故で亡くなりました。最初その知らせ
を聞いた時は信じられず、ネットで検索したところその事故の記事を見つけて
しまいました。彼とは数年前にちょっとした行き違いから仲たがいになり連絡
を取っていなかったのですが、今年急に年賀状を頂きました。そこには「世界
にはもう旅立ちましたか?私は準備中です」と書いてあり、そのうち返事をし
ようと思っているうちに彼が亡くなってしまいました。
 
彼は旅行が大好きで、自分のHPに旅行の写真と旅行記を掲載する人で、どこで
何をする準備中だったのか、自分が今まで行った所から目的地を選ぶのか、そ
れともどこか新しいところに行こうとしていたのか、聞いてみたくとももう彼
はいません。30代という若さにて亡くなってしまった彼の気持ちを考えると、
このマラソンの辛さや自分の置かれている板ばさみ(サンドイッチ=詳しくは
前回の文章をご覧下さい)とは比較にならないだろう、とも考えました。

心の中で彼に合掌。
 
42,195キロまで。途中不本意ながら歩いてしまった事、目標タイムを切れなか
ったことなどなどが不完全燃焼ではありましたが、最後2キロくらいは全力で
駆け抜けました。

ゴール後、ベルリンでは無料でビールを飲めました(1箇所だけですが、沿道に
もビールが置いてありました)。疲れ切った、かつ喉が渇いた後のビールの何
とおいしいことか。そしてドレスデンでは無料でノンアルコールビールが飲め
ました。体のことを考えるとこちらの方が良いのでしょうか。そして今回
Lepizigでは残念ながらビールと名のつくものは出ませんでしたが、果物をたら
ふく食べる事ができました。
 
走り終わった直後は「もうしばらく運動はやらない!」と思います。が、3日
経って筋肉痛が取れると次のマラソン大会を探している自分、さらに42キロで
は物足りないので、50キロや100キロのレースを探している自分もいます。
 
後で自分の走っている姿を写真で見たのですが、今回は無念そうな表情でした。
ベルリンの時は晴れ晴れとしていて、ドレスデンの時は鬼のような形相で走っ
ていたのですが、今回は不完全燃焼の気持ちが顔にも出てしまったようです。
タイムは4時間25分でした。ゴール直後はこのタイムに不満だったのですが、
前述の通りほとんど練習をできなかったこと(ベルリン・ドレスデンの時は毎
日練習していました)、これを考えるとこのタイムはかなりいい方だったと思
っています。それに4時間以内で走ることはそうそう簡単なことではないと思
いますので。。。
 
何かで聞きました。「壁は高ければ高いほど越え甲斐がある」。そしてそれを
越えた時の達成感を味わう為に、私はまたマラソンに参加し、走り続けます。
 


===
 
前号(3月27日配信)の内容に対して、たくさんの方から励ましのメールを頂戴
しました。相変わらずサンドイッチ状態ではありますが、春が来ました。庭に
まいた花の種から芽が出ました。自分の誕生日の月である5月にもなりました。
これらはあまり関係ないのですが、なるべく前向きな事を考えるようにしてい
ます。そして少しずつではありますが、状況は改善してきている気がします。
個々のメールにご返信しましたが、改めてここで御礼申し上げます。
 

Pride Berliner

ご意見・ご感想をお待ちしています。
pride-berliner2007 hotmail.co.jp
(2007とhotmailの間に@を入れてお送り下さい)

◇◆次回は5月9日(金)アイルランド/ダブリンから配信予定です◇◆
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          【出戻り邦人】もよろしくね 

               ◇◇◇詳細は下記のHPで◇◇◇ 
         http://www.geocities.jp/detahome/
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